4話 都会もんが馬鹿にしてきた
図らずして住人が増えた
いや、まだ村としてやっていけるか分からないんだけど。
ひとまず、美人エルフのスゥさんと、ポーターのサラダが来てくれる。
なんで?
いや、考えるのはよそう。今は田舎にいち早く帰ってのんびりしたい。
「じゃあ、出発! と言いたいところだけど、流石に多少荷物がいるからちょっと待ってて! 絶対に置いていかないでよ」
そう言ってスゥさんとサラダはクランハウスへと戻っていったので俺は都の広場で待つことにする。すると。
「おい! サヌキ!お前とうとう追放されたんだってな!」
「げ。フニヤか……」
また面倒なヤツが……。
俺が【夜の翼】の中でも一つ前のパーティーで一緒だったフニヤ。
前衛の癖にあまりにも弱気だったんで『伸びた麺でもお前よりしっかりしてるぞ!』とか言ってしかっていたら、パーティー替えさせられた。
あとで、サラダに聞いたところ、【夜の翼】に出資してくれている貴族の息子らしい。
貴族なら冒険者にならず貴族しとけよ。
「追放されたお前と違って俺は優秀だということがこれで証明されたわけだ!」
なんでだよ。俺が追放されただけでお前関係ないだろ。
「お前みたいな田舎者はとっとと出て行けよ!」
だから、出て行くんだって。
「あははは! ざまあみろ!」
めんどくせえ。村に居た頃『水不足の村がうどんなんか食うな』って言ってきた隣村の奴くらいめんどくせえ。それが原因じゃねえし、その時は水も控えていたんだよ。
「おい、なんか言えよ。……大体、お前は生意気で気に入らなかったんだよ! ちょうどいいや、お前は一度分からせておきたかったんだよ、実力の違いってやつを」
そう言って、剣を抜く。は?
「お、おい!」
「あはは! 死ねえ!」
いや、簡単に死ねとか言うなよ。
そして、本気で振り下ろすな。
だが、俺はそれを片手で受け止める。
「な、なんだと!?」
コシがなってねえな。こんなフニャフニャじゃ頂けねえよ。
俺の魔力も切れないなまくらがよ。
「そ、その白い魔力の光は一体……」
「ああ、これか……あんまりにもうどんの事考えていたせいか、俺の魔力の形がうどんになったんだ」
「はぁあ!?」
俺が手の平の魔力をふわりと浮かべると、そこには紐状の魔力が絡み合ったまるでうどんの麺のようなものがふよふよ茹でられているうどんのように揺れていた。
【滅びたサヌキの村】
住人:3人(予定)
村長:サヌキ(仮) 特徴、魔力がうどん状 ←NEW!
状態:ボロボロ
??の呟き『流石サヌキ様、素敵なうどん状の魔力です……ふふ』
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