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第1話 田舎王子都会に出る

「ねぇ、あなた少しお話しさせてもらっていいかしら?」


俺は初めて乗った電車から初めて見る駅に降りて、今日初めて渡されたスマホの地図を見て立っていたら突然前から声をかけられた。

自分に声がかかったのか分からず、周りをキョロキョロしていると、目の前の紺色のスーツに身を包んだいい香りのする美女は真っ直ぐ俺を見て優しく微笑んでうなずた。


「あ、あ、あの僕なにかしましたでしょうか・・・・・今日、井の中という村から出て来た者で、都会の常識とか何も分からなくて・・・」

(近い歳の、しかも女性に生まれて初めて声かけられたーーーーーええ香りもするし!都会はすごかーー!)




雅の回想の自己説明

俺の名前は、一堂いちどう みやび

17才だ、本日は転校先の高校の寮へ向かっていたところだ。

転校の理由は、悲しい事に俺の住んでいた、井の中村の唯一の学校でいのかな学校の校長でもあり教師でもある先生が年齢を理由に引退する事になった為だ。

その学校の唯一の生徒である俺、一堂は都会への転校を余儀なくされたという訳だ。

確かに先生最後の授業は、3日連続同じようなレベルのテスト内容の授業だったし簡単な内容だった事を指摘すると「もう教える事は出来ない」って肩を落としていたから年齢による疲れと言われては物心つく頃からお世話になった恩師を引き留める事は出来ない。

そんな俺の住んでいた【井の中村】は学校だけでなく俺と同年代どころか子供は存在せず、17才の俺一人と後は75才を超えたご近所さんや役場の方ばかりが20人程の小さな村だ。


テレビも村長の家か役場にしか無く、小さい頃から俺の日常はお年寄りの昔話を聞いたり、師匠と武術稽古したり野山で駆け回ったり、村役場に有った本の山を読む事だけだった。


今日に転校先の寮に荷物が届くので俺も来月週明けからの初登校に向けて慣れない電車を乗り継ぎ、村長から渡された最新スマホ?を慣れない手つきで操作してようやく目的の駅に辿りついた所での出来事だ


「いえ、何もしてないですよ?・・・まぁもしかしたら、まわりには何かしたかもしれませんがねw」

と少し口元を押さえて、微笑んだ。

何のことか分からず、周りを見渡すと近くの人がこっちをチラチラ見てはコソコソ話ししてたり、何やらスマホを向けていたり(なにしてるのかな?)俺の事を話ているようだった。


「あのーー皆さんスマホ向けたりして何してるのですか?」

バッチリスーツの美女「あーーね、困るよね勝手に写真撮ったりしてね・・・はぁ」


????写真?、どこに写真を構えた人いるのか?キョロキョロしてると、さらに笑い出した、お姉さんにスマホを向けられて【カシャ】と音がした。

俺が首を傾げていると?、お姉さんは自分のスマホを見せてくれた、そこにはキョトンとした自分の写真が写っていた!


「おおおお、スマホは写真もとれると?!すごかー!!」


驚く俺に、さらに笑うお姉さんは暫くして、コホンと咳払いして早速話をしたいと何か渡して来た。


おおとりプロダクション

代表:おおとり あかね

セミロングの髪を茶色に染めた、スマートなスタイルの女性でその切れ長の瞳はどこか気品を感じるたたずまいだ、その魅力的な瞳を見ていると、鳳さんは前に乗りだし俺の顔を覗きこんだ


「ねぇあなた、お名前と年齢聞いてもいい?」

初めて若い女性を身近にして、緊張と恥ずかしさから自分の顔が熱くなるのをかんじ咄嗟に返事を返した。

「えーと、鳳さんは会社の社長様ですか?すいません僕まだ高校2年生なので働くつもりは無いんです申し訳ありません」

そう告げ軽く頭を下げて断ろうとしたが、その答えが予想外だったのか鳳さんは少し呆気にとられ急に笑いだした。


「あははは、おもしろーーい、ちがうちがう! 私の会社はモデルの事務所なの、あなたくらいの学生さんもたくさん在籍してるから、アルバイトみたいなもんよ」

意味がわからない中、笑われてムッとしたので話し方が少し冷めた感じになった。

「はぁ、それでそのモデル事務所の社長さんが僕になんの話なんでしょうか?」


そんな俺の返しに、ため息混じりの鳳さんは

「察しがわるいのかな?声かけたのはスカウトだよスカウト!」

「スカウト?僕を?お掃除とか荷物持ちとかのアルバイトでしょうか?」

俺の返しにさらに驚いた様子の鳳さんは今度はお腹を押さえて笑いだした。

「あはっは、そっちのスタッフは間に合ってるよーー!君はうちのモデルとしてスカウトしてるんだよw」


・・・・・??いまいち理解が追い付かず首を傾げてしまった。

「??・・・・・モデルだよ?モデル、芸能人・・・判る?」

「・・・・あんまり詳しくなくて分からないです、でも村長には都会で変な人には付いていくなと言われてますし・・・ごめんなさい・・・」


そう深々と頭を下げてその場を離れようとしたとき、鳳さんに腕を掴まれ引き止められた。


「ちょっとまって!お願い!あなたにモデル受けてもらえないと・・・・来週発売の雑誌が・・」

そう言う鳳さんを見ると、本当に涙目で困ってるようであった、その落ち込んだ姿にふと村長の言葉が頭をよぎる・・・

(雅、都会は色んな人がいるから、甘い言葉や変な人についていってはダメだぞ、ただね本当に困ってる人がいたらお前の精一杯で助けてあげなさいそれが男だよ)


俺はもう一度、鳳さんを見ると無理だと諦めたのか視線を落として、やがて力なく俺の腕から手を離した。

「・・・そ、そうよね・・初めてきた町で知らない人に声かけられたら警戒するよね・・・・ごめんなさい・・急に呼び止めて・・・それじゃ気を付けてね・・・」

そう言ってその場を去ろうとする鳳さんの肩を今度は俺がつかんだ。

「鳳さん、困ってるんですよね?もし困ってるならお力になりたいです、僕に出来る事なら精一杯お手伝いさせていただきます!」

そう、伝えるとさっきまで沈んでた鳳さんは満面の笑顔で俺の手を握りお礼を言ってくれた。


初投稿です(^-^ゞ

趣味として書いてます。

カクヨムにも投稿してます(-_-)

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