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ワールズダスト  作者: Hekuto


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第一話 男と美女とゴミ箱の中

 どうも、こんばんわ、はじめまして、Hekutoです。


 投稿早速読んでくださる方だけでなく感想までいただいて感動してはしゃいだ結果がこれです。こんなペースで書いてたらすぐに枯れてしまいそうですが、最初だけですよね・・・きっとそのうち亀さんです。


 それでは、第一話『男と美女とゴミ箱の中』始まります。

『男と美女とゴミ箱の中』


 茫然とした心のまま外を彷徨う様に歩きまわり、刺さるような熱い夏の陽射しから逃げ、いつの間に目の前に現れたアーケード街に涼を求めやって来ていた俺は、自分の中でグルグルと回り続ける形容しがたい不快な感情を誤魔化せないかと、そんな気まぐれな思いで俯く女性に向かって歩を進めたのだ。


 それがあんな結果になり、またこれから起こる様々な事件と出会いの切っ掛けになるなんて、誰が想像できただろうか、少なくともその時の俺には想像も出来ない事であったのは確実である。


 俺の名前は天野あまの 夕陽ゆうひ、夕陽のように綺麗な心の人間になれって意味で付けられたらしいのだが、現在進行形で俺の心はとても夕陽の様に澄んだ気持ちで見れるものではなく、ただただ悲しみと困惑の感情がぐちゃぐちゃに混ざり合い、かつて封印した様な混沌とした闇が広がるばかりであった。


 その日は、俺が9年間やり続けているMMOの定期メンテの日で、終了時間は14時を予定されており、俺はその終了をパソコンや周辺機器であふれる机の椅子に座り待っていた。しかし、14時にPCを立ち上げ公式ホームページに繋いだ俺は、そこで驚愕に事実を知ることになる。



【 本日13時30分当社のサーバーを管理するビルにて致命的なトラブルが発生し、当社が管理するすべてのサービスが使用不可能となっております。

 ユーザーの皆様には大変心苦しいのですが、当社で行いました緊急会議の結果、以下に示すタイトルのサービス凍結を決定させていただきました。凍結されるタイトルは、ク―――】



 最初は何を書いてあるのか理解できなかった。いやしたくなかったのだと思う・・・そう、そこにはしっかりと、俺が9年間愛し続けたMMOのタイトルが書いてあったのだ。


 公式ホームページの隅から隅まで何度も読み理解した結論は、ほぼ再プレイ不可能。出来たとしてもそれはまったく別のMMOとしてデータも真っ白な状態からとのこと、俺はその事実をすぐに受け入れる事が出来ず・・・落ち着くために外へと散歩に出かけたのだった。


 きっとその時、俺の状態は傍から見ても相当異常に見えたのだろう。玄関を出る直前に後ろから聞こえてきた声は、最近少し小生意気になってきた妹の普段は見せない不安そうな声で、その声はどこか遠くに聞こえ、そのくせ妙に俺の耳に残ったのだった。


 そして今に至る、どうやら目の前の女性は慌てて喋ったので舌を噛んでしまった様だ。・・・なるほどこれがリアルドジっ娘萌えってヤツですねわかります。


「あ、ああ・・・聞くだけだけどな? てか舌は大丈夫か?」


「ご心配ありがとぅございまふゅ! ・・・大丈夫です」

 目の前で頬を赤くしながら必死に話す女性は、とても綺麗な金色の髪と目をしており、こんな完璧な美女と真正面で喋った事なんて無い俺は、この時正直緊張していたのだが、それ以上に慌てて話す彼女の様子にある意味緊張を解され、なんとか話を進めることが出来ていた。


「・・・で? 何かお願いがあんのか? 出来ないことじゃなければ多少は聞くぜ?」

 緊張のせいか少しいつもと口調が違う気がしつつも、自分のこのぐちゃぐちゃの心を誤魔化すには、緊張も僅かな偽善も丁度いいかなと思い、その感情のせいか口からは自然と言葉が零れだす。


「本当ですか!? 嬉しいです、実は!」

 話によると、彼女は仕事で最低な上司に押し付けられた『ゴミ』があるらしく、その管理を押し付けられているらしい。そんなゴミさっさと捨てたらいいじゃねーかと、なんとなしに言ってみたのが・・・。


「そ、そんなことできませんよ! それに、捨てられる場所もありませんし・・・」

 との事、何か危険な物なのだろうか? さらに話を進めると『ゴミ』は大量にあるらしく、案の定その中には危険なモノもあると言うではないか。


 正直そこまで聞いてしまうと逃げたい気持ちでいっぱいになって来たのだが、どうやらそのタイミングを逃してしまったようで、少しの間口を噤んでいた彼女は、意を決したように顔を上げ「実は、その危険な『ゴミ』の回収を頼みたいのです」と、上目使いで言ってくる。


 これは、実に卑怯である。


 こんな美人にそんな頼まれ方をしたら、普通誰だってホイホイと頷いてしまうだろう。事実周囲からこちらの様子を伺っている野郎共からもボソボソと、


「うわぁ出たよ必殺【上目使い】・・・これは決まったな」

「やめて! 勇者のライフはもう1よ!?」

「ゼロじゃない辺り流石勇者だな」


 なんて声が聞こえてくる。実にいいネタ振りだな、彼らとは仲良くなれそうだ。


 彼らが言う通り思わず頷きそうになる俺の頭・・・だがしかし、危険なゴミと言われると、流石に縦に振りそうになる頭も動きが鈍くなるというもの。


「危険って・・・もとより『ゴミ』ってどんなモノなんだ? 流石に漏れたり感染したりするのとかじゃ勘弁だぜ?」

 そんな俺の、石橋を叩いて注意するつもりで口にした言葉が、今後の自分の人生に多大な影響与える切っ掛けになるなんて、この時は考えもしなかった。


「漏れ? ・・・そうですよね! まずは見てもらわないことには始まりませんね!」

 女性は俺の言葉に首を傾げたかと思うと、何か閃いたように元気よくそう言って、満面の笑みを浮かべる。しかし次の瞬間、あまりに綺麗な笑顔に見惚れていると、目にも止まらぬ速さで俺の背後に周り込み、いつの間にか俺の両肩をその細く長い指でつかむと、予想以上に強い力で背中を押し始めた。


「はや!? って待て押すなって! おい! そっちにはゴミ箱が!?」

 さらに俺を驚愕させたのは、女性が俺を押す方向には商店街の共用ゴミ箱が存在するという事実。しかもここのゴミ置き場は、碌に分別はしないわ掃除は汚すぎて手の付け様がないわと言う悪い意味の方で有名であり、まだそれほど近づいていないにもかかわらず何とも言えない芳醇? な匂いで俺の鼻を突きさしている。


「大丈夫です! 入り口ゲートはこちらに展開しているので!」

 背後の女性の顔は真後ろである為見えないものの、ニコニコとした笑顔で言っているであろう事はその弾むような語調から伝わり、本気で抵抗しているにも拘らず押され続ける自分の体に、俺は思わず男として不甲斐なさを感じた。


 そんな現実逃避とも言える事を考えている間にも、俺とゴミ箱との距離はじりじりと近づいていき、俺はその時ゴミ投入口が捕食者のあぎとの要に思え、顔から血の気が引いていくのを明確に感じるのだった。


 そして短くも長い時は過ぎて距離はゼロへと近づき、俺は全力で目を閉じて同時に息を止めた、その瞬間耳には、まだ見ぬ友の声が聞こえた気がした。


「アカーン! 勇者が暗黒面(ごみばこ)に呑まれるぞ!」

「任せろ! 30歳童貞な俺の魔法で! ・・・MPが足りないようだ!」

「うはwwおまい童貞かよwww・・・なんだ同士か」


 そうか・・・お前らも・・・。そこで俺の意識は形容しがたい感覚と共に闇に呑まれ途絶えたのだった。





 私は、きっと幸運なのだろう。


 私の我儘に協力してくれる人を探して、最初に訪れた世界で私の話を聞いてくれる方に会えたのだ。その人は最初フラフラとした足取りで私に近づいて来たのだが、どこか怪しい第一印象とは違い、親切にもお願いを聞いてくれると言うのだ! 私はこの時とても感動し胸が熱くなった事を覚えている。


 現在の職に就く前、ある先輩が言っていた。


「人間なんて大抵自分本位なヤツばかりさ、ちょっと親切にしてやれば付け上がるしすぐに怠ける。他人を純粋に助けようなんて思っている奴なんて、それこそこれっぽっちもいやしない」

 と、しかしこの殿方は親切にも自分の意志でお願いの詳しい内容に関してまで聞いてくれたのだ。私はこの時はっきりと希望を感じた、この人なら私を救ってくれると。だから私は、思い切ってあの『ゴミ』と呼ばれる存在をその目で見てもらうことにしたのだ。


「あのぉ・・目、開けないと何も見えないですよ?」

 しかし、その希望の殿方は何故か先ほどから目を閉じ息まで止めているではないか、私はそのことを不思議に思いながらをそっと問いかけた。


「ぶは! ・・・・・・はぁぁああ!? ちょっ落ち!!」

 すると目を大きく開けた殿方は、大きく息を吸ったかと思うと動きを止め、さらに動きを止めたかと思うと急に私の腰の辺りにしがみついて来たのだ。殿方にしがみつかれる事など生まれて初めての経験でしたので、思考が少し遅れてしまいましたが、そうですよね、普通一般人の方がいきなり空中に浮かばされていたら驚きますよね、失念していました。


 ぎゅっと力強くしがみ付かれたままで少し恥ずかしいですが、私はその力強さが愛おしくも思え、振りほどくことなくそのまま説明を始めることにしました。


「大丈夫ですよ? 現在この空間には限定的な結界を張って足場を形成していますので、落ちることはありませんから」

 なるべく優しく語り掛けるようにして安心させようと思ったのですが、こちらを見上げた殿方は私の顔を見詰めると急に顔を赤くして、


「わ!? すみませんすぐ離れますっ・・・って落ち! ・・ない?」

 急に私から離れ、再度慌ててしがみつこうとしたところで落ちないことに気が付いてくださったようです。


 この時何故か、彼が離れたことで少し残念な気持ちが込み上げて来た気がしましたが、なぜでしょうか? こんな感情は初めて感じた気がします。


「う、浮いてる? 夢か? でも・・・え? ・・・そうだ、ゴミ箱に突っ込んで、で・・・空?」

 やはりいきなり空中に出たのは選択ミスだったでしょうか? でも見晴らしが良い方がわかりやすいでしょうし・・・うん、とりあえずは自己紹介からですね。


「あのぅ・・・」


「はい!?」


「私、名前をアミール・トラペットと言います。・・・あなたのお名前を伺っても?」

 先輩も交渉はまず自己紹介からだと言っていましたし、この選択に問題はない思うのです。


「え? あ、俺・・・私は天野 夕陽と言いますです。・・・えぇと、とらぺっとさん?」


「ユウヒさんですね? 私のことはアミールとお呼びください。あと楽な話し方でいいですよ?」

 緊張しているのか彼、ユウヒさんの言葉遣いとイントネーションが可笑しくて、思わず微笑ましいと思ったのはナイショです。


 さて次は、何を話せばいいでしょうか。


「・・・はい。あの? あなたはいったい何者ですか? 空飛んでるし、俺浮いてるし、ゴミ箱に突っ込んだと思ったのに・・・」

 何から話すか私が悩んでいると、なんとユウヒさんから質問してくださいました。やはり思った通りユウヒさんはとても親切な方です。


 私はその質問に答える為、よろよろと立ち上がろうとしているユウヒさんへと向き直ると、


「はい、私は世界間管理委員会所属の世界管理神をしております―――」

 先ずはお決まりの自己紹介から始めるのでした。

 えーどうだったでしょうか・・・誤字脱字とか文法プギャーが無いかドキドキです一応読み直ししてるんですけど、連続投稿とかいきなり何やってんのって感じですよね。


 チートとか魔法とかキーワード入れてるけどまだあまり出てこないですね、ある意味あのゴミ箱は残酷な描写な気がしないでもないHekutoです。


 次回予告? 戸惑うユウヒに告げられるアミールの真実とは!!そして真実を知ったユウヒわぁいかにぃ!次回もココで会えたらいいな!?


 締まらないあとがきでごめんなさい。

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