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清楚な幼馴染なんて存在するはずがない!  作者: えすけ
恋のあらし吹く文化祭編
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56 恋のあらし吹く文化祭

いつも読んでいただきありがとうございます。

明日より3日間、諸事情で更新を止めます。

再開は12月9日(土)です。

何卒、よろしくお願いします。

 嵐ヶ丘高校の文化祭は毎年、10月の終わりに開かれる。

 基本的にクラス単位で出し物をする。どこの高校でも開かれていそうなお決まりパターンの文化祭だろう。


 クラスの委員長である山内が教壇に立ち、話し合いを繰り広げていた。

 まずは、何をやるか。そこから決めなくては。

 クラス全員が紙を渡され、何をやりたいか書くように指示された。

 俺は何の気の迷いか、『メイド喫茶』と記入し、紙を折り曲げ抽選箱の中に放り込んだ。

 全員分の紙が入ったところで、山内は箱に手を突っ込んだ。


「今から1枚だけ引きます。それがこのクラスの出し物ということで。文句はなしだよ」


 山内は勢いよく紙を引くと、ゆっくりと広げた。


「はい。僕たち2組はメイド喫茶をすることになりました」


 あーあ。俺の書いたやつかな。


「え〜〜!」

「うおおおお!」


 女子からはブーイングに近い声が、男子からは歓声が上がった。


「文句はなしだよ。全然決まらなかったからクジで平等に決めようってことだからね」


 実は全然意見がまとまらなかったので、最終手段としてクジで決めるということになったのだ。

 最初は、お化け屋敷やらドリンク販売やら意見が分かれていた。


「よし。これから詳細を詰めていこう!」


 それぞれ意見を出し合いながら、どうやって運営するかを話し合った。

 当番制で女子はメイドを、男子は片付けとメニューの準備をすることになった。

 メニューと言ってもお菓子とジュースを安く提供するだけである。

 メインは何と言ってもメイドだ。


 当番は適当に決められたが、何だかんだ俺と山内と笹川と秋葉は同じ時間帯に組み込まれた。

 ふぅ〜。マジで助かったぜ。

 当番は四回に区切られ、午前の部前半後半、午後の部前半後半のどこかですることになった。

 山内がまず自分が先陣を切ると言うので、俺たちは午前の部前半組になった。

 10時オープンで、1時間ほどの短い間だ。

 メイド喫茶は途中に昼休憩を挟み、午後3時まで開かれるというわけだ。

 その後も細かいところまで詰めると、話し合いは無事終了した。


「今日はここまでにしておきます。また、必要になったら随時話し合いを開くよ。文化祭、絶対に成功させよう!」


 話し合いは放課後に少し食い込んでいた。

 終わるとすぐに部活へと向かった。


「鈴木〜! なみっち! 行くぞ!」


 笹川が元気良く俺と秋葉をかっさらい、Dルームへ向かった。



 他のクラスでも話し合いがされていたようで、皆んな同じようなタイミングでやって来た。


「鈴木のクラスは何をするんだ?」


 部長が聞いてきた。


「メイド喫茶です」

「なにっ!? 絶対に行こうじゃないか! 笹川と秋葉が入っているのはいつだ?」

「2人とも朝の10時から1時間です。俺もその時間帯の当番です」

「よし! 俺とは時間がかぶっていないな」

「部長のクラスは何をするんですか?」

「俺たちはアイスクリーム屋さんだ。気が向いたら食べに来てくれ」

「はい。是非行きます」


 部長は里沙にも同じ質問をした。


「私のクラスはファッョンの展示です。グループに分かれてファッションを考えて、見に来てくれた人に投票してもらいます」

「なるほど。じゃあ関野に1票を投じよう」


 SF研究部の面々は里沙のグループのファッションに票を入れに行くことになった。

 これって組織票ってやつじゃあ……。いや、細かいことは気にするな。


「さて! 我がSF研究部も準備をしていこうじゃないか!」

「亮君! 今年こそはサボテンブース作るからね」


 柚子先輩がヒョイっと部長に顔を近づけ釘を刺した。


「え!? あー……約束してたな……」

「あ! 忘れてたでしょ!」

「そんなことはないぞ! 部長会ではスペースを多くもらえるように頼んできた」

「本当〜? ありがとっ!」


 柚子先輩はそういうと、棚からサボテンを取り出し微笑みながら話しかけていた。


「サボりんをメインに飾ってあげる。去年は写真だけだったから、今年は思う存分楽しもうね。うふふ」


 柚子先輩、やっぱり怖いです。

 ほら、秋葉と里沙も引いてますよ。


「あはは! サボりん可愛いですね!」

「あ。真美ちゃんもわかってくれる? そうなんだよね。特にこのあたりが……」


 笹川は楽しそうにサボテンを突いている。

 痛くないのか?


「おほん! ささ、話を進めるぞ!」


 こうして佐々木部長が司会のもと、SF研究部の研究発表について色々と決められた。

 決められたスペースに展示できれば、どういう形でも大丈夫らしい。

 俺と里沙はパソコンで資料を作り、それをポスターにして展示することにした。


「よし! 鈴木と関野はポスター手配の前準備をしておかないとな。顧問の先生に頼んできてくれ」

「顧問ですか……?」

「そういえば初めてか?」

「はい」


 この部活にも顧問の先生っているのか。

 そりゃいるよな。


「じゃあ今から俺と一緒に挨拶がてら頼みに行くか」

「あ、私も挨拶に行きます」


 秋葉も立ち上がり、俺たちに着いてきた。

 笹川は会ったことがあるみたいだ。


 部長率いる、1年生たちで職員室へ向かった。

 呼び出しをくらったわけではないが、職員室の雰囲気はまだ慣れないところがある。

 一体、誰が顧問の先生だろうか。優しい先生だといいな。


続く

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