アラニグラとサイファス
続きです。
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突然だが、アラニグラはファンタジーな世界観であるこの世界にやって来たというのに、今のところ鬼人族やエルフ族、ドワーフ族や獣人族といった他種族を見た事がなかった。
これは、ロンベリダム帝国がライアド教、特にハイドラス派の影響を強く受けているからである。
ライアド教の教義では、人間族が(ハイドラスを除くが)この世界で一番上に君臨する存在であり、他種族は劣った種族だと信じられている。
もちろん、これについては懐疑的な意見もあり、実際ライアド教内でもその解釈について、疑問を呈している者達もいる。
だが、ある種の選民思想を刺激するには都合の良い解釈でもあり、それをそのままライアド教では人々に教えとして布教していたりする。
そんな背景もあり、ロマリア王国でもあった様に、他種族、特にエルフ族の人権をまるっと無視して、劣った種族である他種族を優れた種族である人間族が管理するべきである、などという頭の悪い理論によって、彼らを奴隷とする口実としていたりした。
もっとも、昨今のロマリア王国では、そうした風潮や文化は急速に見直されている。
これは、アキトらの活躍によるモノであるが、しかし、残念ながらそれはまだまだ一部の地域に限った話なのである。
実際、ライアド教、特にハイドラス派の本拠地でもあるロンベリダム帝国ではその教えが潔癖なまでに徹底されており、奴隷といつ立場ですらこの地に他種族を入れる事を拒んで来ている。
故に、少なくともロンベリダム帝国内においては、他種族は(公式には)存在しなかったのである。
(もちろん、表があれば裏もある訳で、いくらルキウスが強大な権力を有していようとも、ロンベリダム帝国の暗部には奴隷として他種族が売買されていたりもするのであるが。
もっとも、アラニグラが強力な力を有しているとは言え、元々一般人である彼が裏の世界と関わりになる事はこれまでなかった。
それ故、アラニグラは他種族の存在する世界だというのに、今日まで他種族を実際に見た事がなかったのであった。)
さて、そんなアラニグラが、他種族を見てみたいと思うのは、ある種自然な流れであった。
何故ならば、彼のいた世界では、他種族という存在は空想上の存在に過ぎないモノだったからである。
せいぜい、マンガやアニメ、ゲームに登場する程度であり、そんな存在が実際にいる世界に来たのならば、一度は生で見てみたいと思うのは、これはオタクならば当然の反応とも言える。
しかも都合の良い事に、今現在の彼は冒険者として自由に動ける立場であり、なおかつロンベリダム帝国からさほど遠くない土地(“大地の裂け目”)に他種族(獣人族)がいるとの情報を聞けば、彼がそこに赴くのは当然の流れだったのである。
まぁもっとも、その結果として、中々厄介な事に巻き込まれてしまったのは、彼にとっても想定外の事であったのだがーーー。
・・・
トロールとは、向こうの世界の北欧の国、特にノルウェーの伝承に登場する妖精の一種である。
北欧ではトロルド、トロールド、トラウ、トゥローと呼ばれる。当初は悪意に満ちた毛むくじゃらの巨人として描かれ、それがやがて小さい身長として描かれている。
変身能力があるのでどんな姿でも変身できる。
どのような存在であるかについては様々な描写があり、一定しない。
ただし、鼻や耳が大きく醜いものとして描かれることが多い。
別格のトロールたちには二つまたは三つの頭がある。
一般的なトロールについてのイメージは、巨大な体躯、かつ怪力で、深い傷を負っても体組織が再生出来、切られた腕を繋ぎ治せる。
醜悪な容姿を持ち、あまり知能は高くない。
凶暴、もしくは粗暴で大雑把、というものである。(某用語辞典から抜粋)
また、伝承の他には、創作物、特にゲームなんかではお馴染みのモンスターだったりする。
もちろん、そのゲームによってもその扱いや描写は様々ではあるが、おおよそ一般的なイメージである、巨大な体躯を持ち、かつ怪力で再生能力に優れており、その一方で醜悪な容姿を持ち、知能はあまり高くない、といった類似性や共通性があったりする。
そして、このモンスターは、この世界においても存在するのである。
この世界のトロールは、非常に危険性が高い、凶悪なモンスターとして知られている。
何故ならば、先程の一般的なイメージにほぼ合致する存在だからであり、彼らの持つ怪力は、いくら達人や強者と呼ばれる存在であっても、マトモに彼らの攻撃を受けてしまった場合、ほぼ即死してしまうからである。
故に、彼らを安全に討伐したい場合、遠距離からの攻撃に専念するのがもっとも効果的なのだが、ここで上記の再生能力が邪魔をする事となる。
もちろん、彼らも生物である以上、弱点となる部分(例えば頭や心臓など)も存在するのであるが、逆にそれ以外の場所に当たったとしても、通常ならば致命傷であるモノが致命傷ではなく、逆に彼らの攻撃性を増す事態になりかねないのである。
現状では、トロールを討伐する有効な手段としては、接近戦で弱点に対して正確な一撃必殺を繰り出せる技量か、遠距離から正確に弱点を射抜く狙撃技術、あるいは彼らの再生能力を遥かに越えるダメージを常に与え続ける方法(弓矢による物量攻撃とか毒、魔法攻撃によるスリップダメージ、例えば火傷や凍傷など)が挙げられる。
しかも、これはトロール一体に付きの計算である。
これが、大群として現れた場合、その難易度は更に跳ね上がる。
ハッキリ言って、よほど腕の立つ冒険者でなければ、これは赤字も良いところだ。
何故ならば、リスクやコストは高く付く割に、それとクエスト料が見合っているとはとても言えないからである。
こうした理由もあり、よほど腕の立つ冒険者でなければ、トロールの討伐は忌避されており、言わば不人気クエストの一つだった訳である。
もっとも、冒険者ギルド側としては、トロールの討伐依頼があった場合は、速やかにそれをクリアしておきたい事情もある。
何故ならば、トロールはその巨大な体躯に見合った大量の食糧を必要とするからであり、しかも雑食であるから、人間族や他種族、他の魔獣やモンスターはもちろん、野生動物や植物、薬草類なんかも、食べられるモノは何でも根こそぎ食べてしまう習性があるからである。
魔獣やモンスターの中には、素材として優秀なモノも多いし、貴重な薬草類が軒並み食い尽くされてしまうのは、冒険者としても冒険者ギルドとしても、非常に困った状況になる。
故に、ゴブリンと同様に、トロールは厄介者として、目撃情報があり次第、討伐する事を冒険者ギルドとしては推奨しているのであった。
で、そんな厄介者であるトロールが、“大地の裂け目”で大群を成して暴れまわっているとの目撃情報が出た訳である。
これは、“大地の裂け目”を生活圏としている獣人族にとっても、“大地の裂け目”の森の恵みによって生業を得ているカランの街の住人、特に冒険者ギルドにとっても死活問題になりかねない状況であった訳である。
故に、公式的にはロンベリダム帝国側とは敵対している“大地の裂け目”の住人である獣人族達ではあるが、非公式ながら、カランの街の冒険者ギルドに、密かにトロール討伐の助力を求めたのである。
もちろん、冒険者ギルド側としても、それを野放しに出来ない事もあって、それを密かに承諾したのである。
まぁ、ここら辺は、利害の一致と共に、ロンベリダム帝国側や獣人族側との事情はともかく、カランの街の冒険者ギルドとしては、自分達の利益の為にも、裏で獣人族と繋がりを持っておいた方が何かと都合が良い側面もあっての判断であるが。
とは言え、実際には冒険者ギルド側としては、その人選に難航していたのが本当のところであった。
上記の事情もあって、獣人族側からの依頼を二つ返事で了承した冒険者ギルド側であったが、それを引き受けてくれる冒険者達がいなかったのである。
いや、すでに言及した通り、トロール単体であった場合ならば、ベテラン勢が多く集まるカランの街の冒険者ギルドならば、それを討伐出来る者達はいくらでもいた。
しかし、先程も述べた通り、それが数体、数十体で徒党を組んでいた場合は、その難易度はとんでもなく跳ね上がる。
ベテラン勢は、その実力もさる事ながら、もっとも優れている点は損得勘定と危機管理能力である。
ギルド長自ら有能な者達にトロール討伐のクエストの依頼の話を持ち掛け、美味しい話かと彼らは耳を傾けるのだが、実はそれが大群で現れたと聞くや否や、即座に断われたのである。
更には、ベテラン勢の厄介な点は、横の繋がりも強い事だ。
誰かに話が行けば、その内それは瞬く間に冒険者同士で共有される事となる。
それ故に、新たに話を持ち掛けたところで、それらも軽く断られる事となってしまい、ギルド長としては頭を抱える事態となっていたのだった。
だが、実際にはこれはベテラン勢の仕掛けた作戦であった。
本来ならば、トロールの大群が出たとなると、皆一丸となって立ち向かうべき緊急事態なのである。
しかし、実際には、そこまでの危機意識は彼らには薄かった。
これは、実はどうとでもなる事態に過ぎないからである。
と、言うのも、先程も述べた通り、確かに大群となると難易度はとんでもなく跳ね上がるが、ならばこちら側も徒党を組めば良いだけの話だからである。
実際、ベテラン勢からしたら、トロールの一体やそこらならば、一つのパーティーで事足りる程度の仕事である。
しかし、一つのパーティーでは、トロールの大群と渡り合うのは難しい。
が、それが分かった上で、冒険者ギルドは個々のパーティーに話を持ち掛けているのである。
これは、冒険者ギルドが、もちろん、昨今では公共性の高い団体とは言え、あくまで営利を目的とした団体だから故の事である。
当然ながら、冒険者ギルド側からしたら、少しでもコストを抑えるのは、自分達の利益率を上げる上では当然の措置である。
故に、冒険者に無茶な事を押し付ける事もしばしばある。
実際、特に若手冒険者や駆け出し冒険者は、そうした裏事情を知らずに、素直に額面上の価格でクエストを受けてしまう事も多い。
その浮いた部分は、冒険者ギルドの懐に入るとも知らないで。
だが、ベテラン勢はこうした事を熟知している。
故に、こうした交渉事などにおいて、ふっかける事もしばしばある。
今回の事例は、複数のパーティーに同じ依頼を受けて貰えばそれで済む話なのである。
しかし、上記の通り、冒険者ギルドはコストを抑える上で、一つのパーティーに受けて貰えればラッキーであると考えた。
故に、通常とは異なり、ギルド長自ら話を持ち掛ける“指名”という方策を取った。
しかし、これは冒険者側からしたらありえない事態だ。
事の重大性を鑑みれば、複数のパーティーと合同で行うべき事態である事を即座に看破。
更には、冒険者ギルド側の思惑も理解した上で、それを断わったのである。
つまり、複数のパーティーと合同で安全にクエストを行う事、それに加え、複数のパーティーにそれなりの利益が行き渡る事を暗に訴えた訳である。
まぁ、一般市民からしてみれば、そんな内輪揉めをしている場合ではないのだが、こうした事態だからこそ政治的駆け引きに打って出る事もよくある話である。
実際、冒険者側からしたら、命のやり取りをするのは自分達なのである。
それ故に、それに見合う報酬を要求するのは、これは当然の権利であった。
で、最終的には冒険者ギルドが折れて、晴れて複数の冒険者パーティーでこの異変解決に乗り出す、その一歩手前まで来ていた時に、アラニグラとその仲間達が現れてしまったのであるーーー。
・・・
以前にも言及したが、アラニグラやその仲間であるティアら『異世界人』達は、テポルヴァ事変の折りに派手に活躍してしまった影響で、その示された力を恐れたルキウスらの懐柔策によって、『神の代行者』として英雄に祭り上げられている。
もちろん、一般市民にもその名は知れ渡っているが、そうした人々にとってはあまり関わりのない、雲の上の存在であった。
だが、戦いに身を置く者達にとっては、彼らの存在はより身近な存在であった。
何せ、場合によっては協力を要請する事があるかもしれないし、また場合によっては、自分達の食い扶持を奪っていくかもしれない厄介な存在でもあるからである。
そうした事もあって、冒険者などの一部界隈では、彼らの名と容貌を記した似顔絵などが出回っていたりしたのである。
故に、カランの街の冒険者ギルドのギルド長は、アラニグラの顔を見てすぐにピンと来たのである。
噂の『神の代行者』が、ウチの街に現れた、と。
そして、すぐに彼らにトロール討伐のクエストを持ち掛ける。
ここら辺は、冒険者側の思惑を阻止する狙いもあったのだ。
もし仮に、アラニグラの存在に気が付いた冒険者がいたら、彼を自分達の味方に引き込まれる可能性が高いからである。
それに、もし仮に、アラニグラが噂通りの使い手なのであれば、単独パーティーで余裕でクエストを受けてくれる目算が高いのである。
もちろん、実際にはアラニグラが冒険者側の事情に詳しく、このある種の冒険者ギルド側と冒険者側の駆け引きを即座に看破し、冒険者側の味方をする可能性も高かったが、ギルド長には幸いな事に、アラニグラとその仲間達は、まだそこまで冒険者達と冒険者ギルド側との対立構造を理解してはいなかったのである。
それに、アラニグラからしたら、トロール程度はいくら束になっても相手にならない実力差がある。
故に、ベテランとは言え、一般の冒険者達とアラニグラとの間に認識のすれ違いがあった事も否定は出来ない。
まぁ、そんな事もあって、余計なコストを支払う事なく、アラニグラとその仲間達のパーティー単独にクエストの依頼を取り付る事に成功したギルド長はホクホク顔であった訳である。
冒険者側は、後からやって来て、水面下の交渉を台無しにしたアラニグラ達を快く思わなかった者達もいたが、同時にアラニグラの正体にも気付いていた為、その不満も表に出す事はなかったのである。
先程も述べた通り、ベテラン勢は、その実力もさる事ながら、もっとも優れている点は損得勘定と危機管理能力である。
アラニグラと敵対するリスクを考えたら、今回の件は黙認する事が最善策である事を理解していたからであるーーー。
・・・
「クエストを受けて頂いてありがとうございます!では、詳しい事は、こちらの方に聞いて下さい。」
トロール討伐の指名クエストを引き受けたアラニグラ達は、その後依頼料などを詰めてから、ややあってギルド長からそんな言葉を聞いていた。
「「「「「???」」」」」
アラニグラ達とギルド長以外、その場には誰もいなかったので、アラニグラのパーティーメンバーであるカル達は疑問符を浮かべていた。
だが、アラニグラのみ、その人物の気配を正確に察知していた。
「了解しました。じゃあ、そこの君。どうやら随分お待たせしてしまった様だね?」
「・・・これは驚いた。俺の気配を察知していたのか・・・?」
アラニグラがそう水を向けると、誰もいなかった空間に、一人のフードを被った人物が、驚いた様な声を発しながら現れたのだった。
顔はよく見えないのだが、少なくとも声色からは成人男性である事が窺い知れる。
「まぁ、正直に言うと、ギルド長殿がそう言ったから、ようやく確信したんだけどね。まぁ、違和感は最初から感じていたんだけど、ね。」
「ふむ、なるほど・・・。ギルド長。確かに待たされた甲斐があったかもしれんな。彼は相当な達人の様だ。」
すると、そのフードの男性は、おもむろに被っていたフードを脱いで、その素顔を露にした。
そこに現れたのは、特に何て事はない青年の姿があった。
いや、その容姿はかなりの美形であるし、多少青白い顔をしていて、エルフ族ほどではないにしても、多少尖った耳をしてはいるが、ほとんど人間族と変わらない印象を持つ青年であった。
わざわざ素顔を隠すほどのモノなのだろか?と、アラニグラは軽く疑問に思ったのだが、カル達の反応は別であった。
「ま、まさかっ・・・!?」
「じゅ、獣人族っ・・・!!!???」
「・・・・・・・・・はっ???」
カルらの言葉に、今度はアラニグラが疑問符を浮かべる番だった。
獣人族・・・?
これの何処が・・・???
アラニグラのイメージでは、獣人族と言えばケモ耳・尻尾付きであると考えていたのだが(実際、ヴィーシャなど、そうした特徴を持つ者達もいるが)、目の前の青年は、そのイメージとは合致しなかったからである。
どちらかと言うと、自身の厨二病全開のこだわりから作成した仮の姿である自分に近しいニオイを感じるところから、むしろ“魔族”って言われた方が、まだアラニグラとしては納得出来たかもしれない。
「ふん。そう言われるのはあまり好きじゃないが、まぁ、その通りだ。」
「彼はサイファス殿です。獣人族の、我々の協力者ですよ。」
「勘違いするな、ギルド長。我々はあくまで利害が一致しているだけに過ぎん。俺達は、貴様ら人間族と馴れ合うつもりはない。」
そんなやり取りを眺めながら、アラニグラは何となくその青年、サイファスに勝手にシンパシーを感じていた。
と、いうのも、何となくサイファスが、自分と同じ厨二病に属していると感じたからである。
向こうもそう感じたのか、あるいは、自身の隠行を看破したからかは分からないが、ギルド長への態度とは違い、アラニグラには一定の敬意を払って挨拶をした。
「サイファス・アルカードだ。よろしくな。」
「こちらこそよろしく。アラニグラだ。」
自然と握手を重ねる二人。
「君がトロール討伐の依頼を?」
「そうだ。本来ならば人間族などには頼らんのだが、今回は状況が状況だからな。カランの街の者達にとっても、“大地の裂け目”は重要な土地だ。故に、一部利害が一致する事もあって、応援を依頼する事としたのだ。ただまぁ、思いの外待たされて、少々辟易していたのだがね。」
「・・・なるほど。」
ウンザリした様なサイファスの様子から、かなり待たされた事が窺い知れた。
人選に難航したんだろうな、とアラニグラは、半分当たり、半分外れの答えを己の中で結論付けた。
「ならば、すぐに仕事に取り掛かるとしよう。」
「それは・・・、もちろんこちらとしては有難いが、良いのか?」
サイファスからは、アラニグラはともかく、少々頼りなさそうな印象を受けるカル達をチラリと見やりながら、そう呟いた。
確かに、事前準備やら休息やらはしっかり取っておいた方が良いだろう。
だが、今回のクエストは、トロール討伐であり、なおかつ、その案内人はサイファスが務めてくれるという事で、ぶっちゃけるとアラニグラ達にはせいぜい装備品や消耗品の確認程度で、他に行える事はなかった。
常日頃、旅には慣れっこであったし、アラニグラがいれば何とでもなるだろうとカル達は考えていた。
「少々、食糧などの買い出しは必要ですが、それ以外は特に問題ありませんよ、アラニグラさん、サイファスさん。」
「何時でも行けますっ!」
「・・・だ、そうだ。」
「そうか・・・。」
故に、そのサイファスの懸念に自信満々にそう請け負った。
「ならば、すぐに出発する事としよう。」
「了解した。」
「「「「「了解っ!!!」」」」」
「よろしくお願いしますよ、アラニグラさんっ、皆さんっ!」
こうして、ギルド長に見送られながら、アラニグラとその冒険者パーティー『ウェントゥス』は、サイファスと共に“大地の裂け目”の深い森の中へと旅立って行ったのだったーーー。
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