第二章37話「アトリーの可能性」
アトリーとメリアはお互いの再会を喜びあった、後、メリアはアトリーの現在の状況について聞いていた
メリア「成程、ご主人達は順調そうで何よりです、それにしてもアトリーのポテンシャルは素晴らしいですね、もしかすると一番ご主人の力を継承しているかもしれませんね!」
アリシア「メリア様、それはいくら我が子とは言え、言い過ぎですよ、私の子達の方が主様の力を濃く受け継いでいますから」
アリシアはメリアの後ろで涼しい顔で言う、メリアは「むぅ」と少し不貞腐れたような仕草をする
メリア「でもそうですね、アトリーは例え帝国に居たとしても私は帝王神候補には立候補しませんね、」
メリアは先ほどとは違いきっぱりと言い切る
瑠花「え?それってリリアちゃんよりポテンシャルが低いから?」
琴理「多分メリア様が言いたいのはポテンシャルじゃなくて才能の方向性のことでしょう?」
メリア「正解です、琴理ちゃんはもう自身の事で良く知っていますね」
瑠花「つまり、アトリーちゃんの才能の方向性って」
メリア「アシストですね、ポテンシャルはそれはそれは上物です、流石私の子です!自慢の子ですよ~~♪」
メリアはそう言いながらアトリーを笑顔で撫でる、アトリーは凄く恥ずかしそうに照れ笑いをしながらメリアを受け入れる。
メリア「それでなんですが、アトリーのポテンシャルだけで言えばそうですね、候補3位を上げれます、これはひいきなしで、です、それくらい高いです、ですがアトリー自身になんというかですね、先頭に立つのではなく、先頭に立つ誰かに寄り添う、そっちの方がポテンシャルをより発揮できる、そういうタイプなんですよ」
メリアはアトリーの特性について話す、実際アトリーは王になって全体を支え、築いていくという野心はない、むしろ認めた主に尽くす、まさにメリアのような性格なのである
メリア「私も今こそこうやって帝王神をやっていますが元々はアトリーと同じでした、むしろ似すぎているからこそ、わかりやすかったです」
メリアはそこまで言うとアトリーの頭を撫でるのを辞めて、「アトリー」と呼び、アトリーを振り向かせる
メリア「アトリー、すぐに決めろとは言いません、貴女はまだまだ若いですからね、でも『この人になら一生尽くす、もしくは一生傍に居たい』そう思える人が出来たら迷わず貴女の真実未来に進みなさい、それがお母さんとしてのアドバイスです」
アトリーはメリアの言葉を聞き、「はい、わかりましたメリア母様」と答える
瑠花「それじゃあアトリーちゃん!次の惑星に行きたいから一緒に行こう!」
アトリー「はい!瑠花姉様!」
琴理「メリア様、アリシア様お忙しいところすいませんでした」
琴理が最後に二人に向けて頭を下げた時、メリアは琴理に言う
メリア「いい傾向で成長してますね、琴理、見たらわかりますよ、力の問題ではなく、経験という意味です。辛い事の方が多いと思いますが頑張って乗り越えてくださいね」
メリアは琴理にそっと話す、そして琴理は笑顔でメリアに言う
琴理「もちろんです!私が居ないと瑠花もアトリーもダメダメですからね!それに・・・」
琴理は一度間をおいて、そっとメリアに
琴理「私が挫けた時、瑠花やアトリーがきっと助けてくれますから、安心して見を任せられます」
琴理は優しい笑顔でメリアに言った、そしてそのまま先に言った瑠花やアトリーの後を追うように部屋を後にする。
アリシア「いい傾向ですねメリア様」
メリア「はい、琴理は今の道に進んでから凄く変わり、そして良くなりました。」
メリアは満足そうな表情でアリシアに話す
メリア「アトリーもいつか自分の言葉であのような表情をしてくれたらいいですね」
メリアは若き世代の成長を温かく見守る。
・・・・・・
アトリー「少し納得がいかない・・・」
アトリーは街を歩いているとふと声に出す
琴理「何よ?準備するものを今から買いに行くんだから仕方ないでしょ?」
アトリー「違う!それはむしろ楽しみよ!!そうじゃなくて!メリア母様の言ったことだよ!」
瑠花「候補にはしないって所?」
アトリー「そう!だって候補で言えば私のポテンシャルって3位クラスなんでしょ!冗談かもしれないけど、それでもそれだけのポテンシャルがあってなんで私は寄り添う方が強いってなるの!王とか興味ないけど!」
アトリーは少し荒々しく話す、アトリーは自身の道しるべや可能性についてメリアから聞いた時、多少は納得したが、どうしても一部納得していなかった。
琴理「まあ、確かに王には興味ないけど不服よね、その気持ち凄くわかるわ、なんか自分の存在を否定された気分になっちゃうのよね」
琴理はアトリーの考えに珍しく同意する、だがそこでアトリーに言う
琴理「でもちゃんと意味を知れば納得するわ、それに寄り添う、誰かの事を信じて共に進む、これのメリットを考えたら私は王になるより、専属神のように尽くしている方が何倍も大事だと思ってる」
琴理はそう言う、確かに良い事を言っているはずなのだが、アトリーや瑠花は頭に?マークを浮かべる
瑠花「王より専属神、まあ従属神の方が何倍も大事っていうのは?」
琴理「王は確かに国のリーダー、だけど所詮は一人で、出来る事にも限度がある、責任者なんだから本来現場側になんか来てはいけない、そんな事も考えたら余計にね、でも従属は違う、従属は王の命令を聞き、自身の手で国や現場を両立させる、だからこそ従属はそれなりの数が居る、だから王も大事だけど従属も大事なの、わかった?アトリー」
アトリーは琴理の説明を聞き、いまいち理解していなかった、だが琴理は「まあ、いずれわかるわ」
とアトリーに言い、ショッピングセンターに到着する
瑠花「さあ!着いたよ!帝国城下町にある大型ショッピングモール!!」
琴理「さーーて!!水着を買うわよ~~!」
アトリー「え!?水着?何それ?」
三人はそのままショッピングモールに入る
神々が住む世界エウレカ帝国、神だって得意不得意が存在する、故に何かに特化した神が物や服、武器や神器等を作り、それらを販売しているのである、一応神界にもお金という概念は存在するが、必需品というレベルではないため、そこまで需要はない。
瑠花「久しぶりに来たけど大きいね~、あ!あれ!私のブランドだ!!」
瑠花はそう言いながらとあるお店に入る
瑠花「ふふ~~ん♪繁盛してるね~♪お!これは確か私が最近開発した薬だ!」
アトリー「瑠花姉様が開発した?」
琴理「そうよ、ここ全部瑠花が開発した物なのよ、帝国4強ブランドのひとつね、【ルカペルソナ】」
瑠花「【瑠花の個性】って意味だね!決めるのに苦労したんだから!」
アトリー「わあ!この薬凄い!これだけの効能があってこの安さなの!?」
瑠花「ふふん♪だってその原材料の単価や入手難易度は低いからね!コスパ良しなうえに量産も容易!私が所有する工場では既に生産開始してるよ~♪」
瑠花は自慢げに両手を腰に添え、身体全体を反り返って見せる
琴理「瑠花って地球で言うと社長みたいなものだから、こんな性格でも侮れないわよね」
瑠花「もっと褒めてもっと褒めて♪最近苦労しかしてないからなんかこうもっと褒めてほしいよね!」
琴理は「はいはい次行きますと~」と瑠花のブランドの店を後にし、目的地に向かう
琴理「ここよ!ここが今回の目的地!水着売り場よ!!」
アトリー「凄いおしゃれ!しかもすっごく可愛い!!」
瑠花「水着?着た事ないな~裸じゃダメなの?」
琴理「馬鹿言わない!そりゃあ帝国は女性限定の最高峰国家よ!でも他の惑星は違うの!どこに瑠花の美貌を覗き見てやろうと企んでるこん畜生共が居るか!!でもぶっちゃけ瑠花の裸はそこらへんの神にも見せたくない!というか年頃の女の子がそんなこと言うんじゃありません!世間知らずを通り越して只の痴女よ!わかったなら最低限の知識と常識を身につけなさい!まったく!!」
瑠花「琴理の説教長い~~~~」
アトリー「いや、今のは瑠花姉様が悪い・・・」
琴理「とりあえず水着は瑠花の身体を守る大事な服なの!さっさと買うわよ!」
琴理はそういうと水着コーナーに入る、そこで瑠花は水着のメーカーに目が止まる
瑠花「これ、ソフィア師匠のブランドじゃない?」
琴理「本当ね、まさかソフィア様のブランドも置いてるなんて、物好きね~この店」
アトリー「物好き?結構可愛いデザインしてると思うけど?」
琴理「ソフィア様のブランドのウリはデザインもだけど、なにより解読不明な恩恵やら特性の素材!効果!瑠花は一度開発すれば誰でも作れるように改良するけど、ソフィア様はそんなことしない!自分が理解して、自分が作れればそれでよし!つまりオリジナリティーが強すぎて扱いにくいのよ」
琴理が事細かに説明する、それは琴理も【技術開発部隊】所属故に二人の成果を近くで見て来たのだ
アトリー「うわ!本当だ!他の水着の恩恵はわかりやすかったり、扱い易そうなのに、ソフィア様の水着だけ凄く複雑な構造してる!これなんの恩恵や効果が付与されてるの?」
瑠花と琴理は二人揃って「さあ?」と首を横に振る
瑠花「正直ソフィア師匠の作る物は私でもまったくわからないからね~~まだまだ未熟だよ!私!」
琴理「あれは我流が入り過ぎてるのよ、まさに常識外れの最高峰じゃない」
瑠花「でもこの服ソフィア師匠が私の誕生日に手作りでプレゼントしてくれたんだよ?すっごく着心地良いから同じ服何着もその後ソフィア師匠に頼んで20着は持ってるよ!」
アトリー「それは持ちすぎですよ!」
琴理「そう?私は瑠花から作ってもらったけど気に入ってるから20着くらい同じ服持ってるわよ?」
アトリー「おしゃれしなよ・・・」
三人は水着売り場の前で話していると瑠花が思いついたように言う
瑠花「なら水着をソフィア師匠に頼んだらいいじゃないかな!!」




