決着 5
続きです。
何度か言及していますが、戦闘描写って難しいですよね。
◇◆◇
「今だっ!!!」
「っ!!!」
カエサルの合図に、ルドベキアは弾かれた様に弾丸を射出していたーーー。
とは言っても、正確には、カエサルとルドベキアの合作である“レールガン”、その発射のトリガーを握っているのは、あくまで雷系の魔法を担当しているカエサルの方であった。
ルドベキアの役割は、その発射機構を可能とする装置の工作、並びに、“弾丸”の製作である。
もちろん細かく言えば、それらの方向性の調整、“レールガン”は所謂“手に持って携行出来る装置”ではないので、狙いを定める、角度を調整するなどの微調整も必要となってくるので、ルドベキアの役割は非常に大きいのだが。
しかし、ルドベキアはカエサルとは違い、“レギオン”の“核”は朧気に視えてはいたが、彼が体験している状態には至っていないので、彼に言われるがまま位置調整をしたに過ぎない、と彼女自身は思っていた。
が、そんなある種の嫉妬心とかネガティブな感情は、今この場で出している場合ではない、と頭を切り替えた瞬間に、カエサルの言葉が響き渡った訳である。
その瞬間、カエサルの指示に従った微調整を止め、と同時に弾丸が射出された訳である。
ある意味、お互いを完全に信用しているからこそ出来た、完璧なタイミングでの射出となっていた。
ーーーそれはまさしく、一瞬の出来事であった。
向こうの世界のレールガンの試作品ですら、その速度はマッハ6以上、という、もはやワケの分からない速度で飛翔するそうだ。
もちろん、カエサル達の合作であるこの“レールガン”が同じ程度の速度を出せる訳ではないかもしれないが、それでもそれに反応して、回避なりをする事は不可能に近い。
しかも、タイミングとしても完璧であり、カエサルの“ゾーン状態”により、狙いも寸分違わず“レギオン”の“核”を捉えていた。
実際、“レギオン”も回避行動を起こす事すら出来なかった。
ここら辺は、アベル達前衛組の陽動と撹乱のお陰もあるのだが。
これは決まったーーー!
と、誰もが直感的に感じ取っていたのだが、ここで“レギオン”は、まさしく人知を超えた行動を起こしたのであったーーー。
ここで一旦話は変わるのであるが、“レールガン”の“弾丸”には、“レギオン”の“核”、すなわち『永久原子』を破壊する為に、霊的な処理が施されていた。
具体的に言えば、ある種の“呪”である。
“呪”とは、ある種の概念的思想である。
が、実際に発現する力でもある。
有名な例が、そのものを名で縛る事、であろうか?
何の変哲もない花に“藤”という名を与え、人々がそれを“藤”と認識する。
そうする事で、その花と同種の存在も、“藤”というものになるのである。
これが“呪”であり、言霊である。
また超常的な力か、と思われるかもしれないが、“言葉”には実際に力がある。
“言葉”は単語と単語の組み合わせで“意味”が出来上がるが(特定の言語においては、単語そのものにも意味があるが)、例えば“す”と“き”、すなわち“すき”で、相手に好意を伝える“言葉”となる(まぁ、他にも“隙”になったり“鋤”になったりで意味合いが大きく変わるので、ここら辺は日本語が難しいと言われる所以であろうが、この場では一旦置いておく。)。
それを理解出来る者達は、あくまで音の羅列でしかないこの二文字に意味を見出し、自分に好意を向けられている、と受け止めて、嬉しくなったり恥ずかしくなったりと、精神的に影響を受ける訳である。
逆に“し”と“ね”、すなわち“死ね”という組み合わせによって、相手を攻撃する“言葉”となる。
こちらも、ただの音の羅列に過ぎないのであるが、こちらも、相手がそれを理解出来る者であれば(まぁ、案外ネガティブは“言葉”は、意味が分からなくとも伝わる事も多いそうだが。)、それを受けて、嫌な気持ちになったり、悲しい気持ちになる訳である。
この様に“言葉”には、コミュニケーションを円滑にするだけでなく、場合によっては相手を幸福にしたり、逆に不幸にする“力”があるのである。
(実際に“イジメ”などにおいては、“肉体的な暴力”だけでなく、この“言葉の暴力”が相手を精神的に追い詰めていた、などの事例も多いのである。
学びさえすれば誰にでも使える、という意味では、“言葉”は非常に便利な反面、知らず知らずの内に相手を傷つけている事がある、しかもその傷は目には見えない、など、非常に大きな力を有している事も同時に理解する必要があるかもしれない。
まぁ、それはともかく。)
元々それだけの力がある“言霊”に“霊力”が加われば、更に大きな力となる事は言うまでもない事であろう。
そして、カエサルが“弾丸”に込めたのは“破壊”の“呪”であった。
もちろん、再三述べている通り、それが“レギオン”のどこに当てても効力は発揮するが、ほぼ無限に再生する事が可能な“レギオン”の肉体を“破壊”しても、再生されて終わりなので意味がない。
その全てのもととなる“レギオン”の“核”、すなわち『永久原子』に打ち込む事で、初めて真の効力を発揮するのである。
そして、『永久原子』は目には見えない、すなわちある種の概念的物質ではあるのだが、先程述べた通り、“呪”も概念的思想であり、それらに影響を及ぼす事が可能なので、あくまで“弾丸”は物理的な物質であるが、これらの組み合わせは『永久原子』を破壊出来る刃となるのである。
とは言えど、物質に霊力を込める事は、実際には非常に負担が大きいのである。
すでに限界ギリギリなカエサルにとっては、“弾丸”一発に込める事が出来たのが限界であり、つまり、二発目は存在しないのである。
で、その一発しかない“弾丸”は、寸分違わず“レギオン”の“核”を捉えて放たれたので、タイミング、速度などを鑑みれば、ほぼカエサル達の勝ちが確定した訳であるが、ここで“レギオン”は、驚くべき生存本能、言い換えると、生に対する執着を見せたのであったーーー。
ーイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダッ!!!ー
ーシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイッ!!!ー
ーキエタクナイキエタクナイキエタクナイキエタクナイッ!!!ー
“弾丸”が放たれ“核”に到達するまでの刹那の時間、“レギオン”は怨嗟とも懇願ともつかない、悲鳴にも近い絶叫を上げていた。
しかし事ここに至れば、もはや回避は不可能であり、カエサル達の勝ちはほぼ確定した様なものであった。
だが、その生への執着は凄まじいものがあったのか、“レギオン”は咄嗟に、自らの無数に伸びた“触手”を、“弾丸”と“核”の間の、一種の防壁として置いたのであった。
人で例えるならば、咄嗟に両腕で頭などを庇った、みたいな感じだろうか?
しかし、いくら肉の壁が立ちはだかろうと、とてつもない破壊力を秘めた“レールガン”の“弾丸”を止められる訳もなく、それらはやすやすと貫通されて、ドンドンと“核”に進行していった。
刹那という時間の中で、無駄となったとは言えど、防御態勢を取れただけでも、“レギオン”の生命体としての異常なスペック、生への執着が現れたシーンと言えるだろう。
だが、真に驚くべきは、その再生能力、回復力を応用した変化、変質の方であり、その変質スピードであった。
このままでは“弾丸”を止められないと察した“レギオン”は、“触手”を即座に変化させた。
もちろん、“弾丸”自体がとんでもない速度で飛翔していたので、その間に変化が間に合わなかった“触手”はいくつも突破されていたが、しかしそれが功を奏したのである。
ここで、また一旦話は変わるのであるが、ただの土でも、銃弾の貫通を防ぐ事は実は可能だったりする。
もちろん、本当にただの土をより集めても意味がないのだが、そこに圧力なりを加えると、即席の“盾”、の完成である。
実際、第一次世界大戦や第二次世界大戦時にも、この“土のう”を利用した“盾”、“バリケード”は利用されたそうであるし、現代においても、“土のう”を用いた簡易的な“盾”は訓練の中に組み込まれているそうである。
もちろん、貫通力の非常に高いものや、あるいは炸裂するものにはその有効性は薄いのであるが、つまり貫通してくるものに対して、高密度に組み合わさせたものは、例え“土”であっても、その貫通力を防ぐ事が可能となる証左でもあった。
“レギオン”も本能的にそれを察していたのであろうか?
自身の体組織を、一瞬にしてそういう組成に組み換えたのであった。
言うなれば、ただの“硬質化”ではなく、組織の高密度化であった。
ーイヤダイヤダイヤダイヤダッ!!!ー
その生に対する執着が成せるわざであったのだろうか?
結果としてそれは、カエサル達の放った“弾丸”を、後数cmで“核”に到達する、というところで、その進行を完全に止める事となったのであったーーー。
・・・
〈今だっ!!!〉
〈っ!!!〉
「「「「「っ!!!」」」」」
一方、“レギオン”の間近で陽動と撹乱を担当していたアベル達前衛組は、頭に響き渡った“声”と同時に(正確にはその数瞬前)、一斉にその場を離脱していた。
当然ながら、“レールガン”の衝撃は仲間達にもダメージをもたらしてしまうからである。
それ故に、ルドベキアに対する合図と共に、その“声”は“念話”を通じて仲間達にも送られた訳である。
(もっとも、アベル達も覚醒を果たした事によって、感覚が非常に鋭敏になっていた事もあり、カエサルの合図の少し前にはすでに離脱にシフトしていたのであるが。)
これによって、仲間達への被害が発生する事もなく、そうした意味でも完璧なタイミングでの発射となったのであった。
「いっけえぇっ〜〜〜!!!」
それは誰の声だったのか、そんな声と共に、“弾丸”が音速で駆け抜ける。
ドパンッーーー!!!
ドゴンッーーー!!!
そのあまりの速さに、破滅的な光景だけ先に見え、音の方が後からやってくる、という不可思議な現象を体験しながらも、アベル達はそれを固唾をのんで見守った。
そして、砂埃が晴れた時に視た。
すんでのところで、“レギオン”の“核”に到達出来なかった“弾丸”を。
「そ、そんなっ・・・」
「ウソ・・・だろ・・・」
ーアァァァァァァ〜〜〜!!!ー
色々と場当たり的な作戦ではあったが、アベル達の陽動と撹乱は完璧であったし、カエサル達の狙いもタイミングも完璧であった。
ほぼ100%上手く行く筈が、ただ一つ、“レギオン”の想定以上の化け物ぶりが、それらを失敗に追い込んだのであった。
脱力するアベル達。
彼らもカエサルと同様に、“小型”の“レギオン”を殲滅する為に体力と集中力、そして“霊力”を消耗しており、かなりギリギリの状態だったからである。
それでも、一縷の望みがあったからこそまだ踏ん張れたが、それが潰えた今、所謂“心が折れた”としてもそれは致し方ない事であろう。
もちろん、まだ負けが確定した訳ではない。
当然ながらこの刹那の攻防によって、“レギオン”も相当の無茶をしたのは同じだからである。
それ故に、まだ勝負がどちらに転ぶかは分からない状態であったが、ここで“レギオン”には有利な特性がある事を思い出して頂きたい。
“レギオン”は他者から強制的に『霊魂』を奪い、それを喰らう事で、元々備わっている再生能力、回復力に加え、それを可能にするエネルギー源を、自らのものだけでなく外部からも得る事が可能な訳である。
それ故に、ほぼ無限の体力、その他諸々を得ているに等しい訳であり、どう考えてもそうした能力を持たないカエサル達に比べたら、事継戦能力については圧倒的に有利な状況なのである。
それは、“レギオン”自身も承知していた。
それ故に、彼らは、自らの勝利を確信して、雄叫びを上げた訳であったーーー。
〈・・・まだだっ!!!〉
「「「「「えっ・・・!?」」」」」
ー・・・アッ・・・?ー
・・・
「っ!!!???・・・次弾装填っ!!!」
「なっ・・・!?いやいやカエサルッ!“霊力”を込めた“弾丸”は今ので終わりだぞっ!!」
場面は数秒前にさかのぼる。
耳をつんざく音と共に“弾丸”が射出された直後、“何か”に気が付いたカエサルはそんな事を叫んでいた。
それにルドベキアは、至極真っ当な反論を返していた。
そう、先程述べた通り、今のカエサルでも霊的な処理を施した“弾丸”は一発しか用意する事が出来なかったのである。
それ以上は、あまりに力を酷使し過ぎた事もあり、先程の様に意識を失う可能性があり、いや、それどころか、下手すれば寿命を縮める可能性すらあったからである。
それ故に、チャンスは一度きり、という非常にシビアな条件となっていた訳であるが、しかし、幸いな事に、これは完璧な狙いとタイミングでの射出となったので、まず間違いなく成功となるーーー、筈であった。
しかしすでに知っての通り、その数瞬後にはそれが全てひっくり返される事となる。
もちろん、この時点でのカエサル達にはそんな事は知る由もないのであるが、しかしカエサルは、何か確信めいたものを感じ取っていたのであった。
「分かってるっ!だから、普通の”弾丸“でいいっ!!早くっ!!!」
「っ!!!了解っ!!!」
有無を言わさぬカエサルの声色に、ルドベキアも半ばヤケクソになりながらも素直に頷いた。
そして、即座に二発目の”弾丸“が用意された。
脅威的な工作、製作能力であるが、土系(地系)の術式を極めたルドベキアにとっては、この程度朝飯前であった。
とは言えど、先程も述べた通り、あくまでこの二発目の”弾丸“は、霊的処理が施されていない、所謂普通の“弾丸”だ。
万が一一発目の“弾丸”が失敗したとしても、普通の“弾丸”ではダメージが実質的に通らないのはすでに述べた通りである。
では、カエサルはどういうつもりでこの“弾丸”を用意されたのであろうか?
ドパンッーーー!!!
ドゴンッーーー!!!
「っ!!!」
そんなやり取りをしていると、一発目の“弾丸”が射出された音にやや遅れて、それが着弾した音がルドベキア達の耳にも入ってくる。
先程も述べた通り、そのあまりの速さに音の方が遅れた格好であり、この時にはすでに結果が出た後であったのだが。
そして、ルドベキア達もアベル達と同様に視た。
“レギオン”の生に対する執着から来たであろう、およそ生物としてはありえないほどの瞬時に細胞レベルで身体機能を変化させ、ギリギリのところで“弾丸”を受け止めたその姿を、である。
・・・だが、アベル達がそれを視て絶望したのとは対照的に、カエサル達の心は折れなかった。
というかルドベキアは、それを視たからこそ、カエサルが何をしようとしていたのかを瞬時に察したのであった。
「・・・まだだっ!!!行くぞ、ルドベキアッ!」
「オーケーッ!」
すでに微調整を終えていた二人は、間髪入れずに第二射を放ったのであったーーー。
・・・
一方、“レギオン”は完全に油断していた。
それはそうだろう。
彼らにとって、最大のピンチをすんでのところで何とか回避した訳であるから、死の恐怖に打ち勝ち、生の実感が湧いていたとしても何らか不思議な話ではないのだから。
しかも、自身を殺し得る者達(アベル達)はまだ健在ながらも、彼らは明らかに疲弊しており、ピンチから一転、“レギオン”にとって圧倒的有利な状況になっていたのであった。
・・・だが、勝負は最後まで何が起こるか分からないものだ。
実際、スポーツの試合なんかでも、タイムアップ直前に試合がひっくり返る事もままある。
最後まで油断も慢心もせずに行ければ良いが、それが出来る者は意外と少ないのである。
“レギオン”もそうであった。
先程述べた通り、緊張感から解放され、勝利を確信した事により、そこに一瞬の油断が生まれてしまった訳であった。
ーアァァァァァァ〜〜〜!!!ー
それは歓喜の声だったのか、勝利を確信した雄叫びだったのかは定かではないが、逆を返せばそれだけ“レギオン”も追い込まれていた、という事かもしれない。
その声は、アベル達の心を折るには十分過ぎる効果を発揮したが、しかしまだ勝負を諦めていない者達の存在を自ら一瞬忘れる事ともなってしまった訳である。
〈・・・まだだっ!!!〉
「「「「「えっ・・・!?」」」」」
ー・・・アッ・・・?ー
ドパンッーーー!!!
そのタイミングで、カエサル達はまさかの第二射を射出したのである。
もっとも、それは再三述べている通り、あくまで普通の“弾丸”でしかなく、仮にそれが“レギオン”の“核”に命中したとしても、全く無意味なものでもある。
一瞬、何がしたかったのか理解出来なかった“レギオン”は、勝利を確信した油断と一種の思考停止により、先程とは打って変わって、全くと言って良いほど、何の行動も起こせなかったのであった。
ー・・・アッ!!!ー
そして、自身の致命的な判断ミスに遅ればせながら気が付いたのである。
・・・まぁ、気が付いた時には後の祭りだった訳であるが。
突然だが、“ビリヤード”をご存知であろうか?
ビリヤードは手球と呼ばれる白色の球を、キューと呼ばれる棒ではじいて動かし、的球に当ててポケット(穴)に落としていくことで進行していくゲームである。
まぁ、ここで重要な情報は、その“手玉で他の玉をはじく事(はじける事)”、である。
当たり前だが、物体に外部から力が働けば、その物体を動かす事が可能な訳である。
例えば静止している車に後ろから(まぁ、どこからでも良いが)他の車が衝突したとしたら、当然静止していた車はまるでビリヤードの玉の様に、はじかれたように動き出す事となる。
難しい用語で言うのであれば、“運動量保存の法則”や“力学的エネルギー保存の法則”などと呼ばれる訳であるが、要は先程述べた通り、止まっている物体を外部からのエネルギーによって動かす事が可能となるのである。
では、状況を改めて整理しておこう。
カエサル達の放った霊的処理の施された“弾丸”(一発目)は、“レギオン”の脅威の変化・変質によって、“レギオン”の“核”に到達する寸前で肉の壁に阻まれて静止した訳である。
だが、あくまで止まっただけだ。
消滅した訳でも、軌道が逸れてどこかに飛んで行ってしまった訳ではない。
ここがまず一点。
次に放たれた普通の“弾丸”(二発目)には、再三述べている通り、霊的処理が施されていないので、これ自体が“レギオン”の“核”に命中したとしても、実質的には致命的なダメージには至らない訳であるが、では、それを一発目の“弾丸”にぶち当てたとしたらどうであろうか?
先程述べた通り、静止した物体は外部かのエネルギーによって動かす事が可能な訳であり、直前で止まってしまった一発目は、二発目のエネルギーを受けて、再び進行する為のエネルギーを得る事となる。
(もちろん、その為には針の穴を通すほどの正確な精密射撃が必須となるが、“ゾーン状態”にあるカエサルにとっては、その程度朝飯前である。)
言ってしまえば、二発目はあくまで一発目の為の推進剤なのである。
だから、普通の“弾丸”でも問題がないし、一発目の“弾丸”も、霊的処理こそ施されているが、あくまで物理的に存在する物体である以上、所謂“押し出す事”が可能なのであったーーー。
ドゴンッーーー!!!(ドゴンッーーー!!!)
ーギャアァァァァ〜〜〜!!!ー
「・・・やったっ・・・!?」
フラグの様な事を呟くルドベキア。
だが、カエサルはそれに、息も絶え絶えになりながらもこう答えた。
「あ、ああ・・・。一発目の“弾丸”が奴の“核”を突き刺した・・・。僕らの、勝利だ・・・」
バタッ。
「なっ、カエサルッーーー!?」
全てを見届けたカエサルは、ゆっくりとその意識を手放したのであったーーー。
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