ホーンラビット狩り後オーク狩り
かくして近くの森に来たわけではあるのだが・・・。
「可愛らしいのう。」
モフモフモフ
「は、はぁ。左様でございますか。」
「考えてみればヘルヴェイルにはこんな可愛らしい小動物はいないからな。」
「これは小動物ではないと思います。」
全長5メートル、高さは3メートルはあるだろうか。重量もそれ相応にあるだろうがその生物が腹を見せて仰向けで転がっている。俗にいう降参の姿勢だ。
「昔、第一階層で飼おうとしたことがあったんだけどな・・・。」
「今はいませんが、どうなったのですか?」
「喰われた、巨大カマキリやらトンボにな。他の階層で飼おうにも生存に適してないからな、諦めた。」
「そうですか。」
「私の羽でよろしければいくらでもお触り下さい!」
ルシフェルが人化を解いて羽根を差し出してくる、十二枚ある羽根なのでかなり大きい。
「すぐに戻せ、誰かに見られたら何とする。」
「消します。」
「肥やしくらいにはなるかと思います。」
「容赦ないな、それぐらいは別に構わんが積極的に敵を作るのは感心せん。倒せないと判断した敵以外には極力見せるでないぞ、ただし威圧等は別だがな。」
「「かしこまりました。」」
返事に満足しながらそのホーンラビットを見る。
「敵対したのならばまだしも慕ってくれている生物を殺すのは性に合わんな。かといって依頼を失敗しましたというのも納得がいかん。どうするべきか・・・。」
「御主人様のお気のめすまま。」
ドドドドド
地響きのような音がする、多数の生き物がこちらに来ているのか?ふとホーンラビットを見ると震えながら私の後ろに隠れようとしている。思いっきりはみ出しているが。
「御主人様、多数の生き物が接近中です。どうしますか?」
「どれくらいいるのか分かるか?」
「正確な数までは分かりません、ですがあちらの森からです。とるに足らない存在かと思いますが、警戒はした方がよろしいかと思われます。」
確かに・・・、敵を舐めてかかって怪我を負っては元の子もない。ならば全力で迎え撃つのが筋というものだろう。
「よろしい、では準備を調えろ。」
「「かしこまりました。」」
「ウサ吉は・・・連れていくか。」
「キュ!」
べリアルとルシフェルも共に武器を取りだし構える、私も魔闘気を纏っておき鎧と骨も呼び出す。
『御呼びでしょうか、主よ。』『如何なる御命令でも従います。』
「敵が近寄ってきているようだ、お前達には護衛を命じる。」
『『御意。』』
少し経つと森から大量のオークが出てきた。見渡す限りオークだらけである、正直な話ウザイ。
「「「ブヒヒヒヒ!」」」
ルシフェルに問いかける。
「これは数えるのが無駄だから多数と言ったのか?」
「その通りです。どうしますか?」
「臭いからさっさと処分しよう。・・・いや、魔法の練習に使うか。邪魔が入らないように三体以上近づいたら処分しろ。」
「御意。」
三体向かってくるので、一体をアイアンメイデンの中に放り込む。全部入れるようにイメージしたのだが一体しか入らない。
「ふむ、魔法一つに対して一体しか効果が出ないのか。では同時に幾つまで出るのかな?」
二つ目のアイアンメイデンを出そうとするが反応がない、マジックチェーンで他のオークの両手足を拘束する。
「一つしか出ないようだな、ではマジックチェーンだけで殺るかな。」
ちなみにマジックチェーンは体から出る形になるので私の体からは鎖が繋がっているようにしか見えないであろう。両手足の鎖を四方向に伸ばし磔のようにする、こうしないと引っ張ってもこちらに来るだけだ。鬱陶しいものは近寄らせないに限る。
「では、古代中国のを参考にして」
一気に鎖を戻すように想像するとオークの体が伸びる、簡単には千切れないのは人間と同じだということだろう。数秒耐えたと思ったら千切れた、この方法を行えばアイアンメイデンなどの器具も少しは減るだろう。
《拷問技:車裂き》を習得しました。
「そのままの名前だな、後の一体はどうするか。」
今度はオークの首に枷が付けられる、腕も一帯になっているものだ。その後頭上に巨大な刃が置かれ枷に固定される。
「ギロチンの実物を見たことが無いがこんな物だろう。さようなら。」
ヒュー スパン
首が一瞬で落とされる、人道的という理由で作られた事はあるな。
《拷問器具:ギロチン》を作成しました、使用する場合対象に首枷が装着されます。
「うむ、実に有意義だな。しかしグロテスクなのは余り頂けないな。これ以上は魔闘気の実験台になってもらおう、各自自由戦闘を許可する。殲滅しろ。」
「「『『御意(かしこまりました。)』』」」
放たれた矢のように全員が突っ込んでいく、一番手はルシフェルだ。
「邪魔です。」
オークの股間を蹴りあげロンギヌスの槍で両腕、両足を突き刺し撥ね飛ばした後、火魔法を叩き込んでいる。こんがりと焼かれた良い匂いが漂っていた。
「焼き加減はミディアムにしておきましょう。」
どんな味がするのだろうか、後で食べてみるか。
《火魔法:業火》を習得しました。
「向かう相手の力量くらいは把握してほしいものですね。」
べリアルは向かってきたオークを一瞬で両足を殴り飛ばし針葉樹に突き刺していく。一纏めにした後ヴァジュラで消し炭にしていた。火力が強すぎて原形すら留めていない。
「これにも耐えられませんか、なんと脆弱か。」
ため息をつきながら、そう話すべリアルに対して魔物たちが一斉に距離をとる。
「あっちの奴らを殺るんだ!!」
私の方を指差して突撃してくる、べリアル達が私まで通す事はないが今は止めさせる。鎧と骨の能力も見たいからだ。
『我々を倒せるか?』
『主の元に行かせるものか馬鹿者めが。』
鎧と骨はそれぞれ独立しながら戦い始めている・・・、あれは何だ?何でデュラハンとスケルトンが増えている?
《不死種デュラハン》の作成が可能になりました。
《不死種スケルトン》の作成が可能になりました。
※ただし召喚獣とは違い自我は持ちませんので簡単な命令しか受け付けません。
「そのスケルトンとデュラハン何処からもってきた?」
『『ヘルヴェイルで召喚の方法を学びました。』』
『どうやら骨が有る限り呼び出せるようです。』
『私は魔力によって変わるようです。』
話している間に集中攻撃で魔物を黙らせている、一体に対して五体で当たり串刺しにしているのだ。
「ではこちらも殺るかな。」
試しにオークを蹴り飛ばしてみると木を数本薙ぎ倒しその中に埋もれてしまった。他のオークを蹴っても同じ結果にしかならない。
「これはどういうことか、オークが軽すぎるのか?いやそれならばこのような体格にはならない筈だ、推定でも200キログラムはあるだろう。ならば魔闘気による身体能力の向上か、べリアル相手だとあんまり意味はなかったんだけどな。」
それは相手をしているのがべリアルだったからである、あっという間にオークの群れは全滅した。
「さて、これをどう説明するか。」
全滅させたオークだが証拠がない、少しならばあるのだが大半が燃え尽きたり肉片になったりしていて正視に耐えられないからだ。
「可能な限り集めることにしようか。」
集め終えた後アイテムボックスに放り込む、説明にはオークの肉片(999キログラム)と書かれていた。どうやら個体は重量制限が無いが肉片等の部位になると重量になるらしい。また一つ検証が終わったことに安堵しつつ王都に帰る、良い言い訳が思い浮かばないな。どうするべきか・・・、なるようになるだろう。




