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第二章 第二話 『闇染めの街〔イルグラジュ〕』

最近、忙しくて書く暇ありませんでした……orz

久しぶりに書くので書き方が若干変わってるかもしれません。

「あー……第二の塔にはいつ着くんだよ……」


 俺は無造作に呟く。

 実はこのセリフ、10回は言っている。

 歩き始めてから5時間、疲労は溜まり続ける一方だ。

 しかもそれに追い討ちをかけるように先ほどから猛烈な日差しが降り注いできている。


「うー……」


 ジュー……

 頼みの綱であるクオリナの生み出す氷も、すぐに溶けてしまってあまり意味が無かった。

 俺の《神雷》もこんな状況では何の役にも立たない。

 何かこの蒸し暑さを解消するようなモノはないのだろうか……。

 必死に氷を生み出すクオリナを応援しながら、俺は辺りを見回す。


 見渡す限りの大地が広がっており、草も木もほとんど見当たらない。

 これで地面がさらさらの砂だったらもはや砂漠と呼べるだろう。


「しかし、こんな不毛の地に闇染めの街なんて存在するのか?」


 俺は半ば投げやりになってここに来た目的に疑問符を浮かべる。

 闇染めの街というのは、土下座させた水神から聞き出した情報だ。

 奴によると〔イルグラジュ〕と呼ばれる闇染めの街に第二の神々の塔……風神が佇む場所があるらしい。

 行きかたはこの辺に行けば分かるとほざいていたがまったく分からない。

 この悲しいほど殺風景な地のどこに塔があるというんだ。

 地下か? 空中か? 異次元か?


 もはや思考能力も低下していた俺だったが、ふと前を見ると黒いサボテンが生えている事に気付いた。

 ただでさえ、まともな植物が生えてないこの地で黒いサボテンっておかしすぎるだろ。

 真っ黒だぞ、真っ黒、周囲から浮いているよマジで。


「…………あー……」

「………………明らかに怪しいよね」


 二人してうなずく。

 ゆっくりとサボテンに近づき、とりあえず眺めてみる。

 見た限り、色が黒いこと以外は普通のサボテンのようだ。

 いや、まぁ絶対なんかあるんだろうが……。


 ガスッ


 とりあえず、蹴ってみる。

 針が靴を突き破り、足の裏に刺さった。

 俺→撃沈


 まさか針が靴を貫通するなんて思っても見なかったぜ……。

 何てむかつくサボテンなんだ《神雷》で潰してやろうか。

 と、思ったがさすがにそれは取り返しの付かない事になりそうな気がしたのでやめた。

 あくまで、俺はな。


 ズオオオオオオオオッ!!


 気が付くと、サボテンに氷柱が振り下ろされていた。


「おい、オマ、ちょ、やめ……ッ」


 俺の制止も届かず、クオリナはサボテンに強烈な一撃を与える。

 よく見ると彼女の右手から少し血が出ていた。

 サボテンに触って刺さったりでもしたのだろうか。

 いや、そんな事は置いといてサボテンはどうなった!?


「…………ち」

「舌打ちッ!?」


 サボテンは壊れていなかった。

 それどころか傷1つ付いていなかった。

 何これ、無敵サボテン?


「いやーでも、これからどうすれば……」


 このサボテンが無敵なのは分かったが、どうやら闇染めの街とは無縁のようだ。

 早く、再びサボテンと相対しているクオリナを引き剥がして進もうと思ったのだが、そこで徐々に視界が白く曇っていっていることに気付いた。


 敵かッ!? と思って俺は構える。

 だがどこにも敵の姿は見えない。


「なら何故……」

「…………このサボテン」


 クオリナがひたすら氷で叩き潰しているサボテン。

 よく見るとそこから白い何かが噴出しているのに気付く。


「これh」


 言葉を全て言い終わる前に視界が白で覆われ尽くされた。

 感覚が全て消える。

 消えて、消えて、消えて、消えて。

 自分がどこにいるのかも分からなくなって。


 目を開けると。


 まだ昼のはずなのに黒く染められた空。

 薄明るく照らす月。

 暑いどころか冷えすぎて凍えそうな気温。

 不気味なまでに並ぶ黒い建物。


「ここが〔イルグラジュ〕なのか?」

「……たぶんそうだと思うよ」


 俺達はサボテンに導かれて闇染めの街にたどり着いてしまったらしい。

 黒くそびえ立つ塔が遥か遠くに見えた。

 そして────この街に辿りついた俺達を歓迎するかのように、爆音が鳴り響いた。




あ、今回の話は76パーセント思いつきで出来ています。

何でサボテンなんだ、とかはツッコまないようにしてね(汗

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