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デタラメな冒険譚が僕にくれたもの〜憧れを追いかける少年〜  作者: まあ(ºωº э)З
第七章 いきなり始まるスローライフ?
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アーク復活!

 投稿遅くなりましたぁヽ('ㅅ' ;ヽ三 ノ; 'ㅅ')ノ





 何を言われたって、僕は瞼を開けているのが精一杯なんだ。

 いきなり現れたこの人の言葉に頷く事は出来ないよ。


「ふっ、冗談じゃ。その状態じゃ話も出来んな⋯⋯~.☆>∀∥◎§※*⋯⋯」


 ニヤリと笑ったと思ったら、聞いた事も無いような言葉が紡がれる。


 これは詠唱魔術? この人は魔族なだけあって、魔術を普通に使えるんだね。


 この人ってもしかして⋯⋯



「“癒しを”」


「っ!!」


 体が水色の光に包まれた。その光は僕の傷口に集まって、うねうねとスライムのように蠢きだす。


 変な気分だけど、とても気持ちが良いな。神聖魔法とはまた違う⋯⋯これが治癒の魔術なんだね。


 手足に力が入る⋯⋯ああ、これでビビを一人にしないで済む⋯⋯そう考えたら嬉しくて、涙がじんわりと浮かんできた。


 自分の心臓が規則正しく動き始め、体に熱が戻ってくる。


 さっきのスライムみたいなやつが、血液の代わりにでもなってるのかな?


「ありがとう。お姉ちゃん」


 まだちょっと苦しいけど、魔族の人へ御礼を言った。


「お姉!! ふ、ふふふ。お姉ちゃんか⋯⋯ふふふふ⋯⋯ま、まあよかろう。それでな、さっきの話なんだが──」


「ちょっと行ってくるね!」


 上体を跳ね上げて立ち上がると、ビビとラズちゃんの元へ走り出す。


「こ、こら! お主、お主ーー!!」



 後でちゃんと御礼を言うね⋯⋯今は緊急事態なんだ。

 ビビ、どこまで蹴り飛ばされちゃったの?


 例えスキルが無くたって、精霊の力が失われた訳じゃない。ラズちゃんを乗っ取っていた人は、一時的に使えなくするって言ってた気がするな。


 魔力も気力も操作が出来ないけど、自然の力を吸収しながら体の隅々に巡らせた。


 ビビ、いた!


 ビビはラズちゃんに蹴り飛ばされて、ちょうど僕の方へ飛んで来る。


 好都合だね。さて、ビビには少し説教しなくちゃいけないみたい。


 背中からビビを受け止めると、体が脱力しているのがわかった。霧化も使わずに、本当に死ぬ気だったんだね⋯⋯



「ビビの馬鹿」


「アーク⋯⋯? アーク! 何故!?」


「てい!」


 何故じゃないよまったく。ビビの額にチョップしたのに、嬉しそうな顔をしてから泣きそうな顔になる。



「アークが死んだと思ったんだ⋯⋯そしたらもう、何もかもがどうでもよくなっちゃって⋯⋯」


「⋯⋯ビビの泣きそうな顔を見たら、言いたい事も無くなっちゃったなぁ」


「アぁクぅ⋯⋯」


 ビビに抱き着かれて、僕はその頭を撫でる。


 まだ胸が治ってないからちょっと痛い⋯⋯



「これが見える?」


「それは⋯⋯あ⋯⋯」


 僕は左手にある誓いの指輪を見せる。


 この指輪でビビに誓ったんだ。一人にしないって⋯⋯ずっと一緒にいると約束をした。誓を破れば、この指輪は崩れて無くなってしまうんだ。

 最後の最後まで、僕は諦めてはいなかったんよ?



「ビビ、僕はビビを一人にしない。だから──」



「ナゼダ、ナゼイキテイル!? マダ、スキル、ツカエナイ!」


 僕の言葉を遮って、ラズちゃんが空を飛んできた。その顔は明らかに動揺しているね。


 操られたままじゃ可哀想⋯⋯早く解放してあげたいな。僕、もうこの迷宮も飽きちゃったし。終わりが近いなら先に進もうと思う。


「ラズちゃん。もう少し待っててね。必ず助けてあげるから」


「ソンナ、コトハ、サセヌ! ワレハマケヌ、マケヌマケヌ! バケモノニンゲン⋯⋯」



 僕の声はラズちゃんに届いたかな? 涙が溢れ出しているみたい⋯⋯やっぱり意識はあるんだと思う。



「ビビ、ラズちゃんを気絶させてくれる?」


「うん。わかった」



「クケケ、ソンナコト、ムダダ」


 ラズちゃんがそう言った瞬間だった。ビビが赤いリングのような物を複数作ると、それをラズちゃんに向けて飛ばした。


「コンナ、モノ」


 迎撃しようとしたラズちゃんだったけど、ビビのリングは(かす)むようにすり抜けた。



「ナ、ンダ、コレ、ハ⋯⋯」


 ビビのリングはどうしても触れない⋯⋯それなのに、ラズちゃんの手首、足首、首、胴にめり込む程の力を加えた。



「ミウゴキ、ガ」


「大人しくしてろ。“ショックウェーブ”」


「グギャアッ!」



 今のは⋯⋯


「ビビ、自然の力が使えるようになったの?」


 魔力の反応は無かったんだ。それなのに、ラズちゃんの体に電流が流れ込んだ。


 ラズちゃんはガックリと肩を落とすと、体から白い煙を上げている。



「雷だけ少し。これで暫く動けまい」


 ビビはアイセアさんと契約してるからかな。


 さてと⋯⋯



「おーい! お主! お主やーい! 妾を一人にせんでくれ〜!」



 魔族の人が走って来たよ。ビビはその姿を見て、赤いレイピアを手に握る。


「大丈夫だよビビ。あの人が僕を助けてくれたんだ」


「魔族がか? 恩人か⋯⋯」


「うん。でも今はとりあえずダンジョンマスターを倒そう」


「そうだな」


 ダンジョンマスターを倒さないと、ヨコチンさんもラズちゃんも助けられないからね。


「お主〜! お主! や、待て、何処へ行くのじゃ〜!!」


 僕とビビはピラミッドを駆け上がる。はっきり言って、僕結構怒ってるんですけど?

 生きるためなら、何をしても良いのかもしれない⋯⋯けど、僕にそれは逆効果だよ。ダンジョンマスター。



 僕達は銀の扉に手をかけた。


 気絶するラズちゃんがいるけれど、普通に扉で転移出来たみたいだ。



「アーク⋯⋯さっきはごめん」


「その事は後でね。今は」


 転移した先には、青い炎を灯す松明がある。それが真っ直ぐ一直線に並んでいる。


 ここは廊下みたいだね。イフリンのお城の廊下のように、装飾も豪華な造りに見えた。


 道は一本道⋯⋯僕達は黙って歩を進める。





 ありがとうございます! なんだかとってもありがとうございます(((o(*゜▽゜*)o)))

 いやっほーい! \( 'ω')/

 

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