表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/14

2 低い能力値

 このRPG風異世界では、一人一人にレベルがあって能力値がある。

 これを成長させる事で、人は厳しいこの世界を生き抜く事ができる。

 怪物と隣り合わせの世界において、これはありがたい。



 しかし、能力値が分かって自分の得意と苦手が分かるのは良いが。

 場合によってはこれがなんの慰めにもならない事もある。

 ヒロハルの場合がまさにこれだった。

 能力値がどれも低すぎて話にならないのだ。



 ゲームを基にするならば、この世界のレベル1の基準は10。

 どの能力値も10点を基本にして多少の上下がある。

 これがキャラクターの個性になる。

 体力が高い代わりに知恵や意思が低かったり。

 知恵や意思が高い代わりに敏捷が低いとか。

 こうした違いがキャラクターごとに存在する。



 場合によっては、最初からすべての能力値が11以上になる場合もある。

 この逆に10を下回る能力値しかない場合もある。

 キャラクター作成の段階で、この数値は決定される。

 プレイヤーがどうにかできる部分はほとんどない。

 せいぜい、出てきた能力値に、自分で好きに割り振れる1点をどう使うかを考えるだけだ。



 なので、キャラクター作成の段階で、よりよい能力値が出るまでやり直す。

 せめて10を下回る能力がないように。

 ゲームだったらこれができた。

 だが、現実では不可能だ。



 能力値が低いといっても、やり直すことはできない。

 自殺してもう一度生まれなおすなんてできないのだから。

 そんなヒロハルが持って生まれた能力は次のようなものだった。



【能力値】



五月原さつきはらヒロハル



レベル 1


 体力 5

 敏捷 5

 知恵 5

 意思 5

 魅力 5



【能力値】



 全ての能力値が10点未満。

 しかも、最低値である5だけ。

 ゲームにおいても滅多にみれない最低の能力値だった。

 なお、キャラクター作成時における能力値の最高は15点である。

 ヒロハルは何の才能もない存在としてこの世に生まれてしまった。



 この数値を見た瞬間、ヒロハルは全てが終わったと思った。

 あまりにも能力が低すぎて何をやっても上手くいかない。

 これが確定してるからだ。

 しかも、喫緊の問題として、命に関わってくる。

 能力の低さもさることながら、周囲の人間がとかくヒロハルに冷淡なのだ。

 薄情とか酷薄というのも生ぬるいほど。

 はっきりと言えば、常に命を狙われる、それほど疎まれ憎まれている。



 魅力が低い。

 これが理由である。

 魅力が低いから他人から疎まれる。

 それどころか、憎まれる。

 理由などない、ただただ憎いという感情が生まれる。

 そうなってしまう程に魅力の値が低いのだ。



 なので、自由に割り振れる能力値を泣く泣く魅力に割り振る事になった。

 下手すると殺されかねないほど周りの人間に疎まれている。

 そんな状況を少しでも緩和するために。



【能力値】



五月原さつきはらヒロハル



レベル 1


 体力 5

 敏捷 5

 知恵 5

 意思 5

 魅力 5 +1



【能力値】



 できれば他の能力値を底上げしたかったが。

 それは諦めるしかなかった。

 まずは周りの人間に殺されない事、これが最優先だったのだから。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/fanclubs/478732


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ