第九話 ギルドと少女達の依頼
どうも毎度Hekutoです。
第九話かんせ~いわぁ~い二桁話数まで後一歩まで来ました。まぁまだまだ終わりが見えないですけどね?・・完結まで何話くらいかかるかまったく予想できませんよw
全体的な練り直しと辻褄の確認などまだまだ終わらんのですが(リアル事情で)少しずつでも更新してきます。
それでは第九話『ギルドと少女達の依頼』始まります。
『ギルドと少女達の依頼』
「ふぅようやく到着だねぇ流石に今日は疲れたよ」
そう言いながらアルディスは体を伸ばす。
「すぐに宿の手配をいたしますので、もうしばらくお待ちください」
てきぱきと馬車の駐車や馬の手続きを終わらせたバルカスが宿を取りに行くようだ。
俺はどうしようかな、先にギルド行ってからの方がいいかもしれないな安い宿の情報なりなんなり手に入るかもしれないと考えていると。
「うんわかっているよ、そうだ当然ユウヒの分も頼むよ?」
「いいのか?俺は俺で何とかした方がいいんじゃないか?」
俺の分まで部屋を取るとかいいやつすぎるだろと思いつつ真意を確かめる。
「大丈夫だよ、それに明日になったら居なくなってたーじゃ困るしね」
とくすくす笑いながら言ってくるアルディス・・明らかにその目は本気で言っている目では、無かった。
「・・了解しましたユウヒ殿の部屋もとってまいります」
微妙な間で答えるバルカス、そんなに俺が嫌いか?まぁいいけどねぇ。
「あー俺はギルドに行って来ようと思ってるんだがいいか?」
「うん、構わないよ?宿の人間に聞けば部屋はわかるようにしておくよ」
仮にも王子様にここまでさせていいのかと言う思いが少し芽生え言葉が漏れる。
「すまんな」
「大事な恩人兼護衛に逃げられたら困るからね」
逃げねーよ!と思いながら楽しそうに笑っているアルに半目の視線をおくる。
「じゃ、宿の人にギルドの場所聞いてくるよ」
「あ、ギルドなら向こうにありましたよ」
宿の方に体を向けようとするとメイが指をさしながら教えてくれる。
「あぁあれか意外とわかりやすい、場所にあったんだな教えてくれてありがとメイ」
「いえ、きっとすぐにギルドに行かれるのではと思い道すがら把握しておいたのが役に立ちました」
「流石は王族付のメイドだねぇありがと、それじゃ言ってくるよ」
やはり王室メイドは、そのくらい気が付かなくてはいけないのかと「えへへ」と照れるメイへの評価を上方修正しつつギルドへ向かった。
「「行ってらっしゃーい」」
二人は声を合わせて見送ってくれる、妙に息が合ってるよなあの二人…性格が似てるのかね?と考えつつその場を後にした。
そこは、よくゲームに出るギルドと言った感じではなく綺麗に整理された空間だった。
「ふーん?俺の知識でも結構荒くれどもの溜まり場な感じだと思ったんだけどなぁ?」
カウンターの方に歩きながら独り言を言っていると。
「そういうのがお好みですかな?」初老の男性が、にこやかに聞いてくる。
「いやぁそういうのも悪くないがこういう雰囲気の方が好きだね」
「それはよろしゅうございました当ギルドはマスターがそういうのが好みではなく自分好みのギルドに作り変えてしまったのですよ」
ほっほっほと笑いながらそう説明してくれる男性…このギルドの職員なのだろうか?ギルド内の様子を眺めていると違和感に気が付く。
「ふーん、そうだ実は冒険者カードの更新をしたいんだが・・いつもこんなに人が少ないんです?」
そうなのだ雰囲気の違いとかではなく人が少ないのだ、ギルドの内部は非常に広く建物自体の大きさも結構なものだ。入口は3か所入って左側にカウンターが並び、右側の壁面には依頼だろうか掲示板に多数貼り付けられている。
また中央にはテーブルや椅子が並べられていてどこかのオープンテラスのような感じだ、奥にはトイレっぽいのも見える。
しかし、人が少ないカウンターには初老の男性一人その奥で何やら作業している人が見える、冒険者っぽい人も二人ほど別々に依頼を見ているようだ。
「ほっほっいつもはもっと混雑しておりますが今日は娘っ子達が全員休みでして、それ目当てで来る馬鹿も居ない為と言った感じなのですよ。大体月に一度はあることですな」
その辺も他のギルドと違ってここのマスターが決めたことなのだと笑いながら説明する男性であった。
「月に一度の大きな休みか…その人が少なくなった間に普段できない仕事を終わらせるってことなのかね?」
よく見ると奥の方で何人か机の上で作業をやっている気配を感じてそうつぶやく。
「ほぅ・・そこに気が付くとは、どうですかな今からギルド職員に転職など?」
一瞬、獲物を見る目になった男性にびくりとなりながらも丁重にお断りした。
「冒険者の方が俺にあってるさ・・で更新はできるのかな?」
「そうですか・・ええ大丈夫ですよ、では冒険者カードを提示してください」
若干諦めていない感じのする男性に失効した冒険者カードを渡す。
「む?これは失効しておりますな・・・再発行しますので少々お待ちください」
少し時間がかかるとのことで呼ぶから椅子にでも座って待っててくれと言われたので椅子の方に向かうが、掲示板が気になりそちらに足を向けた。
その掲示板には、掲示板が見えなくなるほどの依頼書が貼り付けてあった。アミールにもらった知識から該当するものを探すとすぐに分かったのだがこれはたぶんフリー依頼と言うやつだろう。
ギルドの依頼形式には、常時依頼、指定依頼、等と他にフリー依頼なるものがある。最初の二つ等はギルドが責任を持って処理するのだがフリー依頼とは依頼掲示スペースと依頼書の管理はギルドが管理するものの依頼報酬や交渉、報告といったことは、個人同士などで行うと言ったものだ。
保障が無い分依頼事態の自由度も高く交渉次第では、ギルドを通すより儲けるが何かあった時のリスクも高いのがフリー依頼だ。
「と言っても大抵が市民から寄せられる他愛もない依頼が大半であるっか」
庭の除草や引越しの手伝い、はたまた結婚相手募集(56歳男性無職)など見ながら知識の再確認を行っていると。ギルドの入口から姉妹だろうか女の子が二人入ってくる。
「(冒険者ってわけじゃなさそうだが・・なるほどフリー掲示板に依頼を張りにきたのか)ふむ」
姉だろうか14、5歳くらいの女の子がオドオドする10歳くらいの女の子と手をつないでフリー掲示板の依頼書置き場までやってきて依頼書を書いている。
ちなみに依頼書なのだが、これがファンタジーなもので魔法の羊皮紙と言うものでできている。ギルド固有の技術で、一度使用しても漂白して再度使える為非常にエコ。やはり紙を使用してないところからどうも紙の精製技術は未発達の様である・・・まずかったかなアルに紙袋渡したの。
そんなことを考えつつその依頼内容が気になった俺はこっそりとその依頼書を見るのだった・・・別にロリではないぞ!?断じて違う私は紳士なのだから。
(うーん何々~)
【納品依頼】
母が倒れたのでその為
の薬を持ってきてほしい。
納品物:七日分の薬
期限:なるべく早く
報酬:小銀貨2枚
なるほど薬の納品か・・これはおそらく報酬が割に合ってなさそうだな。
「ふむ・・」その依頼内容に思わず声を漏らしてしまう。
「ひ!」
突然背後から声が聞えた為か小さい方の少女は悲鳴を漏らし固まり、大きい方の少女は急いで振り返る。
「おっとすまない驚かしてしまったかな?」
「あ、あの何か?」
大きいほうの少女が妹だろうか小さい方の少女を庇いながら恐る恐る聞いてくる。
「熱心に依頼を書いていたようなので気になってね、しかし・・」
「ユウヒ殿!ユウヒ・アマノ殿ー!」
最後まで話し終える前に名前を呼ばれ中断させられてしまう。
「ん?そうかもうできたのか、ちょっと待っててもらえるかな?」
「え?ぁ」
どうやら更新が完了して呼ばれたようので少女達の依頼書ひょいと掴みカウンターまで戻る、その後ろをちょこちょこと少女たちが心配そうについてくる。
「お待たせしましたユウヒ殿・・おや?これはこれはこの短い時間で二人も可愛らしい女性を引っ掻けるとはなかなか、私も昔は・・」
なにやら不穏なことを言い始める目の前のジジイ。
「俺はロリコンじゃねぇよ!フリーの依頼者だよ!」
「ほっほっほ分かっておりましたとも、ちょっとした冗談でございます。」
あの眼は冗談を言ってる眼じゃなかったと思うのだが。
「まぁいいやカードできたのか」
「はいこちらになりますFランク冒険者のユウヒ・アマノ殿のカードです。発行料金は小銀貨1枚です。失効したカードはどういたしますかな?それと私はジジイではありませんレーガンとお呼びください」
何・・だと!?俺の心を読んだのか?少し驚いた顔をした俺にレーガンはニヤリと口元を緩めた、ギルド職員恐るべし。
「あぁ記念に持っておくよ」
アミールから捨てるなと言われていたので適当な理由を言って誤魔化しておいたのだが。
「左様ですか、やはり初めての冒険者カードは感慨深いものですからな特にこれは・・いや失礼あまり言っていい類の話ではありませんなほっほ」
言ってよくない話と言うのは出身地のことだろう、俺の設定上の出身地はすでに存在しないのだから・・・この話は、機会があればまたしよう。
「真新しいカードも良いもんだな・・それでなんだが、この依頼書を見てどう思う?」
小銀貨1枚を渡しつつ若干ネタに走りそうになる自分を自制?し、少女達の依頼書をレーガンに見せる。
「ふむ・・なるほど確かに依頼内容に対して報酬が少ないですな、この内容の依頼ですと最低でも小銀貨5枚は欲しいところですな・・しかし」
「あ!あの足りない分はなんとかします!だからお願いします!」
俺たちの話を聞いて焦り始める少女を見やりレーガンはニヤリと笑いながら俺に問う。
「引き受けたいと言うわけですな」
こう言う察しの言いタイプは嫌いじゃない。
「まぁそんなとこだギルドとしてこの報酬で受けて問題ないか?」
あまりに少ない報酬で受ければ最悪ダンピングの疑いでギルドが介入する恐れもある、まぁこの場合は心配ないだろうがダンピングって言葉はなくとも手法としてはあるだろうしねぇ。
「え?」
受けると言う言葉を聞いて少女達は、ポカンとこちらを見つめてくる。
「そうですなぁ頻繁にそんな安い報酬で受けられますとギルドとしましても見過ごせませんが・・ギルドも鬼ではありませんからなぁ」
「ふむふむ?」
どうやら問題なさそうだな、レーガンは微笑みながら話し進める。
「それにフリー依頼の交渉にギルドは基本的に関与できませんので・・・報酬に体の関係を迫ったとしても私にはなんとも・・ほっほっほ」
ぶっ!?・・このジジイ、ニヤリとしながらとんでもねぇことを言いやがった。
「せまんねーよ!俺はロリコンじゃねー!」
「かか、体ですか!?が、がんばりま」
更には少女まで混乱して余計なことを言い始める。はぁ丁度人が居ない時でよかったぜ、確実にロリコンの疑いをかけられるところだった。
「がんばらんでいー!」
「ひゃい!?」(びくっ!)
「・・・はぁ、じゃ話し合いをしようか?」
まったくジジイの余計な一言で疲れたよ・・。
「はい!?」
「ほっほっほっほ、レーガンです」
レーガンやはり心を読んでないか?
中央に置いてあるテーブル席に座り交渉を開始する3人。
「報酬については置いておいてだな、まずおまえさんらのお母さんとやらが倒れた理由とか経緯なんかを教えてくれるか?」
「はい!あ、その前に私の名前はユニと言いますこっちは妹のユマです」
(ペコリ)
と自己紹介から始めるユニと無言でお辞儀をするユマ
「ん?ああ、俺はユウヒ・アマノだ、ユウヒと呼んでくれ」
「はいユウヒさん」
「・・・・」(コクコク)
「えっと、お母さんが倒れた理由でしたよね?」
話をまとめるとこの子達の家は所謂、シングルマザーらしく母親が毎日働きに出て何とか暮らしていけているらしいのだが仕事の疲れが溜まったのか熱を出して倒れてしまったとのことだ。
ふむ、疲労による免疫低下からくる風邪か何かか・・とりあえず滋養強壮と一時的にでも体力を回復させたがいいか・・今思ったんだが何だかテンプレ臭がするよ。
「なるほどわかった」
「・・何とかなりますか?報酬が足りなければ・・私がんばり・・」
「がんばらんでいぃわい!・・報酬はそのままでいい」
また余計なことを言おうとするユニ・・・そして離れたカウンターで今もニヤリと笑っているレーガン・・・地獄耳まで完備・・だと!?
「え?でも男はみんな獣だって・・」
誰だよそんなこと教えたの・・いやここの文化的には常識なのだろうか?まぁいい。
「はぁ、実は今使えそうな薬を所持しているんだが…これは市販されているような薬じゃなければ医者が作ったものでもない」
「え?」??
「効果は確実にあるがな、どうする?使ってみるか?」
と言い粋なバッグこと重量軽減バックから茶色い小瓶の蓋を開けてを取り出す。
【地母神の赤い薬(錠剤)】
大地の力の宿った薬草を使った赤い薬。半分は、地母神の優しさで出来ています。
効果:体力回復(小)、病気抵抗値上昇(中)、効果持続(小)
と言った効果である以前地面に落とした粉薬と同じものを魔力を注いでさらに合成した結果できたものだ以前より少量で効果が出る上、持続効果もついている。
「これが・・」
「1日一粒食後に飲ませるように、飲ませすぎないようにしてくれ」
「はい!」
元気よく答えるユニどうやらお買い上げのようだ、バックから取り出した紙袋に7粒入れてやる。
「とりあえず帰ったらすぐ何か食べさせてから飲んでもらうと良い、一応明日様子を見に行くつもりだが・・明日の朝ここで待ち合わせできるか?」
そう言いながら紙袋を渡した。
「はい!かならず!」
ユニは胸に紙袋を抱き元気よく答えたのだった。
「これが報酬の小銀貨2枚分です」
そこには小銀貨1枚と銅貨10枚があった、なるほどやっと工面したって感じなのかな・・・。
「それじゃ確かに報酬は貰ったよ、それじゃまた明日な」
「はい!」
「・・・・」(ペコリ)
よく考えたら初めての依頼報酬だったんだよな、さくっと終わらせちまったなぁ・・でも明日様子を見て本当の完了だよな。しかし最後まで喋らなかったな・・悲鳴しか聞いてないよユマ。
そんなことを考えながら宿へと向かうのであった。
「御頭もどりました」
「おう、お疲れ無事送り届けたかい?」
ここはどこかの一室そこには二人の女性が居た。
「はい問題なくそれとあの男についてですが・・」
「ほう・・」
一人は御頭ともう一人は街道で黒装束を身に纏っていた者だ。黒装束の女性は御頭に手に入れた情報を話した。
「なるほどね、あの男もまたモーブからやってきたってことかい・・でもそれがなぜ王子さまと居たのやら」
「それはわかってません三人から聞いた情報もモーブでの目撃情報ですから」
まったく繋がりのわからない王子一行に頭を振る御頭。
「そりゃしょうがないね・・所でその三人はどうしたんだい?新しい依頼があるんだけどね」
「あたらしい?あの三人にですか?・・たぶん自室だと思いますが連れてきますか?」
「王族暗殺計画?」
「暗殺阻止?」
「グノー王城に潜入?」
「「「我らに死ねと?」」」
ここはあの三人の男達の部屋そこには何故か蹴破られた扉と御頭それと床に座りトランプを持ったままポカンと御頭見つめる三人の姿があった。
「あんたらならできるだろ?一応グノーの偉い人からの依頼だからね、極秘任務扱いとは言え捕まって死刑なんてならないさ・・・タブン(ボソ)」
「・・・どうする?」
「んー姉御にゃ借りもあるし」
「しかし城に潜入とか・・」
渋る三人に御頭口元をニヤリと歪め魔法の言葉を発した。
「それがねぇ、暗殺対象の王族ってのに美人姉妹まで入っててかわいそ・・」
「「「この任務我らにお任せを!そのような愚か者は宇宙の塵して見せます!」」」( `・ω・´)キリッ!
そう言うと三人は、一瞬でその姿を消したのだった。一人残った御頭は笑っていた。
「ふふふ、男ってのはみんなバカだねぇ・・まぁ嫌いじゃないけどさ。しかし流石はモーブの忍者か、まったく動きがわからなかったよ・・所で宇宙ってなんだろね?」
そう言って楽しそうに笑いながら御頭はその部屋を出て行くのであった。
どうでしたか?楽しんでいただけましたか?これからこのくらいの文字数目指すつもり・・でも予定は未定って言うよね・・え?w
今回も確認時に誤字脱字が結構出てきました、それでもまだありそうですがw
なんだか初めての依頼をサクッと終わらせてしまいましたが・・キニシナイ
そんな感じで次回予告、少女の依頼を終わらせて宿に戻ったユウヒに襲い掛かる新たな火種!そして少女達依頼達成は予期せぬ方向へ?そしてあの男達はなぜ!?次回もこのチャンネルで・・・会えるよね?
それではさようなら~ ( ゜∀゜)ノジ