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第二章 第一話 『灰髪と狐耳』

そういや作者は今日、5月22日が誕生日だったりします。

祝ってくれる方はメッセージでも送ってくださると泣いて喜びます。

ま、そんな訳ですが第二章どーぞ。

 靴を脱ぎ捨て、無造作にシグマは奥の部屋に入る。

 部屋にはほとんど物が置かれておらず、存在を主張する物といえば中心に置かれている円形のテーブルのみであった。

 テーブルには一枚の紙が置いてある。

 シグマはその紙を無造作に拾うと、中身を確認せずにクシャクシャに丸めてゴミ箱に投げ捨てた。

 大体の内容は見なくても分かる。

 下っ端に送られる糞な指令だ。


「ったく、何で連中もこんなくだらない指令書を送ってくるのか……。俺はさらさらこんな面倒臭ぇ事をする気は無いってのによ」


 苛立つシグマに無邪気な顔で少女がはにかむ。


「シグマ様の目的はクロト様を倒す事だもんねー」

「リズリー、奴のことは様付けで呼ぶな。それと倒す事じゃなくて殺す事だ」

「勇者になるんだよね」

「馬鹿かお前、例え奴が極悪人だろうが何だろうが殺してしまえば俺はお尋ね者だ」


 勇者モノのRPGの趣旨を根底から覆しそうな意見。


「世界が滅びるのを止めるのに?」

「関係ねぇよ、俺はこの世界を気に入ってないからな」

「ホント、クロトが来てからシグマ様この調子なんだから……」

「お前が気にする事じゃないだろ」

「そんな事ないよ! シグマ様は私の」


 リズリーの声は途中から外部からの介入により掻き消された。

 使われていない表玄関が強引にぶち開けられたのだ。

 爆弾でも使ったのだろうか、扉が開いた瞬間、爆風が流れ込んできた。

 爆風は周囲の物を焼き尽くす。

 比較的、表玄関から近い部屋にいた彼等は避ける事もできず爆風に飲み込まれた。


「爆風が治まり次第中に入れ。標的は下っ端のクズだが、念のために生存確認を。万が一、何かが盾になって助かっていた場合は見つけ次第消せ」

「了解」


 爆風が薄くなり、数人の男が居住地アジトの中に進入する。

 標的は2人。

 完全に抹殺しろという指令だった。


「おいおい、奴等の姿が見当たらねぇぞ?」


 だが爆風が止んでも2人の姿は見当たらない。

 男達はそれを見て、


「ハッ、下っ端らしいし、消し飛んだんじゃねーの?」

「そりゃ傑作だな、俺達はろくに仕事もせずに報酬もらえるってな」

「ヒヒ、あの黒斗様に逆らっといてこのザマだしな。焼却炉に放り込む手間が省けたってもんよ」


 そんな事を言って口々に笑い出す。

 完全に気が抜けたのか、彼等は細かく周囲を確認する事も無かった。

 それが彼等の敗因だとは知らずに。


「よう、下っ端以下のクズ共、俺に何の用だ?」


 気が付くと、彼等の前にさっきまでいなかったはずの標的がいた。

 爆風に巻き込まれたのにも係わらず、その服には一切焦げ跡はついていない。

 男達はこの状況でそんな事には気付かなかった。

 いや、気付いていたところで結果は変わらないのだが。


「テメェ、生きていやがッ……」


 1人がシグマに襲い掛かった。

 だが触れることも無く男の腹が切り裂かれる。


「調子乗ってんじゃねーよ、下っ端の癖してよぉ!」

「大人しく俺達の金になっときな」


 今度は2人同時。

 彼等は銃を取り出して発砲する。

 弾丸は魔弾、魔力で練られた強力な弾だ。


「糞野郎がよこした手下ってのはこの程度の雑魚か。俺を甘く見ているのか、奴がただ単に人材不足なのか……そんなのはどうでもいいか」


 瞬間、シグマの前に烈風が吹き荒れた。

 弾はシグマに当たる事も無く、見当違いの方向に飛んでいく。

 動じる男達。

 しかしシグマは、彼等に隙を与えない。


「うぐああァ」

「ごぐゅッ」


 間髪いれずにシグマは男達を殴り飛ばした。

 その手にはやはり烈風が渦巻いている。


「どうする、まだやるか? 俺としてはまだウォーミングアップにもなっていないんだが」


 その問いに残りの男は答えない。

 ただし答えない代わりに、逃げることによって意思を示した。

 下っ端の完全勝利だった。


「シグマ様ー、リズはどうすればいいのでしょーか」

「そのままそこにいていい」


 シグマはあっさりリズリーの質問に答えると男達を追うように表玄関を抜けた。

 人通りの少ない通りに、とてもよく目立つ全身を黒系の服で揃えた男がいた。

 逃げ出した男達とは違う。

 そいつらに指示を出していたリーダーだ。


「……俺の力量を量るために手下を先に行かせたのか」

「悪いが、こっちはまだ死にたくないんだ。少しくらい様子を見たっていいじゃないか」

「死ぬのが数分伸びただけなのにな」


 ビュオッ!!

 シグマの体が爆発的に加速する。

 足元から疾風が発生したのだ。


 数メートル離れていた間合いが一気に縮まる。

 だが、シグマの攻撃がリーダーに当たる寸前、その攻撃は止められた。


「死ぬのが数分伸びた……ね。それはお前の事じゃないのかな?」


 見ると、リーダーの前の土が盛り上がり、大地の壁ができていた。

 多少はシグマの攻撃によって抉られているが、防御性能はかなりあるようだ。


「1つ聞くがお前等は糞野郎の組織の何階層目にいる」


 シグマがそんな事を言った。


「第3階層。より分かりやすくいうなら第3階層より上にのみ語られる名称……『神無き世界』の下っ端だ」

「……そうか、下っ端仲間だな」

「気は合わねぇと思うが、酒でも飲むか?」


 リーダーは苦笑する。

 シグマは聞きたかった答えが返ってこなかったためか少し不機嫌だった。


「俺は酒は飲まない主義だ」

「飲めないんじゃなくてか?」


 バゴオオオオオオッ!!

 轟音が炸裂した。

 リーダーの精製した大地の壁が壊されたためだ。

 シグマは右腕に烈風を集中させて言う。


「とりあえずその喉を切り裂いて、減らず口を叩かせなくしてやる」

「ハン、下っ端のクズがいきがりやがって」


 両者は一斉に攻撃を繰り出す。

 この瞬間、大地と風の戦いが始まった。




あ、説明無かったですけどリズリーは狐耳だったりします。

クオリナと似てますねすいません。

え、獣耳萌え? 何を言ってるんですか貴方は……当然じゃないですか。

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