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清楚な幼馴染なんて存在するはずがない!  作者: えすけ
恋のあらし吹く文化祭編
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63 先輩とお出かけ

 車窓を通して俺の顔を照らす日差しが眩しい。

 俺の正面にいる柚子先輩も、負けじと眩しい笑顔でその場を照らしている。

 電車のボックス席で柚子先輩、里沙、秋葉、笹川と4人で座り、俺は柚子先輩の横に立つというスタイルでサボちゃん公園に向かっているところだ。

 まさかのハーレムである。

 佐々木部長は不在のため、必然的に女子たちに囲まれながらの小旅行になる。

 時折降り注ぐ周りの視線が痛い。

 きっとこれが俺の全盛期だろう。今のうちにこの光景を目に焼き付けておくか。


「柚子先輩、ずっと聞きたかったんですが佐々木部長とはどんな関係なんですか?」


 秋葉がサラッと柚子先輩に尋ねる。


「ふぇ!? 私と亮君?」

「はい」


 柚子先輩は少し驚いた様子だった。俺は、「ふぇ!?」なんて実際に言う人がいることに驚いた。


「そうだねぇ……。亮君には感謝してるよ。SF研究部に誘ってくれたのも亮君だから」

「そうなんですか。最近気づきましたが、時折、サボテンを見る目と同じような目で佐々木部長を見ていると思います」

「そ……そうかな……!?」


 柚子先輩は少し焦り始めた。


「それって……つまりそういうことですか?」

「私も薄々気づいてました!」


 里沙と笹川も会話に参加した。

 目の前で繰り広げられるガールズトークに耳を傾けながら、俺は外の風景を眺めていた。


「あ……あのね、自分でもよく分からないけど、亮君じゃないと私ダメな気がするの」


 里沙と秋葉と笹川は3人で見合って「きゃ〜」と黄色い声を上げた。

 佐々木部長、あなたも罪な男ですよ。

 合宿の夜に語ってくれたこと、俺は全部覚えています。

 こうなったら佐々木部長と柚子先輩にはくっついてもらうしかありませんね。


「私の予感は的中しましたね。お互い頑張りましょう!」

「うん」


 柚子先輩、俺も応援してます。

 陰ながらが全力で支えましょう!



 さて、サボちゃん公園の最寄駅に到着したわけだが……。

 思っていたよりも近いな。確かに合宿で行くような距離じゃない。

 駅を出るとすぐに公園はあり、チケットを購入して流れるように入園した。


「さっそく行こうよ!」


 柚子先輩は一層張り切り、植物ゾーンの方に行こうとした。


「ちょっと待ってください。途中の動物ゾーンも見ていきましょう!!」


 笹川は爛々としながら大きな地図の看板を指差していた。


「じゃあそっちから行こっか!」


 柚子先輩に案内されるがまま、俺たちは動物ゾーンに向かった。

 この先輩、知り尽くしている。さすがというべきか、ガイドさんみたいだ。


「おお〜! ペンギンもいるのかー!」


 笹川は子供みたいにガラス窓の近くに駆け寄った。

 ペンギンというと水族館にいるようなイメージがあるが、ここも設備はしっかりしてるようだ。


「真美ちゃんも動物大好きなんだね」

「はい。見てると癒されますよ」


 その意見には俺も同意だな。

 里沙と秋葉も可愛いと言いながら、ペンギンに目を奪われていた。


「柚子先輩、動物も好きなんですね」

「そうだよ。私は動物も大好き。だから、ここは私にとって楽園なの。将来はここで働きたいな〜」


 柚子先輩はとても楽しそうだ。

 俺は、動物や植物に囲まれている慈愛の天使のような柚子先輩を容易に想像できた。


続く

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