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清楚な幼馴染なんて存在するはずがない!  作者: えすけ
素晴らしき高校生活と恋の始まり編
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26 SF研究部の合宿、浜辺にて

 8月に入り少ししたところで待ちに待ったSF研究部の合宿がやって来た。


 2泊3日の旅も2日目、俺たちは海へ遊びに来ている。


「さぁ、思いっきり泳ぐぞ!」

「楽しみですね! 日差しが痛いぐらいです」


 一足先に着替え終わった男子組の俺と部長は砂浜で照りつけるような日を浴びながら女子たちを待っていた。


「お待たせー」


 柚子先輩を筆頭に女子組3人が来た。

 うおおおおおおお!

 神様、感謝いたします。


 3人とも豊満な胸をひっさげて、視線を釘付けにした。



 「早速泳ごうぜー!」


 笹川は勢いよく海に向かって走り出し、いの一番に泳ぎだした。

 さすがの運動神経。自由自在に泳いでいる気がする。


「俺たちも行くか」


 部長の一声で、笹川に続き水へ足をつけた。

 冷たい! よく冷えててすぐに涼しくなりそうだ。


 柚子先輩は腰まで浸かる深さの所まで来た時点でギブアップをした。


「やっぱり私は止めておくよ」

「そうか、柚子はカナヅチだったな」

「うん。海は好きなんだけどね。浮き輪があっても怖いな」

「皆んなで泳いでてよ。私はそこの砂浜で少し休憩してるね」


 そう言うと、柚子先輩は所々に用意してあるパラソルの下へ行ってしまった。

 へぇ。泳げないんだ。

 確かに浮き輪なしで足の着かないところまで行くと、俺でも少し怖いもんな。



 里沙は浮き輪を使って、ゆったりと浮かんでいた。

 かくいう俺も浮き輪を使ってるが。


 部長も泳ぎが得意なようで笹川と張り合いながら、元気よく泳いでいる。


「はぁ……。海なんて久しぶりね。気持ちいいわ」

「冷たすぎるぐらいだな……」


 俺たちは空をボーっと眺めながら、海の開放感を味わっていた。

 それから少しすると、俺は柚子先輩の元に向かった。


「あ、宏介君。もう泳がなくていいの?」

「ええ。少し休憩です」

「そっかぁ……」


 俺と柚子先輩は泳いでいる人たちを遠目で眺めていた。

 泳がずにこうしてるだけでも、意外といいもんだな。

 落ち着くし、風に当たって気持ちがいい。


「そうだ! あの岩場に行ってみない?」


 柚子先輩は少し遠くにある岩場を指差して俺に提案した。


「いいですよ。行ってみましょう」


 岩場に着くと、柚子先輩は目を輝かせた。

 周りでも子どもたちが、虫かごやバケツを持ってはしゃいでいる。


 みたところ、ヤドカリや貝、カニが生息しているようだ。

 そうか、柚子先輩はこういうのが好きだったんだ。


「ほら、見てみて!」

「お、可愛いカニですね」


 手のひらに簡単に乗るようなカニが俺たちの足元を歩いている。

 何を考えているのだろうか。

 俺たちに臆すことなく悠然と歩くその姿に、癒された。


「宏介君、こっちも!」


 少し足場の悪いところに行くと、柚子先輩は滑ってしまった。


「きゃっ! ごめん!」

「大丈夫ですか?」


 幸い、俺の方に向かって寄りかかる形で態勢を崩したので、クッションとなることができた。


 ポヨン。

 そして、今まで味わったことのない感触が俺に当たっていた。


「あ、宏介君のえっち」

「こ、こ、これは不可抗力ですよ!」

「あはは! そんなに焦らなくても大丈夫だよ」


 そう言って、柚子先輩は俺から離れた。

 胸ってあんなに柔らかいんだな。

 まだ温もりと柔らかさが残っている気がする……。



 俺と柚子先輩は、その後も生物観察をしばらく続け、元いたところへと戻った。

 そこではちょうど、部長がビーチボールを膨らましていた。


「お! 戻ってきたな。今からビーチボールで遊ぶとこだ」

「やりましょう!」

「これなら深いところにも行かないし、柚子でもできるだろう」

「うん。私もやるよ!」


 部長がボールを膨らまし終わると、海へ入り、5人で円になった。


「1番ボールを落としたり、変な方向へ飛ばした回数が多かったやつは罰ゲームだ!」


 部長は不敵な笑みを浮かべ俺たちを舐め回すように見つめた。


「え!? どんな罰ゲームですか?」


 里沙が不安そうに聞く。


「ふふふ! お楽しみだ!!」

「燃えてきたー!」


 笹川は俄然、やる気を出した。

 お前が本気を出したら、敵わない。勘弁してくれ。


 その後、きゃっきゃっと打ち合いを楽しんだ。

 ザ・海という感じで楽しいじゃないか。

 これが俗に言う、リア充ってやつか!?


「結果発表! 1番成績が悪かったのは……柚子だ!」

「ええ〜! 私ぃ?」

「そうだ」

「そっかぁ……」

「罰ゲームは明日のお楽しみだ! むふふ」

「早く教えてくれたっていいのにー」

「ははは!」


 佐々木部長、すごく楽しそうですね。



 海をひとしきり楽しむと、旅館へ戻った。

 夜ご飯まで時間があったので先に温泉へ入った俺たちは、部屋でグダグダしていた。

 おっと、さすがに部屋は男子組と女子組で別々だ。

 さすがに一緒はないよな、一緒は……。

 正直、ちょっとがっかりしたのは俺の心の奥にしまっておこう。


 夜ご飯は旅館内の食事の間で振舞われる。

 その日は、海鮮づくしでご馳走が振舞われた。



 そして夜ご飯を食べ終わり、少し休憩した後、また温泉に入りに行った。


「またお風呂に入りに行きますけど、部長はどうします?」

「俺は今日はいいや。また明日の朝、入ろうじゃないか」

「了解です」


 温泉に入りさらにさっぱりした俺は帰り途中、笹川に遭遇した。

 何だか様子がいつもと違うぞ。


続く

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