2年後
ーーーーーそれから2年ーーーーー
無事にルシフェル達(6人)と合流することができ、現在は鍛練の相手や魔法の先生をしてもらっている。すんなり雇われる事ができたのは当主のルークをぶっ飛ばしたからだ。全員から教えてもらいながら鑑定魔法を使ってみたが多数の事実が判明した。まずレベルの上限の解放、これは全員のレベルが上がったため判明した。ちなみに家族のレベルは10~13レベルだった。次にスキルレベルだ、屋敷の凄腕(執事長)や父のスキルレベルを見て7が最高だった。すなわちこの世界でのスキルレベルは比較的低いと思われる。魔力の総量も低いものしかいなかった。ここは頻繁に魔物の襲撃があるため剣術にせよ、魔法にしろ世界でも有数の猛者が揃っている。それで魔力総量が人族で120、魔族で1300であった。なお辺境であるため迫害は少ない、これは力がないものは守られるためで自分の役割を理解しているためでもある。絶対でないのはどうしても偏見を持つものはいるため。
現在、私は城の中庭におり、魔法を放つ。選んだのは火の魔法だ。放つと標的にした木が黒こげになった。
「まあ、集中せずにこの威力ならば、申し分はないだろう。」
精神を集中せずに魔法を放つことは出来なくはないが威力が極端に落ちる。いつ何時襲われるか分からないのだから、とっさに使えるように訓練したほうが安心できる。魔法の詳しい説明は次の機会にしよう。
「十分な威力だと思います、ヴェイス様。」
そうルシフェルが答えてくれる。常に側にいて私を支えてくれている。喧嘩をしなければ完璧なんだが・・・。
ドドドドド・・・・
地響きが聞こえるような感じで足音が聞こえる。
「御坊っちゃま、ご無事ですか?」
フェフが扉から飛び出てくる。顔を真っ青にさせていた。しかし毎日おんなじことをしているのだから、いい加減大丈夫だと信じてくれないだろうか?
「大丈夫だよ、フェフ。ルシフェルもいるし。それに毎日しているんだから怪我なんてしないよ。」
厳密には怪我をしてもすぐに治るからなのだが、言わないほうがいいだろう、訓練ができなくなる。
「いざということがございます。お体を大切になさってください。」
目に涙を浮かべて言ってくる。これをされると何も言えなくなってしまう、純粋に心配してくれているのだからなおのことだ。
「ふん、私が付いているのだから、お怪我なぞなさるはずがないだろう、お前なんぞいても役に立たないだから、廊下の掃除でもしていたらどうだ?」
そう言ってルシフェルがフェフを睨み付けている。相も変わらず仲が悪いな、いったいいつになったら仲良くするのか、いや、喧嘩するほど仲がいいのか・・・。
「あら、あなたが居たんですか?今からは私が御坊っちゃまにお付きしますから、下がってもいいですよ。」
1回止めた事はあるのだが空気が重くなったのでもう止める気も涌かない。今日はいつ終わるのやら。魔法の練習は終わりにして体術の訓練に移ろう。誰か止めるだろうと考え中庭を後にする。
スキルレベル:最大で10レベル。一番下はー10レベル。一般的に才能無しといわれるのはー(マイナス)になっているもの、ちなみにスキルは習得しない限り鑑定で知ることはできない。(主人公のは別でスキルの経験値まで見える、ただし他人のは当人が認めないと最低限度しかみえない。名前、性別、年齢、体力、魔力、殺意があるか)
フェフ:魔族の少女。現在16歳、魔族の特徴である角を一本持つ。魔力は高いのだが運動オンチであるため軍人にはなれなかった、不思議にもメイドの適正は高く、天職であった。