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3話 ちびっこポーターの住人増えた

「ええ!? サヌキさん、出て行くんすか?!」


真っ赤になって睨むスゥさんの奥でそう声をあげたのは、サラダだ。

サラダは、ポーターとしてスゥさんに付いている少女なんだが、あんまりにも小さくて、細身のスゥさんでも後ろに立つと見えないくらいだ。

いや、まあ、スゥさんの輝きがすごかったというのもあるけど。


「サヌキさんが、睨まれていたから無事に過ごせていたけど、抜けちゃったらアタシが目を付けられちゃうじゃないっすか……!」


小柄な上に、俯いてブツブツ言っているのでサラダの言葉が聞こえずらい。

なので、曖昧に笑って、サラダの水色の髪を二つ結びにして出来た分け目に向かって話しかける。


「まあ、俺が抜けたくらいで【夜の翼】は問題ないだろうし……」

「アタシがおおありなんすよおお!」


今度は、顔を上げて、その小さい顔からはみ出るんじゃないかって程の緑色の瞳をこっちに向け、はっきりと聞こえるように大声で叫んでいる。

俺は思わず耳を抑えてしまう。

その様子に、スゥさんが苦笑いしている。


「ああ! すいません。つい大きな声を出してしまいました」

「大丈夫だ。気にしないでくれ。しかし、サラダお前が俺の事をそんなに気にしてくれていたなんて……」

「当たり前じゃないっすか! サヌキさんは、恩人ですもん。アタシを助けてくれたじゃないっすか。それにサヌキさんの作る料理にはいつも元気づけられていました。それなのにこんなあっさり出て行っちゃうんですか!?」


俺の手を掴みながら必死に訴えかけてくる。


「で、本音は?」

「サヌキさんがいなくなると仕事が増えるんですぅ!!」


やっぱりそうか。【夜の翼】では、もっぱら倉庫整理は俺の仕事だった。

在庫管理スキル持ちだったしそんな大変ではなかったけど、他の連中がやるには結構な量だろうし。やるなら、ポーターの仕事だろうしな。


そもそも、こいつ、うどん全然食ってくれなかったし。


「分かりました! じゃあ、アタシもついていきます!」

「は?」

「だって、サヌキさんが追い出されました。で、スゥ様も出て行くんですよね? サヌキさんについていくんですよね?」

「ちょっ……そんな事いったらワタシがサヌキについていきたいみたいじゃないの?」


スゥさんの顔は真っ赤になっている。

こういう揶揄いに慌てるところがかわいい人だなぁと思う。


「まあまあ、スゥさんがそういうつもりじゃないってことは分かってますから」

「「……はぁ、鈍感」」

「は?」


心外だ。俺は最高のうどんを作る為に、その日の気温、湿度を測るスキルまで身につけているというのに。


「とにかく、自分もついていくっすから! 決定事項っす!」

「はあ?!」


サラダは、絶対に逃がさないぞという表情で俺の足に抱きついている。

こうして、俺の村の住民がまた一人増えた。





【滅びたサヌキの村】

住人:3人(予定)

村長:サヌキ(仮)

状態:ボロボロ

エルフの呟き『二人きりがよかったのに……!』


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