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『英雄の因子』所持者の『異世界生活日記』  作者: 笠井 裕二
続・新しい世界

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384/386

秘密基地

続きです。



◇◆◇



「・・・しかし、何でまた、あんな者が“三国同盟”のトップになれたんでしょうか?」


一方その頃、プトレマイオスからの使者の男を通じて、この人間族VS『新人類』達の戦争に参加する事を打診されていたカエサル達は、先程会った者達の顔を思い浮かべてそう言った。


「カエサル。君の意見も分かるがね。しかし、組織を立ち上げるとかならともかく、ある程度出来上がった組織を引き継ぐ者と言うのは、別に強力なカリスマ性は必要ではないんだよ。」

「むしろ、そういったものが邪魔になる事すらありえますね。組織が大きくなると、そこから得られる利権や旨味を増しますから。だから、強力なカリスマ性を持つ者よりも、“()()()()バランス感覚”に優れた者が選ばれる可能性がある。だからこそ、本来()()ではない者が要職に就いてしまう可能性も起こり得る、と。」

「ああ。ここら辺は、“組織の理論”、ってヤツさ。」

「「ほえぇ〜」」

「「・・・・・・・・・」」


以前にも解説した通り、今現在の“三国同盟”のトップであるプトレマイオスは、その先代であるブルータスとは明らかに違う選出のされ方をしている。


ブルータスが、ある意味カエサル達の指名であったのに対して、プトレマイオスはカエサル達がいなくなってからの幹部達の選出によって、“三国同盟”のトップとなっている。


そしてその選出理由が、“本人の人格や能力”、ではなく、“プトレマイオスがトップになる事で、自分達(幹部達)にとって旨味があるかどうか”、だった訳である。


仮に、カエサル達がいまだに“三国同盟”に在籍していたとしたら、まずプトレマイオス()がトップになる事はありえなかった事だろう。

何故ならば、プトレマイオス()の能力が別に低かった訳ではないが、少なくとももっと適任の人材はいた筈だからである。


しかし、プトレマイオス()は、“組織の理論”、というものをしっかりと理解していた為、様々な策略を駆使して自分の陣営に人々を取り込んだのである。


こうした事によって起こるのが、“多数決の罠”、である。


仮に、先程も述べた通り、それが純粋に“本人の人格や能力”が評価されたらまた話は別であったかもしれないが、そうではなく、プトレマイオス()は事前に幹部達(つまりはタヌキ親父達)を抱き込んでいたので、ある種の出来レースの様な状況になった訳である。

そして、それでも曲がりなりにも“多数決”、すなわち“多くの者達の支持”を得ている事から、形式上、それに文句をつける事も難しい訳である。

(ここら辺は、所謂“同調圧力”の様なものである。


皆で決めた事なのに、何か文句でもあるのか?


と、言ったところか。)


まぁ、向こうの世界(現代地球)の、特に日本の企業では、この“能力の高い者達”、よりも、“世渡り上手な者達”、が出世する事はよくある話であった。

まぁ、それはともかく。


しかし、それも致し方ない事であるし、人と人の繋がり、すなわち“人脈”が重要になる事もしばしばあるので、そうした選別方法も有りと言えば有りなのであるが、そこで起こり得るのが、“組織の動脈硬化”である。


大抵のやらかし企業と言うのは、コンプラ意識の欠如やガバガバなガバナンスなどが原因である事がよくある。

特に、上の者達が自分達の利益しか考えておらず、組織全体の元々の理念や利益を軽視し始めると、そうした現象はしばしば起こり得るのである。


そうした意味では、プトレマイオスやタヌキ親父達は、もしかしたらただの営利団体だったら上手くやれたかもしれないが、“三国同盟”は、そもそもそうした立ち位置の組織ではない。


“三国同盟”は、あくまで三国(ラテス族、連合、“パクス・マグヌス”)の間を取り持つ為に発足した団体だ。


以前にも言及した通り、元々、特にラテス族と連合の仲があまり良くなく(魔王軍が台頭してくる前までは、戦争をしていたほどである)、また、それを仲介していた“パクス・マグヌス”も、互いに聞く耳を持たない両勢力に対して辟易としていた訳である。


そうなると、魔王軍壊滅後に再び人間族同士の戦争の機運が高まる可能性がある。


それを憂慮したカエサル達が、三国の間を取り持つ為の組織として、“三国同盟”を発足した訳である。


それ故に、当然ながら“三国同盟”は、別に三国の上位に位置する組織ではなく、むしろ逆。

言い方はあれだが、三国の不満や要求を受け止める、言わば“御用聞き”の様な立ち位置だった訳である。


しかし、そういう立ち位置だったからこそ、三国から人材や資金が流れた結果、いつしか立場が逆転し、三国をまとめ上げるリーダー的な立ち位置へと変貌した訳であった。


その頃に台頭してきたのがプトレマイオスやタヌキ親父達であり、己の私腹を肥やす事に終始した結果として、“三国同盟”は当初の理念とは懸け離れた組織へと成り下がってしまった訳である。


そんな組織のトップが、カエサル達のお眼鏡にかなう人物な筈もないのである。


「まぁ、なる様にしかならないさ。今更、君達が戻ったとしても、それは変わらないよ。確かに、それで一時はもとに戻るかもしれないが、君達がいなくなれば、またもとの木阿弥さ。そして、それは良い悪いの話ではなく、その時代の人々が選択した結果だ。」

「「「・・・」」」


ハイドラスは、そう釘を差した。

カエサル達が、再び“三国同盟”に戻る、などと言わない様に。


もちろん、自分達が育て上げた組織にある種の思い入れがある事はハイドラスも理解していたが、しかし、一生面倒見る事も出来ないのである。

・・・本来ならば。


だが、カエサル達は()()の影響によって、“不老”という能力を獲得してしまったが故に、本来ならば不可能な筈の、“組織を永遠に運営する”、という事が可能になってしまっている訳である。


だが、これは、アスタルテと『新人類』達との関係にも似通った話ではあるが、いつしか組織も子供も、自らの手を離れるのが自然な流れなのだ。


そして、その後の人生を切り開いていくのは、他ならぬ子供であったり、その時に組織を率いている人々な訳である。


その結果、不幸な事となったとしても、それはその人の責任、人生であり、その時代に組織を率いていた者達の責任である。


当然ながら、栄枯盛衰を世の常なのだ。

それを無理矢理歪めるのは、あまり好ましい事ではないだろう。


ハイドラスは、すでに一度色々と自分で経験してきたからこそ、そう発言したのであろう。


それが、カエサル達の心に届いたかどうかは定かではないが。

まぁ、それはともかく。


「ともかく、私達の今の()()は別にある。彼らの事を気にするなとは言わないが、それと()()は分けて考えよう。」

「・・・はい。」「ええ。」「うッス。」


ハイドラスは、この話は終わりとばかりにそう締めくくった。

それに、カエサル達は三者三様にそう返事を返すのだったーーー。



・・・



「ところでハイドラス様。いきなり森に踏み込んでしまいましたが、何かアテでもあるのですか?」


先程の話からも分かる通り、ハイドラス達は正式にプトレマイオスらと契約を交わし、“傭兵”としての活動を開始していた。


彼らの活動内容は、もちろん戦争に参加する事ではなく(それは、あくまで軍隊の仕事である)、三国や“三国同盟”にとって目下の悩みである、『新人類』側に存在する謎の存在達をどうにかする事である。


もちろんこれは、アスタルテとネメシスの事だが、ハイドラス達は大森林地帯(“大地の裂け目(フォッサマグナ)”)を離れて久しいし、残念ながらハイドラスには、ネメシス(セレウス)ほど正確に“気”を探る能力はなかった。


つまり、謎の人物達を探すにしても、とにかく情報が不足している状態なのである。


それなのに、迷う事なく大森林地帯(“大地の裂け目(フォッサマグナ)”)に足を踏み入ったハイドラスに、何か考えがあるのだろう、と考えてそう問いかけた訳である。


「もちろんあるよ。()()さ。」


そんな事情をハイドラスも承知していたのだろう。

その問いかけに淀みなく答え、懐から何かを取り出した。


「これは・・・?」

「紙、ですか。これが何か?」


それは、何の変哲もないただの紙だった。

いや、今現在のこの世界(アクエラ)においては、紙はかなりの高級品ではあったが。


「問題なのは()()の方だよ。」

「中身・・・?」


ハイドラスがそう言うと、カエサル達は再びその紙をよくよく観察する。

すると、確かにそこには、何らかの文字か図形の様なものがビッシリと書き込まれていた。


残念ながら、カエサル達には読めない文字ではあったが。


「なんスか、これ?何が書いてあるか、サッパリ分からないッスよ。」

「・・・ただ単純にボクらが知らない、読めない文字である可能性もあるけど、これってもしかしたら暗号なんじゃ・・・?」

「暗号・・・?」


カエサル、ルドベキア、アルメリアは、“英雄”と呼ばれるほどの力を持ってはいるが、だからと言ってただの脳筋ではない。


むしろ逆。

ストレリチア荘の教育が良かったのか、はたまた彼ら自身の頭のデキが元々良かったのか、あるいは両方か。

ともかく、そうした事もあって、当然ながらハレシオン大陸で用いられる一般的な文字の読み書きはもちろん、旅の道程で学んだ別の大陸の言語や文字なんかも実はマスターしている。


そんな彼らですら読めないとなると、ルドベキアの発言通り、まだ彼らが触れた事のない言語か、あるいはそれそのものには全く意味のない、所謂“暗号”である可能性が高かったのである。


「正解だ、ルドベキア。これは、この世界じゃ()()()()()()しか知らない文字、というか、暗号だな。」

「「「へぇ〜」」」


カエサル達は、ハイドラス達が別の惑星から来た異星人である事実までは知らない。

しかし、ヴァニタスに故郷を奪われ、その復讐の為に旅立った、という架空の話(アンダーカバー)は知っていたので、それらから推察すると、彼ら二人しか知らない=もう生き残りがいないので、結果的にそうなった、という風に納得出来た訳である。


もちろんそれは誤解だったのだが、自分達の正体を明かす訳にも行かないので、ハイドラスは彼らの誤解をあえて解く事もしなかった。


(ちなみに、事実はというと、ハイドラスの言葉通り、本当に“この世界”ではハイドラスとセレウスしか知らない暗号だったりする。

当然ながら、たとえセルース人類であろうとも、この暗号を読み解く事は出来ない。

何故ならば、肉親ならではの子供のお遊びの一貫として、二人が幼少期に勝手に作った暗号だからである。

もちろん、子供が作った暗号なので、時間をかければ解く事は不可能ではないが、ここで重要なのは、その暗号(存在)()()()()()()()()、というところである。

つまり、それを使った事自体、裏のメッセージとして、ハイドラスにセレウスが健在である事を伝えていた訳である。)


「ちなみに、それには何て書いてあるんですか?」

「特段面白いものじゃないよ。いくつかの数字が書いてあるだけさ。だが、これはおそらく・・・」

「座標・・・、ですね?」

「多分な。そこに行けば、何かしらの手掛かりが得られるんじゃないか、と思っている。もしかしたらそこに・・・」

「・・・セレウス様がいらっしゃるかも?」

「その可能性もある。まぁ、まだ罠の可能性もあるんだが・・・」


ただ、ハイドラスとセレウスしか知り得ない情報とは言えど、未知の力、それこそ神々の力を使えば、その不可能も可能となる。


故に、暗号(これ)が罠である可能性も少なからずあったが、それでも、ただ闇雲にセレウスを探すよりかはずっと手掛かりが得られる公算は高かった訳である。


「そんな訳で、今私達は、示されたポイントに向かって進行中、という訳さ。何も説明しないままで申し訳なかったが・・・」

「それも致し方ない事ですよ。どこに“目”や“耳”があるか分からないですからね。街中では特に、ね。」

「「「・・・」」」


この四人、見た目こそ若々しさを保っているが、人生経験や社会経験、特に“裏”にまつわる話にはかなり造詣が深かった。

それ故に、かなり慎重に立ち回る事も多く、それ故に、こうして詳しく説明しない事も多いのである。

(もちろん、彼らほどの実力者であれば、襲撃などにおいては後れを取る事もないのだが、先程も述べた通り、セレウスに比べたら“気”、すなわち感知能力では劣るハイドラスでは、隠密能力に特化した間諜(スパイ)に気が付かない可能性もあるのである。)


まぁ、それなりに長い付き合いとなっているので、お互いにそこら辺の事に関しては理解しているのか、三人はハイドラスの謝罪に首を横に振ったのであったーーー。



「ところで一つ気になったのですが・・・、いつの間にそんな紙を入手したので?」


話が一段落すると、ルドベキアは疑問に思っていた事をハイドラスに尋ねる。


「そこら辺も推測を補強する出来事だったんだが、宿で目が覚めたら、いつの間にか枕元に置いてあったんだよ。」

「「「っ!!!」」」

「ね?怪しいだろ?」

「・・・ええ。」


ハイドラスの衝撃的な発言に、カエサル達は驚きの表情を浮かべていた。


先程も述べた通り、ハイドラス、それにカエサル達は、この世界(アクエラ)では上位の実力者達である。

もちろん、こちらも先程述べた通り、セレウスに比べたら感知能力に劣っている事は事実ではあるのだが、それでも、少なくとも自身の間合いの中、就寝中であろうとも、手の届く範囲、枕元にまで忍び寄られて一切気が付かない、なんて事はあり得ないのである。(そうでなければ、常に危険と隣り合わせであるこの世界(アクエラ)で旅など出来ない。

あくまで、彼らが後れを取る可能性があるのは、不用意な会話や発言から、情報を盗み聞きされる事であって、事戦闘行為を前提とした行動とはまた別の事柄なのである。)


それを可能とする存在など、特にハイドラスの場合は、数えるほどしかいない。

つまり、


「セレウス様が置いていかれた、と?」

「どうかな?()()置いていった訳じゃないかもしれないよ?」

「・・・?直接でなければ、一体どの様な・・・?」


ハイドラスの意味深な言葉に、三人は疑問符を浮かべていた。


ハイドラスは、カエサル達にも自身の力、セルース人類に繋がる手掛かりになる可能性を考慮して“超能力”の事についてはハッキリと明言してはいなかった。

それ故に、三人はハイドラスの発言の真意を測りかねたのであるが、そこはそれ、頭の良い三人は、自分達でも理解出来る話を勝手に想像した。


「・・・もしかしたら、『魔法技術』、かもしれないね。ボク達が知っている『魔法技術』が、“魔素”の運用方法の全てじゃない。時々ハイドラス様は、ボクらでは理解出来ないお力を発揮される時があるが、もしかしたらそれは、ボクらとは別体系の『魔法技術』なのかもしれない。(ボソボソ)」

「あぁ〜・・・」

「なるほど・・・」

「それに、ハイドラス様達は、ボクらよりも数段上の“霊能力”についても造詣が深い。何をどうやったかは分からないが、それを利用していた可能性もある。そして、それを熟知しているハイドラス様だからこそ、()がそれをお使いになったのかもすぐに察する事が出来たのかもしれない。(ボソボソ)」

「ふむ・・・」

「ありそうな話ッスね。」

「・・・・・・・・・」


三人の中でそういった結論が出た。

それに、明かせない事も多く抱えるハイドラスは、多少心苦しく思いながら、無言で歩を進めるのであったーーー。



・・・



「「「「おおっ・・・!!!」」」」


紙に示されたポイント、座標に到着すると、四人は思わず感嘆の声を漏らしていた。


そこは、大自然が作り出した美しい渓谷だったからである。


色々と超越した力を持つ四人ではあるが、自然が持つ雄大さ、荘厳さには、やはり心打たれるのだろう。

むしろ、こうしたまだ人の手が入り込んでいない天然の美しさに、自分達などまだまだちっぽけな存在である、という、ある種の安心感を覚える事も、旅を続ける一つの理由なのかもしれない。

まぁ、それはともかく。


「・・・しかし、確かに美しい場所ですが、ここに何があるというのでしょうか?」


一通り観察した後、カエサルはポツリと呟いた。


「・・・いや、よくよく観察して見なよ、カエサル。」

「ん・・・?」


しかし、それにルドベキアは、何かに気が付いた様にそう言葉を返した。


その言葉に素直に応じたカエサルは、再び目を凝らして渓谷を眺めて見た。


「・・・・・・・・・あっ!」


すると、何かに気が付いた様に声を上げた。


「気が付いたかい?あまりに自然過ぎて中々気が付かないんだけど、明らかに人の手が入り込んでいる場所があるんだよ。」


その言葉の通り、自然をそのまま活かしつつ、その場には不釣り合いな“扉”っぽいものが存在していたのである。


「・・・よくすぐに気が付いたな、ルドベキア。」

「まぁ、ボクの専攻は“土”系の魔法だからね。」

「「「ああ・・・」」」


以前にも言及したが、ルドベキアは“土”系の『魔法技術』に魅了されている。

拠点作りから戦闘、罠など、その応用範囲は多岐に渡るからである。


そして、その中で、“拠点作り”という観点から、ルドベキアは他の者達よりもそれに関する造詣が深かったのである。


それ故に、人工的に手が加えられている事に、他の者達より早く気が付けた、という訳であった。


「・・・しかし、見れば見るほど惚れ惚れする様な仕事だよ。景観を損なわない様に、なおかつ安全性も機能性を十分に考えられている。これを作った人は、もはや神レベルの術師に違いないっ!!!」

「「「・・・・・・・・・」」」


オタク特有の早口に、ハイドラス達は苦笑した。


頭脳明晰、才色兼備なルドベキアではあったが、事“土”系魔法に関する事には、オタクか研究者かといった様な情熱を傾ける傾向にあったからである。


まだまだ語り足りなさそうなルドベキアを放置して、三人はその“扉”っぽいものに向かうのであったーーー。



ガコンッ!!!


「「「おおっ・・・!!!」」」


四人が扉に近付くと、ひとりでにその扉が開いた。


「一体どういう仕組みで・・・?人が近付くと、自動で開く様な仕組みを組み込んでいるのだろうか・・・?しかしそれだと、条件によっては野生の動物や魔物を招き入れてしまう可能性も・・・」

「・・・ルドベキア、置いていくよ?」

「あ、あぁ、待ってくれ。」


珍しくテンションの上がっているルドベキアに呆れながら、カエサルがそう言うと、慌ててルドベキアも彼らの後に続いた。


確かに気になる事は多々あるが、この場に来た目的を思い出したのだろう。


・・・あるいは、もしかした敵地のど真ん中かもしれない場所で、一人ボウッとしている場面じゃない、と気が付いたのかもしれないが。


“中”は、想像以上に広かったが、特に複雑なものではなかった。

天然の洞窟を利用したであろう入り口をひたすら歩くと、しばらくすると広めの空間に出た。


「・・・来たか」

「「「「っ!!!!」」」」


そこには、予想通りと言うか何と言うか、先客が悠々と鎮座していた。

四人が警戒感をあらわにしながらも様子を見ていると、その先客は大きく手を広げ、多少大仰にこう言った。


「ようこそ、俺の秘密基地(アジト)へ。お前らの訪問を歓迎する。」



誤字・脱字がありましたら御指摘頂けると幸いです。


いつも御覧頂いてありがとうございます。

よろしければ、ブクマ登録、評価、感想、いいね等頂けると非常に嬉しく思います。

ぜひ、よろしくお願い致します。

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