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僕だけがいる世界

中学3年で友達と一緒に作った「処女作」になります!

受験も卒業式も終わったので公開します!

続きも書け次第投稿するかもなのでよろしくお願いします!

 突然だが僕には未来に行く力がある。


 未来に行くと言っても22世紀に行ってネコ型ロボットを見るような大規模な移動は不可能で、使ったところで毎回次の日の朝7時、自分のベットの上で目が覚めるだけだった。


 そんな身に余るような力を使う気にもなれずただただ平凡に無意味に毎日を消化する。




 「12月25日」みなさま大好きクリスマスだ。どこを見ても幸せ一色。子供はプレゼントを待ち侘び、学生や夫婦は互いの愛を確かめ合う。


 しかし、それを喜ぶ者だけでもない。


 その代表例が僕だ。


 中学3年生にもなればプレゼントを貰えない家庭もある。中学3年の冬なんて受験で大事な時期。家にいれば親から勉強しろと小言を喰らうし、他にゆっくりできる場所はない。


 今頃クラスの奴らは何をしてるだろうか、一軍の奴らが忘年会を計画してたがどうなったのだろうか。


 共に過ごす友達も恋人もいない。クラスの集まりにも呼ばれない。そんな楽しみを奪われてクリスマスを楽しむ気になんてなれやしない。


「なんでこんなことになったんだろうな。いや、これも自分の責任。自業自得か」


 どれだけ文句を言ってもこうなってしまったのは突き詰めれば結局自分の行動の結果だ。その現実を見ようともしないのはトラウマを忘れたいのか、それともただ自分が悪くないと思いたいだけなのか。


 早く過ぎればいいのにと思いながらそれができてしまう唯一の自分の長所を誇りに思う。そして結局使わず、自分の優柔不断さにウンザリする。


 ドカッ


 そんなことを考えながら街中を歩くと通行人と肩がぶつかり、僕はその場に尻餅をついた。


 そして自分の後ろを振り向いてみると、一際目立って街を歩いている気分が悪くなりそうな程に幸せそうなカップルを見つけた。


 「人前でも気にせずにイチャイチャしやがって」


 今もこの世界にはこんなにも幸せな奴で溢れてると思うとどうにも吐き気がして、そうボソリと呟いた。

 そんな現実から目を逸らしたくなって、僕は能力を使った。





 突然だが私には時を巻き戻す力がある。


 時を巻き戻すと言っても恐竜時代に行くような大規模な移動は不可能で、使ったところで毎回その日の朝7時、自分のベッドの上で目が覚めるだけだった。


 いくらでも楽しいことを味わえるその力は私にピッタリだった。



「12月25日」のクリスマス。

 幸せの真っ只中にいる私は学校の友達と街中のクリスマスイベントを網羅していた。


「結愛〜、ここのクリスマスメニュー食べればついにここらへんのクリスマスイベントをコンプリートだよ!」


 目標とした最後の店にたどり着き興奮した私は周りの目も気にせずに友達を大声で呼ぶ。


 そんな私に呆れてしまったのか、周りを気にして恥ずかしいのか結愛は私とは対照的に落ち着いて静かな様子で自分の意見を唱える。


「何だかんだで沙津紀の方が、これを提案した私よりも楽しんでるよね。」


 友達に誘われて始めたこのイベント巡りだが、楽しんでいるのが結構わかりやすかったようで、そのことを友人の結愛にも言われてしまう。


 彼氏はおらず、そっちの趣味はないので彼女もいない私だが、友達と一緒にクリスマスを最高に楽しめていた。


「考えた私がいうのもあれだけど街中のクリスマスメニューを食べ尽くすとかデブの発想だよね。せっかくの正月もダイエットのためにお餅あまり食べれないかも。」


「その点沙津紀は良いよね。全く太らないもん。ガキみたいに幸せそうにスイーツを詰め込んで。羨ましいことこの上無いよ。」


 友人の悲痛な叫びを前に私はここぞとばかりに自慢するようにスイーツを口に運ぶ。私の太らない体質がなければ私だってこんな計画にならなかっただろう。


 なまじ一緒に計画に乗ってくれる友人がいたせいで結愛もこんなバカげてることをしてしまったと思うと僅かばかりの良心が痛んでくる。そんな私から出てきた結論は…


「結愛〜これ美味しいし、家用にテイクアウトしようかな?きっとお母さんも喜んでくれるよね!」


「まだお腹に入るの⁉︎」


 そんなマヌケでくだらない結愛との軽いコントを続けながら余った時間で街中をブラブラと歩いた。



「それじゃあ、正月にまた会おうね。ちゃんとお餅を用意しとくから安心してね。」


「太るからいらん!」


 しかし、楽しい事は一瞬で、友達と別れる時間が来てしまった。そんな時間が愛おしくて私は気軽に能力を使ってもう一度クリスマスを謳歌する。




 僕が違和感に気づくのには能力使ってから3秒も要らなかった。


 朝7時のはずなのに部屋が暗い。いや、そもそも僕は自分の部屋にもいない。先程通り街中にいるままだ。


 しかし、先ほどの喧騒はまるで聞こえない。街中の人々はピクリとも動かない。


 何があったのかは分からないが、僕の能力がバグって時間停止になってしまったようだ。


 いつ時が動き始めるのかは分からない。


 しかし、時が動いたときを考えれば時間停止期間がわかった方がいいだろう。


 そう思い体感10分ほど歩いて家に向かった。


「これでよしっ」


1日目


 印を付けながら出てくる独り言を伝える相手すらいないと言うのはどうにも悲しいものだ。


 しかし、原因も分からずに起こったことを考えても何もない。


 うだうだ考える暇があるなら何か行動を起こそう。


 無限の時間があると言う事は無限の可能性を持つと言うことだ。


 無限大の可能性を前に僕は胸を躍らせた。

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