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第一章 第七話 『パートナーの特権』

ちょっと番外編気味の七話です。

作者の妄想力によって超速で更新しちゃいました。

 歩くこと2時間。

 日は沈んでいたが、何とか日をまたぐまでには行けたような気がする。

 俺達は《神の塔》に行くルートの間にある〔リグリス〕という町に辿り着いたのだ。

 正直、寄り道ばっかりして疲れたので宿屋に行って即行で寝たい。


 そう思って宿屋に来たのが5分前。

 受付で何か手続きをして部屋に案内されたのが2分前。

 俺が部屋に入り、ベッドに飛び込んだのが1分前。


 てな訳で、俺は現在もベッドのいるのだが1つだけ1分前とは違う事がある。

 この寝室には2つのベッドがあったはずだ。

 1つはもちろん俺が寝ている。

 だが、もう1つのベッドには誰もいなかった。

 クオリナがいなくなった……という訳ではない。


 俺は横倒れに寝ている自分の背後に何かもぞもぞしているモノがいるのに気付いていた。

 まぁ、状況を見れば何がいるのかは余裕で推測できるんだが。

 問題なのは────どうしてこんな素適イベントが起きているかってことだ。


「クオリナ。何故俺のベッドの中に入ってきているんだ」


 俺が彼女の名前を呼ぶと、もぞもぞと動いていたそれが止まった。

 それは俺の耳元で小さく囁く。


「だめ?」

「いや、全然だめじゃないよ。むしろ大歓迎だけど」


 つい反射的に答えてしまう。

 後ろから言われたので顔は見えないが、今のは上目遣いで少し困ったような表情だっただろう、と俺は勝手に妄想した。

 というか俺はいつの間にこんなフラグを立てていたんだろう。

 1つのベッドに2人入るというのは知りあってから1日も経っていない男女では、ありえない事だ。

 しかし、俺のそんな常識は一瞬で崩れ去った。


「今まで、寂しかったから───」


 そして、俺の小さな疑問も解決した。

 そういえばこの少女は2年前から1人だった。

 上辺だけの暖かさじゃなくて、内側からの暖かさが欲しかったのかもしれない。

 【氷狼】としての価値で掛けられる偽りの暖かさよりも母から受けていた本物の暖かさ。


 気付けば俺は右手でクオリナの頭を撫でていた。

 とても2年間鎖に繋がれていた者のモノとは思えない髪の質の高さに少し驚く。

 ま、氷を溶かすことも出来るらしいから能力で髪を洗っていたんだろうけどさ。


「知ってる? 狼は寂しいと死んじゃうんだよ?」


 クオリナは自分の頭を撫でている俺の手を掴むと抱き枕のように両手を絡ませてきた。

 妙な緊張感が生まれ、これってもはや√確定してるんじゃねーとか考える。

 腕に当たる柔らかな感触が俺の理性を掻き乱す。

 案外、俺とクオリナは似ているのかもなー……と俺は意識を腕から離れさせながら考えた。


「というか、狼じゃなくてウサギな」


 むしろ狼は孤高であって一人前だろ、とか思いつつ俺は少し旅の目的を忘れそうになっていたことに気付く。

 やべぇ兄貴……、少し助けるの遅れるかも。


 とりあえず今日は、謎の緊張感の所為で眠れそうにない。

 いつの間にかクオリナは寝てるし、俺の腕に絡みつく彼女の腕は離れそうにないし……。


 はぁ……。

 明日には《神の塔》まで辿り着きたい。



 

 

いやー、正直うらやまs((黙

ちょっとムカツクので、2人には次回でちょっとした事件に巻き込まれてもらいましょうか。

どんな事件なんでしょうねー……フフフ。

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