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第一章 第十五話 『鉄拳炸裂』

神也君の攻撃の絶大さが伝わりません。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 砲弾のように俺は飛び出す。

 飛んで来る龍の攻撃を避け、まずはボディブロー。

 ……がその攻撃はもう一匹の龍によって防がれる。


「ぐ……」


 神がうめく。

 当然だ、今の俺は《神雷》を操れるらしいからな。

 龍の体内を通り神にも電流が伝わる。

 その瞬間、俺の体は蹴りで吹っ飛ばされたがな。


 だがそれも計算通りだ。


 グサッ

 クオリナの出現させた氷の針が容赦なく神を貫く。


「……コンビネーションは中々だが。その程度では私に深手を負わせる事は不可能だ」


 どうやら水の結界か何かを展開していたらしい。

 あまり傷は負っていない、となると次の行動は……。


「大丈夫、本命はこっちだから」

「へ?」


 思わず漏れた声は俺のものなのか神のものなのか。

 気付けば奴の頭上には巨大な氷の刃が降り注いでいた。


「ちィ!」


 神が回避に移る。

 しかし気づいた時には少し遅い。

 避けきれずに神の左腕が切り落とされる。


「がァァァァ!!」

「……ん!?」


 神は突如翼が変化したほうの龍を爆散させた。

 莫大な力が辺りに広がる。

 俺はおろか、クオリナまでもが吹っ飛ばされた。

 ……ッ!! つーか不味い。

 このまま吹っ飛んでいくと塔の外にスカイダイビング直行じゃねーか!


 とか思っていたら氷の壁に受け止められた。

 クオリナだ。

 だがもう気力はほとんど残っていないらしく、立ち上がるという動作する出来ないようだ。

 俺も体のあちこちがズキズキと痛む。

 これ以上無理をすると体がバラバラになりそうだ。


「と……なると、次で決める!」

「人間風情が神に勝てると思うなァァァ!」


 完全に逆ギレしてるよコイツ。

 俺は全身全霊の力を右手に込める。

 狙うは奴の顔面。


 龍の動きを正確に読み取り、回避する。


「へ、翼を爆散させたの……間違いだったんじゃねぇの?」


 神の攻撃を全て避けながら笑う。


「甘いな」

「? どういう……」


 俺がその意味を考える前にそれは起こる。

 神の左腕からも龍が飛び出したのだ。


「馬鹿な、さっきはまだ全力じゃなかったのか!?」

「主よ、切り札というものは 最後まで取っておく事なんだよ!」


 龍一匹だけでも避けるのが大変なのにこの状況で2匹投入って────

 ──一匹になっていたからって油断してた……。


「終わりだ人間」


 ドゴオォォン、

 辺りに響き渡る破砕音。

 あんなものに潰されたら人間ではまず命はない。


 戦場に静けさが漂う。

 2匹の龍が潰した地には何も残ってはいない。


「……終わったか。さすがに連戦となると神にもキツいものがあったが……、所詮は少し特別なだけの<人間>だったな。自身の能力に過信してなければこんな運命にはならなかっただろうに」


 神はそのまま眠るように目を閉じる。

 が、その目は数秒としないままにまた開いた。

 理由は、突然奴の上から声が聞こえたからだ。

 誰がって? もちろん俺のさ。


「油断大敵、少し警戒すれば気付いたかもしれないのにな。自信の能力を過信してるのはお前なんじゃないのか?」

「空からだとッ……!?」


 刹那、メキッという音が神の頬から発せられる。

 俺の拳が顔面にめり込んだからだ。

 そのままの勢いで神は吹き飛ぶ。

 何回か床にバウンドした後、その体は止まった。


 神は動かない。

 

 つまり、俺の勝利だった。

 



水神がなんか哀れに見えてきたね。

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