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寄せ集めでも英雄パーティーになりたい  作者: 礫(レキ)
最終章 魔王決戦
14/14

最終決戦

魔王が歩いて、近づいてくる。

「ミライよ、これがお前の息子?ぬ、獣人ではないか…、貴様謀ったな?」

ミライは首を横に振って、

「聞かれてない、獣人かどうかなんて。勝手にかんちがいしたんだら、ウィルと俺の息子だからヒューマンだって。だからお前のミスだ。」

魔王は、

「所詮は、迷信。気にするようなものでは…。」

魔王の視線の先には、ジークがいた。

「お久しぶりです。魔王様。」

「き、貴様。ジークか?」

ジークは深々と頭を下げ、

「御意。」

魔王の顔は引き攣り、

「貴様、何しに来た!」

ジークは首を横に振り、キッと目を見開き、

「当然魔王の頸を取りに!」

魔王は再び軽い笑みを浮かべ、

「ミライよ、本気で倒しに来たということか。」

「だから、最初から言ってるだろ。」

ミライはやれやれという顔つきで言った。

リリーは、ジークの近くに寄り、

「あんたまだ、隠し事あったんだね。なんなの、吐き出しなさい。」

ジークは、覚悟を決めた様に話し始めた。

「俺の父は現魔王の弟で、魔族領の何処かに封印されている。」

「え?つまり、魔王って叔父さんってこと?」

「まあ、そうだがあまり血縁とかは特になにも感じるところはない。」

リリーは、ちょっと考えて、

「あれって効くのかしら?」

「あれって、お前の作った薬か?多分効くと思うがウィルがいないと…。」

ジークは、ちょっと考えて、

「ミア、お前。ウィルの技は見ているか?」

「直接ではありませんが、だいたいはわかります。いけます。」

ジークが、もふもふの近くまで行き、

「もふもふ、長期戦は不利だ。一気に畳み掛ける、まずは俺が囮になって仕掛ける、お前等は防御に徹してくれ。」

ジークがゆっくりと、魔王の前に出た。

魔王が自身の頸を叩き、

「お前に、これがとれるのか?裏切りものは滅せよ!」

魔王の鋭い攻撃を片手で跳ねのけた。

「笑わせるな。裏切る?そんな感情王家の魔族に存在しないだろ。お前を一度でも信用したことはないし、いつでも敵対していた。下等魔族をお前が洗脳しただけだろ!」

「いい、気迫だ。そうでなくてはな。」

いやいや、俺はもう限界。ミア…どうだ。

ミアから合図がきた。

ジークが高く飛び、魔王の眉間にナイフを突くつけようとした。

ミライは、呟いた。

「ムダだよ。ジーク君、彼の体を貫く武器はこの世に存在しない。」

ジークは、魔王の反撃をモロに食らったように見えたが、その瞬間、ミアが魔王の懐に入って術を放っていた。

ミライは苦笑して、

「囮か…。君は死ぬつもりか?」

魔王は、ミアを叩き潰したがミアは数百体に分裂してその一体が魔王に術を放って薬を体内で爆発させていた。

ミライはその技を見て、うんうんと頷いた。

「ウィルの技だね。うれしいよ。」

と感動していた。

その瞬間、魔王が膝から崩れ悶絶した。

「な、なんだ。これは?」

魔王の足先から、壊死が始まる。

手の指先も壊死が始まり、全身の崩壊が始まるかに思えた。

しかし、壊死した腕と足を切り捨てて、再生した。

「え?ウソでしょ。反則だよ、そんなの。」

リリーは、腕と、足が生えて来た様を見て言った。

ミアが魔王の姿を見て鋭く指摘した。

「でも、効いている。魔力が確実に落ちた。」

ジークにミアが、次の作成を提案した。

「あと、4いや3発打ち込めれば魔王を倒せます。

ジーク様、もふもふ様、メグ様のお力を借りたいです。」

ジークは首を横に振って、

「ダメだ。僕の目は節穴だと思ってるのか、君はウィルの技の9割しか出せてないしかも次は良くて7割次は5割、そんなもので魔王の懐には入れないよ。

しかも、3回目は君は消える気だよね、そんなものは許すことは出来ない。」

ミアは、ジークを睨みつけ

「それでも先代の想いを私は遂げないといけません。」

と言って、リリーから薬を全部奪い魔王に突入した。

ミアの突入直前に、魔王が再び立ち上がりミアを真っ二つにしたかにみえたが寸前でミアが回避した。

「あまり、舐めて貰っては困るが、王家の血を逆手に取ったか、自分の弱点に繋がるのによくやりおるな、そこまで人とはいいものなのかな。」

ミアは、懐に再び飛び込んだが、1回目よりスピードが落ち、分身の数も100以下に落ちていた。

それを見たミライは、

「そりゃ、そうだね。ウィルの技は簡単に真似出来るほど甘くないからね、でもあそこまでやったのは、魔族にしては称賛に価するね。」

と、拍手をして笑った。

魔王も、明らかにスピードが落ちたミアを捉えるのは、簡単だった。

魔王の手の中に握られたミアは、全身の骨が破壊され、すでに事切れている様に見えた。

「お前の魔力事吸収してやる。」

と魔王は笑みを浮かべて、ミアを一呑みした瞬間、

魔王の口の中で閃光が走った。

一瞬、魔王の頭が吹き飛んだのではないかと錯覚するくらいの大爆発が発生した。

ミライは、顔を引き攣らせながら、

「魔族ならではの芸当だね。魔力を両手の手のひらだけ残し、後は無防備でバラバラにさせ、口の中で大爆発後に出血させ、更に薬を投入して大爆発をさせる。素晴らしいね。」

ジークは、地面を叩いて悔しがった。

リリーは、ジークの肩を叩いて、

「ミアが最期に言ってた、奥様との約束守れたって。」

ジークは、下唇を噛み締め、

「次は俺が親父との約束を果たす番だ。」

と、言って立ち上がろうとした時、ミライが制止した。

「すまないが、次は私にやらせてもらおう。ダメだった君達にお願いするよ。」

魔王が、頭部の蘇生を終わりようやく立ち上がろうとていたが、魔力は、激減していてミアの攻撃がどれだけ凄まじいかったがよく分かった。

「ずいぶん卑怯じゃないか、ミライ。こんな私を倒して楽しいか?」

ミライは笑みを浮かべ、

「ずいぶん、弱気だね。倒されるつもりなら倒してあげるよ。」

ミライが、杖を振るうと無数の雷撃が魔王を襲った。

「ぐァァァ〜!!」

と、魔王が苦悶の表情を浮かべた。

ミライは、容赦なく攻撃を続けた。

暗黒魔法を集中砲火したが、これにはジークが、

「魔族に暗黒魔法が効くはずがない…何を考えて…。 」

魔王がミライの技に激怒し、

「魔族のものまねでわしが倒せると思ってるのか!」

暗黒魔法を片手で振り払いミライに突入した時、

魔王は、無数の光の糸に捕らえられ、光の糸が魔王の肉体に食い込み肉を切り落としていく。

「謀ったな、ミライ。」

「君達、魔族は暗黒魔法を思いの外嫌ってるみたいだからね…怒らせるにはもってこいだよ。」

魔王が光の糸を切ろうとしてめ力を出せば出すほど内部に食い込んでいく。

「くっ、仕方あるまい。」魔王が内部から深紅のたまを取り出し光りの網に擦り込むと、光の網は消失した。

「これで魔王は、無敵では無くなったね。」

リリーの頭の上に?が出ていた。

「ジーク、意味分かんないんだけど、どういうこと?」

「魔王の力の源である深紅の魂が消失したことで、これまでの様な回復や蘇生は一切出来なくなった、四天王よりちょっと強いくらいの力まで落とせたということだと思うが、ミライさんは本当に平気なのか?」

ジークの想像は、間違ってなかった。

ミライは、笑顔のままそのまま倒れた。

もふもふがミライの顔を覗き込んで、

「大丈夫だ。ただの魔力切れだ。」

ジークが、魔王の前に立ち塞がり、

「父の無念を晴らす時が来た。」

魔王は、ニヤリと笑い、

「お前ごときでは、わしは倒せん!」

魔王の手が伸び、ジークの顔を捉え、地面に叩きつけた。

ジークは、立ち上がり持っていた短刀で、自分の胸に十字の傷をつけ、魔王を睨みつけた。

「竜騎士の力をみるといい!」

巨大な暗黒竜が飛来し、

ジークの胸の傷を暗黒竜が舐め、ジークと暗黒竜が同化していく。

暗黒竜となったジークが、魔王を斬りつける。

魔王は、片手で受け止めるが、その手をジークの竜騎士の剣から竜が飛び出て魔王の腕ごと食いちぎった。

魔王は腕を抑え悶絶する。

ジークが、再び竜騎士の剣を振るおうとした時、魔王の目が光り、ジークの全身から血が吹き出しジークが白目を剥いて倒れてしまった。

「竜騎士、ジークよ。良くやったが、ここまでだな。所詮、親父と変わらぬな。」

リリーが、ジークの傍に飛んで行き、

「ジーク!こんなところで倒れてどうするの!ミアのガンバリを無にするの!起きなさい。」

ジークは、舌打ちをしながら立ち上がった。

「チッ!まだやるさ。親父、ミア、みんなの無念を晴らすんだからな!」

ジークは、遠距離からの竜騎士の剣で今度は魔王の全身から血を吹き出させた。

魔王は、魔力を瞬時に溜め一気に放出した。

ジークは、剣を振るった後で防御体制が出来ていない時に、高エネルギーの魔力砲を食らったかにみえた。

「ゴホ、ゴホ。」

「り、リリー!何、馬鹿なことしてるんだ。」

リリーは首を横に振って、

「私はあなたの役に立ちたいだけ。早く本懐を遂げなさい。」

ジークは、リリーを気にしながらも、魔王に向かっていった。

しかし、ジークは、両手、両足をもぎ取られ最期は

首をはねられ、頭部を真っ二つにされた。

それを見たリリーは、鬼気迫る形相で魔王に立ち向かっていった。

「人ごときがわしに歯が立つと思っているのか?」

リリーは、魔王に近づいた瞬間、両足にしがみつき爆発した。

魔王の下半身が引き飛び、リリーは全身バラバラに砕け飛んだ。

メグは、膝をついて

「そっそんな。リリーはまだ、ジークとこれからだったのに酷いよ。」

僕は、ウィルを失い、その上、ジークとリリーを失わないといけないのか。

それでも、まだ魔王は生きている、僕等は本当にこの化け物を倒せるのか?

魔王は、体制を立て直してまた攻めて来ようとしている。

僕は、結界を限界まで高めて自分とメグの防御を固めた。

しかし、魔王は下半身を失ったにも関わらず、腕だけで前進し、結界をいとも簡単にペリペリはいでいくように破壊していった。

「このままじゃ持たない。何か手はないか?」

僕がそんな感じで苦戦しているのをメグが見て、ケルベロス達を召喚したが、魔王に立ち向かわない。

魔王は、ニヤリと笑い、

「主人に番犬が楯突くわけないだろうが!はっはっは。」

ケルベロス達は明らかに、狭間にあって困っていた。

僕がなんとかしないと…。

とはいえ、防御の技しか知らないし…。

防御の技…反射技ならいけるか…リスクはあるし、こっちの世界ではやったことないけどやるしかない。

もふもふは、結界を全て解除して構えに入った。

ミライは小声で、

「よし。」

と、呟いた。

魔王は、不敵な笑みを浮かべて、

「恐怖でいかれたか…。」

魔王の一撃がもふもふを貫くと誰もが思った。

メグは、顔を押さえて、

「や、やめて〜!!」

もふもふの体から魔王に向けて光源が反射し、魔王を吹き飛ばした。

魔王の上半身の半分を吹き飛ばしたが、まだ半分で動いてる。

もふもふもただでは済まず、膝から首まで夥しい出血で、意識が朦朧としていた。

メグは咄嗟に、

「ミリーナ、手当てを!」

「はい。」

ミリーナが全力で回復処置をして止血まではなんとかしたが、とても戦える状態じゃない。

しかし、もふもふは立ち上がり、

「トドメを刺さないと!」

と前に出ようとしたが、メグが

「もうやめて、死んじゃうよ…ダメだよ。」

「ここでやらないと、もっと沢山の命が奪われる…ここで終わらす!」

魔王が再び、もふもふに照準を合わせる体勢に入った。

「やらせないわ、シルフ、全精霊をかき集めて攻撃しなさい!」

魔王は、シルフを捕まえて、頭から貪り食ってしまった。

魔王は、再び照準をもふもふに合わせ、光源を発射した。

「させない!」

メグが魔力を最大出力で解放し、一瞬弾き返したかに見えたがメグに直撃した。

メグが立ち上がろうとしたが、もふもふは制止して、

「いいかい、メグ?僕はここで消えても再び君の前に転生する。約束しよう。だから悲しむことはないよ。この次は二人で幸せになろうね。じゃ。」

「やめて!やだよ!」

「ミリーナ、メグの手当を頼む。」

そういうと、もふもふは魔王のいる方へ歩いて行った。

次の瞬間魔王が再び発射した光源が反射し、魔王は消滅し、同時にもふもふも肉体が完全にバラバラになり原型を留めていなかった。

「なんでなの!一人にしないでっていったのに!」

メグが泣き崩れて地面を叩いた。

入口付近で入りづらそうにしている人影が見えた。

「本部長。不味いですよ、終わっちゃってますし、何か人が結構倒れてますよ。」

「しょうがないだろ、遅れちゃったものは。」

バツが悪そうに、ギルド本部長のキースが入って来た。

「ミライ。結構派手にやられたな。」

「遅い。役に立たないな、相変わらず。」

キースは回りを見渡して、

「おい、息子はどうした。」

ミライは、ちょっと間をおいて、小声で

「死んだ。けど、立派だった。英雄になったよ。」

メグがミライに掴みかかって、

「英雄になんかならなくていい!立派でなくてもいい、だから返して。返してよ!」

キースは頭を掻きながら、

「スマン。そうだったんたな。」

キースは、回りを見て、

「とりあえず、ギルドの救護班が来るから生存者はすぐに手当をして大神殿まで運ぶ、戦死者は責任を持って手厚く埋葬する。」

暫くすると、メグとミライは救護班に運ばれていった。

ミリーナは、比較的軽傷だったため、自力であるいて、大神殿まで行った。

メグとミリーナは魔王戦の生き残りであったため、

大神殿では英雄扱いされたが、メグは精神的なダメージが大きかったため、部屋からほとんど出てこない様になってしまった。

一方、ミライも妻と息子を失ったショックは大きかった様で、ギルド本部長には、冒険者は引退して人がいないような田舎に移り住むと言い出した。

ある日、ミライがメグの部屋に尋ねると、

メグが虚ろな目でミライを出迎えた。

「どう?ま、元気じゃないよね?」

「まあ、そうですね。」

ミライがメグをジロジロみて、

「あのさ、体調、どう?」

「なんかダルい感じですかね。」

ミライは、意を決した様に言った。 

「医者に診てもらおう、いますぐ。」

その後、メグは精密検査を受け、結果を別室で聞くことになった。

メグはミライを見て

「私、もふもふの所にいけるんですか?」

ミライは、

「そんなこと考えないで。」

と言った。

医者か入ってきて、なんだか難しそうな顔をした。

「ま、ちょっと言い難いけど、オメデタです。双子みたいですね。」

メグは、信じられない顔でキョトンとしていた。

ミライは、頭を掻きながら、

「こんな時なんだけど、俺ね人があまりいない山小屋に引っ越そうと思うけど、メグちゃんはどうする?」

メグは少し考えて、

「行きます。」

「そうか、善は急げだ。明日出発しよう!」

翌日、大神殿を出発しようとした時、ミリーナがついて行くと言い出した。

「なんで、私だけ置いていく気なんですか?酷いじゃないですか?」

ミライは、茫然としながら、

「いいけど、お前は歩いて行けよ。メグちゃんは俺の浮遊術で連れて行くけど…。」

メグは慌てて、

「浮遊術なら私も使えるので平気です。」

ミライは首を横に振って、

「何もしてあげられなかったんだから、これぐらいさせて…じゃないとアイツに申し訳が立たないからさ。」

そういうと、ミライは、メグを浮遊させて出発した。

ミリーナが戻って来ると、ミライ達は遥か彼方まで行ってしまっていた。

「あの人達は、なんでそうなの!」

ミリーナはダッシュで追い掛けた。

ミライは、これから行く村の話をしていた。

「メグちゃんも全く知らない連中じゃないかもしれないよ、なんかもふもふに世話になったから恩返しさせてくれって言ってた。」

「恩返しですか…何でしょう?」

「確か…ウッドタウンがどうとか言ってた気がする。」

「もふもふが、奴隷になっていた獣人達を開放して作った街です。…なんだか懐しいな。」

ミライは、微笑んで下を向いて、

「そうか…あいつ、そんなことを。」

「だから、これから行く村は獣人の村なんだが、エルフも一緒に暮らしてるらしいからいいと思うんだ。」

「珍しいですね、エルフが他の種族と暮らすなんて。」

ミリーナがようやく追いついて来たようだ。

「お〜い。なんで、置いていくんですか?」

ミライはあきれ顔で、

「本当についてくるんだな。でもお前の家は用意してないぞ。」

「大丈夫です。メグさんと一緒にいます。」

…こいつ、居候する気か、結構図々しいな。

小一時間くらいしたところで村に着き、ミライに家に案内されたが、山小屋と聞いてたが、結構な大邸宅でメグとミリーナはかなりビックリしてた。

「ちょっとやり過ぎ感はあるけど、まぁいいんじゃないか。」

とミライは言って、自分の家に行ってくると行って出て行った。

「メグさん、なんでも言って下さい。私メグさんのお手伝い、何でもします。」

圧が凄い…。

「分かったわ。明日からね、今日は遅いから休みましょ。」

こうして、双子が生まれるまでの数カ月間メグとミリーナの共同生活が始まった。

とはいえ、昼間は村のお世話係みたいな人が訪ねてきて、食料や必要なものを届けてくれた。

ミリーナは、暇な時には空き部屋で英雄パーティーの像を作ると言い出して、作品を作り始めていた。

その像が出来上がると村の人が村の中心に置きたいと言い出して、結局村の中心に飾ることになった。

そこには、懐しい面々がいて、それを見るメグはうれしそうだけど、どこか寂しそうな顔をしていた。

それから、日々は流れ、メグが双子を出産した、

メグもミライも大喜びで当日はキースも来て、みんなでメグを労った。

それからは、ミリーナ、メグ、村の世話係のみんなで双子の育児に追われる毎日が続いた。

双子が喋れるようになると、ミリーナは英雄パーティーの像の前に連れて行き、『君達のお父さん、お母さんは凄い英雄なんだよ』と、得意気に話していた。

ある日、双子がメグに詰め寄った。

「お母さん!私たちに本当はお父さんは居ないって本当?!」

メグは微笑んで、

「誰がそんなことを言ったのかしら、でも大丈夫。あなた達のお父さんは必ず此処に来るし、ちゃんと居るわ。安心しなさい。」

双子はそれを聞いて喜んで走って行った。

傍にいた、ミリーナは、

「あれから、もうすぐ50年そろそろ来てもいいですよね、何してるんですかね。」

メグは微笑んで、

「大丈夫、前回は200年も待ったんですから。でもそろそろ来そうな予感がするの。」

その頃、大神殿では最近不審な人影がいるということで騒ぎになっていた。

大神官の命によりその日から警備が非常警戒に強化されていた。

その日の夜、忍び込んだ輩が捕まった。

忍び込んだのは計5名、3グループ。

「一体どういうことだ。忍び込んだグループ同士は面識がないのに目的が同じとは?」

大神官が現れ、神官達は、直立不動の姿勢になった。

「どうなっている?」

大神官が問い質すと、

「捕らえた賊は、皆ここに忘れている何かがあるというだけでそれ以上のことは分からない様です。」

「そうか。」

大神官は、1人の男の前に立つと違和感を覚えた。

「な、なんだこの感覚は?」

その後、50年前の出来事がフラッシュバックし大神官の脳裏に出現した。

「ま、間違いない!今直ぐギルドをキース本部長を呼べ、今直ぐだ!全員、丁重に扱え英雄パーティーの皆様だ。」

速報は、キースの耳にすぐ入り、キースはミライに

大神殿に向かいながら連絡を取った。

「全員、記憶がない。どうすればいい。」

『この世界から消えた場所に戻れば確実に戻るが、それ以前に戻る場合もあるが、まず各々亡くなった場所に行く必要がある。』

「よし、分かった。まずはそのようにしてみる。」

キースは、翌日早朝に大神殿に着き、大神官に事の次第を伝えた。

「皆が起床したら、元魔族領に行く。」

全員が集まったところで、キースから注意が告げられる。

「これから行く所に君達が知るべき記憶があるが、それまでの記憶が失われる可能性があるので、この紙に書いてある物を読みながら進んでもらう。」

一行は元魔族領に入って行った。

入った瞬間5人は頭痛を訴え始めたが、キースは気にせずに進んだ。

魔族領の壁を越えた時点で、1人の男が立ち止まり悶え始め、次の瞬間我に返って、

「あれっ?」

キースが紙を指差し、

「これを読め!」

「君は転生した。とにかく喋るな。って何ですか?」

「だから、これ以上喋るな!」

キースは、肩を落として、

「あ〜疲れる。」

と呟いた。

次に入ったのは、鏡の部屋だ。

そこでは、男女2人が、苦しみ始め2人ともそのまま倒れて動かなくなった。

「おい!大丈夫か?」

キースが、慌てて確認したが、呼吸していることが、確認できたのでどうやら気絶しているだけの様だ。

マークが、

「僕が2人を見ているので、先に行っても大丈夫ですよ。」

「すまない、助かる。」

と言ってキースは残り2人を連れて、先に進むことにした。

鏡の部屋を抜けマグマが沸き立つ火山の道に来ると女が苦しみだしその場に倒れたが、すぐに我に返り

起き上がりキースを見て、

「お前、似合わないから涙なんか見せるな。」

とキースをみて笑った。

「すっ、すまない。お前に申し訳なくて…。」

キースの目から大粒の涙が溢れた。

男が1人取り残されて、ポカンとしていた。

キースは気を取り直して、

「では先に行こうか。」

しばらく、長い通路を下り、下りきったところにある魔王との壮絶な戦いの跡地まで来た。

そこで、男は苦しむこと無く光に包まれ、笑顔で

「ウィル、帰って来たんだね、嬉しいよ。」

ウィルは涙を溜めて、もふもふを叩いた。

「バカヤロー!なんで光な何か包まれるんだよ。またいなくなると思っただろ、もう勘弁してくれよ。」

ウィルは、もふもふに抱きついて泣き崩れた。

そのころ、マークがみていたリリーとジークが目を覚まし、マークをそっちのけで抱き合っていた。

「おいおい。もうそういうことになってたんだ、でもそろそろウィル達戻ってくるからほどほどにしなよ。」

暫くするとウィルともふもふがリリーとジークとマークに合流した。

そして、大神殿に戻ったところで、もふもふが

「みんな、すまない実は行かないといけないところがあって…。」

キースは、にっこり笑って、

「俺から言おうと思ってたんだが、あちらさんは、首を長くして待ってるから早く行ってやってほしい。ウィルもね。」

ジークとリリーも、

「私たちも当然行くわよ。」

「当たり前だ。」

マークも、

「僕だって行きますよ。」

ということで全員でメグの待つ村へ向かった。

村に飾ってある英雄パーティーの像のところで皆立ち止まり、

「おい、作)ミリーナってなってるぞ。あいつこんなの作ったんだ。」

「もふもふ、行ってきな、私達が行ったんじゃ、メグに悪いから。」

そう言って、ウィルはもふもふを送り出した。

もふもふは、メグの家の前まで来ると少し緊張したが、ドアを開けて入った。

「メグ、待たせてゴメンね。帰ってきたよ。」

メグは、もふもふの姿を見て涙が溢れ、その場に泣き崩れた。

「本当、本当に?もう何処にも行かないよね。」

「そうだよ。約束したろ。必ず転生して今度は2人で幸せになろうって。」

そこに2人が割って入ってきた。

「2人じゃないでしょ!4人だもん。」

「え?」

もふもふが指差す。

メグが笑って、

「あなたのこどもよ。」

「パパ!帰ってくるの遅すぎ!」

2人のこどもは本当に怒っているようだったが、

僕は本当にメグの元に戻れて、約束を果たせて良かった。

その頃、ウィルはミライの待つ家の前で入るかどうか迷っていた。

「やっぱり帰ろう。」

「おい、おい。」

ミライは、ドアの隙間から見ていたようで、帰ってしまおうとするウィルを引き止めた。

「ま、君らしいけどね。」

「ミライ…またあの頃に戻れるかな?」

「戻れるさ。ほら見てごらん、君がいつ帰ってきてもいいようにひまわり畑をつくったんだ。」

ミライの家の裏には広大なひまわり畑がありひまわりが無数に咲き誇っていた。

「私…あのひまわりみたいになりたい。」

「きっと君ならなれるさ、ひまわりより輝けるよ。」

ウィルは頷いて、

「もふもふもいるし、失った時間取り戻さないとね。」

「あ〜、そうそう。我々って実は孫がいるんだけど知ってた?」

「はぁ?!」

ウィルは、急いでもふもふとメグの家に行った。

「あっ。ウィル!いらっしゃい。」

こども達が走って、ウィルに抱きついた。

「このひとがおばあちゃん?」

メグは笑って

「そうよ。」

ウィルはその場で泣き崩れて、

「みんな、みんな。私の家族になってくれて本当にありがとう。」


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