運が良い
レベルが上がらない。
僕はとても焦っていた。
シリカの装備のおかげもあって、すぐに40レベルまではあがった。
けれどそこから問題だった、レベルの上がり方が急激に遅くなった。
ちなみにシリカの作ってくれた装備はペア装備で二人以上いないと使えないものだった。
それぞれの効果は経験値を集めるものと経験値を放出すること。
「今日はここまでにしよっか」
「はい、師匠。このままいけばもうあと1、2ヶ月でレベル50を超えますよ。
凄いっす。」
「あははっ、そうだね。凄いよね」
実はまだ、ユルくんにはベルフェゴールのことは伝えていない。
その理由はいくつかあるけど、1番の理由は彼は責任感が強そうだからだ。
まず、そう思った理由は待ち合わせから。
彼はいつも15分前には待ち合わせ場所にいる。
まぁ、僕もいるんだけど
その次にできないと言わない。
どんな事にも頑張りますと返事をする
そして、全力で頑張っている。
とても凄くて良いことだと思う。けれど、だからこそ言えない。
言ってしまったら、彼は死んでしまうきがする。
でも、まだ大丈夫。
昨日の時点ではベルフェゴールの封印は解けてない。
宿に戻ろう。
テルネたちが今日は試練を見つけてくれたかもしれない。
~宿~
あれ、シリカがいない。
「シリカは?」
「まぁ、それに関しても後で話すから。
良い報告といつもの報告どっちが良い?
」
悪い報告は無いのはよかった。
「じゃあ、いつもの報告」
「封印は解けていなかったわ。あと1週間は持ちそう」
「わかった。
って、
なんで一週間って分かるの?」
「なんとなく分かるようになったの。
それでね、良い報告は試練が見つかったわ」
「えっ、えっ、本当に。凄い、じゃあ明日すぐに行こう」
「そうね。
でも、それはシリカ次第なの。
前の試練でも入場条件?みたいなのがあったでしょ」
「うん」
確かlucが高くないとダメだったんだよね
「今回も条件があるのよ。
それが最強の装備。
扉の前に台座があって、そこに置くみたい」
「そっか。分かった、ありがとう。
シリカはいつもの工房にいるよね?」
「いるわよ」
テルネから話を聞いたあと、すぐに僕はシリカの元へ来た。
決して、急かすためではない。
どちらかと言うと、逆だ。
でも、シリカどこにいるんだろう。
あっちから音がする。
いた!
「シ、
辞めておこう、凄い集中してる。終わるまで待ってよう
「ふぅー、とりあえず終わった。
お腹空いたからご飯食べよ…
わぁー!!? なんで、いるんですか」
びっくりした、驚いた声に驚いちゃったよ。
「ごめん、驚かせるつもりは無かったんだけど」
「あっ、最高の装備のことですよね。
大丈夫です、急いで作ってますから」
「いや、急がなくていいってことを伝えに来たんだよ。
あと、最高の装備?最強の装備じゃなかったっけ?」
「あー、あの時は最高の装備を最強の装備と思って伝えたんですけど、
考えいるうちに最強って私にとってはあんまり価値がないっていうか最高ではないかなって思ったんですよね」
「うん、たしかに。
じゃあ、どんな装備を作ったの?」
「それは、みんなが生きるための装備です。
でも、ちょっと私には次の工程が難しくて。
ユウトくんなら簡単なんですけどね」
「えっ、鍛治なんてやったことないけど。」
「あの実はですね。次の工程は鍛治じゃないんですよね、ほぼ運なんですよ」
「どういうこと?」
シリカの話をまとめると
ユニークスキルの力の一つに'改良'というものがある。
何回でも改良できるが、改良するたびに改良の成功確率が下がる。
ただし、1回目で失敗したことはない。
失敗すると改良前に戻る。
そして、2度と改良できない
「僕が自ら改良することはできないの?」
「それはできません。私のスキルなので。
ユウトくんの幸運を少しでも貰えれば良いんですが…無理ですよね。
私の運で頑張ります」
「無理じゃない、無理じゃないよ。
待っててすぐに戻るから」
そして、
はぁ、はぁ、
「戻ってきたよ。」
「呼ばれて飛び出てきたっす」
「二人ともお疲れ様です。
どうして、ユルくんを連れてきたんですか」
「それはユルくんのスキルが君の運をあげられるからだよ」
「そうっす。じゃあ、さっそくやっていいっすか?」
「えっ、あっ、ちょっと待ってください。
…
はい、大丈夫です」
あれが生きるための装備なんだ。
「師匠、やるっすよ。」
うん。
運操作(師匠→シリカさん)
「出来たっす、効果は5分くらいっす」
「えっ、あのどうなったんですか」
「僕のlukがテルネのlukに加算されたよ」
「えー!! それ凄っ、直ぐに改良します」
待つこと数分。
「出来ました。
これが最高の装備、守護の腕輪です」
⭐︎5レアアイテム 守護の腕輪
一定ダメージ以下を無効化
一定ダメージ以上をダメージ減小
自動HP回復




