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清楚な幼馴染なんて存在するはずがない!  作者: えすけ
恋のあらし吹く文化祭編
72/177

68 雑貨屋にて

 駅前の大型雑貨屋に着くと、平日にもかかわらず、そこそこ客が入っていた。

 さすが人気の店だ。ここにこれば雑貨はもちろん化粧品や時計、文房具など全て揃っている。

 100円ショップほど安くはないが、品質と独自性は確かなものである。

 入ってすぐの1階にはアクセサリーも売っていた。


「なみっち! これ見てよ!」

「わー綺麗!」


 彼女たちが目を奪われたのは、照明が当てられキラキラと輝くダイヤモンドの指輪だった。

 こんなものまで売っているのか……。

 価格は5万円か。


「あっ、こっちの指輪すごい綺麗!」


 秋葉が指差す先にある一段と輝くダイヤモンドの指輪はなんと20万近くもした。

 高い! 正直、何がいいのかさっぱりだ。

 俺の隣で山内もつまらなさそうにしている。


「山内も興味ないのか?」

「そうだね。何がいいのか……」


 そんなつまらなさそうにしている俺たちに向かって笹川はビシッと指差した。


「男子諸君! これは由々しき問題だ!」


 俺と山内は一斉に首をかしげた。


「私たち女子はアクセサリーが好きなんだ。特に好きな人からプレゼントされた物だったら、一生大切にするはず! 少しは興味を持ったらどう?」


 ほー。そうなのか。

 今度里沙にプレゼントしてみようかな。


「な? なみっち?」

「え? そ……そうだね。好きな人からもらったらどんな物でも嬉しいけどね」

「さすがなみっち。分かってる〜!」


 アクセサリーコーナーを後にすると、次は掃除グッズコーナーへ向かった。

 あれ? 俺たちって装飾品を買いに来た気がするけど。


「笹川さん? そっちは掃除グッズの方だけど?」

「いいじゃん! せっかくなんだから全部見ていこうぜー!」


 笹川は山内の腕に自分の腕をガシッと組んで引っ張った。


「ほらほら〜。女の子とデートだぞ〜?」

「うわ! 急に危ないじゃないか」


 そんな強引な腕組みがあっていいのか。

 これじゃあ山内は連行されている犯人みたいだ。


「あはは! 真美ちゃんってすごく自由だね」


 秋葉は大笑いするのを堪えているかのように口に手を当てながら笑っていた。


「あの2人……。意外とお似合いかもしれんな」

「イケメンとハーフ美少女って、もう無敵だね」

「あの2人の場合、表面だけはいいな」

「そうかな? 2人ともいい人だと思うな」

「特に山内な。あいつは残念なイケメンだよ」


 俺たちも後に続き、掃除グッズを吟味していると思いのほか秋葉は興味津々だった。


「あれ? そんなに真剣に見て何か買っていくのか?」

「うん。これ見てよ。このスキマッチ棒ってやつ」


 秋葉は少し長めの箱に入ったスキマッチ棒とやらを手に取ると、俺に手渡した。

 何々……。このスキマッチ棒を使えば手の入らない隙間の埃を楽々キャッチ。

 へぇ〜。便利な道具だな。箱に載っている写真を見ると長いマッチ棒の形をしており、先端で埃を取って使うみたいだ。


「お掃除は欠かせないね。やっぱり綺麗が1番だよ!」

「お! 家庭的だねー」


 いつの間にか笹川と山内が俺たちの真横にいた。


「なみっちは料理が得意で掃除も好き。まさに家庭的な女の子! これはほっとけないですね〜?」


 笹川は俺の方を見てニヤニヤしていた。


「な……何だよ?」

「えー、とぼけちゃって」

「えっと……つまり鈴木君の好きな人は関野さんじゃなくて秋葉さんってこと!?」


 山内まで言うか。

 秋葉は無言でモジモジしてるし。

 これ以上話を深めるとややこしくなる。


「さ! 早く装飾品を買いに行こう!」

「あ! ごまかしたなー!」


 こうして俺たちは、ようやく目的の装飾品の売っているコーナーまでたどり着いた。

 全く。油断も隙もあったもんじゃないな。


続く

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