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9 選考基準は性格です、馬が合うことです

 20人から5人を選んで迷宮へと向かう。

 ヒロハルが戦力にならないから、実質的に5人で戦ってもらう事になる。

 可能な限りヒロハルも協力はするつもりだが。

 足手まといになるのがオチなのは、誰よりもヒロハルが理解している。

 なので、無理や無茶はしないつもりでいた。



 また、選ばなかった者達はその場で組んでみる事を提案した。

 集まってきたのは基本的にはどこにも所属出来なかった者達だ。

 迷宮に挑む仲間を求めていた者達ばかりだ。

 ならば、折角集まった者同士で組んでみるべきだろうと。

「折角集まってもらったから」

 そういって促していく。



 そうして選んだ仲間だが。

 いずれも適切な配分になってくれた。

 戦士が2人に斥候が1人、魔術師が2人。

 出来れば戦士をあと1人欲しかったが、こればかりは仕方が無い。



 戦士に適した者はいたのだが。

 あえてそれは断った。

 選考基準から外れていたからだ。



 ヒロハルが選んだ基準は、性格。

 人格や性格が破綻してない事。

 まともな人間性を持ってること。

 能力や知識や技術も大事だ。

 しかし、あえてこれらは無視した。



 理由は前世だ。

 学校にしろ職場にしろ、能力の高い者はいた。

 これらの中には性格の悪い者もいた。

 そういう人間はどれだけ優れていても付き合いたくないものだ。

 というか、付き合えないものだ。



 日常的に嫌みや愚痴を吐き出してくる人間など付き合ってられない。

 罵倒や暴言を叩きつけてくる人間など願い下げだ。

 また、こういう人間は暴行傷害も厭わない。

 そんな人間とは一緒に居るだけで傷を負う事になる。

 怪物との戦い以外で無駄に負傷する理由もない。



 また、暴言もストレスになる。

 ストレスは能力を低下させる。

 体の動きに頭の働き、勘の鋭さを鈍らせる。

 迷宮に置いては致命的だ。



 なので、こういう素振りのある人間は除外した。

 幸い、集まってくれた者達にはこういう人間はいなかったが。



 こうなると、あとは性格が合うかどうかだ。

 どれほど善良な人間であっても、性格が合わない事もある。

 これも迷宮では命取りになりかねない。

 意思の疎通が出来ないからだ。

 気が合わない、考えが合わない、こうなるとどこかで連携がとれなくなる。

 これも避けたい。



 となれば、性格が合う、馬が合う人間を集めた方が良い。

 たとえ能力が低くてもだ。

 ストレスが減る。

 長く一緒に活動する事になるのだ。

 だったら、性格が合う人間と一緒にいる方が良い。

 だから能力で選ぶ事は避けた。



 前世の学校や職場はこうではなかった。

 優れた人間が横柄に振る舞ってる事があった。

 たしかにテストの点は良い、スポーツも出来る。

 業務成績も良い。

 だが、他人を虐げる傾向がある。

 学校や会社もこういう人間をかばっていた。

 おかげで教室や部活、社内の空気は最悪だった。

 当然、全体の成績も上がらない。

 優秀な者達はともかく。



 そんな現実を見てきた。

 実際に体験もしてきた。

 だから問題のある人間は排除する。

 性格が合う人間と一緒に行動する。



 組織は様々な人間がいた方が良い、これは大嘘だ。

 合わない人間が一緒にいたところで、組織は滞る。

 似たもの同士が一番だ。



 そう思ってヒロハルは自分と合う人間を集めた。

 集めた者同士がどうなのかは分からないが。

 しかし、それはどうでも良い事と割り切った。



 必要なのは、ヒロハルと合うかどうか。

 他の者達はヒロハルだけを見てれば良い。

 仲間の事など気にする必要はない。

 無茶な事をとヒロハルも思うが、そう割り切る事にした。

 集まった全員の性格が合うなどありえないのだから。

 ここが辛いところである。



 それでも、せめてヒロハルにとって都合の良い環境にしたかった。

 今まで散々悲惨な目にあってきたのだ。

 これからは自分が楽を出来る状態を作りたい。

 何も間違ってはいないだろう。

 そうなって当然である。



 そんなヒロハルの仲間は、それぞれに優れた所がある。

 だが、とある部分が共通していた。

 魅力が低い。

 おかげで、仲間を集める事が出来ない、仲間に入る事が出来ない。

 そんな者達ばかりだった。

 ある意味、似たもの同士である。

 かつてのヒロハルと。



 そんな仲間と共に、ヒロハルは迷宮へと向かった。





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