8 応募者の性別を限定したわけではないのだが
募集には結構な人数が集まってくれた。
そして、当然というべきか、大半は女だった。
「魅力の影響か?」
小さく呟いた疑問に答えは無い。
だが、他に理由が思いつかない。
魅力は性別に関係なく発動する。
男女ともに好感をもってくれる。
ただ、やはり好意に違いはある。
同性だったら友情や信頼などを強く抱くようだ。
異性だと、これが恋愛感情になっていく。
気持ちの強さも。
おかげで、応募者は女に偏っていった。
20人ほどいる探索者のうち、男は2人だけ。
魅力の効果を実感する。
だが、選べる事に変わりはない。
この中から好きな人間を同行者にする事が出来る。
選択肢があるのは良い事だ。
バランスの良い編成を考える事が出来る。
迷宮探索における役割分担は重要だ。
一人で全てが出来るならともかく。
実際にはそうはいかない。
戦闘に調査に魔術、得意としてるものの違いは大きい。
これらを適切に組み合わせる事で探索効率を上げるしかない。
しかし、そうそう都合良く配分出来るわけもない。
ゲームなら仲間のNPCを適度に作ってしまえば良いのだが。
この異世界は現実だ。
適切な能力をもった人間が、理想的な配分で存在してるわけではない。
ゲームだと、戦士を3人、偵察役の斥候を1人、治療と攻撃の魔術師を1人ずつ。
この6人編成が理想的とされていた。
出来ればこういう編成をしたいのだが、現実では難しい。
そもそもとして魔術師の数が少ない。
素質や教養が必要だから仕方ない。
戦士や斥候だって同じだ。
これらも専門的な知識や訓練が必要になる。
ただ武器を振り回せば良いわけではない。
目や耳が良いだけでは勤まらない。
それなりの練習や経験が求められる。
そもそもとしてこういった訓練や経験を持つ者など滅多にいない。
当たり前だが、これらのほとんどは専門知識や専門技術だ。
普通に生きていたら身につける事などまず無い。
ただ、そこはファンタジー世界である。
日常的に怪物の脅威が存在するので、外を歩き回る怪物退治は当たり前。
簡単な魔術を使える者もいる。
占い、傷の治療、遠見などの日常的な魔術で生活を助けてる者達が。
こういった存在に手ほどきを受けてる者もいる。
なので、完全に素人とも言い切れない。
そんな者達から使えそうな人間を見繕っていく。
出来るだけ適切な編成になるように。
理想的と言われる編成に近い形になるように。
それでも女ばかりになっていくが。
男がそもそもいないのだからしょうがない。
それに。
(どうせなら女の方がいいしなあ)
欲望を否定する理由もない。
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