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清楚な幼馴染なんて存在するはずがない!  作者: えすけ
恋のあらし吹く文化祭編
71/177

67 放課後の一枚

明日12/24(日)も更新できません。

再開は12/25(月)です。クリスマスです。

「やあ、鈴木君。買い物の手伝いをしてくれないかな?」


 俺がSF研究部へ向かおうとした矢先、山内が爽やか笑顔で頼んできた。


「文化祭のか?」

「そう! 1人じゃちょっと大変でさ」

「もちろんいいぜ」


 山内の頼みは断れない。

 残念なイケメンだが、なんだかんだ言っていい奴だ。

 俺の大切な友達の1人である。


「あ! 面白そうー! 私も行く!」


 笹川は俺たちの会話を聞きつけ飛んできた。

 その後ろで秋葉もこちらを無言で見つめながら、行きたいオーラを出している。


「じゃあ僕たち4人で行こっか」


 俺は佐々木部長と里沙に部活動欠席のメッセージを送った。

 部長だけでいいはずだが、なぜか里沙に送らなければという責任を感じていた。

 決して彼女とは主従関係があるとかではない。

 俺は飼いならされた犬ではないと断じて否定しよう。


 まずは、装飾品などを買うために駅前の雑貨が揃っている店へ向かうことになった。

 その店に行こうと、ちょうど校門を出たところでパシャパシャと聞き覚えのあるシャッター音が聞こえた。


「あれ? 誰か写真でも取ってるのかな?」


 秋葉が気づいたようだ。

 注意深く周りを見渡すと、音の出所を発見した。

 俺たちから少し離れたところに植えてある木の影から、百田先輩がこちらに向けてカメラを構えていた。


「あ。百田先輩じゃないですか」

「あう! 見つかってしまいましたね。いや、最初から頼めばいい話ですが」


 百田先輩はこの前と同様、カメラのレンズ越しに秋葉と笹川を捉えていた。


「う〜ん。素晴らしい! 鈴木君。あなたは一体何者ですか?」

「何者かと聞かれましても……。普通の高校生ですよ」

「私は確信しています。君にはきっと何かあると」


 今度は俺と山内をカメラのレンズ越しに捉えていた。

 そして、カメラから手を離しペコリとお辞儀をした。


「どうも初めまして。私は2年の百田です。今は高校生活の何気ない日常を写したくて校門で張り込んでいました」

「初めまして。僕は山内です。鈴木君とは同じクラスの友達です」

「私は笹川です。どんどん写してもらっていいですよー!」

「あの……私は秋葉です。写真は苦手です……」


 秋葉はモジモジしながら恥ずかしそうにしていた。


「むむっ! それは申し訳ない。でも、勿体無い!」


 百田先輩は、撮影はしなかったが、秋葉にカメラを向けて唸っていた。


「ひゃああ……」


 秋葉は恥ずかしそうに小さく悲鳴をあげた。

 不覚。頬を赤らめ、カメラから目をそらす秋葉のことを可愛いと思ってしまった。

 やっぱり秋葉は人見知りなんだな。


「先ほど撮らせていただいた1枚、素敵なシーンでしたので私のコレクションにしてもいいですか?」

「もちろんいいですよ。僕たちでよければいつでも声をかけてください」


 山内は、相変わらずの爽やかスマイルで答えた。


「ありがとうございます!」


 百田先輩、目がハートになってる気がします。

 山内はこれがあるからな。女子にとって第一印象だけは良いというわけだ。

 くぅ〜。羨ましいぜ。


 百田先輩は次に、笹川へレンズを向けた。


「笹川さんもその美しい金髪。モデルさんみたいですね」

「お父さんがアメリカ人だから私も金髪なんですよ」


 え!? そうだったのか。今まであまり気にしなかったが、確かに顔立ちもそれっぽい。

 山内と秋葉も知らなかったようで驚いていた。


「そうだったんだぁ。どうりで綺麗なはずだよ」

「知らなかったな。もしかして英語はペラペラかい?」

「英語の話題はやめるんだ〜」


 笹川は山内の頬を拳でグリグリと軽く押した。

 あ。そういうことか。

 何にせよ、自由気ままなその性格は父親譲りかもしれない。


続く

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