第1章21話「不穏な気配1」
瑠花はその日の特訓を終えて一人で部屋に戻っていた。
本当は早く汗を流したいがせっかく琴理が自分のために頑張っているのだからと
瑠花は琴理を待っていた。
そして瑠花が帰宅して1時間後、琴理も帝国から転移装置で帰ってきた。
瑠花「おかえり!遅かったね!」
琴理「ただいま、ええ、少しソフィア師匠に捕まってたから少し遅くなったわ」
瑠花「ソフィア師匠!いいな~~、私も早くソフィア師匠に会いたいよ~」
瑠花は思いのほか元気な姿で帰ってきた琴理を見て安堵した。
琴理「私も少し疲れたし、話はお風呂の中で話しましょう。瑠花はお風呂まだだよね?」
瑠花「琴理を待ってたからね!琴理が私のために頑張ってくれてるのに私だけ優雅にお風呂なんて入れないよ~」
琴理(本当に良い子だわ、)
二人はお風呂で汗を流し湯舟で琴理の今日の成果の話をする。
琴理「それで本題だけど、まずソフィア師匠の元には誰も来てないみたい、」
瑠花「そうなんだ、ソフィア師匠だからね、みんな警戒したのかな」
琴理「ソフィア師匠は何言い出すかわからないからね、瑠花と一緒で」
瑠花「私も!?」
琴理「技術開発部隊のトップ2の考えはわからないで有名だからね、」
瑠花「私も入ってるの!?」
瑠花は帝国技術開発部隊の副総長という肩書があり、技術開発部隊の2番目の地位だった。
だが周りの評価は【何を考えているのかわからない2人】と言われていた。
琴理「まさか自覚なかったの?」
瑠花「あるわけないでしょ!うう、開発部隊のみんな私の考え、全然理解してなかったんだ~~」
瑠花はうわーーんと湯舟の中でバシャバシャとお湯を散らしながら暴れる
琴理「もう!湯舟の中で暴れないで!それだけ思考がずば抜けて高かったから最高峰の研究者って認められてるんでしょう、3回も」
瑠花「そうだけど~~確かにそうだけど~~」
瑠花は納得していなかった、だが琴理はそのままお構いなしに話を進める。
琴理「とりあえず話に戻すけど、それで次は帝国の色んな部隊の人に各総長に候補、王族の人が接触しなかったかどうか聞いたんだけど」
瑠花「どうだった?」
瑠花は琴理に聞く、やはり瑠花自身気になっているところなのである。
琴理「誰も来ていないみたい、予想はしてたけど、まさか全員がまだ誰の所にも行っていないのは驚いたわ、しかもあのリリアまで」
瑠花「リリアちゃんもまだ試練を受けてない・・・」
琴理「逆に言えばリリアですら、試練を警戒しているってこと、もしくは誰かが一番最初に行って、どのような試練を与えられるか、様子を探っているのかもしれない、それまでは各自準備しながら」
瑠花「そっか、誰かが行かない限り、出し抜かれることはないから全員奪われた力を戻すことに専念しているんだね、誰かが動いてもその試練内容を事前に入手できる、もしくはその試練を受けている候補の行動を見て、大体試練の内容を把握することもできる」
つまり今の現状は硬直状態ということ
・誰も試練を受けないなら状況は全員同じ
・同じならそれまでの間自身の力を取り戻すことを優先
・誰かが先に試練を受けてもその行動によっておおよその試練内容を事前に把握できる
琴理「この状況は私達からしても悪くない、むしろ好都合、全員が警戒して先に進まないのであれば私達も無理する必要性がない、瑠花の特訓に専念できるってことね」
琴理はそう言いながら湯舟から出る
琴理(本当リリアがまだ誰の試練も受けてないのは予想外、なぜ・・・)
瑠花は琴理が出た後も少しの間湯舟で考え事をしていた
瑠花(リリアちゃんは間違いなく私と違ってそれなりに力を持っているはずなのに、なんで受けないんだろう、リリアちゃんは勇敢でどんな困難にも立ち向かうタイプ、そんなリリアちゃんが誰かの後を見て行くなんて)
瑠花はリリアらしくない行動に疑問を抱いていた。
この試練はリリアという帝王神候補1位ですらためらう程の代物なのかと、リリアを知っている瑠花だからこそ、余計に考えてしまう
そう考えながら瑠花はお風呂を出て、琴理と共に食事をし、就寝する。
・・・・・・・・
夜中、ここは帝国の専攻部隊施設の一室
専攻部隊員「はい、現状いつ【Error】がどのエリアに侵入してくるか予測はかなり難しいです」
リリア「そう、一応護衛部隊と合同で帝国全体を監視しておいた方がいいね」
専攻部隊員「はい、それでは明日、護衛部隊と専攻部隊全員を集めて配置決めなどの作戦会議を開きます」
リリア「よろしくお願いする。」
専攻部隊員「リリア様は大事な帝王神候補の試練中、こちらの事は本当に大丈夫ですよ?ハク専攻部隊総長も居ますし、今回は合同ですから護衛部隊総長 黄金極真龍 カナ護衛部隊総長も居ますし」
カナとは帝王の10人の専属神の一人、第4の専属神 黄金極真龍のことである。
リリア「大丈夫だ、僕も専攻部隊の副総長、部隊をほったらかしになんかできない」
専攻部隊員「そうですが・・・」
リリア「とりあえず今は目の前の問題を片付けよう、それが終われば僕も試練に専念するから」
リリアが笑顔で言うと、専攻部隊員はホッとした表情をして部屋を出る。
リリア「この問題が終わったら・・・か」
リリアは窓から見える夜空に輝く星を眺めながらつぶやく
リリア「さて、走って帰ろうか、戦闘力オーラ【1000万】程度で先陣など絶対に立てない上に、専攻部隊の皆に申し訳ないからね・・・」
リリアはそう言い部屋を後にし、母メリアの家まで自力で走って帰る。




