集落にて
続きです。
◇◆◇
その後、サイファスの切羽詰まった表情に気圧されたアラニグラは、持ち直したとは言え、一時は死んでもおかしくなかったレヴァン、ついでに回復薬によって傷を癒したカル、ルークの休息も兼ねて、サイファスの住む集落に向かう事とした。
場合によっては、後遺症があるかもしれないので、その様子見といった側面もあった。
ここら辺は、カランの街に引き返すより、地形的にサイファスの住む集落の方が近かった事もある。
トロール討伐では、主に活躍したのはアラニグラとサイファスではあるが、カル達『ウェントゥス』も、地味とは言えアラニグラが仕事しやすいように陽動を引き受けたり、アラニグラの荷物を一時的に預かっていたりと、その働きは決して無視は出来ない。
それに、なんのかんの言いながらも、アラニグラもカル達には仲間意識が芽生えている。
それ故、そんな働きを見せたカル達の休息を兼ねた様子見を、比較的安全だろうサイファスの集落で過ごそうと考えた訳であった。
もちろん、サイファスの頼み事も気になったのは言うまでもないが。
「わざわざ立ち寄って貰ってすまないな、アラニグラ殿。それにアンタ達も。」
「いや、こちらとしても休息出来るのならばそれに越した事はないさ。」
「・・・けれど、よろしいのですか、サイファスさん?我ら人間族をあなた方の集落に入れるなどと・・・。」
「むしろ、それはこちらがお願いしている事だ。部族の者達も、事情を話せば分かってくれるだろうから、そこは心配しなくていい。」
「そうですか・・・。」
自分達と心理的に距離を置いていたサイファスを慮ってレヴァンがそう遠慮した様な言葉を述べるが、サイファスが良いというならば、これ以上彼らに言える事はなかった。
サイファスの住む集落は、“大地の裂け目”内にあるとは言え、やはり人間種が生活を営む以上、それなりにしっかりした、なおかつかなり大きい集落であった。
サイファスの案内で集落に到着した時に、まず外敵から身を守る為であろう、木材によって組まれた外壁がアラニグラ達の目に飛び込んできた。
「ここは、周りすべて魔獣やモンスターの棲みかだからな。この程度の外壁では、気休め程度にしかならんが、やはりあるとないでは大きく違うのだよ。」
「ま、そりゃそうだ。」
物珍しげなアラニグラ達の様子を察したのか、サイファスはそう解説した。
“仕切り”とは、空間や物事の間に隔たりを設ける事、すなわちそれによって区別したり分割したり互いの干渉を制限したりする事である。
外壁がある事によって、ある種の境界、バリケードの役割を果たす訳であるから、サイファスの発言通り、気休め程度とは言え、こうした物を設置するのは、精神的にも物理的にも至極当然の流れであろう。
アラニグラもそれが分かっているからこそ、そう相槌を打ち、その集落正面の出入口に近付いていった。
「お帰りなさいませ、サイファス様っ!!!」
「お務め、お疲れさまでしたっ!!!」
そこは、所謂見張りの詰所であった。
サイファスと同じく、多少青白い顔をしていて、エルフ族ほどではないにしても、多少尖った耳をしてはいるが、ほとんど人間族と変わらない印象を持つ青年二人が、軍人よろしく、直立不動でサイファスにそう声を掛ける。
「ああ、お前達もご苦労様。」
サイファスは、それに至極当然の事の様にそう受け答えた。
その事から、サイファスとこの青年二人の関係性が窺い知れる。
すなわち、サイファスが立場的に上、青年二人が下、といったところか。
「ところで、サイファス様。こちらの方々は・・・?」
一通りの挨拶が終わると、片方の青年が職務を遂行すべく、珍客であるアラニグラ達の存在をサイファスに尋ねる。
明確な敵意こそないが、警戒はしている様だ。
まぁ、見張りの役割から言えば、外部からの客は警戒すべき相手であろうから、そこはアラニグラ達も気にしなかった。
「彼らは、今回のトロール討伐に協力して貰った冒険者達だ。ヤツらの討伐自体は、彼らの協力のもとすでに終わっているが、その過程で少々傷を負ってしまってな。それ故、彼らに今夜の宿を提供しようかと考えて、お連れしたのだよ。」
「なるほど・・・。」
「し、しかし、サイファス様。彼らは人間族でしょう?その、今はあまり入れない方が良いのでは・・・?」
「それも含めた上での話だ。こちらの方は、どうやら回復魔法に精通している様だしな。」
「「な、なるほどっ!!!」」
「「「「「「???」」」」」」
サイファスが、アラニグラを示してそう説明すると、青年二人は納得顔でそう頷いた。
事情が飲み込めていないアラニグラ達は完全に蚊帳の外であったが、ここで下手な横やりを入れるのは悪手だと察していたのか、とりあえず黙って事の経緯を見守っていた。
「と、言う訳なので、中に入るぞ?長老達にトロール討伐の件の報告もせねばならんからな。」
「ええ、了解です。」
「失礼致しました、皆様。どうぞ、お通り下さい。」
「あ、ああ。」
話がついたのか、青年二人は警戒を解き、丁寧にアラニグラ達を中に誘った。
その様子に戸惑いながらも、アラニグラ達は青年二人に軽く会釈をしながら、集落の中へと足を踏み入れたのだった。
集落の中は、想像以上に普通の集落であった。
危険地帯の真っ只中にある事すら一瞬忘れるほど、牧歌的でのどかな風景が広がっていたのである。
「なんと言うか、案外普通の集落なのですね・・・。」
「アンタらが何を想像したかは知らんが、俺達も一応人間だからな。確かに、文化的にも技術的にも帝国には劣るかもしれないが、普通に農作物を育てたりもするさ。もちろん、狩りもするがな。」
「そ、そうですよね・・・。」
レヴァンの呟きに、サイファスがそう反応した。
それに、レヴァンはバツの悪そうな表情を浮かべながら、そう言葉を返した。
ここら辺は、所謂“教育”の弊害である。
レヴァン達、帝国出身者は(もちろん、他の人間族も多かれ少なかれそうだが)、他種族に対するネガティブなイメージを植え付けられている。
帝国、あるいはライアド教側からすれば、他種族は野蛮なイメージでなければ、彼らの提唱する教えに反するからである。
むしろ実際には、単純な身体能力、魔素との親和性の高さなどを鑑みれば、他種族の方が、遥かに人間族より優れた種族なのであるが、まぁ、こうした現象はえてしてどの世界でも起こり得る事である。
そのレヴァン達からしたら、獣人族であるサイファスの集落が、実は自分達人間族と大して変わらない暮らしをしている事が意外だったのである。
「まぁ、良い。とりあえず、まずは長老達への報告が先だ。その後、アンタらの休める場所に案内する事となるが、それでも良いか?」
「え、ええ。今のところ、身体に問題はありませんよ。皆はどうだ?」
「大丈夫っすっ!」
「同じく。」
「俺らは平気だ。」
「ええ、問題ありません。」
「俺も大丈夫だぜ。」
「そうか。ではすまないが、しばらく付き合ってくれ。」
そう短く確認すると、サイファスはアラニグラ達を先導していった。
途中、サイファスの集落の者達に物珍しげな様子で見られる事はあったものの、不思議と敵意の様なものは感じなかった。
“大地の裂け目”内の獣人族と、ロンベリダム帝国(人間族)は関係性が悪い事もあって、その事には多少違和感があったが、それでも、いらぬトラブルに巻き込まれずに済むならそれに越した事はない。
それ故、アラニグラ達はその事を特に気にせず無言でサイファスの後に続いた。
集落のちょうど真ん中らへんに、一際立派な建物が存在した。
何からの宗教的施設の様にも見えるが、それに関してはアラニグラ達には知識がなかったので、その正体については詳しく分からなかった。
サイファスがその建物の中に入っていくと、少し躊躇しながらも、アラニグラ達もその後に続く。
中に入る時に、サイファスから目配せがあったからである。
「サイファス・アルカード、只今任務を終え帰還致しました!」
「うむ、ご苦労であった、サイファス。報告を聞こう。」
「ハッ!!!」
中には、サイファスと同じ様な見た目ながらも、それ相応に歳を取った男性が数名、そこに鎮座していた。
と、言っても、サイファスの“長老”発言とは裏腹に、その場に居た男性達の年齢は50代そこそこであり、そこまでの高齢者といった感じではなかったが、この世界の平均寿命を鑑みればそれも不思議な話ではなかった。
サイファスが、朗々とトロール討伐についての説明をする。
「うむ、トロール討伐は滞りなく済んだ様だな?」
「ハッ!」
「・・・して、そちらがトロール討伐にご協力頂いた人間族の冒険者の方々という訳であるな?」
「そうで御座います。」
「・・・こう言っては何だが、何故お連れしたのだ?その方々に思うところがある訳ではないが、我らと帝国は敵対関係にある。無用な揉め事は、なるべくならば避けるべきであろう?」
「おっしゃる事は私も分かっておりますが、こちらの者は回復魔法に精通している様子。実際、先程はあえて報告しませんでしたが、トロール討伐時にこちらの者は、私の目から見て、ほぼ助からないだろう傷を負いましたが、彼の回復魔法により、この様に一命を取り留めております。」
「な、なんだとっ!?」
「と言う事は、この者はライアド教の関係者かっ!?」
にわかに殺気だった長老達に、アラニグラは戸惑いながらもそれを否定した。
「お、俺はライアド教とは関係ないですよ。それどころか、帝国出身者ですらありません。」
「な、なんだとっ!?」
「彼の言葉は、どうやら本当でしょう。もし、彼がライアド教関係者であれば、我らに対し敵意や侮蔑などといった感情を向ける筈ですが、それもありませんしな。」
「う、うむ・・・。それは確かに・・・。」
「と、なると、本当に野良の回復魔法使いという事か・・・?」
「我らの占術では、人間族に協力を求めるのが吉と出ていたが・・・。」
「うむ、もしや、この事を指しておったのかもしれんな・・・。」
しばし、アラニグラ達には分からない話し合いをヒソヒソと長老達は行った末に、サイファスが確認の言葉を述べる。
「そういった訳でして、しばらくご滞在頂く為に彼らをお連れ次第です。よろしいですよね?」
「それはもちろんだともっ!」
「これで、諸問題に解決の道筋が見えたというものだからなっ!」
「大変失礼した、人間族の冒険者の方々。あなた方の来訪を、我らダルケネス族一同、心から歓迎致しますぞっ!」
「は、はぁ・・・?」
「ど、どうも・・・?」
先程とは一転して、熱烈な歓迎を受けた事に戸惑いながらも、アラニグラ達はそう曖昧に返事を返すのだった。
長老達との面談をサクッと終わらせたサイファス達は、その後その建物を出て、再び歩き出した。
「さて、わざわざ付き合って貰ってすまなかったな。しかし、長老達の理解も得られたので、これでアンタらは正式なこの集落の客人となった訳だ。」
「いや、構わないさ。っつか、長老ってのは、この集落の代表者ってところだろ?そんな方々に俺達が会っても良かったのかね?」
「いや、対外的な代表者は俺だ。何せ、一応俺はこの集落の族長なんでね。ただ、実質的な決め事をするのは長老達なんで、その辺は結構曖昧なんだけどな。」
「ま、マジかっ!?」
サラッと語られる衝撃の事実にアラニグラ達は驚愕した。
しかし、同時に納得もしていた。
なるほど、だから見張りの青年二人もサイファスにああした態度を取っていた訳だし、アラニグラ達を連れてくるという判断も独自で出来た訳だ。
昔の向こう世界でも、若者が一族などを率いる事はよくある事だ。
まぁ、実際にはその裏に御意見番的な存在がいるので、実質的なトップではあっても絶対的権力者ではなかったりするものだが。
「こ、これは失礼した。」
「あ、いや、態度を改める必要はないさ。アンタらにはあまり関係のない話だしな。」
「そうか・・・?まぁ、アンタが良いと言うなら、今まで通りでいかせて貰うわ。しかし、って事は、族長自ら、トロール討伐に赴いたって訳かい?案外、大変なんだなぁ~。」
「まぁ、少々事情があってな。集落の若手達は今は動かせなかったんだよ。それに、長老達の占術によって、人間族に協力を求めよ、と言われていたからな。」
「・・・なるほど。」
アラニグラは納得した。
政や、その他決め事をする上で、所謂“占い”を用いる事は意外とよくある話だ。
向こう世界でも、古代は所謂“占い師”が国のトップだった伝承もあるし、都市計画なんかでも、風水などの技術を参考にしたなんて逸話もあるくらいだ。
サイファスの部族も、そうした形態を持っているのだとアラニグラは思った。
「さて、無駄話はこれくらいにして、アンタらの宿、まぁ、この集落に宿屋なんて上等なモンはないが、俺の家に案内するよ。」
「あ、ああ。分かった。」
「「「「「お帰りなさいませ、サイファス様っ!」」」」」
「ああ、ただいま。ああ、こちらの方々は・・・。」
「はい、長老達から知らせを受けております。ようこそ御越し下さいました、皆様。アルカード家一同、あなた方を心から歓迎致します。」
「そうか、流石に情報が早いな。ならば、よろしく頼むぞ。失礼のない様にな。」
「「「「「はいっ!!!」」」」」
「お、お世話になります。」
サイファスの家は、族長の名に恥じぬ立派なものであった。
ここが“大地の裂け目”内である事を一瞬忘れるくらいである。
まぁ、流石に帝国内の貴族の館に比べると見劣りしてしまうが、そこら辺の下手な宿屋よりかは遥かに広く、部屋の数も多そうである。
サイファスの家人らしき者達に歓待を受けるアラニグラ達。
先程から感じていた事ではあるが、どうやらサイファスの部族は、美形が多い様だった。
カル達も、当初は獣人族の部族という事もあって多少警戒していたのだが、美しい女性達にもてはやされれば、悪い気はしなかったのか、今や警戒感は皆無であった。
まぁ、そこら辺は、悲しい男の性質というものだろう。
あれよあれよという間に、アラニグラ達はそれぞれ個別の部屋に通される。
アラニグラ達の人数分の個室を割り当てても、なおも部屋数が余っているところからも、サイファスの家の大きさが分かるというものだろう。
アラニグラは、通された部屋で一人一息吐いていた。
なんだかんだいって、今日は色々あったのだ。
カランの街でトロールの討伐依頼を受けて、その後サイファスと知り合い、その足でトロール討伐に赴く。
トロール討伐自体は、主にアラニグラとサイファスの活躍によって滞りなく終わったが、その過程でカル達が傷を負う事態となり、それを治癒して、サイファスに回復魔法使いであると勘違いされ、流されるままサイファスの集落に連れてこられる。
いや、まぁ、カル達、特にレヴァンの事を考えると、その選択は間違いではなかったのだが、何せ、もう日が暮れる頃合いだ。
トロール討伐完了を報告する必要があるものの、一時は死ぬ寸前までいったレヴァンを引き連れて、カランの街に引き返すのは多少不安が残る。
それ故、サイファスの提案に乗ったアラニグラであったが・・・。
「どうすっかなぁ~・・・。」
サイファスの誤解をどうするか、頭を悩ませていた訳である。
確かに【復元】は、ある意味では回復魔法的な効果を発揮する魔法ではあるが、厳密には回復魔法ではない。
アラニグラ自身はこれまでそんな傷を負う事はなかったし、この世界に来てから【復元】を試みたのは、実はカウコネス人達に襲われた少女を救う時と、今回のレヴァンの件だけなのである。
どちらも、少女の場合は断言出来ないものの、日をまたいだ感じではなかったし、レヴァンの場合は言わずもがな。
故に、戦闘開始状態の定義が分かりやすく、更には時空間に干渉するレベルではなかったのである。
それ故に、戦闘開始状態、すなわち健常な状態に戻す事が出来たが、サイファスのいう“治して貰いたい者達”にもそれが通用するのか分からなかったのである。
仮に、ウルカやククルカンの様に、アラニグラが本当の“回復魔法”を持っていればまた話は違ったのであるが・・・。
「この部屋はいかがかな、アラニグラ殿?」
「あ、ああ、サイファスさんか・・・。」
気が動転していたのか、閉め忘れ少し空いた部屋のドアを軽くノックし、サイファスが訪ねてきた。
おそらく、先程の話の続きだろう。
アラニグラはそう察した。
「さて、とりあえず落ち着いたところで、少し早いが夕食の用意があるそうだ。で、それが済んだら、アラニグラ殿には少し付き合って貰いたいのだが・・・。」
やはりか・・・。
「ああ、さっきの、“治して貰いたい者達”云々ってヤツだろ?けど、サイファスさん。俺は、別に回復魔法が使える訳じゃ・・・。」
「・・・では、先程の・・・レヴァンだったか、の傷が治癒したのはどういう事だい?」
「いや、まぁ、それは・・・。」
アラニグラは返答に窮した。
もし仮に、サイファスが向こうの世界のゲームという概念を知っていれば、あるいは魔法技術に精通していれば、アラニグラが扱った魔法の詳しいメカニズムを理解する事が出来たかもしれないが、残念ながらサイファスはアラニグラが『異世界人』である事も知れなければ、向こうの世界についての知識もないし、魔法技術についての知識も専門的なものではなかった。
故に、アラニグラが扱った魔法を回復魔法だと誤解していたし、それについてサイファスに説明するのも困難だった訳である。
だが、サイファスは何かを察したのか、言葉を続ける。
「・・・失礼した。人には言えない事もあるだろう。だが、アンタが扱う魔法が何であれ、俺達は本当に困っているのだ。とりあえず診て貰うだけでも、お願い出来ないだろうか?この通りだっ!」
「サイファスさん・・・。」
サイファスは、ライアド教が回復魔法を独占している事は知っていた。
それ故、アラニグラが言葉を濁していたのは、ライアド教に自身が回復魔法を扱える事を知られたら厄介だと考えた故の事だと勘違いしたのである。
確かに、モグリの回復魔法使いが存在すれば、ライアド教からしたら厄介な存在だろう。
何せ、場合によっては、自分達の優位性を脅かす存在だからである。
それ故、場合によってはその存在を抹殺されかねないし、そうでなくとも、その力をライアド教に取り込もうと暗躍するかもしれない。
どちらにせよ、アラニグラの自由が侵害される事態となる。
それ故に、アラニグラが言葉を濁しているのも理解出来たのである。
まぁ、先程も述べたが、それはサイファスの勘違いなのだが、そこを曲げてお願いする、と真摯に頭を下げられては、アラニグラも心を動かされる。
アラニグラからしたら、ただ単に自信がない、ってだけの事だからである。
故に、
「・・・分かった。物は試しだ。とりあえず、診てみるだけ診てみるよ。」
「おおっ、ありがとう、アラニグラ殿っ!何、心配はいらない。この事は決して誰にも言わないさっ!!!」
「あ、ああ・・・。」
そうアラニグラが応えると、サイファスはアラニグラの両手を掴み、ブンブンと振り回し喜びを爆発させる。
その期待した眼差しに多少不安は残しつつも、やれるだけやってみるか、とアラニグラは思ったのだったーーー。
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