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聞こえない音





線路と車輪が重なって、リズム良く電車を揺らす。 この音は心地良い、僕だけかもしれないけれど。 この音をゆったり聞けるのは空席が目立つ車内のみだ。朝の通勤時にはそんな音より誰だか分からない密着した隣の誰かを気にしているから。

斜め前に座る学生服の男の子。鞄を抱えて、耳はイヤホンで塞いでいる。 流行りの曲か、もしくはお気に入りの曲なのか。 分からないけど、なんとももったいない。

音はどこにでも存在する。 それを聞こうとしないのは、自分で視野を狭くしているのと同じだと思う。 電車を揺らすこの音も、あの子にとっては雑音なんだろうか。

いつでも聞くことが出来る音で、今しか聞けない音を遮るのは損をしている。なんてことを僕が立ち上がってあの子に説明しても。

意味不明であり余計なことである。 僕が雑音になってしまうのだろう。





リズム良く僕らを揺らす電車。いる場所も、向かう方向も同じなのに。

僕とあの子が聞いてる音は違う。それに聞こえない音も…… 違うものなんだ。





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