執事登場
「ご主人様、お一人で居られるのは危険です。」
「ならば供をせい、ベリアル。」
「御意、何処に参られますか?」
「体術の訓練だ、森に行く。」
「はっ。」
ベリアルならば体術もできるしついでに特殊魔法も教えてもらうか、結構使えそうだしな。
「ベリアル、お前の特殊魔法教えてくれないか?」
「いくらでもお教えいたしますとも、ご主人様にお教えする名誉を賜り光栄にございます。」
そんなに良いものではないと思うんだけどな。まあ、本人が気にしてないならいい・・・のか?
「では、まずは体術から参りましょう。」
「分かった。」
自分で考案した魔闘術を展開する。魔闘術とは何か?それにはこの世界の魔法から説明せねばならない。この世界において魔法は3種類存在すると言われている。一つめは一般魔法、まさしく一般人でも使える物だ。次は魔族のみ使用できる精霊魔法、これはその名の通り純粋な魔族しか使えない(ハーフ達だと使えない)。最後が特殊魔法、個人的に作り出す系統化されていない魔法だ。調べて見た結果、一般魔法と精霊魔法はほぼ同一の物であることが判明した。切っ掛けは些細な物で、フェフが精霊魔法を使って、火を起こした時、精霊に願っていなかったからだ。何時もは願いながら使っていたため何故か、と聞いたらこれくらいはイメージしなくてもできる、と教えてくれた。精霊に願ったりするのはその方がイメージしやすいからなのだろう、それと使用する魔力の質に差がある為だろう。なおこの世界で身体強化の魔法はない。理由としては魔法があるため、肉体の強化の必要が無かった為だろう。魔法を使うものは接近戦は行わない。そのために考案したのが魔闘術だ。魔力が少なくなって負けました、では話にならない。魔闘術は全身に巡る血液の様に魔力を循環させる『身体強化』。身体の皮膚を鋼のように硬くする『身体硬化』。魔法を無効化する『魔鎧』。両手、両足、武器に属性を付与させる『魔刃』の4つだ。今回選んだのは身体強化だ。
「行くぞ。」
「どこからでも。」
地を蹴りベリアルの腹に拳をぶつけようとすると軽く受け止められ、足で蹴りつけても避けられる。こちらが全力で攻撃しても掠りもしない。
「相変わらず強いな、ベリアル」
「いくらご主人様とはいえ、すぐに抜かれる訳にはまいりませんから。」
このあと30分ほど訓練したが手応えは無かった。これでもスキルレベル8なんだけどな。ちなみにベリアルやルシフェルたちはレベルが10である。
「これぐらいで良いか、魔法の訓練に移ろう。」
「畏まりました。」
ベリアル:バアル配下の執事。接近戦と特殊魔法が得意。特殊魔法は、拷問魔法。今回バアルが情報収集の為、活動しているのでご主人様の護衛にとヴェイスの元に向かわせた。
スキルレベル:使用者の力量を表す、鑑定で見るか当人にしかレベルは分からない、レベルが上がると使い方が思考に入ってくるようになるが、生かせるかどうかは当人次第。-10・戦いには使うことさえできないレベル、-9~-6・そもそも鍛える気にもならないレベル、-4~-1・少し苦手かなというレベル、0・一般的な基本値、1~2・初心者レベル、3~4・中級者レベル、5・上級者レベル、6・流派の開祖レベル、7・英雄レベル、8・化け物レベル、9・天下無双レベル、10・神レベル 大体これくらいの基準になります。たまに神童とか言われるのは元からレベルが1~2ある人のことで大抵はいい暮らしができます。マイナスで生まれるものは基本忌み子扱いですが代償に他の能力が高いです。