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田舎王子と6人の婚約者  作者: nayaminotake


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第26話 田舎王子と凛の愛情オムライス


「これ!本当に音野ばーちゃんのオムライスそのものだよ!?」



俺の感想を聞いて詩織は、見たこと無いほど動揺しており、彩羽は何か考え事をしていた。

恵美については、オムライスをマジマジと見て


「雅君・・・一口食べてもいい?」


恵美にも凜の作ったオムライスを食べて欲しくて、勿論!とお弁当を差し出した。


はっ!と気付いた俺はそっと凛の方を見ると、少し複雑な表情だったが俺の気持ちを察したのか軽く微笑んで頷いた。


恵美はゆっくりとオムライスをすくい、口に入れると、モグモグと味わいながら凛のオムライスを食べていた。


「お、お、美味しい・・・というか滅茶苦茶美味しい!?」


恵美は素直に凜のオムライスを褒めた。


じゃ私もと彩羽も恵美からスプーンを奪うと、一口食べた。


「!?なにこれ!この間のお店のよりも美味しいじゃない!?」


彩羽も凜のオムライスを褒めちぎった。


最後に詩織が震える手でスプーンでオムライスをすくい恐る恐る自分の口に運ぶ・・・・


「!?この味!・・・・間違いない・・・・みーくんの好きな音野さんのオムライスそのものだわ・・・」



そう感想を言うと、力なくスプーンを握る手がテーブルに置かれる。


俺は残りのオムライスを全部食べ


「凛!ありがと!まさか此処で俺の好きな音野ばーちゃんのオムライスが食べれるとは思わなかった!」


そう感謝の気持ちが溢れ凛を抱きしめていた。


「「「ちょっ!」」」

「きゃw!」


俺は感謝の気持ちが溢れて周りを気にしてない


「みーくん!それは、ちょっとやり過ぎじゃないかな!かな!」

「雅!なに急に呼び捨てにしてんのよ!」

「雅君!ここは食堂です!このような行為は生徒会として許しません!!すぐに離れてください!!」


「うぅぅぅww」

凜は顔を真っ赤にして、潤んだオッドアイをそっと閉じると自分も雅を抱きしめようと両手を雅の背中にまわそうとした。





「!?つっっ!」



しかし反対の席の恵美が凜の掌を抓り阻止する。




「り~~~~んちゃ~~~ん?風紀委員としてこういうのは如何なものかな~~~?」


その恵美の圧に俺も凛も顔を見合わせてお互いの状況を把握すると慌てて離れた。


「「すいません・・・」」


二人して小さくなり周りに謝罪した。



それからは皆終始無言で食事を済ませて昼休みは終わった。

※この時の騒動の裏で雅&凛推しポイントが上昇したという・・・・





帰宅後の凛・・・・


「ただいまーーーー!」


大きな声で帰宅を告げると、リビングからお母さんが出てきて私を迎えてくれた。

使用人の女性が私の荷物を預かろうと両手を出して来たが


「あ、大丈夫です自分で片づけます!」


そう言うと、自分のカバンと雅君に食べてもらったお弁当の袋を大事に胸に抱えた。

私の様子をみていた母は、優しい笑顔で私をハグしてきた。


「凛!その様子だったら大成功だったのね!よかったわね」


母は私の事なんでもお見通しだ、私は母の胸でウンウンと何度も頷くと嬉しさが溢れて来て涙が溢れてしまった。

私の様子を見て母ももらい泣きしてしまい、訳の分からない使用人が慌ててお父さんを呼びに行った。


書斎から出てきたお父さんは私と母の状況を見て、残念そうに私の頭を撫でて

「凛、お前は良く頑張ったよ、次こそきっと上手くできるさ・・」

そう慰める父の様子に私と母は顔を見合わせ、「「ぷっ!」」と噴き出してしまった。

驚く父に私は雅君へのお弁当箱を開けて中身が空なのをお父さんに見せると。


少し後ろによろけながら、安心して溜息をついた。


「凛良かったな、この1週間ずっと頑張った成果じゃないか!」

父もいつに無く嬉しそうだ

それもそのはずだ、このお弁当は私達家族が一つになった証だ。


父は、あらゆる人脈を使い雅君の大好きだったオムライスの味のレシピを手に入れてくれ、何度も私の作ったオムライスの味見をしてくれた。

母は、料理素人の私にずっと付きっ切りで料理の初歩から叩き込んでくれた、なにより夜は私の恋の悩み相談で一緒に寝てくれた。

私は、両親からの全力の応援と協力を受けて、あんなに敬遠してた料理に真剣に向き合う中で家族の優しさや愛情の深さを知りこの練習してる時間すら愛おしく感じた。




「お父さん、お母さん、ありがとう;;」


自然と二人に抱き着き、また涙が零れる。

母も再びもらい泣きし、父も感慨深い想いで頷いていた。






【雅君に出会わず、雅君を好きになってなかったら、きっとこの家族の暖かさも知る事がなかったのね・・・】



そう心に思うと、自然と雅への想いと感謝が溢れてしまい、ますます雅を好きになっていくのだった。




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