第二章32話「出陣!!1」【オーラ熟練度】の説明あり
三人は合図ととも抜け出し、サンドグレイの攻略に向けて動き出す
瑠花「それでサンドグレイはオーラの気配が強い場所にいるって認識でいいんだよね?」
琴理「そうね、流石に数十万という数だから広範囲で検索をかければね、瑠花、ここは瑠花に任せるわ、私がやれば簡単に割り出せるけど」
瑠花「わかった!ここは私が頑張らないとね!」
そういうと瑠花は二人の前に立ち、気配を探る、
アトリー(まだ遠い距離の検索は出来ていないけど、十分な距離、流石瑠花姉様!力を抑えられていてもここまで・・・)
目をキラキラを輝かせるアトリーを横目で見る琴理は瑠花のオーラ探知を黙って見守る。
瑠花「なんかうじゃうじゃしている気配がある、多分これかな?」
瑠花は指を指しながら説明する、それを琴理が黙々と同じように検索をかけてみる
琴理(う~ん、確かに複数の気配を感じるわね、とりあえず瑠花の決めた道に進んでみるか・・・)
琴理「それじゃあその方角に進んで、私達は瑠花についていくから」
瑠花「ラジャー!しっかり私についてきて!」
そうして三人は進んでいくが、まったく見つかる気配がなかった
瑠花「あれ~~?気配は近づいてきてるんだけどな~、しかもうじゃうじゃ」
アトリー「確かに気配は強くなってるわ、でも姿がないってことは・・・」
アトリーはそう言いながら地面に目を向ける。
瑠花「地面か~、ならここを思いっきり叩きつけてみようかな!」
瑠花はそういうと足と腕にオーラを纏い、地面に向けて一撃を放つ!!
ドボーーーーーーン!!!
地面の砂が天高くまで舞った時、大きな物体が姿を現す!!
琴理「サンドジャンボワーム!!?」
琴理はその存在に驚く!
琴理「瑠花!退避!!アトリー!前線に!!サンドジャンボワームのオーラ数は約500万!!今の私や瑠花じゃ太刀打ちできないわ!!」
琴理がそういうと瑠花は退避し、アトリーは急いで前線に立つ
アトリー「能力は?」
琴理「ダメ!やるなら素手で!それと絶対に殺したらダメ!あくまで気絶させること!」
アトリー「了解!!」
アトリーはそう言うと少量のオーラを体全体に込める
瑠花「体全体にオーラを纏ってる・・・やっぱりやり方は一緒なんだね」
琴理「アトリーの使ってるのはもっと上位なオーラ技術よ、纏っているオーラは常に出しているけど少量でしょう?アイレちゃんは0から必要なオーラを瞬時に最大限まで出す技術、それも高位技術だけどね」
瑠花「流派みたいな感じなんだね」
アトリーは体全体に少量のオーラを纏い、サンドワームの元まで走る!
そしてそのままサンドワームの懐に入り、胴体を思いっきり殴る!!
ズゴーーーーーーン!!!
琴理(・・・これだわ、この技術を瑠花に教えてしまえば・・・)
瑠花「アトリーちゃんのオーラ量、私達とそう変わらないのに威力は桁外れだよ?」
琴理「それはね、オーラの質がすさまじく高いの、オーラ熟練度ともいうんだけど」
【オーラ熟練度】
オーラは熟練度を高めることによって、精度が上がる。
その制度によって1オーラに対する質が変わり、1オーラの使用で10オーラ分の威力、100オーラ分の威力と熟練度が上がることで1オーラに消費するオーラ量が軽減できる、逆に言えば精度が上がることで少ないオーラ量で高火力のオーラを放出することができるのである。
これはオーラ技術とは別で、精神的な熟練度から来るため、必然的に時間が必要となる。
・・・・・・
アトリーの技術はまさにそのオーラ熟練度を主体にした戦い方であり、常に少量のオーラを纏い、不意な攻撃や行動を読ませない上に、0から最大までオーラを出す技術、常に最大まで出して全力で戦う技術とは別で、最小限の動作、最小限の消費で最大限の効果を発揮する戦闘スタイルである。
この戦闘スタイルは帝王神メリアが得意とする戦闘スタイルとしても有名であり、帝王神メリアから鍛錬を受けた者は全員この戦いを基本としている。
アトリーに殴られたサンドワームは思いっきり吹き飛び、地面に強く衝突する
琴理「よし!そのまま瑠花は先に進んで!今回みたいな障害はアトリーや私がフォローするわ!」
瑠花「わかった!じゃあもう一回探知かけるね!」
瑠花はそう言うと再度探知をかけ、次の目的地に向かって走る
それを見た琴理はアトリーに一声だけかけて瑠花の後を追う。
瑠花は次の目的地に到着する。そこは先ほどとは違い、砂の塊でできた巣のようなものが複数見つかる
瑠花「ここだ、多分ここで間違いないね」
琴理「かもね、さっきも言ったけどあくまで最初は話し合い、敵意は絶対に出したらダメよ、あくまで友好的にね!」
瑠花「了解!って言ってる傍から出てきたよ!サンドグレイ!」
瑠花と琴理が話していると巣の中からサンドグレイが出てきた。とりあえず二人はサンドグレイの様子を伺い、敵意がないかどうかを互いに確認する。
瑠花「敵意は・・・ない?」
琴理「わからないわね、というか私サンドグレイの言語知らないから話し合いとか無理なんじゃないかしら・・・」
そういうと琴理は笑顔でサンドグレイに話しかける
琴理「以前は驚かせてしまって申し訳ありません、私達は敵ではありません、なので敵意もありません」
琴理がサンドグレイに話しかける
瑠花「私達の言語・・・相手に伝わってるのかな?」
琴理「知らないわよ!でも話しかけないと始まらないでしょ!」
そうこう話していると後ろからアトリーが合流してくる
アトリー「あのワームかなりしぶとかったわ~、気絶したと思ったらすぐに復活するから三回くらい同じことの繰り返しだったわ~」
アトリーは得意げな顔をして二人に話しかける。
琴理「ちょっと、アトリー、聞きたいんだけど、サンドグレイの言語とか知ってる?」
アトリー「知ってるわよ?」
瑠花「本当アトリーちゃんナイスだよ!!ちょっと通訳お願いしてもいいかな?」
アトリー「瑠花姉様のお役に立てるなら喜んで!!」
アトリーは顔を真っ赤にさせながらサンドグレイに話しかける、そして通訳をする
アトリー(サンドグレイ)「余所者、これ以上我らの平和を脅かすのは辞めてくれ、我らはただ平穏に過ごしたい、それだけなのだ」
瑠花「ごめんなさい!私達も問題を起こしに来たわけじゃないの!この世界に存在する「砂神魂」が欲しいだけなの!」
瑠花がサンドグレイに訴える、それをアトリー通訳し、サンドグレイがよくわらない言語で返事をする
アトリー(サンドグレイ)「ダメだ、あれは我々の御神体、平和の象徴、それを持っていかれるのは我々も困る、私のような一平民から最高責任者の王も同じだ、どうか、ここは手を引いてくれないか?」
サンドグレイのお願いに対し、瑠花と琴理は悩む、
瑠花「そうだよね、普通に考えたら自分達が大事にしているものを取られるのは辛いよね、どうしよう」
琴理「ならアトリー、砂神魂はどうやって手に入るか聞いてもらえるかしら?」
アトリーはサンドグレイに砂神魂の在り処や入手方法を聞いた
アトリー(サンドグレイ)「それは我々の王にしかわからん、だがもしそれで我々の平穏が守られるのであれば協力をしよう、ついてくるがいい」
サンドグレイはそう言いながらとある方角に歩き出す、3人はそのサンドグレイについていく
アトリー「思ったより話の出来る種族だったわね」
琴理「どこも一緒よ、誰だって争いなんて望まないわ、最低限の知能を持てばそうなるわ」
瑠花「良かった~サンドグレイさんと戦わなくてよさそうだね~」
琴理「ええ、でも嫌な予感はするわ」
アトリー「ええ、まだ何かあるってこと?というかそういうフラグを立てるのは辞めてよ~」
三人は話しながらサンドグレイについていくとそこには一回り大きい砂の巣に辿り着く、そしてサンドグレイは「ここに入れ」と言わんばかりにジェスチャーを行う
瑠花「相手はこの種族の王様、失礼のないようにしないとね!」
瑠花はそう言うと砂の巣の中に入るすると先ほどのサンドグレイより一回り大きいサンドグレイの姿と異質なオーラを放つ石が置かれていた
琴理「砂神魂だわ!」
瑠花「アトリーちゃん、通訳お願いできる?」
そういうとアトリーはキンググレイに向かって話しかける、そうするとアトリーは少し驚きながら通訳をする
アトリー(キンググレイ)「内容は理解した、このご神体と同じ物を求めているとな、結論から言わせてもらうとこれはとある生物を倒すことで手に入る、だがその生物を見つけるのが大変なのだ、だがその生物を見つけ討伐すればきっとご神体と同じ物が手に入るだろう」
琴理「とある生物?でもこの星に探知掛けていた時に気配なんて・・・」
琴理(いや、サンドグレイだって全然気配感知出来なかったし、砂の中で息を潜めてる種族なのかもしれない・・・)
瑠花「ちなみにその生物ってなんですか?」
アトリー「えっとね~~、それがね~~、サンドジャンボワーム」
琴理「はーーーー!!!!?」
琴理の顔色が変わる、それはそうだ、先ほどまで戦っていた生物が砂神魂を持っていたのだから
琴理「アトリー!急いでワームを討伐してきて!!早く!逃げられたら終わりよ!!」
アトリー「完全に気絶させてると思うから大丈夫だと思うけどわかった!」
そういうとアトリーはキンググレイに感謝の言葉を述べ、他の二人もキンググレイに頭を下げる、
キンググレイは落ち着いた態度でその場に立ち尽くす、そして三人は急いで先ほどまでの場所に戻る
瑠花「居た!!まだ居たよ!!」
アトリー「えっと!私がトドメさしたらいいのかな!」
琴理「ダメ!トドメは瑠花がやらないと素材が消えてしまうのよ!瑠花行って!」
瑠花「了解!」
そういうと瑠花は一人猛スピードで走りだし、サンドワームに向かって強烈な一撃をぶつける!!
瑠花「いっけええええええええ!!!」




