第2章21話「鉱石惑星2」
【鉱石惑星 6日目】探索開始
鉱石惑星に来て6日目、瑠花はとうとう二つ目の星の地を踏む
瑠花「わあーー!!いざ下りてみるとすっごく綺麗だね!光る鉱石がすっごく神秘的だよ!琴理!」
琴理「そうね、でも感心してばかりじゃダメよ!先に進みましょう」
瑠花「レッツゴー!」
瑠花は5日間で得たオーラ技術を使って鉱石惑星の奥へ進む、
進む先々には青く輝く鉱石、緑、赤、黄色と多種多様な色彩で風景と背景の色が変わる、
この光景が自然のみで作り上げられているという目の前の現実にうっとりと見惚れる瑠花
瑠花「自然惑星は自然豊かですっごく空気が美味しくていい星だったけど、鉱石惑星も自然惑星とは全然違うけどすっごく魅力的な星だよ!」
瑠花は光る鉱石の存在は知っていた、普段研究の素材等で使用することもあった。
だが現地の物を見るのは初めてだった、瑠花にとって自然惑星もそうだが、多くの惑星を巡って
各星々の世界を体感して、理解できるこの状況が瑠花にとって楽しくて仕方なかった。
瑠花「わあーー!あの石凄く綺麗!あ!あの石もすっごく綺麗!」
瑠花は無邪気に走り回る、オーラを体に纏っていることも忘れてただ、目の前の光景を心の底から楽しんでいた、そんな姿を近くで見る琴理も試練とわかっていながらも瑠花の寄り道に近い行為を容認してしまっていた
琴理(瑠花にとって世界とは帝国という国だけだった、そんな瑠花がこれから先多くの世界を知ることになる、それは確かに試練には不要な物に近い、だけど今の瑠花には絶対に必要な事だと私は思う、きっとこうやって目の前の光景に楽しんでいる事も瑠花は成長の糧にするんだろうな)
琴理がそう瑠花を考えながら見守っていると、瑠花は琴理の手を握り先にへと誘導する
瑠花「琴理!どんどん奥に行こう!奥にはどれだけの鉱石や空間が広がっているか気になるの!」
琴理「ええ!いいわよ!私もしっかりついていくわ!」
二人は特に慌てる事もなく鉱石惑星を楽しんでいた、だが琴理の脳裏にはかすかに思考がよぎっていた
琴理(でも多分そろそろかな・・・)
瑠花と琴理がそれなりに先に進むと今まで一本道だった道が途絶えてしまったのだ。
琴理「まさかこんな浅い層で終わっていたなんて・・・」
瑠花「ここから私が掘っていかないといけないんだね・・・」
瑠花はさっきまでとは変わり、気合を入れ目の前の鉱石の壁に向かって全力でオーラを込めた一撃を与える!
ズゴーーーン!!!!
大きな破壊音が一本道だった空間全域にけたたましく鳴り響く
琴理「さて、今の瑠花の一撃でどれだけ削れたか・・・」
琴理が瑠花の成果を煙がなくなると同時に確認した
瑠花はその場に立ち尽くしてた、そして壁は10M程の大きな穴が開いていた
瑠花「これは・・・どうなのかな?」
琴理「最初にしては上出来ね、でもこのペースだと大体この星の深さも考えて50日はかかると思うわね」
瑠花「それは今後の成長を見越して頑張るしかないね~、だからとりあえずは半分の25日間の間で目的地付近まで掘り続ける!」
瑠花はそういうと再度拳にオーラを溜め、先ほど瑠花が開けた穴の最深部に向かって攻撃をぶつける!
ズゴーーーーーーン!!!!
穴の中から大音量の音と大量の煙があふれ出た
琴理「まあ、気付くわよね、流石に・・・」
琴理が瑠花の行動に呆れて見ていた
瑠花が最初に開けた穴は確かに深さは10M程あったが、その幅はまったくと言っていい程無く、
瑠花一人で行動するには問題ない程度の幅しかないのだ。そこで二度目の打撃、そうなると瑠花も現状に気付く
瑠花「あれ?なんか狭い?」
瑠花はとりあえず20M程の高さのある穴の壁を足にオーラを加えて移動する。
だが途中で足に加えていたオーラが消え、落下する。
瑠花「あれ?オーラが!?」
瑠花がそのまま落下している所を琴理が咄嗟に助け、地上に戻る
琴理「言わんこっちゃない、情報がない状態で無暗に先に進むからそうなるのよ」
瑠花「ごめんなさい、でもなんでいきなりオーラが消えちゃったんだろう?」
琴理「オーラみたいな力を吸収する鉱石があったんでしょうね、そんな鉱石も普通に各場所に散らばっているから、あと瑠花!早くオーラを纏いなさい!」
瑠花は琴理に言われるまで自分自身がさっきまで纏っていたオーラすらも先ほどの出来事で消えていたことを理解できていなかった、そう、理解できない程瑠花達の今いる場所の気温が程よくなっていたのだ。
瑠花「あれ?全然大丈夫だよ?なんでだろう?」
琴理「まあ少し下には降りたからね、多少は温度も上がっているってことなのね、でも油断したらダメよ、基本他の惑星や環境に居る時はオーラを途絶えさせないように!」
瑠花「はい!琴理先生!」
琴理が言っているのはもっともなことなのである、言わばオーラを身体に纏わせる行為は海の中で酸素ボンベを付けているのと同じ状態なのである。
もし、毒に満ちた星なら
もし、なにか悪影響を与える環境の星なら、
温度を維持するという役割も大事なのだが、オーラを纏うにはオーラを使って【安全圏を自身で作る】行為なのである、故に琴理は瑠花に常にオーラを纏わせる習慣をいち早く身につけさせたかった、この先には一度解いたら即死の【灼熱惑星】が存在する。先を考えると絶対にミスは許されないのである。
瑠花「よし!オーラを纏ったよ!でもどうしよう、ただ一か所に攻撃してもダメだ・・・」
琴理「当然よ、普通は広さや斜度を考えながら掘るものよ、だからそこまで瑠花が考えている程簡単な話じゃないの」
瑠花「つまり、色んな場所に攻撃していって、穴を広げながら奥に進まないといけないってことだね」
それは瑠花が当初考えていた数倍、数十倍の数の打撃を地面に向かって放たなければならないということであった。
瑠花「これは想像以上に骨が折れるかも・・・いやもしかしたら今も折れてるかも・・・」
琴理「え!怪我したの!?とりあえず今日はここまでにしましょう!」
瑠花「いや!骨は折れてないってきゃああああああ」
琴理は瑠花をお姫様抱っこして宇宙船を急いで出し、中に入る
瑠花「もう!冗談だよ!琴理過保護~~!」
琴理「何言ってるのよ瑠花、今貴女のオーラ量を見てみなさい」
瑠花はそう言われ確認する
四季 瑠花オーラ量(8900/28)
瑠花は自身のオーラ量の残りの少なさに驚く
瑠花「うわ!もうたったこれだけ!?まだ何もしてないのに!?」
琴理「常にオーラを纏っているだけでこんなにも消費するの、私程にもなればそうでもないけど瑠花にとっては一分一秒が勝負なの、自然惑星の頃にみたいに時間いっぱいまで攻略に集中できるわけじゃないわ、だから50日なのよ」
瑠花は琴理から提示された日数に驚きを隠せなかった、
瑠花「50日間もこの星で生活するんだね」
琴理「大丈夫、きっとこの星を攻略できた頃には3つの星は簡単に感じるわ、だからここを二つ目に選んだんだから」
瑠花は琴理に言われ、先を見据えた上での判断なら間違いないと琴理を信じ、琴理が言った通り、
50日間、もしくはそれ以上の日数をかけてこの【鉱石惑星】を攻略しようと心に決める!
二人は一日の終わりにしては早すぎる時間に宇宙船に戻ってきたため、琴理は瑠花に当初ハイネの町でやらせていた筋トレをやらせることにした。
瑠花「ねえ!腕立て伏せ5回連続で出来るようになったよ!」
琴理「子供じゃないんだからもっとやらないと・・・せめて連続50回!」
瑠花「うわあああ~~ん!そんなの私の腕がもたない~~」
瑠花はまだまだ筋力が身についていなかった・・・
・・・・・・
リリアが旅立ってから一ヵ月程の月日が流れた
リリア「これで目的の素材は五つ目、九騎神使も半数を倒したことになるのね」
瑠花達より早くに月花の試練を受けていたリリアは一ヵ月という日にちの間に既に5つの指定された素材を回収していた。
リリア「僕の力が戻る度に九騎神使達も同様のレベルまで上げてくる、楽はできない当たり、大変な試練だよ」
リリア(今回の試練については僕の『全知全能支配』が生きた、全知のおかげで素材に関する知識がすぐに理解できた・・・あと4つ、おそらく半月もかからない内に3つの素材は集まるだろう、確かに九騎神使は手ごわい、でもそれでも僕は負けない、帝王神候補一位として絶対に負けるようなことがあってはいけないんだ・・・)
リリアは試練と共に強い使命を抱えていた、それは自身が光の世界の帝王神候補第一位というプライドである、一番期待されている存在として、情けない姿を晒すわけにはいかない、そういうリリアの強い気持ちが試練に立ち向かう勇気に変わっていた、だがそれは今までの温厚なリリアとは違い余裕のないイメージを持つ、そんな危うさがあった。
リリア「次は・・・【霧惑星】か、しっかりとした形というものを持たない惑星、受けて立つさ」
リリアは次の目的地に向かって境界管理局に向かう
月花はリリアの成績を帝国帝王直属部隊総長室で眺めていた、それを横で見ていた九騎神使の一人で帝国従属神長を務めるセキが月花に話しかける
セキ「浮かぬ顔をしておるのう、月花?」
月花「ええ、リリアがね~~、思ったより思い詰めちゃってるな~ってね」
セキ「こればかりは仕方ないのう、なにせリリアの肩書はそれほどまでに大きすぎるものじゃ」
月花「そうね、そればかりは私ですら経験したことないからとてもプレッシャーになっているんだろうなってことしかわからないわね」
月花はそういうと椅子の背もたれに深く腰掛ける
月花「でも瑠花ちゃんの方はのびのびとやってるわ、【鉱石惑星】に入って28日が経過しているけど、じっくり状況を整えている感じ、他の子も似たようなもの、まあ、それしかやることがないって言ったらそうなんだろうけどね」
月花の中から九騎神使の一人、水陣騎聖のネロが現れる、
ネロ「月花様、お疲れならお紅茶作りますよ?」
月花「ごめんなさい、ネロ、お願いできる?ネロもそこの椅子に座って3人で休憩しましょう」
セキ「わらわは緑茶がいいのじゃ」
ネロ「わかりました、では作ってきますね」
そういうとネロは部屋の奥にある台所に向かう、
月花「とりあえずリリアは優秀過ぎる、だから瑠花ちゃんみたいに誰かに頼ることをしない、でもそれでも成り立ってしまうのがリリアの難しいところなのよね、」
セキ「そうじゃのう、今の段階で九騎神使の半分がリリアに敗れた、残りの九騎神使はリリアとは相性が悪いけん、恐らくなんの苦労もなく乗り越えるじゃろうな、」
セキは帝国四季月花直属部隊【九騎神使】が手加減していたとしても同じ条件で負けてしまうのが悔しかった。
セキ(わらわ達は相手の強さに合わせて戦っておる、それで負けるのは単純にわらわ達の力不足、経験不足なのじゃ・・・言い訳はできん)
セキがそう考えているとネロが台所の奥からトレイに3人分のカップを乗せて運んできた
ネロ「どうぞ、月花様もこちらでどうですか?」
月花「そうね、そちらの机にお邪魔しようかしらね、セキ、セキも一緒に休憩しましょう」
セキ「そうじゃのう、ネロ、ありがとうのう」
三人は一つの豪華な机と豪華なソファーでくつろぎながらお茶を飲む
月花(まあ、でも大丈夫か・・・リリアも引いてるからね・・・【夢見魔純結晶】、きっと夢世界で何かを得て帰って来てくれるはず・・・信じてるわよ、行方不明なんて許さないんだから)
・・・・・・
月日が流れ琴理が言っていた50日目が来た。
【鉱石惑星 56日目】 目的地まで 約1000M




