表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『英雄の因子』所持者の『異世界生活日記』  作者: 笠井 裕二
英雄大戦
322/383

強襲

続きです。



◇◆◇



「何をバカげた事をっ・・・!魔物共が結託する事などありえんだろうっ!?」

「「「「・・・・・・・・・。」」」」」



いつの世でも、()()が見えていない者は一定数いるものだ。

少なくとも彼らは、凝り固まった狭い範囲の“常識”や、ある種の希望的観測によって、自らでその目を曇らせてしまうのである。


当たり前だが、人間が知っている範囲など狭いものだ。

この世の全ての(ことわり)を紐解いた訳ではないのだから、ありえない、という事が本来ありえないのである。


“これまでもそうだったからこれからもそうである”、なんて理論は実は通用しないのだ。

だが、実際にはこうした下手な経験則に基づいた考え方から失敗するケースには枚挙に暇がなかったりする。


当たり前である。

世の中は常に変化しているのだ。

それ故に、常に時代の変化に合わせて、やり方や考え方を柔軟に変化させていく必要があるのである。


これは、ある種子供でも分かる理論だ。

だが、そんな基本的な考え方にも関わらず、良い大人達がありふれたミスをして自滅する事がこれまたよくある話であったーーー。



ラテス族の上層部との会合に持ち込んだグエルは(いや、グエルだけでなくその場に集った大半の者達も、であるが)、彼らの第一声に頭に抱えていた。


いや、予測通りといえばそれまでなのだが、ここまで何も見えていない事に頭が痛くなったとしても、それは無理からぬ事であろう。


「大方、このままではこちら側に負けると踏んで、そんな事を言い出したのではないかね?」

「それならそれで、しっかりと敗北を宣言したまえ。何もこちらも、連合の者達を皆殺しにする事が目的ではないのだ。わざわざ“パクス(中立)マグヌス(の立場)”に仲介を頼んでまでする事ではないのではないかね?」


侮蔑を含んだ笑い声に、もはや怒りを通り越して呆れや哀れとも言える感情を、その場のラテス族以外の者達は抱いていた。


それは、一応はラテス族側に所属する例の司令官と副官も同様であった。


いや、むしろ、実質的には自分達の上役である彼らが、これほどまでに時流を読めていない事に不安や不満を抱いたほどであった。


「・・・では、我々が北方方面に展開していた部隊の壊滅をどう説明致しますか?」


それ故に、軍部のトップとは言えど、この場においては発言権の低い司令官が、あえてそんな言葉を投げ掛けたのであった。


ラテス族上層部は忌々しげに司令官を一瞥すると、その口を開いた。


「それは貴様のミスであろう?大方、連合側の罠にハマったのだろう。」

「最大戦力の一つを失っているにも関わらず、よくも意見を言えたものだなっ!?」


憶測と責任転嫁。

愚かな為政者の典型例である。


もちろん、軍部を預かる者としては全く責任がない訳ではないので、それらの叱責は甘んじて受け入れるべき事柄でもある。


だが、そこで思考停止をしてはいけない事でもある。


“お前が悪い”


ではなく、少なくとも何故そうなったのかの検証をしなければ、見えてくるものも見えてこないものでだろう。


「・・・お叱りは甘んじて受け入れます。ですが、あえて申し上げさせて頂きますと、本来、そんな事は()()()()()のですよ。」

「何っ・・・!?」

「ぬっ・・・!?」


司令官の反論に、ラテス族上層部は呆気に取られていた。


彼らからしたら、自分達の子飼いが反論を放ってくるなどと予測がつかなかったのである。


叱責したら、それで押し黙ると思っていただけに、すぐには言葉が出てこなかったのだろう。


しかし、その言葉が頭に染み渡っていくと、顔を真っ赤にするのだった。


先程述べた通り、自分達の子飼いが噛み付いてきたのだから、彼らからしたら怒り心頭になったとしても不思議な話ではない。


それ故に、今一度怒りを爆発させるところであったが、その前に、司令官は努めて冷静に言葉を続けた。


「確かに連合側に敗北し、それで部隊が壊滅した可能性はあります。それが、私の責任だと仰るのであれば、それはそうでしょう。ですが、仮にその壊滅が連合側との戦闘の結果であったならば、その後、情報が一切ないのは明らかにおかしいのです。あなた方は分からないかもしれませんが、本来“戦い”というものは、先程あなた方が仰った通り、相手方を皆殺し、本当の意味で全滅させる事はまず不可能なのです。少なくとも敗走し、それで生き残る者達がいる筈ですし、相手方にも色々と事情がありますから、徹底的に追走させる事もほとんどの場合ありません。ですから、これが()()()の戦闘であったのならば、完全なる壊滅、などという事が起こる事は考えづらいのですよ。」

「「「「「・・・。」」」」」


一般的に“全滅”や“壊滅”というと、文字通り全ての者が死亡する事などを指すが、軍事的には部隊一つが大きな損害を受け組織戦闘力を喪失した状態を指す。


つまり、“全滅”や“壊滅”と一口に言ってはいても、その部隊の者達が全て死に絶える事ではないのである。


これは何故かと言えば、案外簡単である。

逃げるからである。


兵士も人間だ。

それ故に、敗戦が濃厚となった、臆病風に吹かれた、など、理由は様々あるだろうが、所謂“脱走兵”が出るのは珍しい話ではないのである。


もちろん、これはその部隊、軍によっても様々であるが、大半は重大な軍規違反である。

だが、他方で、彼らから得られる情報が貴重な場合もある。

当然ながら生き残った者達が貴重な情報源となるからである。


情報の重要性など今更語るまでもない。

その場に何が起きたのか、相手は誰なのか、どういう武装を持っていたのか、などが分かるだけでも、その後の戦略は大きく変わる。


それ故に、所謂“脱走兵”は罪に問われる可能性があるまでも、戦況が芳しくないと見たのならば、仲間になるべく情報を伝える為にも、あえて“撤退”という判断をくだす事も珍しい話ではないのである。


当然ながら、それは相手方にとっては厄介極まりない事である。

重大な情報が相手方に漏れれば、相手方に対応されてしまう可能性があるからである。


であるならば、当然ながら文字通り相手方を“全滅”させた方が自らの優位性を保てる訳であるが、しかし、そうなれば、今度は自分達が大きな負担を強いられる事となる。


散り散りに逃げる部隊を追撃するのは、当然ながらリスクもある。

相手も生き残る事に必死な訳であるから、追いかける方もそれ相応の覚悟が必要となる。


“窮鼠猫を噛む”ではないが、余裕ぶって追撃した結果、手痛いしっぺ返しを食らう事もままある。


もちろんそこら辺は、現場の指揮官の判断にもよる。

先程述べた通り、情報の漏洩、あるいは相手方の戦力を少しでも削る為にも、あえて徹底的に追撃させる者もいるだろうが、大抵の場合は、ある程度の追撃で終わらせる事がほとんどである。


先程も述べた通り、深追いはリスクもあるし、自分達の損耗も計算に入れなければならない。

しかも、仮に100人が逃げて、99人まで仕留めたとしても、残りわずか1人を取り逃がしただけでも情報は漏れてしまう訳だ。


特に部隊の人数が多ければ多いほど、その難易度は跳ね上がる訳であるから、コストパフォーマンス的に考えても、追撃は非常にリスキーなのである。


これらの事から、仮に部隊が文字通り“全滅”する可能性はかなり限定されてしまうのである。


それこそ、超常的な力によって、一瞬で部隊の者達が死に絶えるほどの攻撃を加えられたか、リスクとかコストパフォーマンスを度外視した徹底的な追撃を加えたか、である。


前者は、これまでの連合の戦力から鑑みればほぼありえない事である。

もちろん、連合側も『魔法技術』を持っているが、それほどの規模の“魔法”を行使出来る事は考えづらい。


もちろん、絶対ではない。

セルース人類は当然ながら、少なくともラテス族レベルの『魔法技術』ならば、使い方次第ではそれほどの規模の人間であっても一瞬で殺し尽くす事は可能だからである。


だが、いずれにせよ何かしらの予兆や跡は残る筈であろう。


グエルとの会合もあって、それにそもそも通信が途切れた事を不審に思ったラテス族の司令官は、当然ながら調査部隊を派遣している。


そこで発見されたものは、凄惨の一言に尽きる。


おおよそ、人知を超えた力で引き裂かれたであろう兵士や四肢の欠損した兵士達もあちこちで見られ、中には不自然に装備品()()が残された跡もあった。


もちろん、これは魔王軍の攻撃の結果である。


魔獣やモンスターの中には、人間、というか他の動物を捕食する、所謂“肉食生物”も少なからずいる。

人間同士の争いと違い、彼らにとって人間は、戦うべき相手であると同時に捕食の対象でもある訳だ。


それ故に、追撃におけるリスクや計算などはなく、だ単純に生きる上での本能として、部隊の者達を狩り尽くしたのであった。


もちろん、今現在のラテス族側、連合側にとって(ついでに“パクス・マグヌス”にとっては)、魔獣やモンスターは確かに脅威の存在である事には変わりないが、以前とは違い、彼らに対処する事が可能でもある。


だから、ラテス族側の上層部の言う通り、彼らと遭遇したとしても、それで一つの部隊、それもラテス族側の本隊を除いて最大戦力の一つである部隊を失う事はありえない、というのも論理的には矛盾しない。


ただし、魔獣やモンスターが結託し、人間達と同様に組織立って動いた場合はその限りではないのである。


「以上の観点から、確かに我々の常識ではありえない事だと考えられていましたが、魔物達が結託し、北方方面に展開していた部隊を襲った可能性が極めて高いのですよ。」

「う、うぅむ・・・。」

「し、しかしっ・・・!」


理路整然とした司令官の説明に、ラテス族側の上層部は青ざめた顔をしていた。

だが、まだ信じがたい、いや、信じられない、といった方が正しいだろうが、そんな事がありえるのだろうか?、という疑念を抱かずにはいられなかった様である。


上層部のすがる様なうめき声に、今度は、グエルが司令官の後を継いだ。


「仰りたい事は分かります。私達も、魔物共が組織立って動くなどありえない、と思っていましたからね。しかし、“魔素”というものは奥が深い。我々が体系化している技術は、“魔素”の活用術のほんの一部に過ぎないのですよ。中には、我々が予想だにしない事すら実現してしまう可能性があるのです。」

「えっ・・・!?」

「皆さんは、『魔眼』というスキルの存在をご存知でしょうか?これは、相手に命令を強制させる事が可能となるスキルです。これならば、本来ありえない筈の、一口に魔獣やモンスターといっても様々な種が混在するのですから、そもそも意思疎通すら困難な状況であろうとも、その者達をひとまとまりにして動かす事が可能となります。これは、当然ながら我々が体系化していない、しかし、確実に存在する“魔素”の活用術の一つなのです。」

「・・・つまり、魔物の中の一体が、その『魔眼』とやらを獲得した、と?」

「おそらく。ああ、当然ながら、魔獣だモンスターだとは言っても、あくまでこの世界(アクエラ)に生きる生命です。ですから、我々が『魔法技術』を扱える以上、彼らも、“魔素”を活用する事が可能でもあります。もちろん、何故、その様なスキルを獲得したかは定かではありませんが、問題となるのは、それがほぼ十中八九間違いない、という事です。」

「我々も、もちろんそちら側とは敵対している立場ではありますが、あなた方が展開した部隊に攻撃を加えた事実はありません。」

「当然ですが、連合側が虚偽を伝えるメリットはない。仮に今回の件が連合側の作戦による結果であれば、彼らの立場からしたらそちら側に譲歩を迫れるタイミングですよね?あなた方の最大戦力の一つを潰した。これ以上の戦闘はこちらも望むべきものではないので、一旦停戦をしませんか?とね。しかしそうではない。彼らにも身に覚えのない事であり、しかし事実としてそちら側の最大戦力の一つは壊滅している。ならば、考えられる可能性は一つしかないのです。」

「それが、魔物共の暗躍・・・。」

「そうです。」


グエルと連合側も加わった説明に、ラテス族側の上層部もその事実をようやく認め始めた様であった。


「ハッキリ申し上げまして、これはとてつもない脅威です。もちろん今現在の我々ならば、魔物といっても、一体やそこらなら何とでも対処出来ます。しかし、それが群れをなして、しかも、何らかの意志、作戦行動を持って襲いかかるとなると、そんなレベルではなくなるのです。戦争をしていたからこそ、何らかの意志を持って動く集団が厄介な事はご理解頂けていると思います。仮に我々が別個に対処したとしても、(くだん)の部隊の二の舞いになる可能性が極めて高い。ひいてはそれは、我々人間側の敗北を意味するかもしれないのですよ。」

「基本的に奴らに、話し合いなど通用しません。殺るか殺られるか。しかし、我々が対立したままの状況ならば、殺られる可能性の方が高い。それ故に、ここは一時休戦をしてでも、我々人類が手を組み、奴らに対抗するのがベストだと愚考致します。」

「う、うぅむ・・・。」


仮に魔物達の進軍が本当だとしたら、もはや戦争どころではない。

そうなれば、勝った・負けたの話ではなく、完全なる殺し合いになってしまうからである。


そして当然ながら、彼らには部族や民族などの区別はなく、ひとまとめに“人類”を狙ってくる事だろう。

つまり、これはもはや他人事ではなく、自分達の生き残りを賭けた戦い、でもあるのである。


いまだにラテス族側の上層部の中には、グエル達の言葉を信じきれてはいない者達もいるのであるが、迷っている時間はあまりない様であった。


「ご、御報告申し上げますっ!!!」

「馬鹿者っ!今は重要な会合中であろうっ!!」


突如飛び込んできた兵士に、誰かが叱責の声を上げる。


各方面の要人の集った会議の最中であるから、それも致し方ない事であろう。


しかし、兵士達もそんな事は承知している訳で、それを押してまで報告に来たという事は、それだけ切迫した状況である事の裏返しでもあった。


「まあまあ。で、何があったのですか?」

「ハッ!そ、それがっ・・・!ま、魔物共が大挙してこちらに向かっておりましてっ・・・!!!」

「「「「「なっ・・・!!!???」」」」」


ほとんど悲鳴に近い形の報告に、その場に集った者達の顔色が変わったのだったーーー。



◇◆◇



「人間共の要人達がひとつところに集っているそうだな・・・。そこを叩く、と?」

「ええ。奴らも我々と同様に、頭を叩けば組織は瓦解しますからな。この大森林地帯から一旦奴らを追い出す上でも、効率的な作戦だと思いますよ。」

「ふむ・・・。」


一方、魔王マルムスは、今や参謀に近い形となったサバルからそんな報告を受けていた。


確かにサバルが言う通り、これは非常に効率的な作戦である。

頭を叩くのはある種戦のセオリーだからである。


しかも、魔王軍は、様々な種が集った混成軍であるから、その知能や思考力にもバラつきがある。

それ故に、シンプルな命令の方が受け入れやすい訳であり、マルムスが示したこの大森林地帯から(一旦)人間達を排除する、という目標を手っ取り早く実現する方法でもあった。


また、マルムスらがラテス族側の北方方面に展開していた大きな部隊を叩き潰した訳であるが、それによって人間達が危機感を持ち、結託する為に何らかのアクションを起こす事は予想出来た訳だ。


もっとも、敵が誰かも分からない状況の中では、バラバラに魔王軍に攻撃を加えてくる事は考えづらいので、どこかで首脳陣が集まり、その対応を協議するだろう、と。


これは、各方面の首脳陣()が自ずとひとつところに集まる流れであるから、彼らの作戦を決行する上でも、非常に都合の良い状況であった。


相手方の態勢が整わない内に致命的な一撃を加える。

なるほど、強襲のタイミングとしては、魔王軍側としては最高の、人間側としては最悪のタイミングを図られた格好であろう。


「・・・結果が楽しみだな。」

「ええ。まぁ、これで決着がつく訳ではありませんが、少なくともこちらに有利な状況が作れる事でしょう。」


()()()()()()()()()()()()

サバルは、最後に言いかけた事を飲み込んでいた。


完璧な作戦がハマっている以上、今更ここで、盤面をひっくり返す事などありえないと思っていたからである。


それ故に、いくら慎重な意見とは言えど、あえてこの場面でこのセリフを言う必要性を感じなかったのかもしれないーーー。



◇◆◇



「こ、こんなっ・・・!!!」


伝令の報告から急ぎ物見櫓、所謂見張り台に向かったグエル達は、その場で信じられないものを目撃していた。


当然ながら、この場も大森林地帯に存在する施設であるから、周囲は森林に囲まれている。

もちろん、ある程度の見渡しは効く様に整備されてはいても、見晴らしが良いとは言えない状況であった。


が、それでも、周囲をぐるりと囲う様に、魔物の軍勢が侵攻しているのはハッキリと見えた訳である。


「へ、兵士の報告は本当ですっ!この場は魔物共に囲まれつつありますっ!」

「「「「「っ!!!」」」」」


グエルの悲鳴に近い言葉に、それまで半信半疑だった要人達も顔色をより一層青くした。


もちろん、防衛対策として周囲には堀や柵が設置されてはいるが、そんなものは気休め程度のものに過ぎない。

魔物達に一斉に襲われれば、すぐに壊されてしまう程度の代物なのである。


もちろん、平時であればそれも充分に機能を果たすのであろうが、魔物達が大挙として押し寄せる、とうイレギュラーが発生している以上、もはや彼らの命は風前の灯なのであった。


「な、なんて事だっ・・・!」

「急ぎ、お逃げ下さいっ!この場は我々が食い止めますっ!」

「無茶だっ!数が違いすぎますよっ!」

「ではどうすると言うのですかっ!ここで籠城を決め込んだとしても、壊滅は時間の問題ですよっ!?それなら、一か八か、あなた方が生き残る方に賭けるしかっ・・・!」


混乱する中、ラテス族側の司令官とグエル達が軽く言い争う。


状況は最悪だ。

しかも、この場には各方面の要人が集まっている状況でもある。


司令官としては、一か八か彼らを逃がす事こそ、今後の展開を考えた上では最良の選択肢だったからである。


一方でグエルからしたら、もはや逃げる逃げないという話ではなかった。

たとえこの場は上手く切り抜けたとしても、その後執拗に追撃される事は目に見えていた。


人間達に近い作戦行動は取っていても、彼らには人間の理屈が通用しない側面もある。


先程も述べた通り、追撃には追撃側にもそれなりのリスクやコストがかかるが、彼らにはその理論は通用しないかもしれないからである。


ならば、この場に留まり、彼らを少しずつ殲滅した方がまだ生き残るチャンスがあるかもしれないからである。


ある意味、どちらの意見も正論であり、しかし、どちらも突破口がない状況でもあった。

ある種、詰みの状況に近かったのである。


だが・・・。


「助太刀するぜっ!」

「この場はお任せ下さいっ!」

「「「「「!!!???」」」」」


そんなタイミングでセレウスとハイドラスが現れた事によって、また状況は分からなくなったのであったがーーー。



誤字・脱字がありましたら御指摘頂けると幸いです。


いつも御覧頂いてありがとうございます。

よろしければ、ブクマ登録、評価、感想、いいね等頂けると非常に嬉しく思います。

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ