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辺境伯様の宮殿。(貴族のパーティー、アーク視点)






 領主様が住む屋敷へと馬車で向かっていた。僕達は並んで座り、外の流れる風景を楽しんでいる。


「もうそろそろですよ。銀閃様」


 御者さんが馬車の中へ話しかけてくる。前列席の真ん中には小窓があり、そこから話が出来るようになっているみたい。


「ありがとうございます」


 返事を返すと、御者さんは静かに引っ込んだ。なるべく邪魔をしないようにしてくれているんだね。


 カタカタと馬車に揺られながら、再び外の風景に視線を戻す。


 え? ちょっとまって?


 確かに何かが見えてきた。背の高い白亜の壁と、黒光りする大きな門が出迎えてくれる。


 僕が想像する屋敷とは全く違う⋯⋯あれは宮殿ってやつなのかな? 大き過ぎるんですけど!?


 馬車はそのまま敷地内に入って行く。自分の想像とは遥かに違う光景に、とんでもなく圧倒されていた。


 徒歩で来たら迷子になる所だったよ⋯⋯ここまで広いとは思わなかったな。これが騎士爵家と辺境伯家の違いってやつなんだね。同じ領主様なのになんたる格差⋯⋯ちょっと悲しくなって来た。


 その建物はまるで宮殿と見紛(みまが)う程に⋯⋯いや、これは宮殿なんだろうね。


 何? この白く綺麗な石畳は⋯⋯持って帰りますよ? なんですかこの無駄に広い綺麗な芝生は! 住み着きますよ!? 何ですか何ですか! 宮殿の周りにある意味を成しているのかわからない巨大な石の柱は! 引っこ抜きますよ!?


 馬車が到着した場所ではさらに驚いた。入り口の扉から縦一列にメイドさんや執事さん達が勢揃いで並んでいて、僕もビビも驚いて目を見開いてしまった。


 いつから待っていたんだろう。なんか申し訳なくなるね。これ⋯⋯何十人いるんだろう?


 御者さんが扉を開けてくれたので、失敗しないように慎重に降りる。ビビが降りるのを手伝ってから、御者さんに運んでくれた御礼を言った。

 御者さんはニコリと笑い会釈をすると、そこにいるのに空気のような存在感になる。


「ようこそおいでくださいました。アーク様、ビビ様。私は執事のセレントと申します」


「御出迎え感謝致します。僕もビビも平民故、至らない部分もあると存じますが、何かありましたら教えていただけると助かります」


「そう力を入れなくても大丈夫ですよ。皆様とても寛大な方ばかりですので、何かありましたらフォローさせていただきます」


 この人がいてくれたら安心だ。何となくそう思う。


 軽い気持ちでここまで来ちゃったけど、辺境伯様の宮殿に招かれるなんてなかなか無いことだよね。手のひらに人の字書いて飲み込んだ方が良いだろうか? とっても緊張しますよ。


「では(わたくし)がご案内申し上げます」


「はい。よろしくお願い致します」


 セレントさんが扉を開けてくれた。中に見えた光景に、言葉を忘れるくらいに驚いてしまう。

 高い天井にはびっしり絵とも模様ともつかない柄が描かれていて、建物全体が芸術品のように感じた。


 僕のお金持ちのイメージだと、高そうな壺や絵画や鎧を飾ってあると思っていたんだ。だけどそんなの無駄だと笑い飛ばすかのように、豪華なシャンデリアが天井から垂れ下がっている。


 そしてまたこれだ⋯⋯


「「「「ようこそお越しくださいました。アーク様、ビビ様」」」」


 中にまで沢山の使用人さん達が並んでいた。隅の方にシェフや服装から役目のわからない人までいる。それも何十人も⋯⋯


「ここまで盛大な出迎えをされたことがありません。とても嬉しいです。今日のことは今後も忘れないでしょう」


「有り難いお言葉です。そう言ってもらえますと、私達も御出迎えさせていただいた甲斐がありました。では直接謁見の間へ参りましょう」


 え? 謁見の⋯⋯間? それって⋯⋯パードゥン?


 セレントさんの背中を追い、歩きながら廊下の豪華さにまた驚いてしまう。廊下だけでいくらお金がかかっているのだろうか。もう全てが芸術品だ。間違いない。


 平たくない立体的な高い天井に息を呑む。その柄も美しく、細かいところまで隙がない。

 床は床で塵一つ落ちてないよ。ちょっと塵探しに行っても良いかな?


 セレントさんが豪華な扉の前に立つ鎧の人に話しかけると、その人が大きく息を吸い込んだ。


「アーク様、ビビ様がご到着なされました!」


 遠くまで届きそうな大きな声を上げる。少しの沈黙の後、内側から扉が開かれた。


「凄い⋯⋯」


 謁見の間にも何十人と人が並んでいて、強そうな気配も少数感じ取れる。


「アーク様、一度武器をお預け下さい」


「はい。この魔剣は意思がありますのでお気を付け下さい」


「ええ⋯⋯」


 鎧の人が魔剣を丁寧に受け取った。ドラシーは勝手に一人で動くことが出来るから、あまりにも変なことをすれば何をするかわからない。

 僕を裏切るようなことはしないと思うけどね。


「鞘から抜くと三、四百キロはありますのでお気を付け下さい」


「わ、わかりました!」


 うん。これで大丈夫だ。


 僕は絨毯の上をゆっくり進む。ぎこちない動きになってないか心配だな。


 本当に緊張するよ⋯⋯謁見の練習なんてしたことない。従者の立ち位置ならなんとなくわかるんだけどな。


 内心焦りながらも堂々とした態度で進み、何となくあそこかなという場所で片膝を着く。ビビも雰囲気に合わせて僕の斜め後ろで同じようにした。


(おもて)を上げてくれて構わないよ。アーク君」


「ハッ!」


 まるで王様のようだ。辺境伯はある程度自治が認められていて、その気になれば爵位を与えることも出来る。この国でもかなり地位の高い人なんだよね。ちゃんと正装をしてきて良かったぁ。


「昼食会はすぐに始まるよ。アーク君には一度謁見の間を見てもらいたくてね。どうだい?」


 う⋯⋯この問いかけはそのままの意味かな? 部屋の素晴らしさをそのまま口にするか、力のあるところって意味なのかで答えは変わるよね。 んー⋯⋯


「神様でも出て来るのかと思いました」


 ここは何となく誤魔化そう。


 僕がそういうと、領主様は口を手で塞ぎながら笑いを堪えていた。掴みは悪くなかったと思う。


「そうか。時間も無いことだし、早めに本題に入ろうかな。まず、今回の急な救援要請に応えてくれてありがとう。本当に助かった」


「いえ、僕の力が役に立って良かったです」


「あの時は感動すら覚えた。空に光の花が広がって、瞬く間に魔物を蹂躙してくれたからな。もう一度見たいものだ⋯⋯襲われるのはごめんだが」


 領主様のジョークだったらしく、空気を読んだ家臣の何名かが笑いだした。遅れて伝播(でんぱ)する笑い声に、何とも言えない気持ちになる。

 領主様が咳払いをすると、その笑い声は一瞬で消え去った。


「ん、あー⋯⋯気を取り直して、今一度感謝の言葉を言うよ。ありがとう。君のお陰で沢山の民の命が救われた。今日の昼食はパーティーになってしまったんだが構わないかい?」


「は、はい」


 パーティー? 何のパーティー? やっぱりレイナが言ってたあれかな?


「では別室に案内を頼む」


 領主様が家臣達に向かって声をかけると、いつの間にか中に並んでいたセレントさんが一歩前に出た。


「私にお任せを」


「頼んだ」


 領主様が席を立ち、部屋から出て行くのを見送った。とても絵になる人なんだね⋯⋯そこにいるだけで、人の目を惹きつける品格があるよ。


 その姿が見えなくなると、全ての人が動き出した。セレントさんがまた案内をしてくれて、僕達は別室へと移動する。


「はぁ〜⋯⋯緊張しましたぁ」


「立派でございました。アーク様」


「いっぱいいっぱいですよ」


 セレントさんに文句を言っても仕方ないよね。でもちょっと言いたくなるじゃないか⋯⋯心の準備とかさ、心の準備とかさ!


 案内された部屋に入ると、既に領主様は座っていた。


「来たね。直ぐ会場へ向かう。時間が押しててごめんよ」


「いえ。大丈夫です」


 なんか展開が早いよ。領主様には綺麗なメイドさんが三人と、護衛の騎士が二人付き添っていた。メイドさんは領主様の進む方へ先回りをして扉を開けていく。

 あれ少し面白そうだな。かっこよく扉を開いて準備してたのに、別の道を選ばれたらどうするんだろう。想像するとちょっと楽しい。


 案内された会場では、また僕は驚くことになった。会場と聞いて想像していたより十倍は広い。どこまで僕の想像力は貧相だったのだろうか。


 ビビは驚いてないみたいだね。興味が無いって感じなのかな。


 会場の中には三百人近い貴族の人達がいて、使用人さんも百人はいるだろうか。音楽を奏でるスペースに、オペラ歌手の人までいるなんてどんな贅沢なんだろうか。


 会場にはシェフの人もいて、技術を披露するように調理をしている。


「じゃあ行くよ。アーク君なら大丈夫だろう?」


「は、はい! 大丈夫です!」


 領主様に連れられて、僕はパーティー会場の二階部分から顔を出した。


「皆よく集まってくれた。“かねてより”計画していたこのパーティーだけど、無事に開催出来て嬉しく思う。今日は皆に是非とも紹介したい人がいる。イグラムを襲う魔物の手から我々を救い、銀閃という異名を持つ彼だ!」


 領主様に押し出され、注目が集まってしまった。あ、あの、冷や汗が止まらないのですが⋯⋯


「彼の名はアーク。強力なCランク魔獣を次々に打ち倒し、ドラグスを襲った迷宮のスタンピードを一人で食い止めた英雄だ。そして今回、彼は我々の窮地を救ってくれた!」


 んん⋯⋯スタンピードは時間稼ぎをしただけなんだよね。嘘ではないけど気が引けるな。


「君達は朝焼けの空に咲いた光の花を見ただろうか?」


「み、見ました!」

「あれは凄かった」

「まさに天からの救いのようであった!」


「あれはこのアーク君の魔法だ。あれで数千の魔物が地に帰ることとなった。我々は彼に感謝してもしきれないだろう⋯⋯だが何もしないと言うわけにもいかない! ささやかだが今日はアーク君にも“かねてより”計画していたパーティーに参加してほしくてね。料理は沢山用意させてもらった。どうか自由に楽しんでくれると嬉しい」


「有難うございます」


 領主様にサダールじいちゃんから習ったお辞儀をする。きっとそれっぽくは出来ている筈だ。


「これは僅かばかりだが、感謝として受け取ってくれ」


 セレントさんが何かを持って来た。小さな台座の上には、白金貨がきっちり三十枚用意されている。

 またまた格差だよ⋯⋯だってドラグスのセルジオス様は100万ゴールドだったんだからね。その額の三十倍だよ?

 大金は見慣れてきたとは言っても、流石に3000万ゴールドは驚いちゃうよね。

 こんなに大金をもらっちゃうのはちょっと怖いな⋯⋯でもこれ受け取らないと領主様の面子に泥を塗るようなものだし、突き返すわけにもいかないな。


「謹んで拝領させていただきます」


 領主様がニヤリと笑った。この場所じゃ下手なことは言えないよね。


「アーク。私先に行くわ」


 ビビがそんな言葉を残し、一人で階段を下りて行く。きっと魅了でこの会場全てを支配しているのだろうね。ご機嫌なのかぴょんぴょん跳ねながら階段を下りる。


 あ、なるほどね。目的は食べ物だったみたい。そこへ向かって一直線に歩いているよ。


 広い会場の真ん中には、とても立派な鳥の丸焼きがあるんだ。見ただけでヨダレが出てきそうだよ⋯⋯脂が(つや)やかに光を照り返し、甘辛い味付けなのが想像出来る茶褐色をしていた。


 あれは美味しそうだ。ビビの気持ちもわからないでも無い。


 ビビは優雅な動作で鳥の片足を切り落とす。大きく口を開けて齧り付いても、誰も気がついてないみたいだ。


「おっと、あまり形式ばってもいけない。アーク君には不慣れだろう? 堅苦しい挨拶は要らないな。年齢の近い者同士で楽しむと良い」


 そう領主様が言ったので、やっと昼食が食べれると思った。注目される場所に長居は無用。でも焦ったら台無しだ⋯⋯従者は常に余裕を持って行動しないとね。



 でも階段を下りたら下りたでまた大変なことになる。


「アーク様。(わたくし)はメイビル家の⋯⋯」

「私はアイシャルメイ。アイシャとお呼び下さいませ」

「私はミーナリア。ミーナって呼んで」

「私はメルフィア。メーって呼んでくれると嬉しいです」

「私は⋯⋯」

「わ、私は⋯⋯」




 あれ? これどんな状況なの? 何で僕が貴族様からこんなに話しかけられるのか不思議だな。

 でも自己紹介されたからには覚えなくちゃ失礼になりそう⋯⋯もうなりふり構わず分割思考に並列思考を使って頭に叩き込んだ。

 これなら同時に喋られても聞き取れるよ。名前だけ何度も叫んでる子もいる。よくわからないけど少し微笑ましくなった。


 でも皆何かに焦っているようで、良く周りが見えていなかったようだ。後ろの方で小さな女の子が突き飛ばされた瞬間、僕は“隠密”と“加歩”を使って気配の隙間をすり抜ける。


「おっと」


 危なかった。もう少しで転んじゃうところだったね。何故か半泣きなんだけど⋯⋯何でかな?


「大丈夫? 痛いとこない?」


「アーク様! 申し訳ございません⋯⋯」


「怪我が無いなら良かったよ。よしよし」


 泣いてる子は撫でてあげるのが一番さ。優しく撫でていたら、少し顔が赤くなってきた。本当に大丈夫だったのかな? こっそりリジェネーションをかけておこう。

 それよりも皆が僕に詰め寄るとやっぱり危ないよ? 年長さんにはちびっ子のお世話を手伝ってもらおうかな。


「皆も危ないから落ち着いて。ルーメ、アイシャ、ミーナ、メー、シャルン、フィー、小さい子を見てあげて」


「「「「は、はいぃ!」」」」


 うん。これで良し。貴族様も話せばわかってくれるよね。


 沢山の人がいる中で、服屋さんで絡んできたあの子を見つけた。レイナが複雑そうな顔をしているんだけど、もっと普通に接してくれても良いのにな。

 お父様の命令で僕と仲良くしなきゃいけないんだったっけ? ちょっと可哀想だ。


 とりあえず何か食べよう。お皿を持って色々な料理を乗せて行く。小さな子は料理を取るのが難しいようだ。テーブルが高いから仕方ないよね。使用人さんに何度も頼むのも手前だろうし。


「リンちゃんは何が食べたい?」


「り、りんはねー、あのカニみたいなエビ」


「うん。カニだね。偽物じゃないから安心してね」


「私はあれー」


「君はクルムちゃんだね。あれって?」


「シャンメリータワーの真ん中」


「一番上から攻めようか。倒れたら危ないから」


「アーク様」


「どうしたのアイシャ」


(わたくし)はもっとアーク様と仲良くなりたいです」


「嬉しいです。ありがとうアイシャ」


 話してみると、皆良い子ばかりみたいだ。貴族は怖いってイメージがあったけど、必ずしもそうだとは限らないみたいだね。


「アーク様。抱っこ」


「はいはい。君はアリスちゃんだね」


「うん」


「よいしょ」


「えへへ」


 ちょっと孤児院を思い出したよ。ここには水着を狙う子はいないみたいだけど⋯⋯うん、一応警戒しておこうかな。

 一人抱っこすると、次も次もってなってきちゃった。でも明らかに同年代以上の人はお断りしたよ。え? って顔されたけど、逆に何で抱っこしてもらえると思ったのか。


 あれ?


「レイナ顔が赤いよ? 疲れちゃった?」


「へ、平気ですわ」


「そう。無理しないでね」


「気にかけていただき、ありがとう存じます」


「レイナらしくないなぁ」


 レイナには素が似合ってると思うんだ。レイナはムニエルが好きみたいで、どれが美味しいのか教えてくれた。学園に行けばまた会うこともあるだろうから、その時までに普通に話が出来るようになってたら嬉しいと思う。


 ビビは気に入った料理を見つけると、僕に収納を指示してくる。僕も気に入ったケーキを少しずつ無限収納へ放り込んだ。内緒だよ?


「アーク様はイグラムの外から来たのですよね。故郷はどんな所なのですか?」


「君はミーナだね。んー。ここと比べるととても田舎なんだ。ドラグスの町なんだけどわかる?」


「最近迷宮が発見された町でしたわよね?」


「そう。本当にそれくらいしか見る所がないよ」


「そ、それでも、アーク様がいらっしゃるなら行ってみたいです」


「遠いから移動が心配です。でももし来ることがあれば、冒険者ギルドに行ってみてね。そうすれば僕と連絡取れると思うからさ」


「はい!」


 沢山友達が出来たなぁ。ここにいる人達は、学園でまた会うことになるだろうね。その時まで覚えていてくれると嬉しいな。



side タシックナル



 パーティーは成功したと言っても良いかな。将来アーク君が手に入れば、この領にとって大きな力になる筈だ。

 あの歳であれだけのことが出来る。しかも平民だから色々楽な部分が多い。今直ぐは無理でも、安定を求めていつかは安住の地を探す筈だ。そしてそれがこの場所になるように誘導してやれば良い。


「完璧だな。安い先行投資だったとは思わないか?」


「さて、どうでしょうか⋯⋯」


 セレントもアーク君を気に入っているように思う。ただ少し気になる反応だな。


「あれだけじゃ無いぞ? いずれ爵位を与え、あの中から好きなだけ妻を取らせればどうだ?」


「私はあのアーク様が安住の地を求めるように見えないのです」


「何故だ? ずっと冒険者もやってられんだろう? Aランク冒険者になって満足する者も多い」


「あの歳であの強さです。将来Sランクの冒険者になる可能性だってありますから⋯⋯そうなるともっと大陸の中央辺りに拠点を置くかもしれません。いや、もしかしたら大陸の外へ⋯⋯人の踏み入れぬような場所まで行くかもしれませんよ?」


「うぐ⋯⋯確かにSランク冒険者になる可能性があるな」


 もっとこの領地に住みたくなるような何かが必要か⋯⋯


「こうして見てればただの子供なんだがなぁ」


「ええ」


 これからも様子を伺うしかあるまい。歯痒いが、酒も女もまだわからないだろうからな。


 金にも反応が薄かった。アーク君が何を求めているのかを調べなければならない。







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