第51話 田舎王子 突然同居人が出来る?
今俺誰に返事したんだ?
「気のせいかな・・昨日、今日と色々あって疲れてるのかな?・・」
そうつぶやくと
「あらぁ?みーくん疲れてるのぉ?それじゃ先にお風呂の方が良かったかなぁ?」
そういうと、エプロン姿で髪の毛をアップにした詩織が台所から顔を覗かせた
「え?えええぇぇぇぇ!、なんで詩織さんが俺の部屋に!?」
詩織は自分の顎に指を置いてから首を傾げて
「んーーー?今日から一緒に住むから?」
そう、当たり前の事を聞かないでとでも言いたげに普通に答えたので
「あ、ああそうか、これは番組とか映画の企画とかで僕にドッキリを仕掛けてるんでしょ!」
カメラやマイクのかくしてそうな棚の上とか机の引き出しの裏とか調べたけど見つからなかった。
「流石、詩織さんの家の電化製品は精工だねぇこんだけ探しても見つからないとは・・イヤー参ったよ僕の降参ですよ」
俺が部屋でバタバタしてる間も、詩織はキッチンで料理を進めていた。
「みーくん、お部屋のお掃除はそのくらいにしてご飯出来たからテーブルに運んで頂戴ーー」
キッチンの方から声がしたので、一旦捜索を中断して詩織のいるキッチンに戻るのだった。
「みーくん何か探し物?」
白々しい事をいう詩織に
「えーぇw嫌だなぁー判ってるくせにー番組で仕込んでるカメラやマイクだよぉ」
「ん?そんなの無いよ?」
「ん?」
「ん?w」
二人で首を傾げていると、詩織が大きなお皿に盛りつけたサラダを渡してきた
「ほらwそんな事してないで運ぶの手伝ってってw」
そう言われ、すごすごと料理をテーブルに運んだ、既にテーブルには他の料理が運ばれており、サラダにスープ、チキンの照り焼き、そして
「はーいwお待たせーーw」
そう言って詩織が運んできたのはオムライスだった、しかも【みーくんスキ】とハート付で・・
「あ、あのぉ・・し「はい、食べる前に手を洗って来てねーー」
詩織に言われるまま、手を洗うと食卓に座るように言われて
「みーくんは手が使えないから、声だけねw」
詩織は手を合わせると
「「いただきまぁーす」」
「あの、詩織さん?この料理は一体・・・」
そう本題を切り出すと
「ほらw前にみーくんに晩御飯作りに行くっていってたじゃない?今回はタイミングが良く腕を振るう機会ができたのw」
「タイミング?」
そういうと、目の前で手を合わせて幸せそうに微笑みながら
「うんw私とみーくんの同棲生活のスタートだしw」
「えぇ、ど、どうせい!?そんな困るよ・・許嫁とは言えまだ未婚の男女が同じ部屋で寝泊まりするのは!?」
そういうと、詩織は肩を落としてショボンとした
「まぁそう言うだろうとは思っていたけど・・一応お部屋は別々なのwみーくんの隣の部屋に引っ越してきたからw」
「ええええぇぇぇぇ!きーてないよーーー!」
詩織は満面の笑みで「うん!w言って無い!」と返してきた
そういえば暫く前から隣の部屋の内装を工事してたな・・今思うと誰かが隣に引っ越そうとしてるのは判っていたがまさか詩織だとは・・
「ま、まぁ詩織さんがお隣に引っ越して来たのは分かったとして、何で僕の部屋に入っているの!?」
詩織はベランダの方を指さした
「な、な!?」
見てみると、ベランダ間がいつの間にか隣と繋がっていた!しかもベランダへ出る扉のカギは外されていた!
「ちょっ、ちょっと!詩織さん!?こんな勝手に建物をイッじったらオーナーに怒られますよ!?、それに僕の部屋へのドア鍵が無かったら泥棒入り放題じゃないですか!?」
そう詩織に詰め寄ると、目を閉じて自慢げに人差し指を立て説明を始めた
「みーくんの心配は全く無用です!まず、建物のオーナーには話出来てますので改造は合法です、次に防犯上の話ですがドアは指紋と顔認証です登録してない人は進入出来ません!w」
どやーーっと胸を張り「フンスッ」と息巻く詩織に開いた口が塞がらないでいると
「はーい、あ~んw」
とオムライスを口に入れられた・・モグモグ・・ん?・・モグモグ・・ん?
「こ、これは!?音野ばあちゃんのオムライス!?・・うそだろ・・」
詩織は顔の前で両手ピースをして満面の笑顔で喜んだ
-----------------------




