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デタラメな冒険譚が僕にくれたもの〜憧れを追いかける少年〜  作者: まあ(ºωº э)З
第七章 いきなり始まるスローライフ?
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繋がり合う心

 ブクマ1100件超えました(´;ω;`)

 本当にありがとうございます!






 キッチン、リビング、トイレ、お風呂、寝室と、単純だけど作るとなったら大変だよね。

 洗濯は川でするとして、他に何が必要になるだろうか?

 僕は土台を作り、ビビは丸太の皮を剥ぐ。剥いだ皮で鳥さんは勝手に巣作りを開始した⋯⋯


 僕達は設計図とも言えないような絵で作業を進め、魔法を多用しながら頑張ってたんだ。

 いつの間にやら随分と巨大になり、本当に完成するのかと不安になる。見切り発車で作業を進め、後から窓や扉はどうする? って話になったり⋯⋯でもね、凄く楽しいんだ。だってビビが楽しそうにしてくれてるんだもん。


「下水道はこっちで〜⋯⋯水タンクも作るから〜」


「苦戦中か? アーク」


「んー⋯⋯だってさ、どこをどうしたらいいのかわからなくて、解決策を考えて手が止まっちゃうんだ。長さを合わせるのも大変⋯⋯」


「普通に凄いと思う。もう少し気軽にやろう」


「そうだね」


「紅茶で休憩しよう」


 机に突っ伏していたら、ビビが紅茶を用意してくれたらしい。ありがとうと言ってから、紅茶の香りを堪能する。茶葉とお菓子も結構無くなっちゃったな⋯⋯


「また難しい顔してるな」


「あはは。ごめん」


「わ、私は、アークがいてくれれば贅沢は言わない」


「⋯⋯ありがとう。ビビ」


 僕は何でも完璧にしそうになる癖があるのかも。最初から全部上手くいくわけないよね。ビビがいてくれて本当に良かったな⋯⋯きっとこの先も、ビビに沢山助けられるんだと思う。


 三色団子を取り出して、ビビと静かに笑いあった。そんな僕達に反応した鳥さん達が、物欲しそうにお団子を見つめている。


「流石に団子はな⋯⋯この鳥には小さ過ぎるだろう。あ、アーク。アレを出したらどうだ?」


「アレって?」


「ヘイズスパイダーなら山ほどあるだろ?」


 確かにそうだね。特殊な個体以外なら、本当に山のようにあるや。


 ちょっとグロテスクだから、遠くにヘイズスパイダーを取り出してあげる。


 鳥って虫とか好きだもんね。魚もそうだけど、基本的に肉食なんだと思う。あ、でも野菜や果物も食べたりするよね。という事は雑食なのかな?


「「「クルルウェ!!??」」」


「良いよ食べて」


「クルルウェ!」

「クルックルックルックルー!」

「クルウェイ! クルルウェ!」


 感謝の印なのか、三匹は金の卵を産んでくれたよ。僕に頭を擦りつける動作がとっても可愛いんだ。

 ビビは素早く卵を回収して、川で磨き上げているようだね。


「あんまりゆっくりもしてられないね。頑張るぞー」


「おー!」


「「「クルルウェ!」」」


 この日の夜。何とか家の外側だけが完成した。それを見ていたビビが、顔をクシャッと歪めて涙を流す。


「ビビ? どうしたの?」


「いや⋯⋯ちょっと⋯⋯色々と思い出しちゃって⋯⋯」


 次々と溢れてくるビビの涙を見て、何を思い出したのか気になった。そっと抱きしめて頭を撫でてあげても、ビビの涙は止まらない。


 何を抱え込んでいるのかな? 僕に出来る事は無いのかな?


 プライドが高いビビが、こんなに泣くとは思わなかったよ。


「もう手に入らないと思っていたんだ⋯⋯それを見たら⋯⋯止まらなくて⋯⋯」


「⋯⋯ビビが欲しい物なら、僕が絶対手に入れてあげるよ」


「⋯⋯ありがとう⋯⋯アーク⋯⋯」


 泣き続けるビビに、鳥さん達まで集まってくる。気がつけばおしくらまんじゅうのようになっていて、僕達は微動だに出来ない程に身を寄せ合う。


 ビビは一晩中泣いたんだ。辛かったんだろうね⋯⋯僕もつられて涙が出てきたよ。どうにかしてあげたいな⋯⋯僕に何が出来るのかな?


 身動き取れないまま、僕達は眠ってしまった。いっぱい泣いたから疲れてたんだよね。でも沢山のモヤモヤしたものが外に出せたと思うんだ。


「おはようアーク」


 朝起きた時にビビは既に起きていたみたい。瞼が少し泣き腫らしたようになっているね。


「おはようビビ」


 鳥さん達はまだ眠っているみたい。ビビにおはようと返すと、その背中の髪の毛を撫でた。


「ありがとうアーク。私はアークが好きだ」


 そう言ってビビが優しく微笑む。言った後に耳まで真っ赤にし始めたよ。好きだと言われるのはとても嬉しい気分になる。


「僕もビビが大好きだよ」


「アーク⋯⋯」


 ビビが恥ずかしそうに顔を隠した。そして直ぐに顔を上げると、僕の背中に両手が回される。


「⋯⋯キスしてもいいだろうか?」


「⋯⋯良いよ。ビビ」


 目が合い、ゆっくり顔が近づいていく。唇が重なると、ビビのドキドキが聞こえてくるようだった。


 僕までドキドキしちゃった。この気持ちはなんだろう⋯⋯何でもいいかな。


「素直に言えて良かった」


「いつも僕が寝てる時に練習してたもんね」


「⋯⋯仕方ないだろう。私にもわからない気持ちだったんだ」



 この後もう一度ちゅーをされて、ゆっくりと血を吸われました。





 ビビ号泣事件から六日後、遂に僕達の家が完成しました! 家具とかはまだ揃ってないけど、これで雨風がしのげるのは嬉しいです。


 葉っぱを沢山集めて乾燥させて、それをベッドにしたんだよね。これで最初に届いた手紙の指令は達成されたと思うよ。


「次はどんな事をさせられるのかな?」


「噂をすればみたいだぞ?」


 空がピカリと輝いて、一通の黒い封筒が落ちてきた。前回は紙だけだったのに、ちょっとグレードアップしているよね。


 少し緊張するな。いったいどんな内容なんだろうか⋯⋯


「悩んでも仕方ないだろう」


「そうだよね」


 封筒を開き、中から小さな紙を取り出した。二つ折りになっていたので、さっと手紙を片手で開く。


『街へ行け』


「はい?」


 ここは黒狐様が作った何かだと思ってたんだ。街があるなんて⋯⋯人も住んでいるの? 考えてもみなかったよ。







⋯⋯純愛(っ ॑꒳ ॑c)

これがラブだよ((o(;□;`)o))

下ネタ絡まないラブだよー\( ‘ω’)/ウオオオオアアアアーッ!


進展しました⋯⋯長かったですね(:3_ヽ)_

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