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第51話 物理攻撃と魔法攻撃

「おおお! 何かメッチャ出てきたぞ!」


 その数は合計10匹。甲羅の様な物を背負ったスライムが5匹。確かシェルスライムという名前だった気がする。


 その甲羅は硬く、防御力は通常のスライムを遥かに上回ると言われている。


 硬そうな殻を身に付けた体長2m程の蛇が3匹。この蛇の名前はシールドスネーク。蛇だが特に毒などは持っていない。


 それから重装備を身に付けたゴブリンが2匹。ゴブリンは通常の魔物(モンスター)に比べたらある程度の知能を持っている。


 鉱山にいることと関係しているのか、全部硬そうな魔物(モンスター)達だ。


 ちなみに魔物(モンスター)の知識は基本エレンから聞いたものなので、特徴からそう判断しているが実際には違う魔物(モンスター)の可能性もある。


「物理攻撃はあまり効かないかも知れない。攻撃が効かないようならヘクトルは下がってくれ」


 一応俺だって闇の弾丸(ダークバレット)の魔法を使うことが出来る。物理攻撃が効かないようなら魔法を使えば良い。


 いくらマリスからMPの補給を受けられるといっても、それを頼りに撃ちまくれば良いってものでもない。


 無駄に使い過ぎればマリスだっていつかはMPが尽きる時がくる。


「取り敢えず試してみるぞ! うぉぉぉ!」


 ヘクトルがシェルスライムの元へ突っ込んで行く。


「ヘクトルパーンチ!」


 大振りの拳がシェルスライムの甲羅に叩き付けられる。


 叩き付けられた部分から少しひび割れが発生する。


「い、痛ってぇぇぇ!」


 かなりの痛みがあったのかヘクトルが拳をブンブンと振る。


「こいつスライムのくせにメチャメチャ硬いぞ!」


 ヘクトルの攻撃が通用しないようなら、俺の攻撃もそれほど有効とは思えない。


 やはりここは魔法で攻撃をするべきだ。


「ヘクトル下がって!」


 俺の指示でヘクトルが後方に下がる。


 攻撃が通用しないとわかれば意地になることなく、素直に引くことが出来る。ヘクトルの誉められる部分の1つだ。


「ニア。俺達でやるよ!」


「うん!」


闇の弾丸(ダークバレット)


 俺は右手をシェルスライムに向けて魔法を放った。


 10㎝程の魔法の弾丸がシェルスライムを貫いた。


火球(ファイヤーボール)


 俺から少し遅れてニアも魔法を放った。


 魔法はシェルスライムに当たると燃え上がり、すぐ近くにいたもう1匹のシェルスライムも巻き込んだ。


闇の弾丸(ダークバレット)


 俺は更に2発の魔法を放ち、残りのシェルスライムを全滅させた。


 シェルスライムがやられたのを見て怒ったのか、シールドスネークが地面を這いずりながら俺達の元に向かってくる。


闇の弾丸(ダークバレット)


 シェルスライムに比べてシールドスネークの動きは速い。


 俺の放った弾丸はシールドスネークの横をかすめるだけだった。


「外した!」


 俺の目の前まで近付いたシールドスネークは、俺の喉元に噛み付くつもりなのか身体を伸ばしてきた。


「シャー!」


 襲い掛かってくるシールドスネークに対して反射的に右拳で殴り付ける。


「痛ったぁ!」


 シールドスネークを捉えた右拳に痛みが走った。


 だが、痛みはあったものの拳には確かな手応えがあった。


 シールドスネークの殻が砕けパラパラと散らばり生身の身体が露出する。


「もう一発!」


 露出した部分をピンポイントに上から殴り付ける。


 拳と地面に挟まれたシールドスネークは数秒ピクピクとした後で直ぐに動かなくなった。


 残り2匹のシールドスネークに視線を移すと、2匹はミラの元へと向かっていた。


水球(ウォーターボール)


 ミラはシールドスネークに魔法を放つと、水で出来た球体がシールドスネークを吹き飛ばした。


 殺傷能力は低そうで、吹き飛ばされた2匹は再び動き出そうとしている。


闇の弾丸(ダークバレット)


 俺は動きが止まっていた2匹に魔法を放ち、2匹を貫いた。


 これで残りは重武装をしたゴブリン2匹だけだ。


 今の戦いを見ていて俺達の実力がわかったのか、ゴブリンは様子を見ているだけで襲ってくる気配はない。


 かといって逃げるのならまだしも、この場にいる魔物(モンスター)を放置しておく訳にもいかない。


「コイツらなら俺の攻撃でもやっつけれるかも知れない! 試してみるぞ!」


 ヘクトルがゴブリン達のところへ突っ込んで行く。


 相手がゴブリンだとは言っても剣と斧を持っている。切られればヘクトルも無事では済まない筈だ。


「マリス! 付いてきて!」


「はい!」


 ヘクトルが傷を負った時のために、マリスを連れてヘクトルの後に続く。


 ゴブリン達は向かってくるヘクトルを迎え撃つつもりのようだ。2人とも武器を構えた。


 剣を持った方のゴブリンがヘクトルに向けて剣を突き出すが、ヘクトルは紙一重で回避する。


「とりゃぁぁぁ!」


 ヘクトルの拳がゴブリンの顔面を捉えた。


 兜を被っているとはいえ、顔までは守ってくれない。


 ヘクトルの拳がめり込みゴブリンの顔が変化する。


 ゴブリンはそのまま吹き飛び起き上がることはなかった。


「次はお前だ!」


 ヘクトルが斧を持ったゴブリンの元へと走る。


 ゴブリンは大きく斧を振り上げると向かってくるヘクトル目掛けて降り下ろした。


「危ない、危ない」


 ヘクトルが横に飛び斧を避けると斧はそのまま地面に突き刺さった。


 ゴブリンは刺さった斧を必死に抜こうとするが、中々抜けずに苦戦している。


 そこへヘクトルが蹴りを入れる。


 ヘクトルの蹴りをもろに食らったゴブリンが後方へと吹き飛び倒れる。


 ゴブリンが起き上がると目の前にはゴブリンの斧を振り上げたヘクトルの姿があった。


 ゴブリンが飛ばされた隙に床に刺さった斧を引き抜いたのだ。


「はぁっ!」


 ヘクトルが斧を降り下ろすとゴブリンの頭が真っ二つに割れた。


 いくらモンスターとはいえ結構グロいな...。


 ミラを見るとゴブリンから目を背けていた。


「この斧良いなぁー。持って行くことにしよう」


 ヘクトルの奴、普通に斧を使っていたが、学者も商人も斧の適正はない筈なのだが...。


 厳密に言えば適正のない武器でも使うことは出来るが、ほとんど攻撃力に補正が掛からない。


 それなのにヘクトルは兜を被っているゴブリンの頭を叩き割った。


 全く意味がわからないが、斧が扱えてもマイナスになることはない。気にするのは止めておこう。


 モンスターも全滅させたことだし、右奥に進むか左奥に進むかを決めなくてはいけない。


「皆、右の奥へと進もう」


 俺は敢えてモンスター達が出てきた方の道を選択した。


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