第二十話 散歩と待ち合わせ
どうもHekutoです。
最近PCの調子が悪くなかなか起動してくれませんそろそろ世代交代の時期でしょうか・・・まぁそんな事は置いておいて思い立ってふわっと始めた執筆も20話、何話になるかわからないけどとりあえず完結はさせるつもりです。
それでは第二十話『散歩と待ち合わせ』始まります。
『散歩と待ち合わせ』
あの魔法お披露目が終わったあと様々な人から話しかけられた。王様一家に褒められバルカスが唸り兵士達が賞賛しくれたまでは良かったのだが。
そのほかにも国に仕えろ(命令形)家の私兵になれ(命令形)とかうちの娘と結婚してくれないかとか(どこからか頭に石が飛んできて気絶してた)、嫁になれとか(女性騎士)若干変なのも混ざっていたが・・そんな応対が面倒になった俺は。
「・・・アル」
「ん?どうしたのユウヒ?」
「俺ギルド言ってくる・・夕方には戻るから【身体強化】【飛翔】【透過】」
アルに要件を簡単に伝えるとお馴染みの魔法と姿を見えなくする為の妄想魔法を使い姿をくらました。
「え?え?ユウヒって消えた!?すごい!」
「ではまたあとでなアル」
「うん、どこにいるか良くわからないけど気を付けてね?」
姿が見えなくなった俺にびっくりしてキョロキョロするも俺の言葉に返事してくれたアルに行ってくると挨拶をし俺は空に飛び上がったのだった。
「うぅぅ・・頭痛ぇ飲みすぎたか」
グノー王都一般区にある宿屋の一室、そこにはベットから這い出しながら呻き声を上げる男ガレフがいた。
「・・はいお水」
「ん?おおすまねぇシェラ」
「・・飲みすぎダメっていったのに・・しばらくお酒禁止」
「いやそりゃねぇぜ・・まぁ自重はするか・・イテテ」
のそっと起き上がるガレフに水を持ってきて注意をするシェラ、どうもガレフは二日酔いもあり強く出れないようである。そこに新たな人影が介入してくる。
「ガレフ!さっさとおきな!これから買い物行くんだから荷物持ちはさっさと支度する!」
「うぐおぉぉぉ・・ヒューリカてめぇの大声は頭に響くんだから勘弁してくれ・・もちっとまってろ準備するからよ」
突如部屋に入ってきたヒューリカは大声でガレフを急かす、その声が二日酔いの頭に響いたのかベットの上で苦しみ呻き声を上げるガレフ。なんとも情けない姿にシェラの目にも若干の呆れが混ざっているようだ。
「ふん、まったく良く飲むくせにいっつも二日酔いなんだから・・もう少し考えて飲むことを学ぶんだね・・シェラおいで折角買い物に行くのに朝から酒臭くなっちまうよ」
「わかった・・先に行ってるねおとうさん」
そんな会話をしながら部屋を出ていく二人に手だけヒラヒラと動かすガレフの姿はどこか哀愁を漂わせていた。
一方その頃、とある城壁の上。
「ふむ中々のロケーションだな、この辺から散歩しつつギルドを探すとしますか」
未だに魔法で姿を隠したままのユウヒは高級区と一般区の間にある城壁の上から王都を眺めていた。ギルドがある大体の場所は城で聞いていたようで、散歩しながらゆっくり行くつもりの様だ。
「とりあえず路地裏にでも降りて魔法をとくかなっと」
ユウヒはそんな独り言を言ってふわりと一般区の路地裏へと飛び降りて行くのであった。
「よっと、んー誰も居ないな・・【解除】それから【探知】と右目起動っと準備完了!さて散歩としゃれ込みますかな」
俺は路地裏に降りると一旦魔法の効果をすべて解除し新たに探知の魔法と右目を使い路地裏をあとにした。
「んーファンタジーだなぁいろんな種族が歩いてる・・これもグノーならではなのかな?」
そこには中立国家と言うだけあるのか様々な種族を見かける事が出来た。普通の人族や耳の長い者、異様に背の低く小柄な者、まさにずんぐりむっくりと言った感じの者や頭やお尻から多種多様な耳と尻尾を生やす者など。その光景は、まさにファンタジーと言うに相応しい光景だった
俺が出た場所は露店通りといった感じの場所でまだ朝と言っていい時間帯だが活気に溢れている。売っている物をゆっくり見ながら歩いているとあちらこちらから買ってけコールが上がるそんな中、おいしそうな香りを上げる屋台を見つけたので近寄ってみる、どうやら串焼きの様な物を売っているようだ。
「お!にいちゃんうちのコッケルの串焼きは最高だぜ!買ってくかい!」
「コッケル?」
「なんだぁ?にいちゃんコッケルを知らねぇのか?コッケルってのはな、Gランクの魔物でニワトリをそのままデカくしたみたいなやつさ。だがこいつがうまいんだよ!」
素材の名前を言われてピンと来てない俺に店員の男性は説明してくれる。どうやら美味しい魔物のようだこれは脳内にメモだね。
「へぇーそれじゃ一本頂戴」
「まいど!銅貨一枚だ!」
味にも興味が湧いた俺は、小さな長方形の銅貨を一枚男に渡すとその手で串焼きを一本受け取った。
「ありがとな!よかったらまたよってくれよ!」
俺はそんな声に後ろ手で返答しながらまた露店通りを歩き始めた。
「もぐもぐ・・んぐ・・美味いな、なんだろ昔食べた地鶏を思い出す歯応えだ」
これは二本くらい買えばよかったかと考えながら他に美味しそうなものは無いかと視線を彷徨わせる。こう見てみると串焼き屋台が結構多いようである異世界のファストフードってことなのか、事実俺のように食べながら歩く人影も多い、そんな風に屋台を見ていると今度は甘い香りがしてくるのでそっちへ歩き出す。
「いらっしゃい!甘くておいしいキルットの串焼きはいかがですか?」
キルットと言えば昨日食い損ねたグラッセの素材じゃないか、しかし…今はそれ以上に重要なことがあったので俺は店員に質問した。
「ところで御嬢さんのその耳はおいくらですか?」
「?・・・み、耳は食べられませんよ!?」
俺の言葉に最初キョトンとしたあと若干涙目になり両手で頭の上についた真っ白で長い耳を押さえて慌てるまだ幼さの残る女性。そう兎耳少女なのである、いやぁ異世界最高だねぇ・・ケモ耳パラダイスだよ。
「いや冗談だよ可愛い耳だったからついね、お詫びに3本ほど買っていくよ」
「か、かわいいだなんて…人族の人からは初めて言われましたょ・・えへへぇおまけして銅貨2枚でいいですぅ」
褒められてうれしいのかクネクネしだす兎耳少女に銅貨2枚を渡して串焼きをもらう・・しかしこの世界の人族はあまり獣人に萌えないのかね?こんなに可愛いのに。
「もぐもぐ・・うむ野菜の優しい甘みがいいな、ところで御嬢さん冒険者ギルドの位置を知らないかい?」
「えへへ・・は!冒険者さんなのですか?このまま露店通りを下って突き当りを右ですね」
「そうかありがとう俺は冒険者のユウヒだ、まぁ何か依頼があればよろしくね」
どうやら耳を褒められたの嬉しかったのか俺が話しかけるまで顔の前まで垂らした耳を触りながらトリップしていたようだ・・その姿もなかなか良かった言っておこう。また一応冒険者だし名前もそこそこ知られた方がいいかと思い名前を名乗りその場を後にしギルドに向かった。
「むぅ・・冒険者ギルド!って感じだね」
外観は入り口正面にそこそこ広めのウッドデッキと入口が一つ、どこか西部劇に出てくる酒場を彷彿とさせる作りだ。いつもでも外に立っていても仕方ないので中に入る。
「へぇ中は二階建てで吹き抜けになってるのか1階も面白い作りになってるな」
1階は半分がウッドデッキと同じ高さの木の床でできている、もう半分は一段低い土間になっていてどうやら裏口までつながっているみたいだ。荷運びできるような作りと言う事なのだろうか。
「ふーん面白いなぁこっちは依頼が貼ってある・・雑用やら配達やらが多いな」
「ん?見ない顔だな兄ちゃん何か用か?」
壁に貼ってある依頼を眺めながら何か面白い依頼は無いかと探しながら歩いていると、カウンターの向こうに座っている男性が話しかけてきた。
「はい?ああどうも冒険者のユウヒと言います今日は待ち合わせで・・ガレフって人知りません?」
「なんだガレフの知り合いか、今上に居ると思うぞ?次は何か依頼受けてけよ」
どうやらガレフとは顔見知りの様である、彼に言われるまま二階へ上がる階段に足を向けながら了解と返事をしておいた。
場所は少し上に変わりグノー冒険者ギルド2階。このギルドは古き良きギルドでそれなりに広いのだがどこか雑然とし狭さを感じてしまう、作りは石と木造でできた2階建てで2階部分が酒場になっている。
「まったく、ガレフが遅いからあまり周れなかったじゃないかい」
「いやお前これだけ買や充分だろ・・・」
2階の酒場スペースそこには、お怒りの様子のヒューリカとぐったりとしたガレフその横には結構な量の荷物が置いてある。
「あと武器屋と防具屋行ってメンテも朝のうちに出しときたかったんだよ」
「まぁまぁ、それなりに廻れましたし落ちついてよヒューリカ」
「うん・・落ち着く」
机に突っ伏しているガレフを睨みながら文句を言うヒューリカをカステルとシェラが宥める。
「むぅ・・そうねわかったわ・・ありがたく思いなさいガレフ」
「へーへー」
ヒューリカの言葉に生返事で返す垂れたガレフの背後に人影が近づき話しかける。
「もうみんな来てたんだ早かったね?ってか人数減った?」
「あら、ユウヒ昨日ぶりだねぇ」
「ユウヒさんこそ早かったですね」
「ナルシーブはどっかに消えた・・」
三者三様ユウヒにむかって話し出すもガレフは手だけで挨拶をしている。そしてどうやらナルシーブとはすでに分かれているようである。
「ユウヒさんこちらにどうぞ」
「お?じゃ失礼・・ガレフ死んでるな飲みすぎか?」
荷物置きになっていた椅子を片付けてカステルがユウヒに椅子をすすめる、その椅子に座りながら目の前のガレフに若干呆れた視線を向けるユウヒ。
「うん、飲むといつもこんな感じ・・」
「さて忘れないうちにこれがユウヒの取り分だよちゃんと均等に分けたからね」
「ああ信用してるさ・・結構な量だな?」
「一応国からの依頼扱いだからねそれなりに報酬はいいのさ」
ユウヒは予想より多かったのかキョトンとした顔で貰った布袋を見ていた、しかしヒューリカの反応から国の依頼報酬としては妥当なのだろう。
「ふぅ・・ユウヒはどうだった?城は美味い飯食えたんだろ?」
「ん?・・んーまぁ美味かったけど昨日はそれどころじゃなかったから」
「何かあったんですか?」
ガレフが起き上がり城での事を聞いてくるも、昨日の事を思い出したのかユウヒは若干疲れた顔で返した。その顔が気になったのかカステルも話に入ってくる。
「んーまぁいろいろ事件があってね昨日の晩飯は食べれなくって軽いものを食べただけなんだよ、それで今日も城に泊まることになってるんだけど」
「二日も続けて城に泊まれるとはすごいじゃねぇかはっはっは・・いてて」
ガレフはまたも城に泊まると聞いて可笑しそうに笑うも二日酔いの頭痛で再度机に伏したのだった。
「事件ってのが気になるところだけど・・聞かないほうがいいだろうね」
「そうだねーあまり首を突っ込まない方がいいかもね」
「ふふ、でも何か困ったことがあったら相談しなよ?一度はパーティ組んだ仲なんだ安くしとくよ」
「そう言ってもらえるとうれしいね」
「むむむ」
「・・・・」
ヒューリカは事件が気になったようだがユウヒの言葉に嫌な臭いでも感じたのか聞くのをやめた。それでもユウヒの事を気に入っているのか助力を約束し従いに笑いあうヒューリカとユウヒ、その二人を何だか面白くなさそうに見つめるカステルと無表情で見ているシェラだった。
「で?ユウヒはこれからどうすんだ?俺らはしばらく王都でゆっくりするが」
「そうだね、依頼でも受けながら冒険者ランクでも上げてみようかな?」
「そうだな・・あれだけできてFランクは詐欺だぜ・・」
ガレフのその言葉にユウヒ以外皆頷いたのだった。
「詐欺ってひどいなぁ」
その後、ガレフの奢りで(ヒューリカが脅して)みんなで軽く昼食を食べたあと各自解散となったのだった。
ユウヒ達が騒がしくも楽しい昼食時を過ごしている頃、とある執務室では。
「なるほど、ユウヒさんと一度顔合わせをしたいという事ですね?」
約24時間前の事件から立ち直ったアミールが魔力通信でとある人物と話をしていた。
「はいぃ、たった一人の加護対象ですし私が直接加護の内容に関してお話したほうがいいと思うんです」
その通信の相手は兎と豊穣の女神ラビーナ、今も頭の上で忙しなく動いている長く白い耳が特徴で、その動きからは若干の緊張が伺える。
「たしかにそうですね、私もまだこの世界の事については調べている途中ですし加護についても詳しくは解らないですから」
そう言うアミールの後ろには大量の資料だろう紙媒体の書類の山が出来ている、中には石版や羊皮紙なども見受けられる。
「忙しい中申し訳ありません・・でもアミール様が来て頂き本当に感謝しています!以前の管理神の方々は私の知る限りではあまり何もしてくれなかったのでぇ・・」
少ししょんぼりし謝罪するもすぐに元気にお礼を言うラビーナ、しかしその言葉は尻すぼみになっていく。
「そうですね此方で調べた結果もまったく手をつけていないようですし」
「んん?でも世界に因子の投与はよくされていたようですよ?」
「あぁそれは・・世界ゴミの定期的な投棄ですね。つい最近此方の世界への世界ゴミの流入を禁止する決まりが出来たのでもうそれも無いと思います」
ラビーナの言葉に少し暗い顔をさせて返答するアミール。アミール自身この世界にゴミを投棄し続けていた事実にいい思いは無いようである、しかし。
「いえ?それ以外にもいろいろとされていると噂で聞きましたが?」
「え?そんなデータ此方には何も残ってませんよ・・」
どうやらアミールの言った事とはまた別の話であるようだがアミールには何のことだか見当がつかないようだ。
「私が知っているのもぉ知り合いの神の間でまわってきた話で、直接見たわけじゃないんですけどぉ」
「(うそ、昔の災害以降この世界への流入は厳重に記録することってなってるはずなのに・・記録が一切無い?)」
アミールは難しい顔で考え込み始めラビーナはどうしたらいいのかわからず耳を忙しなく動かしながら少し涙目になっていた。
「あの!その因子等の流入に関しての話が最近も無かったか調べてもらえませんか(先輩の話に繋がるかも知れませんね)」
「え!あ、はい。あのでも少し・・いえ結構時間かかりますけど大丈夫でしょうか?」
「はい?まぁそこまで急かしたりはしませんが?」
「りょうかいです!・・えへへぇ何分知り合いに聞いて回るだけなんですがぁみんな自由奔放でなかなか捕まらないんですよぉ」
実はこの世界の神々は非常に数が多くその能力や在り方もピンからキリまであるものの、その大多数の神は自由奔放であるため大勢の人々が崇めるような神意外は連絡方法が無いに等しい。
また連絡が着く神とは、人間や様々な種族に崇められ神殿などを建ててもらっている神々であり神殿などから連絡を取る手段が取れるだけである。
「でも人気の神々はみなさん忙しくてやっぱり時間がかかるのですよぉ・・すみません・・」
「あ!いえ!?・・委員会も似たようなものですから・・どこも変わらないのでしょうかねぇ」
ラビーナの言葉にアミールは現在資料請求をしたものの一向に返信の無い委員会の事を思い出し苦笑しながらラビーナに答えた。ラビーナも何か察したのか困り顔で互いに苦笑いを続けるのであった。
「それではお願いします、こちらもユウヒさんと連絡が取れ次第ラビーナさんの件については話してみますので」
「はい!よろしくお願いします。私もメディーナちゃんに手伝ってもらって調べてみます」
「メディーナさん?」
今回の話し合いの最終確認をするもそこで知らない名前が出てきたことに気になったのかアミールは首をかしげた。
「はい♪私の大事な親友ですぅとても親切なんですよぉ」
「そうですか、頼れる仲間が居るのはいいことですね。それでは以上で通信を終わります」
アミールはなるほどと疑問顔だったものをニコニコとした顔でいい事ですと言うと通信の終わりを告げた。
「はい!」
ラビーナのその言葉を最後に通信は終了した。通信を終えたアミールは少し伸びをした後、大量の資料を恨めしく見つめると無言で仕事に戻ったのであった。
どうでしたか?誤字脱字は無いと思いますが・・。
最近色々書き方を工夫しようとしてますがなかなかうまく行きませんねプロの小説を読みながら書き方を独学と言った状況です。読みやすくまたわかりやすく書けるといいのですが・・。
内容は、中々どうなのでしょうか結構進むの遅い気もするしこんなものかなって感じもします何がいいたいかと言うと・・・これからもよろしくです。
それでは次回予告!ギルドを出たユウヒ!彼はフラフラと街を歩く・・そしてそこで判明する新事実!・・・とかシリアスにはなりまs
それではまたここでお会いしましょ!( ゜∀゜)ノジ




