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ワールズダスト  作者: Hekuto


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第十九話 ユウヒの魔法と人々の評価

 どうもHekutoです。


 執筆に時間が取れないなか十九話投稿できました。最近は読んでくれる人も増えてきたようでやる気は上がってるのですが何故か執筆は進まない・・トテモフシギデス(ぁ


 まぁそんなわけで第十九話『ユウヒの魔法と人々の評価』始まります。



『ユウヒの魔法と人々の評価』



「ユウヒー頑張ってー」

 離れた位置に退避したアルが手を振りながら大きな声で応援?してくる、その周りにには案山子を設置した兵士も興味深げにこちらを見ている。


「がんばるねぇ?まぁ最初はほどほどにでいいよねまずはあれから行くか」

 使う魔法を決めた俺は手を軽く前に出しあの魔法を少し控えめにして妄想を開始した。


「・・大地よ発起せよ!【グラン・ヘッジホッグ】!」

 妄想を完了し案山子の数メートル手前の地面に手を付きキーワードを唱えると、依然使った時のものより少し控えめな大地の発起と控えめな太いとげが地面から現れ案山子を串刺しにするとゆっくりと針が地面に戻る。しかしいくら控えめとは言えその一撃は案山子を空中に浮かび上がらせ使い物にならないレベルまで壊したのだった。


「ふむ?今回は生き物じゃないからかすぐに引っ込んだな」


「「「・・・・ぉぉぉおおおお!!」」」

 少し静まった練兵所が騒がしくなり始めるあちらこちらで歓声が上がっているようだ。とりあえず喜んでくれているようなので、こんなもので良かったのかなと考えているとアルが数人の兵士とさっきより大きい案山子を伴って駆け寄ってくる。


「ユウヒすごかったよ!でも前のより控えめだよね次はもっとすごいのが見たいな?」

 なんて無邪気に言ってくるアル、その後ろでは先ほどより大きくまた硬そうな金属製の案山子を急ぎ設置する兵士達の姿が見える。その顔はどこか楽しげに見えた。


「いや土系であれより派手だと練兵所の損傷がなぁ?」


「大丈夫だよ!そのくらい家の兵士ならすぐに直せるから!遠慮しなくてもいいよ!」


「「「えええ!王子!?」」」

 俺らの会話が聞こえたのか設置作業中の兵士達の顔から楽しげな雰囲気が消え驚愕の表情と共に悲痛な叫び声が上がる・・まぁがんばれ兵士さん達、俺はそんな兵士達に心の中でエールを送った。どうやらもっと、との事らしいのであの案山子が吹き飛ぶくらいなのがいいかと思案すると。


「わかった、その代り次の一発で最後な?魔力も無限じゃないんだ」

 まぁ無限なんだけど、そこは黙ってた方がいいよね?妙な噂とかたったら面倒この上ないからな。


「そっか・・そうだよね魔力かぁ、うんわかったがんばってね」

 少し残念そうな顔をするも理解してくれたのかしょうがないよねっとまた離れた位置に戻るアル、もっとすごいのと聞いたからか案山子を設置していた兵士さん達は、慌ててそれに付いていきさらにタワーシールドと言うのだろうか、重厚かつ体をほぼ隠せそうな大きな盾を構えアルを守る様に陣形を作る。流石は本職その動きは流れるようであった。


「しかし派手ねぇ?・・うーん・・案山子は2メートルちょっと?かな威力強めで被害範囲は狭めてぇ・・」

 観客席?では王族一家の楽しそうな笑い声が聞こえる、最初のでも十分喜んでもらえたようではあるが。自分も高威力の魔法はまだ試せてないのである意味場所も提供してもらえて丁度良かったのかもしれないと思いなおすと・・・少し強めでやってみるかと妄想を開始した。


「それじゃ漢らしいので行くかな・・妄想開始、男、漢、ロマン、唸る、猛る・・・・」

 俺は、いくつかある定番であろう男のロマンからあるモノを妄想したのだった。


「それは漢の魂!雄々しくソラを穿て!【ドリルピラー】!」

 俺が手を空に向け勢い良くキーワードを唱えると地の底からゴゴゴっという低く唸るような音が鳴りはじめると、次の瞬間目標の案山子の足元から爆発するように高速である競り上がったあるモノは直上にあった硬そうな金属製の案山子をバラバラに分解しながら上空に吹き飛ばしたのだった。


「うぅむ素晴らしい!・・やっぱ男のロマンったらこれだろう?」

 両手を腰にあてソラを見上げる俺の目の前には3~4メートルはあるだろうか?二重螺旋を描いた円錐状の柱が高速回転をしながらソラに向かって伸び舞い散る案山子の残骸と粉塵の中、その黒金色に染まる肌に鈍く鋭く朝日を反射させていた。


「ドリルは男のロマンだよ!・・「おおおおおおおおおお!」」

 なかなかの出来に満足しながら俺がその魂を見上げていると自らの役目を終えたと言わんばかりに、重い地響きを立てながら地面に消えていく『ドリル』、それを見ていた者達は一拍置いたあと雄叫びと歓声を上げていた。時折そんな大きな雄たけびのような声の中にいくつかの言葉も聞こえて来た。


「すげー!すげーよ!何か良くわからないけど感動した!」

「槍か!?いやもっとすごい何かだよな!かっこいいぜ!」

「素晴らしい!私のセイケンもあのような力をを持っておったら!のう!るてぃぐほ!」

「もう!変な事言わないでください・・////」


 どうやら大変好評のようである、流石男のロマンだからか俺の妄想の仕方がよくなかったのか魔力もかなりもっていかれた感触がある・・・しかしそれも今までの妄想魔法に比べたらであって全量からすると大して減った気はしないのだけど。てか王様明らかにイントネーションが違ったよね?事実王妃様は若干顔を赤くしながらも、その右の拳を誰のとは言わないがレバーに繰り出しているし・・まだ朝ですよ。


「ユウヒー!すごかったよ!すごいなぁ地属性!いままであまり目立たない属性だと思ってたけどこんなこともできるんだねー」


「・・・まぁ魔法の可能性は無限だからな」


「そうだね!」

 興奮してキラキラした視線を俺にぶつけながら燥ぐアル、俺はその姿に苦笑いを浮かべながら返事をすると一緒にその場を後にしたのだった。俺が去ったその場所にはいつも多少荒れても平らな練兵所の地面に大きく空いた窪地と、あまりに近くで見たせいか動く事無くそれを見詰め大きな盾を構えたままの姿で呆然とする兵士の姿があった。


「・・王子・・これ直すんすか?・・」

「・・頑張ろうぜ?・・」

「ああ、今日はこの作業だけで一日が終わりそうだな・・」

「「一日で終わるのか?」」


 盛大な歓声と興奮の中、彼らモブ兵士三人の声が悲しく虚空へ消えていったのだった。





 所代わりここは練兵場の観客席。


兵士A

「・・・すごく・・大きかったです・・・?あぁ最後に見た魔法だよ3メール以上はあったんじゃないか?あの大型案山子がバラバラになりながら吹き飛ばされたんだぜ・・」

 今見た光景が信じられないと言った表情でふと自分の手を見詰める男、その手は小刻みに震えていた。


「はっ・・震えてるよ・・しょうがないよな?あんなすげー魔法初めて見たんだ恐れたってしかたねぇ・・でもさ感じたんだ恐れだけじゃなくて・・何て言えばいんだろな?こう?あれだあの魔法には何か男らしさを感じたんだよ・・何言ってんだろな・・ははは」

 吐き捨てるような言い訳の後、その男はどこか清々しい顔で笑いながら窪地を直す為にのろのろ動く兵士達の手伝いに行くと言うと軽い足取りでその場去ったのだった。



顔を赤くした女騎士H

 素晴らしい!あれほどの魔法を連続して使ったにも係らず息一つ乱さないとは・・まるで御伽話の英雄を見ているみたいだ。


「そういえばあの御伽噺の英雄は女騎士と良い仲になっていたな・・・これはイケル!」

 私はイケナイ妄想を頭の中で繰り広げてしまい顔が熱くなってしまいその先の記憶があまりない、何かイロイロ言ってしまった気もするが・・・。


「とりあえず情報収集が必要だな後輩にも手伝わせるとするか」

 私は早速行動に移すことにしその場を後にしたのだった。



 そこから少し離れた観客席


王族B

「最初の魔法もなかなか良かったが最後の魔法は次元が違った!使用されているだろう魔力量もきっと段違いだろうがそんなんじゃぁない!」

 男は、拳を顔の前で強く握ると興奮した声で続けた。


「あれは槍とか杭とかそんなちゃちなモノじゃない!あれには魂を・・そう男の魂を感じた!私のセイケンだってそう弱くは無いが流石にあれには負ける・・しかし!私は勇気をもらったよ!さぁ!ルティアナ私たちも負けてられん!早速くんれヴォリューション!・・・・」

 興奮した男は最後まで発言する前に隣で顔を俯かせプルプル震えていた女性の右拳によって錐揉みしながら宙を舞ったのであった。


「まったく!あなたときたら!場所をわきまえなさい!・・・そこの者!バルを寝室に運んでおいて・・それからあなたたちしばらく寝室に近づかないように!いいですね!////」


「「は!了解しました!」」


「はい、昼食の時間まででよろしいですね?」

 そんな会話返答をするメイドに女性は赤くした顔で小さくコクリと頷くと、その場を後にしたのだった。



 とある国王夫妻を見送る3人


男性騎士と二人のメイド

「またお子様がお生まれになるのかしらぁ?」

 そのメイドは嬉しそうに、右手を頬に添えると口元をニヤつかせながら呟く。


「それじゃ次も女の子ですねぇ・・うへへ・・」

 少し小柄のメイドは、両手を少し赤らんだ頬にそえるとナニカを妄想しクネクネと怪しい動きを見せる。

 

「ん?あの話は迷信じゃないのか?しかし娘かぁ・・・俺も今日は頑張ってみるかなぁ」

 3人の中にある共通の認識か何かなのか妙な妄想と想像をする二人のメイドと一人の男性騎士はそんな会話をしながら練兵所を後にしたのだった。



 そのすぐ近くの座席


仲の良い姉妹、姉Tと妹R

「・・・お姉さま、妹ができるの?なんで?」


「え!?いえその、確定じゃなくてね?かもしれないってお話しよ?」

 妹がきょとんとした不思議そうな顔で顔を赤くした姉に質問する、その質問の内容に顔を更に赤くしながらも答える優しい姉。


「・・・どうして予測できるの?なんで女の子ってわかるの?」


「そ、それは・・えっとあのね・・ぁぅぁぅ」

 妹の疑問を深まるばかりなのかその口撃の手を強めた、その連撃にぷしゅ~っという音を上げそうなほど赤面し固まる姉。なんとも微笑ましい姿である。



 城のどこか。


黒装束の女

「なんなんだいあれは!?あんな威力の魔法アクアリアでも早々お目に掛かれるものじゃないよ・・・いったいあのユウヒとか言うヤツは何者なんだ」

 そう言うと練兵場を歩くユウヒを見詰める。


「あれだけの魔法を使って疲弊した様子もないなんて、あいつらが言う勇者ってのもあながち間違いじゃないようだね・・でも勇者か・・どちらかって言うと大魔法使いって言った方がピンとくるけどまだ何かあるのか・・これはまだ観察が必要だね」

 その瞳はユウヒをとらえて離さずじーっと見つめていた。


「・・・・////・・・は!違うこれはお頭に頼まれたからで!他意はない!そうこれは仕事だだ!・・・・いけないそろそろ戻らないと・・くっ」

 そう言うと黒装束の女性は名残惜しそうにして影に身を潜ませると姿を消したのだった。とある気配に気が付かぬまま。


「「「・・・・・・」」」



 すぐ近くのとある気配の元


「これはまさか・・・フラグ立ったでござるか?」

「御嬢ならツンデレ?・・・ヤンデレフラグもありか?」

「流石勇者ユウヒこんなところにまでフラグ建設とは」


 先ほどまで何もなかった場所に三人の男が現れる。


「しかし流石は同士!男のロマンをわかっているでござる!」

「あぁ素晴らしいドリルだった・・・個人的にはパイルバンカーも良いんだが」

「俺らにロマン武器とか作ってくれないかなぁ」


「それならまず刀でござる・・・でも・・斬艦刀とかいいなぁ・・」

「確かに忍者だしなぁ和風武器が欲しいところ、でもパイル・・」

「次あった時にでも頼んでみるか・・・おれは、ドリル欲しいな・・ドリル手裏剣?」

 そう言いあいながら思い思いに実用性微妙なロマン武器を妄想する3モブであった。





 ここはとある管理神の執務室。


「それでは説明は以上じゃ準備が出来次第調査に当たっってくれ」

 真っ白な少女が目の前の女性達になにやら指示を出しているようだ。


「ところでジ・・イリシスタ様この者使い物になるのですか?」

 と言いながら真っ白になって床に転がっているチャラウォンを指差すハニーブロンドの長いストレートヘアが美しい長身の女性。


「ふむ、マーリン殿の無制限耐久説教を受けておったようだしの?まぁ死んでないのじゃなにかに使えるじゃろ」

 その可愛らしい姿に似合わず辛辣な返事を返すイリシスタ。


「へー見事に真っ白だねぇオモシローイあははは」

 そう笑いながら荷物を運ぶ台車にチャラウォンを軽々と乗せる綺麗な黒髪の女性。


「まぁいいじゃない、ね?そろそろ行かないと時間ばかりかかっちゃうわ」


「・・そうだな、それでは言ってまいります!朗報をお待ちください!」

 ふわりとしたハニーブロンドの髪で眼鏡をかけた女性の催促に考え直した長身の女性は、イリシスタに出発を告げると3人と荷物?はその場を後にした。


「ふむ、何かわかれば言いのじゃが・・・!!!」

 真剣な表情でそんな呟きをしたイリシスタであったが、何かを思い出したのか驚愕の表情をすると彼女らが出て行ったドアを開け放ち大声を出した。


「お前達!お土産忘れたらだめじゃからなぁぁぁぁ!!」

 その大声を聞いた一般職員が驚き躓き、例の3人は『は~い』と手を振りながら答えたのだった。


 いかがでしたでしょうか?誤字脱字が無いといいですが。


 今回は比較的短めでしたね・・もっと魔法を使ってみてもいいなとは思ったのですが・・苦手な戦闘描写で出せる新魔法が無くなるからとソンナリユウデハナイデスヨ?


 えぇそれから感想をくださる方ありがとうございます。やはり独学初心者としてはとてもためになりますから・・感想の催促じゃナイデスヨ?w


 そんなわけで次回予告!ドキドキ早朝魔法演習を終わらせたユウヒ!しかし彼の気がつかないところで妙な流れが!!ユウヒを取り巻く世界の流れはどこへ!?


 それではこの辺で次回もここでお会いしましょう!さようならぁ~( ゜∀゜)ノジ

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