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ルカタイムレコード   作者: パトパト(パトパトチャンネル)
第2章 世界巡り篇
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第2章12話「自然惑星2」

【自然惑星 2日目】


瑠花はこの残り先の目的地までどうやって進むかを考えていた。


瑠花(少し速度を下げて目先の集中を優先するか、それなら移動は遅くなるけど体の負担は少なくて済むし、昨日と同じことしてたら多分同じ結果で終わりそうだし)


瑠花は琴理が作った朝ごはんを食べ、着替えながら考える、試練の最中故に効率を優先したかった瑠花だが、着替え終わり、琴理からの提案を聞き驚愕する。


琴理「昨日と同じペースで行くわよ、休み頻度は多く入れるけど」

瑠花「え!?昨日と同じペースだと多分私すぐに疲れて動けなくなるよ!?」

琴理「それでいいのよ、今までが優しすぎたのよ、今までは体力とオーラ量を増やすだけの特訓、だけど今回は障害物が足元や正面、予期しない所からの飛来も含めて全部ある、動きながら体全体で空間を把握をする特訓にもなるし、体力づくりはもちろん、オーラ量も間違いなく格段に増えるわ」


琴理は説明する、瑠花の全体的な集中力や神経を鍛えるためには瑠花が出せるペースを維持しながらの移動の方がむしろ効率がいいと、だがその意見に関しては瑠花は反対する


瑠花「そりゃあ鍛えた方がいいけど、早く目的地に行かないと遅れちゃうんじゃあ」

琴理「焦っても仕方ないわよ、それに瑠花も言ったでしょ?今瑠花が自由に特訓出来るエリアに居る内に鍛えるだけ鍛えておかないと後々詰むわよ」


瑠花は琴理の言葉を聞き、思い出す


瑠花「そっか、月なら酸素を維持、作り出すためのオーラ変換技術と量、灼熱世界なら酸素はもちろん、体温を維持するための膨大なオーラ量が必要になる、そう考えたら今この星は凄く環境がいいんだ」

琴理「そうそう、この先もっともっと悪環境な所に行くんだからここで遅れてもいいからハイペースで鍛える方が後々楽になるのよ」

瑠花「そっか!なら琴理の言う通り昨日と同じペースで先に進もう!」

琴理「うんうん!その代わり休憩は多く挟むから安心して!それじゃあ行くわよ!」


そういい、二人は宇宙船から出て、二日目の移動を始める。


そして1時間後、


瑠花「今日はやけに霧が濃いね、琴理、あまりはぐれないでね」

琴理「ええ、瑠花、ここからは瑠花が先頭で走って、私は瑠花を見失わないように後ろから見守るから」

瑠花「わかった」


琴理が合図したタイミングで瑠花と位置を変え、瑠花が戦闘を走る


瑠花(う、琴理の後ろと違って前だと琴理が居ないからさっきよりも反射神経を求められる!?瞬時に判断して急いで避けないと!!)


瑠花は琴理の後ろに居た時より遥かに厳しい状況に当てられ、一気に集中力が使われる、そして即座に反応出来るように自分から数メートルほどオーラを展開し、木々の気配を把握しながら、体にオーラを纏い、走り続ける。



さらに1時間後・・・


瑠花(うう、さっきより霧が濃い、前の視野が狭いからかなり難易度が上がってる!!琴理に休憩を挟んでもらおう!!もう限界!!)


瑠花はそう考え、後ろに居る琴理に提案する


瑠花「琴理!ちょっと休憩しましょう!私もう限界!!・・・ってあれ?」


瑠花は後ろを振り向く、だがそこに琴理は居なかった。


瑠花「琴理?あれ?琴理!?琴理!!?」


瑠花は慌てて止まり、周りを確認する、だが琴理の気配は感じられない。


瑠花「え!?うそ!?琴理!なんで!私はずっと移動している時ちゃんとオーラで気配を・・・」


瑠花は自分で言って気付く、範囲的に展開していたはずのオーラは瑠花の疲労が溜まるにつれて範囲が狭まり、最終的には前方にしかオーラは行き届いてなかったのだ、

つまり、途中から後ろはおざなりになっていたため琴理の気配を感じる事が出来なくなっていたのだ、


瑠花「どうしよう!?戻る?でもこんな濃い霧の中じゃあ迷っちゃうかも、琴理!琴理~~」


瑠花は半泣きになりながら琴理を呼ぶ、だがそうしている内に瑠花の前に大きな生物が現れる


瑠花「うそ・・・なに子・・・」


それは瑠花より数倍デカい大型カマキリのような姿をした虫だった。

両腕にはデカく鋭い鎌があり、カマキリは瑠花を捕食しようと襲い掛かる態勢を取る


瑠花「まずい・・・逃げないと・・・」


瑠花は即座に逃げる、殆どガス欠の状態で移動したため、すぐに体力を失い、失速する


瑠花「はあ、はあ、マズイ、マズイよ・・・このままだと」


瑠花が止まっていると巨大カマキリは瑠花を追いかけて来た。


瑠花「きゃああああああああ!!!」


瑠花は再度逃げる、瑠花の顔は青ざめ、涙で顔がぐしゃぐしゃになっていた


瑠花(ダメだ、琴理が居ないと私!!このままだと)


瑠花はずっと琴理を求める、だがそこで月花の言葉を思い出す。


~回想~


・・・・・・


月花「瑠花ちゃんはもう戦えるの?」

瑠花「それがまだでして~~」

琴理「瑠花はまだ最低限のオーラと体力しか持ってないから戦闘はからっきしで」

月花「それはいけないわね、確かに専属神である琴理が守れば瑠花ちゃんは大丈夫かもしれないけどそれじゃあいつか必ず駄目になるわ、」

瑠花「これからしっかり覚えるよ~」

月花「危険っていつもいきなりなのよ、瑠花ちゃん、そりゃあ準備万端の状態で来たら理想だけど、大抵は想定外で理想のシチュエーションとはかけ離れてるの、だから準備、なんて悠長な事言ってたらすぐに死んじゃうかもよ?」

瑠花「・・・脅さないでよ~~、怖くなってきた」

琴理「脅しでもなんでもないわ、確かに今から行く場所は無法地帯、いつ危険が襲ってきてもおかしくないわ、その時絶対に私が居るとは限らないし、瑠花もしっかり覚悟して挑んでもらわないと」

瑠花「うん、わかったよ、確かにハイネの町の出来事もいきなりだったからね、頑張るよ!私!」


・・・・・・


瑠花は旅に出る前の月花と琴理との会話を思い出す、


瑠花(そうだ、今がその危険な時だ、自分で危険に立ち向かわないとこの先、試練なんて乗り越えられない!!)


瑠花は呼吸を整え、覚悟を決め、振り返る。

瑠花の前には大型カマキリの姿があった


瑠花(1800/20)VS 大型カマキリ(???)


瑠花の戦闘力はわずか20のみ、走り続けた事でオーラ量が無くなっていたのだ、

それに対して大型カマキリの戦闘力オーラは不明、相手のオーラ量を見る術はあるが、瑠花はまだそれを習得していなかった。


瑠花(以前ならちゃんと見えてたけど、今は今までどうやってやってたか思い出せない!けどそんなことで臆しても仕方ない!!)


瑠花は背中に背負っていた杖を持ち、構える!


瑠花「来い!!私だって素直に食べられてあげないんだから!!」


瑠花がそう言うと、大型カマキリは瑠花に襲い掛かる、

カマキリは大きな鎌の付いた腕を瑠花にぶつける!!だが瑠花は少ないオーラを使い、それをかわす


瑠花(よし、しっかりオーラを足に纏って動けば避けれる、そこまで早い攻撃じゃないのは助かった!)


瑠花はそう考える間もなく、カマキリの2回目の攻撃が瑠花を襲う、

瑠花は慌てて2回目の攻撃も避ける!


瑠花(攻めないと!!避けてばかりだとオーラだけ消費するだけだ!!)


瑠花は考える、そしてそうしている間に3撃目が来る

瑠花はそれを再度避ける、だがそこで避けるだけではなく瑠花は大型カマキリの足元側に移動し、杖で移動した勢いでそのままカマキリの足を全力で叩く!!


カマキリ『ギギギーーーーーー!!!』

瑠花「効いてる!!流石に大型カマキリでも棒で殴られたら痛いみたいだね!!」


瑠花はカマキリが暴れる前にカマキリと距離を取る、そして再度カマキリに向かってダッシュする


瑠花「次は頭部!!」


瑠花は勢いのままカマキリの頭部を杖で思い切り叩く!!運が良い事に瑠花の攻撃はカマキリの目に命中し、カマキリが悲鳴を上げ後ろによろける!

瑠花はそのカマキリの首元を掴み、両腕で首を持ち、両足をカマキリの首に置く!そして


瑠花「オーラダッシュ!!!!」


瑠花は足元に残りのオーラを全部乗せカマキリの後ろ方向に首を土台に勢いよく飛ぶ!!

その勢いで瑠花に首を掴まれたカマキリは後ろ方向に引っ張られ、そのまま倒れてしまう

瑠花はその勢いのまま上手く着地できずに吹き飛ぶ!


瑠花「いた!!・・・どう!?相手は!?」


瑠花はカマキリ側を見る、倒れていたカマキリは起き上がっていた


瑠花「最悪・・・全然効いてないじゃん・・・」


瑠花は先ほどのオーラで全てを使い切り、強烈な反動を受ける、


瑠花(何度も味わったけどオーラを全部使用すると大きな反動が来て、強い吐き気、頭痛、そして体が動かなくなる、最悪な時間だよ・・・)


瑠花はなんとか意識を飛ばさないように我慢するが、カマキリは態勢を立て直し、瑠花の元に近づいてくる


瑠花「琴理・・・ごめん・・・」

琴理「充分だよ!」


その瞬間琴理がカマキリの前に現れ、顔に強烈な蹴りをぶつける、そしてカマキリはその勢いで遠くまで飛ばされる。


瑠花「琴理・・・今までどこに居たの・・・?探したんだよ?いきなり消えてさ・・・」

琴理「ごめん、それわざとなの・・・私の居た範囲が瑠花の集中範囲外になった時に少し距離を取ってついていってたの、そこで瑠花が気付いて慌てる姿を見て、嬉しい反面、凄く苦しかったし危機感を覚えたの・・・」


琴理は次第に俯く、そして琴理は瑠花をおんぶし、宇宙船の中まで運ぶ、

そして瑠花の体を拭き、着替えさせ、ベットで寝させる。


数時間後瑠花は目を覚ます、琴理は瑠花の傍で寝ていた。


瑠花「琴理・・・私琴理に心配させちゃったんだね・・・」


瑠花は瑠花の傍で寝ている琴理の頭を優しく撫でる。

そして瑠花は起き上がり、琴理を自分のベットに入れる


瑠花「ふう、重たかった、華奢な私には琴理は重過ぎるよ」

琴理「そんな堂々と重たいなんて言わないでよ、傷つくじゃない」


琴理が目を覚ます、瑠花に持ち運ばれている間に起きたのだ。


瑠花「ふん!私を見捨てた罰です!」

琴理「・・・ごめんなさい・・・」


琴理が再度俯く、瑠花は慌てて言う


瑠花「あわわ!ごめん!!冗談だよ!!琴理は私の姿を見て、危機感を感じたんでしょ!?それは私のせいだから」


瑠花はそういうとさっと手を下ろし、俯く


瑠花「わかるよ、きっとこう思ったんでしょ?(依存し過ぎている)って、だから危機感を感じたんでしょ?このままだと琴理が居ないと何も出来ない子になるからって」


瑠花は琴理の横で話す、そして琴理が話す


琴理「ええ、瑠花が私をあそこまで頼りにしてくれたのは心の底から嬉しかった、でも私が居ない瑠花はあそこまで頼りなくて、脆いんだって思って、もし月花さんが言ったみたいに、私が居ない時、瑠花だけで頑張らないといけない時に瑠花に危険が及んで、それで瑠花が死んじゃったらって思うと怖くて怖くて」


琴理は涙を浮かべる、最悪の想像をしてしまった、だが今一番可能性の高いイメージだった、それが今日確認できてしまった。だから琴理は怖かったのだと言う。


瑠花「ごめんなさい、私も月花叔母さんの言葉思い出して、一人でも戦えるように!って挑んだんだけど、結局ダメで・・・いや、計画性や危機感がなかった、もっと早くオーラに余裕があるタイミングで休憩に入るべきだったんだ、あんなにギリギリになるまで走り続けたからまともに戦うことが出来なかった、予期せぬ事態に対応できなかった・・・琴理に頼りきってた・・・」


瑠花は琴理に頭を下げる


瑠花「心配かけてごめん!!ギリギリ本当にギリギリまで出てこなかったのは琴理としてもかなり辛かったと思う!!」


琴理は泣く、


琴理「私こそ、ごめんなさい、あの時気が気じゃなかった、瑠花が死んじゃうかもって、ここで助けてもきっと瑠花から怒られて嫌われるんだって・・・」


そういうと瑠花は琴理を抱きしめる


瑠花「嫌いになんてならないよ、琴理のする行動には何か意味がある、そう信じてるから私の落ち度に気付けたんだよ、ありがとう琴理、私のために耐えてくれて、私は大丈夫だよ」


瑠花は琴理を抱きしめ、優しく頭を撫でる、琴理はそのまま瑠花の懐で泣く


琴理「うう、ごめんなさい!怖い思いをさせて、危険な目に合わせて・・・」

瑠花「いいんだってば・・・もう」


数十分間二人はお互いを抱きしめ合いながら、今日の出来事の反省をしていた。


そしてまだ二人ともお風呂に入ってなかったということでお風呂に入る。

寂しくないように手を繋いで。


瑠花(琴理は本当にお姉さんみたいにしっかりしてるけど私の事になると凄く臆病になる、いや、本当の自分を曝け出してくれてるのかな・・・それは私にとって凄く嬉しい、だから私はそんな琴理を大事にしないと、こんなに私の事をここまで愛してくれる大切な人なんだから・・・)


瑠花はそう思い、親友であり、運命共同体である自身の専属神でもある琴理を心から愛するのだった。


【自然惑星 2日目終了】



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― 新着の感想 ―
[一言] やっぱり今後のことも考えたら自然惑星である程度強くならないといけないよな。 お互いがお互いを大事にしてる感じがするし、これからのこともしっかり考えてる感じがした。
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