「正義」とは何か、「悪」とは何か
正義とは何か。悪とは何か。
ヒーロー(俺の書いている小説。タイトルのまんま)を書いていると、本気でそう思うんですよね。痛いヤツだなあ、とか思いつつ、そんな考えが止まらないんですよ。
正義っていうには正しい事。悪ってのは間違ってる事。
けど、それは絶対的な定義じゃない。
例えば、人殺しをしたとします。普通に考えたらそれは悪です。間違ってる事です。でも、時にそれは正しい事になるんじゃないのか、と思うわけですね。
一人の悪人がいたとします。そいつはどうやってか、核ミサイルのスイッチを手に入れました。今にも押そうとしています。そいつを殺しました。それは悪でしょうか。正義でしょうか。
結果で考えれば、正義になると思います。一人の悪人の命を捨てて、何億の命を救ったんですから。人殺しが正義になるんですね。間違ってる事のはずなのに。
ぶっちゃけた話をすれば、正義も悪も、言葉であり概念でしかなくて、そんなものなくたって生きていけます。どうだっていいことです。でも、俺は思うんですよ。人として、考えておくべきことなんじゃないかって。まあ、それも結局は言葉なわけですが、そこで思考を止めるのは、俺は嫌です。
死刑制度なんてのもいい例かもしれませんね。
俺は、死刑なんて廃止したほうがいいと思ってました。過ちを犯したら、それが大きすぎるなら、全てのチャンスを奪うってのは、やりすぎなんじゃないかと。
遺族の人が「死んで償って欲しい」とか言っているのを見たら、「おいおい、人が死んだらどうなるか、知ってるくせにそれはないだろ」とか思ってたんですね。
でも、ちゃんと死刑には理由があるんですよ。抑止力として働いているし、見せしめにもなる。
見せしめって大事なんですよね。ルールを破ったらどうなるか、過度のペナルティがなければ、そんなの破りたい放題です。無期懲役だって、それだけじゃ足らない犯罪はありますよね。
だから、死刑は必要なんですよ。正義の為に、人殺しを使うわけです。
まあちょっと話が逸れますが、世の中の人間には誰だってその人なりの正義をもっていると俺は思います。信じてるもの、って言った方がいいかもしれませんが。
例えば、テロリストは世間から見たら悪です。つーか、同時多発テロなんてのは悪以外の何物でもありません。
けど、テロリストにはテロリストなりの「考え」と「信じるもの」があって、それに基づいて行動しているわけで。絶対悪というわけではなく、どこかに「信じるもの」=「正義」を見ているからああいうことをしているんだと俺は思います。
「絶対悪」の人間なんて、世の中にはいないと思うんですよ。どこかに良心があると俺は思ってます。甘ちゃんみたいな考えかもしれませんが。
そういう風に突き詰めていくと、「絶対正義」もない事になって、じゃあ、「正義」と「悪」の境界線ってどこ?って話になってくるんです。
で、その境界線ってのが曖昧で、人によって見方が変わるんです。
さっき、俺は「死刑必要」って言いましたが、世の中には死刑の有用性を知っていたとしても、「死刑反対」って人はいます。ようするに、俺にとっては死刑は正しい事=「正義」の枠に入ってて、死刑反対の人にとっては、間違っている事=「悪」として捉えられているわけです。
結局は言葉ですから、答えがでないんです。俺の正義は絶対じゃないし、他人の正義も絶対じゃない。堂々巡りです。
もしくは、世界で全員にアンケートやって、それが正義かと言われれば、多分そうじゃないし……
正義って、何なんでしょうね。答えがでない。俺の中だけならなんとか出せるかもしれませんが、概念としての絶対的な定義にはならない。他人の考える正義と俺の考える正義は違うから。
あえて書きます。
アナタにとって、正義ってなんですか?悪ってなんですか?
よければ、意見を聞かせてください。