第1章17話「月詠 琴理4」
次の日の朝
瑠花「ふあ~~~、よく寝た、って痛たたたた!!?」
瑠花は朝から前日のからの筋肉痛に苦しむ、
瑠花「昨日よりなんか体中痛いんだけど、悪化してないよね?これ?」
瑠花はそう言いながらお腹、足、腕をさすりながら、ゆっくりと起き上がる、
瑠花「そういえば琴理がいない、どこに行ったんだろう?」
瑠花はそう言いながら部屋から出る、そのタイミングで琴理が食材を持って帰ってきていた。
琴理「おはよう、瑠花、ずいぶんお寝坊だね、まあ、体中のオーラが不十分だからまだ体内バランスが乱れているのは理解してるけどね」
瑠花「あはは、それメリアさんにも言われた・・・ってそれは!!」
琴理が持っていたのは大量のパンだった。
琴理「さっきまで城下町に行って、買い物してたの、ここの町は基本的に食事をしない種族の神の集まりだから、ここ周辺は森とか言ってきのみとかを取りに行く以外の食糧調達方法がないからね」
瑠花「でも転移装置があるんだから、便利だよね、私も使えたら便利なんだけど」
琴理「ダメ!ここはあえて自力で城下町に行けるくらいになっておかないと!」
瑠花「わかってるよ~、それよりご飯にしよ♪ご飯ご飯♪」
瑠花そういいながら、琴理の背中を押し、部屋の中に誘導する、
琴理「それで体調の方はどう?」
瑠花「絶賛私の体全体は断末魔の叫びを放っております!!」
琴理「つまり、筋肉痛で辛いってことね、でもちょうどいいわ、体が思うように動かない状態も知っておくべきだわ」
瑠花「ええ!じゃあもしかして直してくれないの!?」
琴理「当然!甘やかさないよ!」
瑠花「ご飯とか身の回りはやってくれるのに?」
琴理「それは・・・家事は趣味だからいいの!!」
琴理は顔を赤らめながらパンを食べる
瑠花はそれを見てほほ笑む、
そして琴理は少し俯いて、間を空けてから話す
琴理「甘やかすのはダメだけど、こうやって協力なら・・・してあげる・・・」
琴理は顔をさらに赤らめながら話す
琴理「私は瑠花を甘えさせすぎたら、きっとこの先、私が介入できない試練とかが来た時、瑠花は絶対に挫折する、そんな取替しのつかない事になるくらいなら心を鬼にして瑠花を突き放した方がいいんじゃないかって考えてたの」
瑠花は静かに琴理の方を見る
琴理「でもね、昨日瑠花と一日居て、わかったの、今の瑠花は一人じゃ何もできない、誰かが傍にいてあげないとダメなんだって、」
琴理は昨日の瑠花のあまりにも少ないオーラ、筋トレすらろくにできない現実、一人で旅に出て瀕死になっていく姿を目の当たりにした、今の瑠花は脆すぎる、帝国を生き抜くのは不可能というレベルで。
琴理「私は確かに瑠花の悲しむ顔は見たくない、だけど、それでも今、瑠花を一人にして悲しむ顔も見たくない、だからずっと私、悩んでたの、どうしたらいいんだろうって」
琴理はそう話すと、瑠花の方を向く
琴理「私は瑠花のアシスト、つまり瑠花の補佐になる!」
【補佐】、帝王神候補には候補者を補佐する人物がつく、のちに【専属神】と呼ばれる主にだけに従う専属の神になることがほとんどなのだが、琴理は瑠花の補佐になることを志望する。
琴理「近道行為はもちろんさせない、能力で楽とかね、でもそれ以外なら私が全面的に協力する!そうやって私は瑠花を支えたいの!親友として!」
琴理は瑠花に話す、
瑠花はその琴理の言葉、思いを聞き、涙を流す。
瑠花「ありがとう・・・私、最初ずっと心細かったんだ、でも昨日琴理が傍に居てくれてわかったの、やっぱり琴理が傍に居ると落ち着くなって」
瑠花は琴理を抱きしめる
瑠花「琴理の思い、無駄にしないよ、私、結構さぼり癖あるから沢山迷惑かけると思う、けど琴理のことはずっと大切にする」
琴理は少し離れ、琴理の目を見て笑顔で言う
瑠花「私からお願いします!!私の補佐になってください!」
琴理「喜んで、」
琴理は瑠花の帝王神候補補佐になった。
そして二人は、この町で試練に挑むための準備をするため、瑠花のトレーニングを始める。




