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第一章 第五話 『外へ出よう』

後先考えずに文章を書くとよくわからなくなってくるね(黙

 あの後、俺は少女といっしょにギルドに来ていた。

 彼女の名はクオリナと言うらしい。

 なんとも彼女にあっている名前だと俺は思う。

 ま、美少女なら名前なんて気にしないというのもあるかもしれないが。


 そういえば俺が1人でギルドに来た時は笑い者にされていたのに今は何も聞こえない。

 むしろみんな怯えているほどだ。

 ん? ああ、俺に怯えているんじゃない。

 クオリナに怯えているんだ。


「さて、登録完了……と」


 俺はクオリナと冒険者パートナー登録を済ませる。

 人の視線は気にしない。

 というか気にしたくない。

 だってみんな、何でこんな弱そうな糞ガキが【氷狼】の娘を連れてんだ! 的な殺気を放って来るんだもん。


「どうする? 行くか?」


 俺は隣にいるクオリナに話しかける。

 一応ギルドに行く途中に俺の事情は話しているので今の意味は伝わっているはずだ。


「んー、待って」

「?」


 クオリナを見ると、彼女は自分の服装をジーっと見ていた。

 何か気になるのだろうか。

 俺的には何を着ても可愛いと思うんだが。


「この服、2年間ずっと来てたまま……」


 ……そういうことか。

 そりゃ2年も同じ服じゃ嫌だな。

 第二次性長期も相まって一部分が窮屈そうだし。

 つーかこの辺に服売ってる所ってあんのかな?

 防具を売ってる店はあったけどな……。


「あー、俺金持ってないんだけど?」


 できれば買ってやろうかなーと思ったのだが、俺には残念ながら金がない。

 1円たりともだ。

 いや、この世界の通貨は円じゃないと思うが。


 しかしクオリナはそんな俺の言葉を聞いても特に気にせずにおもむろに靴を脱ぎだした。

 何をするんだ? と思った瞬間にその疑問は一瞬で解決する。

 持ち上げた靴の中から札やコインが何枚か出てきた。


「金については問題ないよ。だって私の前に現れた奴からたまに財布を奪うしね」


 脳内に氷の針で財布を出せと脅すクオリナが見えた。

 気のせいだ。



△▼△▼△▼△▼



 1時間後、服を新調し、ついでにファーストフード店で食事を取った俺達は街の外に出るための門に向かっていた。

 思ったんだが、クオリナは2年間何を食べて生きてきたのだろう?

 結構気になるので後で聞いてみようと思う。

 今はまだ過去を引きずっている状態だろうしな。


 数分歩くと門が見えた。

 門の両端には屈強な門番さんが警備している。

 睨まれたら殺されそうな勢いの殺気を放っていたが、ギルドでもらった登録証を見せると案外簡単に通り抜けることができた。


「外には魔物がうろついているから気をつけろよボウヤ。もっともその嬢ちゃんに任せれば大抵生き延びれると思うけどな」


 すれ違い様にそんなことを言われた。

 クオリナの実力は知れ渡っていても俺はただの冒険者見習い(ザコ)だと思われているらしい。

 少しこの門番を殴りたくなってきた。

 もちろん、そんなことをすれば面倒くさい事になるのでやめておくが。


「やっぱり外の空気は気持ち良いねー」


 クオリナは軽く伸びをしている。

 門を通り抜けた先は草原が広がっていて新鮮な空気を直に感じることが出来た。

 俺自身も軽く伸びをしながらあの男───ゼクタの言っていたことを思い出す。

 西にある《神の塔》を目指せ。

 兄に会うためのキーポイントであり、俺の強化フラグでもあるその場所。

 西門を通ってきたので方角的には真っ直ぐでいいと思うが……。

 思うが……。


 俺は前からこちらに向かってくるもの視界に捉えてしまった。

 全長3mぐらいの熊、熊、熊。

 3匹がこちらに向かって突進してくる。

 速ぇよ、熊のくせにすげぇ速ぇよ。


「たしかにこりゃ、クオリナに任せたほうが無難なのかもしれないな……」


 さっきの門番の話は案外当たっていたのかもしれない。

 この熊さん達、殺意むき出しすぎじゃねー?


 俺は静かにクオリナの後ろへと避難した。

 クオリナは隠れる様に自分の背後に回った俺に気付いたが、


「あ、こんな雑魚、カミヤが手を出すまでもないってことで私にやらせてくれるんだね! ありがとー、久しぶりに両手を使って戦ってみたかったんだ」


 何か少し勘違いをしてるが俺を守ってくれるならそれでいい。

 あんな熊の攻撃、一撃でもくらったら病院行きだろうから。

 俺は絶対的な攻撃力は持っていても、防御力は一般人レベルだから……な。


 まったく、こんなヘタレで本当に兄を止めることはできるんだろうか?

 俺はそんな事を考えたが、やはり俺はクオリナの後ろで怖気づくだけだった。


 




中々、新キャラが登場しませんねー。

神也君もいつになったら力を目覚めさせてくれるのか……。

あ、文章力低いですが評価や感想を書いてくださると嬉しいです。

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