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第十七話 影とユウヒと潰えるモノ

 どうもHekutoです。


 今回も何とか執筆完了しました、前回はいろいろ匂わせた分今回は進展すると思います。期待に沿えるような内容だといいのですが?

 それでは第十七話『影とユウヒと潰えるモノ』はじまります。

『影とユウヒと潰えるモノ』



 私は、バーネスだ。グノー王国ガルド方面軍の軍師であり上流貴族だ。


「ふふふ、私の作戦は完璧だ」

 今現在私は王家専用の食堂の周りに警備の為と言い私兵部隊と待機している、ここにいる者は皆私の息がかかった者達だ。


「バーネス様本当に上手く行くでしょうか?」

 私の補佐をしている男が聞いてくる、こいつはできる男だが肝っ玉が小さい。


「問題無い我々をここまで入れた時点で奴等の負けは確定している」

 我らがここに居るのは、万が一毒が露見した場合に備えてだ。その時はあの冒険者を毒殺未遂の犯人に仕立て上げ、その場で殺しそれに乗じ王家連中も騎士も殺せば目撃者はいない。あとは私の先導で貴族派が実権握れば完璧だ。


「報告します!どうやら冒険者が毒に気が付いたかもしれないとの事です!」


「何!?馬鹿なアレは魔力毒だぞ!・・まさかヤツは高位の魔法使い!?」

 魔力毒は普通見た目や匂い程度ではわからん、特に今回使ったものはガルド帝国から手に入れた暗殺用の毒。


「不味い・・もし魔力毒に見識のあるものなら・・すぐに突入し冒険者を殺しそのまま数で皆殺しにする!」


「「は!」」


「突入!」





 バタン!ドタドタドタドタ!ガシャガシャチャキチャキ!


「これは何事か!」

正面の扉が開け放たれた瞬間大量の兵士がなだれ込みテーブルを囲む、そして槍の穂先をテーブルの方に向けた。


「いや?むしろ俺の方にかな?・・ん~まさか、そっちのパティーン?」

 この後起こるであろうことを予想しながらどこか落ち着いた声で呟いてしまう。


「報告いたします!陛下この冒険者は陛下暗殺を企てた罪人ございます!」

 あ、やっぱり・・さてどうなるかなぁっと。しかしここまで平静で居られるとか狩人の心得パネェッス、てか元になったになった狩人ってどんだけ怖いもの知らずなの。


「な!?馬鹿な!ユウヒがそんなことするわけない!」

 お、正解!そんな面倒そうなことするわけがない・・・しかし王様も結構落ち着いてるな。


「事実!水係が何者かに殺されておりました!」


「そんな!?」

 みずがかり?よくわからないので隣で俺の事じーっと視ているルルイアに聞くことにした。


「ん?なぁルルイア水係ってなんだい?」


「・・みんなにあんぜんな飲み水を作ってくれる水のまほうつかいさんだよ・・・ねぇユウヒはわるい人?」


「なるほどね、ん?俺は悪い人じゃないなどちらかと言えば紳士かな?」

 違うと言うとほっとしたのかニッコリ笑ってくれる・・何この可愛い生き物、紳士も裸でだい・・ゲフンゲフン!危ないところだった。


「戯言を!構わんこの場で殺せ!」

 そう偉そうなおっさんが叫ぶと俺に槍を向けていた兵士達が一斉に槍を振りかざしてくる。

お、いつも使ってるけど役にたったことないこれでもかけとくかな。


「【大楯】」

 俺の体の周りに不可視の障壁が展開される、しかしそれは何の意味も成さなかった・・・。


 ・・・からん・・からからん・・・ 


「ユウヒ!」

 アルの呼ぶ声が聞えた気がした。





 時は少し遡り、ユウヒが自室でいろいろやっていた時。

「ふむーとりあえずこの結晶を売れば金はできるけど・・ここは合成だよね。んー何作るかな?」


 ギシ・・・。


「ん?」

 ユウヒは後方で音が鳴った気がしたので振り向くが特に何もないようだ。


「・・・気のせいか」


「「「・・・・」」」


 そう言うとまた作業にもど・・。

「と言うとでも思うたかぁぁ【感電】!」


「「「ピギィ」」」バリ!

 再度振り向き弱めに妄想した魔法を虚空に放つとそこから黒い何かが三体現れて崩れ落ちた。


「・・・・・黒い・・台所の悪魔か?」


「そう!我らは台所の黒き悪魔!」

「食べ物あらば即参上!」

「さぁ我ら『3G』の恐怖に慄くがいい!」

「「「ってちゃうわぁい!」」」


 ユウヒの呟きに反応するように即座に立ち上がりポーズをとる3G。

「ほう・・ノリツッコミとはやるな!」


「お前の電撃もな・・」

「てかあれ一般人なら即死レベルじゃね?」

「容赦ねェ流石勇者そこに痺れる憧れる!」


「で?なんでおまいらがこの世界にいるの。あれだよな商店街に居た」


「おお!覚えていてくれたか勇者よ!」


「ふ、同士ならば当然だろ・・」


「ま、まさか!同士だと!?」

「そうかあんたも・・」


 他のだれもいない部屋の中男達の心は一つになったのだった。




「そうか、そんなことが」

 あれからこいつらのこれまでの経緯を聞いてここに居た理由も聞いた。


「うむ、しかしどうやら我らをここに寄こした男はその酷い上司で確定でござるか」

「美女に酷いことするとか男の風上にも置けんな・・次あったら捥ぐか」

「それも良いが、今回の事どうだろうか?受けてもらえるか?」


 どうも彼らは、グノーの偉い人からの依頼でグノー王族暗殺の妨害任務の途中らしく大体怪しい人物も計画も絞り込んだらしい。丁度そこに俺が現われたので協力要請に来たらしい。


「んー、同郷のよしみだし同士の願いだ聞いてやらんでもないが?俺に何してほしいの」


「うむ、我らの掴んだ情報では食事に特殊な毒を混ぜて毒殺するところまでは確かでござる」

「そこでユウヒ殿がお食事にお呼ばれすると聞いて、どうにかその場で毒を暴けないかと」

「まぁ懸念事項もあるのだが・・」


 毒の見破りは右目で行けると思うけど、それですぐ解決になるか考えていると。

「懸念?」


「うむ、容疑者はバーネスと言うのだが、どうも私兵部隊を城に入れてるらしいのだ」


「ふーん、失敗した場合の予備案かそちらが本命かわからんが戦闘になりそうってこと?」


 いくつかのパターンは考えられるが毒殺失敗したら戦闘は避けられそうにないな。


「その時は助太刀に参るので王族の護衛をしてもらいたいのだが引き受けてもらえ無いか?」


「いいぞ?どのみち折角知り合ったアルが危ないって言うだ手伝うさ」


「「「おお!流石勇者だ!」」」

 ちなみに彼らが去る時に忍術を使うための媒体の作成も頼まれたのだった、なんでも媒体が無いと忍術の大半が使えずただの体術忍者になってしまうとか涙を流しながらロマンが!と説明してくれた。





 てなことがあったわけなのだが・・。


 ・・・からん・・からからん・・・ 


「ユウヒ!」


「・・・やっぱり役に立たないのか・・この魔法・・」

 俺の周りには輪切りにされた槍が床に転がっていくのと3体の黒装束の姿が映ったのだった。


「何者だ!」


「己が欲望の為に」

「関係のないも・・」


「はいはーい巻いて行こうねぇ」


「「「しどい!?」」」

 槍を輪切りにして俺を助けてくれた三馬鹿がポーズをきめて何かネタを語りだしそうだったので急かしておいた。・・え?鬼?悪魔?知らん。


「あの装束は・・」

 王様は彼らの服装を見て何かに気が付いたような顔をしている。


「もういい!全部隊突撃この部屋に居るものすべて殺せ!」


 そう言うとさらに部屋に兵士がなだれ込み護衛騎士達と戦闘を始め周りに居た兵士も腰の剣を抜き俺だけじゃなくアルディス達も狙い始める・・。


「血迷うたか!バーネス!」

 バルノイアのおっさんが叫ぶがバーネスとやらは嗤っていた。ふむ久しぶりにイラっときているな、そう考えていると一番殺しやすいと思ったのかルルイアに兵士の凶刃が迫る。


「まったく・・幼女を真っ先に狙うとは・・」ガギン!

 ポカンと自分に迫る凶刃を見ているルルイアをポンチョでかばうと、初めて【大楯】が役に立つ。兵士の振り下ろした剣は不可視の障壁に遮られ甲高い音を上げた。


「な!幼女に手を出すとは貴様ペド野郎だな!?」

「貴様に紳士の何たるかを教えてやる!」

「うはwwこいつらロリコン紳士かおwww・・なんだ同士か・・」 

 

 三人はそんなことを言い合いながら次々と切りかかっていった。


「おぉ流石忍者早いねえ・・それじゃ俺もっと」

 彼らが黒い風となって舞っている間に俺は手元にあった割れた大皿を手に取ると妄想魔法の準備を始める。とりあえず弱めのロックボルトで行動不能にすりゃいいかな。


「妄想開始、お皿、螺旋状の弾丸・・・【ガトリング】【ロックボルト】」

 そうキーワードを言うと手に持っていた割れたお皿が次々に短かく太めの白いネジに生成され俺の妄想通りの軌道を描き兵士に発射される。


「がは!」「な!?・・」「ぐ!この、ぶふぁ!」

 などなど奇声を発しながら床とキスをしていく兵士、主に料理を運んでくれたメイドさん達を襲おうとしているヤツを狙う。王族は騎士が動いているから大丈夫みたいだし?


「はぁ!」

 どうやら護衛騎士は間に合ったらしく各自王族の守りについたようでアルディスはバルカスと応戦し国王夫妻とティーラ様は騎士に囲まれ守られている。


「ふぅ、まったく食べ物の恨みは怖いんだよ?」

 美味しそうな料理にありつけなかった俺はそう言いながら壊れたお皿を次々にボルトへ生成し発射するのだった。ルルイアは怖いのか俺にしがみ付いたままである、それだけで俺は・・いやいや、かわいすぎだよまったくけしからんなぁまったく。


「悪・即・残!」スパッ!

「何んかそれちがくね?」ズシャ!

「残は残念の残ですねわかります!」ゴキッ!


 向こうは楽しそうに戦ってるな・・・バックの音は別として・・・。





「な、なんだこれは・・」

 バーネスは目の前の惨状が信じられなかった。


「たったこれだけの数でどうして一人も殺せてない!?」

 圧倒的な、中隊規模ほどの人数で襲ったにもかかわらず未だ誰も殺せていない現状が。


「バーネス様ここは引きましょう!」


「馬鹿が!引いてどこに行くと言うのだ!」

 事実ここで引いたとしてもここは城の中逃げ場は無いに等しい、今回の策が成功するとしか考えなかったバーネスは失敗した場合のことなど考えてはいなかったのだ。


「くそ!あの黒いやつらといい冒険者の男といいやつらさへいなければ!」

 確かにユウヒと三モブが居なければグノー王家は終わっていたのかもしれない。そう考えたバーネスは。


「黒いのもあの冒険者の差し金か・・魔法士隊!あの冒険者を集中してねらえ!」


「了かはっ!?・・・」ドサドサドサ!

 バーネスの後ろに居た魔法士達は最後まで喋ることなく地に付しそこには黒装束の三人が立っていた。


「ユウヒの旦那はやらせねぇ・・寝ているでござる」チャキリ

「いいなその呼び方!もらった!」ドスッ!

「おれもおれも!」ガン!ガン!


 馬鹿な会話をしながら三モブは次々に兵士を倒しそして。


「な、な、い、いつのまグファ!・・」ゴトリ


「主犯もお休みっと」

 主犯バーネスも倒したのだった、このあともこの騒ぎ10分ほど続いたのだった。





 どれくらいたっただろうか、沢山居た兵士もほとんどが地に伏し残りもこの状況に降伏したようだ。


「んーこんなもんかな?」


「お疲れ様でござる!」

 辺りを見回していると三モブの一人ジライダがやって来る。


「こんなもんでいいのかな?怪我人はいるか?」

 ジライダと周辺確認をしながら近くに居た護衛騎士に被害状況を聞いてみた。


「は!問題ないかと、大きな怪我をした者居ないようです非戦闘員も無事です!」

 やけにこちらをキラキラした目で見てくる騎士が上官に報告するように説明してくれる。どうやらミッションコンプリートでいいようだ、若干空腹を思い出しながら未だ俺のポンチョを握っているルルイアの頭に手を置いた。


「終わったぞ、ルルイア大丈夫か?」


「ん・・ありがとう・・」


「いいえどういたしまして」

 もぅかわいいなーこのくらいの頃が一番可愛いよね子供って、そう思いながら前を見るとハァハァと息を荒くしたジライダが血の海となった床に倒れていた・・・・主に自らの鼻血でできた。


「「くっ!無茶しやがって!あんな近くで見るから!?」」


「だめだこいつら・・病院来ないかな・・」

 最後まで締まらない三人を見ていると後ろから近づく気配が。


「ルルイア無事か!」

 王様を先頭に王族一家のようだ、ルルイアの名前を呼びながらやって来る。


「ルルイア大丈夫ですか!?」


「おかあさま!」

 ルルイアは王妃様に気が付くとその胸に飛び込んだ、その脇には行き場を失った腕を彷徨わせるバルノイア王がいた。


「・・・王様・・男親なんてみんなそんなものです・・元気出しましょう」


「・・そう、だな・・ユウヒよ私の事をバルノイアと呼ぶことを許そう・・」

 そんな傷心のおっさ・・バルノイアを慰めているとアルとバルカスもやってきた。


「ユウヒ!無事!?」


「おう、お疲れさん」


「よかった、そうかルルイアの事守ってくれてたんだねありがとう」


「私からも礼を言わせてもらうありがとう、何と礼を言ったらよいか・・ところでユウヒ殿?」


「ん?」


「お主もその者達と同じ自由騎士団の者なのか?連携していたようだが・・それとその者は大丈夫だろうか・・出血量がすごいことになっておるぞ(汗」

 後ろを見ると未だに血の池に沈むジライダとそれをおこそうとする二人。


「医者はいませんかー!」

「衛生兵!えいせいへーい!」


「仕方がないなぁ・・・(早く起きないと心肺蘇生で男に唇奪われるぞ)ボソボソ」


「へぶーーん!!!」

 おれが耳元で魔法の言葉を呟くとジライダは勢いよく奇声を発しながら起き上がった。


「「きょうだーい!!」」

「こ、ここは・・今何かおぞましい夢を見たような・・」


「ふむこれでよし・・まぁこいつらは知り合いでね、手伝いを頼まれたんですよ」


「そうか・・お主達が自由騎士団だな私は今回王家暗殺妨害の依頼を出したバルノイアだ依頼達成ご苦労であった完了書はこちらから出しておくので今日は城で休んでいくと良い・・特にその男はな・・真っ青だぞ?」


「なんと!王様が依頼人でござったか!」

「そりゃ極秘任務なわけだ」

「城で宿泊!感動の極み!」


「あれだけのことがあった後だと言うのに元気なものだな・・はっはっは!」


 まったくだ・・はぁ、とんだ一日だったよ。

「じゃあとはそちらに任せていいか?疲れたから俺は部屋に戻るよ」


「すまなかったなこんな目にあわせてしまって・・食事などは部屋に持っていかせるのでな」


「いやしょうがないさ・・あぁ後、毒は魔力毒で放置してりゃ魔力に還るみたいだぞ?それじゃなー」

 俺は慌ただしく事後処理をする騎士や兵士の中を自室へと戻ったのであった。道中妙にキラキラとした若い騎士や兵士達の視線が気持ち悪かったことだけここに記しておく。





 いかがでしたか?


 え?戦闘描写が少なすぎ?・・ですよねー?もう少しかっこよく戦闘描写を書きたいものです・・何故かギャグと言うかコメディーと言うかそんな感じになっちゃうんですよねぇ?不思議です!(ぉぃ


 そんなわけで次回予告!散々な一日を終えたユウヒ!そんな彼にも明けぬ夜は無い!されど現場は荒れる!?次回をお楽しみに!


 またここでお会いしましょう!きっと!絶対!( ゜∀゜)ノジ

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