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田舎王子と6人の婚約者  作者: nayaminotake


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第40話 田舎王子 西王学園実行委員と会合する

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久しぶりの爺ちゃんとばあちゃんとの再会後、寮まで送ってもらったが中々、ばあちゃんが帰らなくて、爺さんに引きずられて泣く泣く帰っていった。


翌朝、今日は合同体育祭の実行責任者の初会合という事で、いつも通り制服に着替え遅刻しないように寮を後にした。

気になり隣の部屋を見てみると、工事は終わっており静かになっていた、そのうち誰か引っ越してくるのだろう仲良くできればいいな、と思いながら学校に向かった。


今日は休日という事もあり、早朝は何時もより人通りは少なくそんなに注目される事は無かったが、それでも何人かには声を掛けられて握手したり写真を撮ったり幾分か時間をロスしたので途中から走って向かう事になった。


【第3生徒会室】

生徒会でいくつ部屋を使っているのか・・・だがこの部屋に入ると中は応接室のようになっていた。

部屋に入ると、恵美と凛が既に待っており

「「雅君くんおはよう!」」

「恵美さん、凜さん、おはようございます!」

お互いに軽く頭をさげて朝の挨拶をした、その後今日の流れをおさらいする、凜も場合によっては意見を言うが基本口は挟まないとの事だ

この会合でお互いの希望する種目を提示し、両校でマッチした種目と両校が各々1種目えらんで実施種目を決めるということだ

俺と恵美である程度取り決めしていた用紙を凜にも渡して一応目を通しておいてもらう。


そうすると部屋の外から少し声がしてきたので俺たちは姿勢を正し席にすわる。


【コンコン】ノックが聞こえたので「どうぞお入りください」と恵美が返事をすると扉が開き、男女2名が純白の上下の制服で入ってきた。


「この度は、我々西王学園体育祭実行責任者2名をぉ、御校にお招きいただき誠にありがとうございますぅ」

そう言うと2人揃って深々と頭を下げた


「私ぃ、西王学園体育祭実行責任者でぇ、生徒会長でもありますぅ、六橋 空 と申しますぅ」


そう顔をあげると、自然と俺と目が合った・・・ん?どこかで・・


「僕は、同じく西王学園体育祭実行責任者の鬼道きどう かいと申します」


鬼道君は俺の方を見る事無く、恵美と凛の方を見て少しニヤリとした。


「ご丁寧にありがとうございます、私は東皇高校体育祭実行責任者で生徒会庶務をしております、三宗 恵美です」


「僕も同じく体育祭実行責任者と務めます一堂 雅と申します、宜しくお願いします」

「私は、風紀委員を務めます、五十嵐 り・


凜が挨拶している途中で急に手を握られた。

「あ~ん、もうぅ雅さん会いたかったぁー先日は公園でお世話になってぇほんま、おおきに~ぃ」


その様子に、恵美と凛が殺気立つ


「ちょっと!六橋さん!急に失礼ではありませんか!?」

「そ、そうだ!なんなのだ君は!」


二人は俺の両手にそれぞれ腕を絡めて、強引に六橋さんから引き離した。


「あらぁ、お二方ともいけずですねぇ」

そう言うと口を尖らせて不満な表情をしたが、すぐに飄々とした雰囲気に戻ると俺の方を向き軽く頭を下げて


「改めまして雅さん、わたくし六橋 空と申します、不束者ですが末永くよろしくお願いいたします」


「!?え、それは、どういう・・」


「やはり・・六橋さん貴方が・・」

「詩織の言っていた残りの・・・」

二人が何やら考え込んでいるのを横目にスッと俺の横に立つとソッと耳元で「うちも、雅さんの婚約なんですぅ」と笑顔で教えてくれた。


「!?そ、そういえば・・・前の食事会の時に恵美さんと詩織さんがそんな事を言ってたような・・」


そんな俺たちのやり取りを他所に、獲物を見るような目で恵美と凛を見ていた鬼道君が急に、背後の気配に気づき身構える。


「たっく、面倒な挨拶なんかとっと終わらせてくんねかな?」

そう苛立つ声の方を見ると入口のドアを背もたれに、不満そうな表情を浮かべた長いウェーブ掛かった、金髪に同じく金色に輝く大きな瞳で、身長は凛と同じで170位、小麦色の肌にその着崩した制服からは大きな胸元がみえそうだった。


何より、纏ってる雰囲気から只者では無いと判る


身構えた、鬼道君は相手の姿を見ると、その構えを解き金髪の女性の方に視線を向けた。


「七星、お前は実行委員としての自覚がないのか?しかも遅れて来たくせに・・東皇高校の方に失礼とは!?

そう文句を言おうとしていた、鬼道の肩に金髪の女性が手を置いて気配で威圧する

「うっぐ、貴様・・・」

隣を見ると、恵美も凛も気配に押されているのか若干緊張の汗をかいていた、俺が対処しようとすると

【バサッ】と金髪の生徒の目の前に、六橋さんが扇子を広げて静止させた


「静流さん、その辺にしときぃ」

六橋さんの扇子を見た金髪の生徒は「ちっ」と不満気に威圧を解いた。

六橋さんは再び俺の方を向いて頭を下げ


「雅さんにお見苦しい所をぉお見せしてしもぉてぇえらいすいません、彼女は七星ななほし 静流しずる言いますぅ」

七星・・・確か師匠も七星って苗字だったけど・


ふと横を見ると、恵美と凛が何やら警戒して七星さんを睨んでいた


「ふふ、さすがにお二人は気付いているようでぇ」


二人は、やっぱり!という顔をしてお互いに顔をみて頷いていた


「雅さん、うちが言うのもあれですけどぉ彼女 七星 静流さんも、あんさんの婚約者ですねん」




「!?」



俺が六橋さんの言葉と同時に七星さんを見ると、鋭い目つきで怒りを露わにする


「おい!アタイはそんなん認めてねぇつってんだろうが!【ガシャ】」


七星さんが怒りに任せて扉を叩くと扉は枠ごと吹き飛んだ「フン!」と息巻き、七星さんは何処かに消えてった。


「えろうすいません、壊したドアはこちらで弁償させていただきますぅ」


六橋さんは、深々頭を下げて恵美に何度も謝罪していた、恵美も気にしないで下さいと伝えたが、申し入れを受け入れ何とかその場は収まった


実行委員責任者の会合は予定通りお互いの指定競技を申し合わせし、当日の当番の割り振りを話し合って終了と言うことで、西王学園の方を見送りそのまま解散となった。


(・・・打ち合わせの間、鬼道君の視線が気になったけど、俺何か気に障る事したかな?)


「では雅君、私と凛ちゃんは生徒会と風紀委員へそれぞれ報告資料を纏めるので今日の所は失礼しますね、今度またゆっくりね♪」と恵美はウインクして別れた。

「雅君、お母さんがまた近々雅君を誘って夕飯を食べたいって言ってるから今度また夜に時間頂戴ね」


二人ともそれぞれ廊下の先で手を振りながら分かれて行った。



さて、俺も帰るとするかな




「このままあっさり、かえしませんー」





そう言うといつの間にか俺の背後に帰ったはずの六橋さんが俺の腕を掴んで不敵な笑みを浮かべていた




こうもアッサリ背後を取られるとは・・・六橋さんも只者ではない



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