第十話 王子の追加依頼と冒険者の秘密
どうもHekutoです
やっと十話までやってきました。わぁいヽ( ゜∀゜)ノ
とついはしゃいでしまいます・・でも時間がかかったので見放されてないかちょっと不安だったり?そんな感じですがこれからもよろしくネ。
それでは、第十話『王子の追加依頼と冒険者の秘密』はじまります。
『王子の追加依頼と冒険者の秘密』
「と言うわけなんだが、少し出発を遅らせることはできないだろうか?」
ギルドで会った少女達とその依頼について説明し、その為出発時間を遅らせる事は出来ないかアルに相談してみたのだが。
「むぅ・・・」
「素晴らしいよユウヒ!弱者を助けるその姿まさに僕の憧れる理想の冒険者だよ!」
「素敵です!」
「いや、そういう考えでやったわけじゃないんだけど・・・」
何やら王子様の琴線に触れたのか妙に興奮するアルと、それに釣られてキラキラした目をむけてくるメイ。実際のとこ臨床実験のようなことをしている分けであまり誇る気にはなれないのだが。しかし、一番嫌がりそうなバルカスの様子がおかしいのが気になる。
「大丈夫全然問題ないよ」
先ほどの興奮のまま問題ないと言うアルだが。
「むしろ問題はこちらにあるのです・・・」
「・・・」
どうやら何かあったようだ、厄介ごとの香りがするな。メイも喋るのを止め若干大人しくなる。
「う…そうなんだ実は」
うっと呻いたあとアルは話し始めた。
時は宿の手配をしていた頃に遡る、バルカスが宿の料金を先払いしていたところにアルが現れたのが事の始まりとの事。
グノー王国は、比較的緑に恵まれた立地で5カ国に囲まれるように存在する小国だ。前王が倒れ初代グノーに代替わりした時その立地を活かし5カ国の橋渡しをすることで、平和と利益を生み出す事に成功して以来グノー王家はその立場を守り抜いて今日に至る。
戦争が無い平和な国で民衆には好かれている王族は平和の象徴のようなものらしい、その中でもアルは結構な人気で宿の主人も顔を知ってたわけだ。
「うむ、宿の主人がアルディス様からお金は取れないと言ってな」
宿の主人がアル一行の料金は要らないといったのだが我らがアルディスはそんなわけにはっと話が纏らない中、アルが何か困っていることは無いかと聞くと主人が町と王都との街道で最近出る魔物の話にをしたわけだ。
「ふーん、街道の魔物ね・・・」
宿の主人的には、国でどうにかできないか?と言った考えで聞いたのだろう、しかしアルはその考えの上?を行ったのだ。
「それでね街道なら僕らも通るわけだし、騎士団を派遣するより僕らで倒したほうが早いと思って・・」
最初は宿の主人も焦って止めたらしいがアルの熱意?暴走?は止められず、バルカスも困り顔をしている。
「それでアルが僕にまかせてくれ・・・と?」
「う・・・」
アルの反応から、その通りなのだろう。
結局、宿の主人もそこに偶然居合わせた実際に襲われた商人も止めたらしいが既に被害が出ているなら尚更とアルはとまらなかったらしい。そのとき襲われた商人達は感動して涙を流していたとか、この辺りが人気の出る所なのかも知れないね。
「しかし、話を聞いてみるとその魔物どうやら大型のアサルトボアらしいのです」
バルカスが補足してくる。助けてアミールのくれた知識!ピコン!俺の頭の中の知識から該当データが無いか探す。
【アサルト・ボア】
イノシシ科の動物が瘴気や魔力などの影響で変異した個体を一般的にボアと呼び、その中でもアサルト種の特徴は、短く太い牙と発達した頭蓋骨を使って繰り出される強力な突撃力である。
異常に発達した四肢で瞬間的に最高速に達し突撃してくる威力は石の壁を容易く吹き飛ばす。平均サイズは一般的なイノシシより一回り大きい程度大型なら馬ほどの大きさのものもいる。
「・・・平均サイズじゃなくて大型なのか?」
「ええ・・馬車を引いていた馬と同じくらいだったと・・」
俺の疑問に苦々しく答えるバルカス。
「・・・ごめん」
しゅんとなるアル、またかまたなのか!?俺の目にはアルの背後に怒られてしょんぼりしたような子犬の姿が幻視できたのだった。
「いいえ!アルディス様のご命令ならばこの命に変えましてもアサルトボアを仕留めて見せます!!」
その言葉にアルは更にしょんぼりした顔になり背後の子犬も「きゅ~ん」と鳴きだす。
「バルカスそれ追い討ちになってね?」
「は!?」
俺が思ったことを告げるとバルカスしまったといった顔になる更に俺は気になったことを告げた。
「てかバルカス怪我人じゃん?」
「!!!?」
俺のその言葉を聞き、驚愕の表情と共にその場に崩れ落ちるバルカス。俺はその背後にはしょんぼりと肩を落とすシェパードを幻視してしまった。しょんぼりシェパードにしょんぼり子犬、犬多いな・・猫好きなんだけど俺。
結果明日の朝討伐の為に冒険者を雇うのと準備を整えるとのことで、少し暇が出来たのでユニとユマの母親の様子も見れそうだ。
「正午に町の西門に集合して街道をゆっくりと捜索しながら王都へ、何も居なければ王国騎士団が動くって事でいいんだな?てか俺が最初からその討伐に組み込まれてるとか・・確かに護衛は引き受けたしいいけどさ」
「すまないユウヒ」
「いや俺も用事があったし気にしてないさ」
「しかしユウヒ殿相手は野党や山賊と違い魔物です。しかも確実にDランクはあります・・はっきり言って戦闘になれば無事で済むかどうか」
珍しく?心配をしてくれるバルカス、魔物にはランクが付けられていたりする。
G 一般人より強いが基本無害な魔物や害虫程度
F 低ランク冒険者でも複数人であたれば倒せるレベル(野党、山賊もこのへん)
E 三個分隊ほどの騎士団や冒険者1パーティが出張るレベル
D 一個小隊~中隊規模の騎士団が引っ張り出されるレベル(大型獣や小型亜竜種など)
C 魔物狩り専門の高ランク冒険者でも1~3パーティで挑むレベル
B 大隊規模以上の騎士団で討伐に出るレベル冒険者もよく混ざる
A 災害の様な魔物以上はこのランク
ざっとだがこんな感じだと思ってくれればいい、基本的に魔物相手では騎士団より冒険者に分があるのが現実だ。大体一個小隊=小規模ベテラン冒険者パーティ、そんな中でDランク。
「何、このくらいのこと冒険者なら常だろう?」
と言ってニヤリと頬が緩むのを感じた、確かに俺は初体験だがどうも例の心得を授かったせいかむしろワクワクする部分もあるようなのだ。しかし武器くらい用意するべきだろうな。
「・・・・・」
バルカスはそんな俺の姿に何か考えているようだった。
そんな感じで話はまとまり翌朝・・。
「それじゃ正午に西門で」
「うむ、了解した」
早く宿を出るユウヒ、丁度居たバルカスに伝言を頼んでいるどうやらアルとメイはまだ夢の中にいるようだ。
「しかしユウヒ殿は朝がはやいのだな」
なぜかいつもよりやわらかいその口調は、どこか感心したようでもあった
「習慣だよ」社蓄としてのな・・。
自分の言った言葉により少し鬱になりながらギルドへ向かうユウヒであった。
「あ!ユウヒさん!」
ギルドに入るやいなや早速声をかけられる、ユニのようだ。
「今日は一人なんだな?」
「あ、はい昨日は普段来ないところで不安だったので・・」
それで妹に頼ったと・・確かにオドオドしてはいたが意外とすぐに慣れていた気がするな。
「しかし昨日とは打って変わって人で一杯だな・・」
俺が見たギルド内部は早朝にも関わらず昨日の何倍も人が居る。
「ほっほ今日の4時から娘っ子達が出勤してきましたからなこの通りですよ」
背後に気配を感じた瞬間、気配の主は話しかけてくる。
「どうしたんだよレーガン、カウンターに居なくていいのか?」
「ふむ、カウンターはあの子達に任せておけばいいでしょう。それより面白い噂を聞きましてな、どうやら今日王子様が冒険者を雇い来るとかでその準備をしているのですよ」
・・・耳に入るの早すぎないか?やはり只者じゃないなレーガンそれともこのギルドがか?と考えていると。
「副長!リストの準備できました。それと緊急依頼情報配布済みです・・・ん?こちらの方は見ない方ですね副長のお知り合いですか?」
くりくりした目がかわいいボブカットの女性がやってくる、副長ねぇ・・と俺はレーガンを横目で見る。
「ほっほ所詮肩書きですよ」
「???」
「この子は、昨日お休みしていた子の一人でミシェル君こちらは、優秀な冒険者で私の勧誘を蹴ったユウヒ・アマノ君だよ」
「初めまして!気軽にミルと呼んでくださいね・・副長の勧誘ですか?」
どうもこのジジイは人をおちょくるのが好きらしい。
「どうも、副長さんの勧誘を蹴ったユウヒです」
「レーガンとお呼びくださいユウヒ殿」
これは読んだのか?それとも副長がいやなのかと考えていると。
「あのぉ・・」
「おぉすまんな、じゃ行くとするかレーガンにミルまたな」
二人に挨拶を済ませると一路ユニの家へと向かった。
「あの副長?」
「ふむ私がフレンドリーだとおかしいですかな?」
「いえそれはいつもと変わりませんが・・気に入ったのですか?」
副長のいつもの行動言動は置いておいて、副長と呼ぶ男が人を気に入るなんて珍しいという意味を込めて問うミシェル。
「そうですね、彼からは何か他と違ったものを感じたのですよ。それに直前とはいえ私の穏行に気が付くとは思いませんでした、まったく驚かなかったのは残念です」
残念と言いつつも何かを感じたとどこか楽しそうにしているレーガン。
「ふーん、普通の冒険者って感じでしたが一体何者でしょうか?でも朝からいる馬鹿どもより好感は持てましたねぇ」
疑問顔の後にさり気なく毒を吐いて笑うミルに近づく影が。
「副長にミル何話してるですか?休み明けでいろいろ大変なんですからサボらないでくださいよぉ」
「あ、ミーシャちゃんあのね副長のお気に入りの人とお話ししてたの」
「え!?なに?まさか副長にも春が!・・!!!いふぁいいふぁいでふ」
「おやこんなところに良く伸びるほっぺがありますねぇ。ほっほっほ」
「ごえんらはーいぃ」
早朝の空の下、昨日までの静けさが嘘のように華やかなギルドがそこにあった。
「ここが我が家です!」
そこは石造りの家が並ぶ長屋と言った感じだろうか。
「ささ、どうぞ!」
家の門前を眺めているといつの間にかユニが家の扉を開けておいでおいでをしていた。そのしぐさに微笑ましさを感じながらお邪魔することにした。
「おじゃまするよー」
「お母さん!ユウヒさんを連れてきたよ!」
どうやら家主には、もう俺のことは説明済みの様だ。
「よくいらっしゃいました。このたびの件はこの子達から聞きました、本当になんとお礼を」
二人の母親は子供が二人いるとは思えないくらい若く見える美人であった、そんな人に深々と頭を下げられることに戸惑いを覚えてしまう。
「まぁ依頼だからな気にするなそれより起き上がって平気なのか?」
昨日まで寝込んでいたのにすぐに起き上がって大丈夫なのだろうか。
「ユウヒすごいのおくすりのんだらお母さんすぐにげんき」
なん・・だと!?ユマがしゃべっただと!昨日あれだけ無言だったユマが!?とびっくりして声を失っていると。
「二人ともユウヒさんにお茶をお入れして?」
「「はーい」」
「ふふふ」
二人の仲の良い姉妹、何とも微笑ましい光景である。
「これでしばらく二人だけでお話しできますね、私のことはユーミルと呼んでください」
そんな意味深な言葉と表情に、普通の男ならこの一言で勘違いしてドキドキするものだが。どうもその優しそうな表情の奥に真剣な感じがするのを感じドキドキはしなかった。
「わかったユーミル・・ところで何かお聞きしたいことでも?」
よくわからんが単刀直入に聞いてみることにした。
「・・ええ、あのお薬についてです」
「ふむ?」
薬の何について聞きたいのだろうか・・あれかまたやっちまったか?効果高すぎたかないやでもそこまで無いよな?と考えていると。
「私も昔は冒険者をやっていましたのであの薬の価値はわかるつもりです。あれには確実に中級回復薬と同等の効果がありました。」
中級回復薬?・・助けてアミール知恵袋!ぴこん!
【中級回復薬】
中堅冒険者の必需品で初心者冒険者や低ランク冒険者には手が出にくい高価な回復薬。
効果:回復(小)
なるほど確かに同じ効果が入ってるな、しかもこの効力で高価とな・・これは不味いのかな。
「ふむ確かにそのような効果もありますが」
「それならばなぜあの程度の報酬で提供してくださったのですか?連続使用ができないなど制限があったとしてもあの一粒で銀貨5枚の価値はあります・・・なぜですか?」
マジか!物価とか詳しい知識無いよアミール知恵袋は大雑把にしかわからないんだよ、一粒で銀貨5枚とか平民は銀貨1枚くらいで一食腹いっぱい食えるレベルだよ。ふむ言い訳を考えるんだユウヒー!?
ポーカーフェイスで頭の中は高速演算そんな芸当できませんがとりあえず。
「すると?何か困りますか?」
「っ・・考えたくはありませんが何か裏があると考えてしまうのです・・私は神官ですので。あの子達は本当の娘じゃありません・・」
何やらハードな話の予感がビリビリする。神官で本当の娘じゃないってことは・・乙女ってことですか、それなら見た目通りの若さってわけかな。
「それでも大切な娘達です。あの子達に何かあれば・・・」
「あーまてまて、そんな裏は無いから俺そういう話苦手だから・・」
この話の流れをぶった切る!苦手なんだよこういう流れ!?
「え?ではいったい・・・」
「ふむ・・秘密は守れるか?」
あまり合成魔法のことは、話したくないのだが・・まぁ秘密にしてくれるならいいのかな。
「秘密ですか・・わかりました!私も冒険者の端くれ冒険者が秘密と言う言葉を使う意味も分かっているつもりです。教えてください、神とこの身に誓って他言は致しません」
え?冒険者にとって【秘密】って言葉には何か特別な意味があるのか?うーんよくわからないけどまぁいいか。
「あのさ?神官なら魔法とかわかるよな?」
「え?あ、はい私も神官ですから口語神性魔法は得意ですよ?」
口語神性魔法か一度見てみたい気もするが。
「なら合成魔法って知っているか?」
「はい確か高い魔力を持った種族か高度な錬金術を極めた者のみ使えると言う魔法ですよね?私も見たことはないのですが・・まさかこれは合成魔法で作られたのですか?でも」
確かにそれだけでは理由にならないだろうな・・信じてもらえるかね。
「うん・・合成魔法で俺が作ったものだ」
「・・・え?」
時が止まった・・・そして動き出す。
「お茶入りましたー「たー」」
ユニとユマがお茶を入れて持ってきてくれる。ナイスアシスト!
「おうありがとさん」
「お母さんどうしたの?まだ具合悪いの?」
お茶を出しながら、未だ表情の硬いユーミルに心配して声をかけるユニ。
「え、あ・・大丈夫よ心配ないわ」
おぉすぐに立て直したな流石母は強しだな・・関係ないか。
「わかってもらえただろうか?」
「しかしそれでもやはり安すぎる気が、難しいものですよね?」
「・・・俺には簡単なことだったのと偶然持ち合わせたのとどの程度効くかも知りたかったしね、今回は偶然この報酬内容でよかったのさ次回はわからないけどね?」
すべて本当のことである。はっきり言って合成の源は妄想、溢れんばかりにあるので実際簡単である、偶然なのも本当だし効果があるかも知りたかった。
「・・・まさかユウヒさんがこれほど凄い方とは思いもしませんでした」
「どうする?」
「我神に背いて惚れてしまいそうですわ、ふふふ。・・安心してください墓場までもっていきますので」
その笑顔とセリフは反則です。これだから美人は困る・・。
その後こっそり解析眼を使って体調を見たが(制御できているので3サイズは見えていません!)特に問題はなさそうなので、俺は笑顔で手を振ってくるユーミル一家に手を振り替えしながらその場を後にしたのだった。
ここはとあるお城の屋根の上そこには何も無いにも係わらず話し声がしていた。
「ふむ・・無事潜入できたが案外ザルでござるなお城の警備」
「まぁ透遁の術使って透明人間だしね・・・覗きとかシテナイヨ?」
「それで美人姉妹とやらは何処?・・てか後半なんで片言だよ」
どうやら例の三人の忍者?のようである。
「あそこの中庭でよくお茶をするそうでござる」
「ん?おい!アレじゃないか何か数人来るぞ」
「なに!秘儀!鷹の目の術!」
そこに見えたのは高校生か少し上くらいの美しい女性とまだ小学生ほどの可愛い少女だった。
「よ、幼女・・だと!?」
「な、何だって!?ではまさか暗殺対象に幼女まで入っているというのか!」
「なんということだ・・・この任務失敗は許されんぞ」
「「「おう!すべては幼女の為に!イエスロリータ!ノータッチ!」」」
爽やかな朝日の下で似つかわしくない言葉を爽やかに発言する三人であった。
どうでしたか?
少しずつこの世界の世界観を伝えていけたらいいなと言った感じです。こうゆうバックヤードと言いますか、世界の仕組みを考えると妄想がとまりませんw
そろそろ私の苦手な戦闘描写がやってきそうです・・・皆さんにその辺うまく伝えられたらいいなと思ってます。
次回予告、追加依頼を控えるユウヒ!彼を待ち受ける未来とは!?生きて護衛を続けられるのか!?
それでは次回もここで会えますように~さよならぁ(´・ω・`)ノジ