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転生者(仮)  作者: ニド
32/39

宿屋

「では、先程教えてもらった宿屋に行くとしようか、どんな名前だったかな?」

「小鹿の永眠亭ですね。」

・・・それはなんとも言えない名前だな、泊まったら止めがさされるのか?それとも不味い食事が出てくるのか?いや考えるのは止そう、この時間に空いている宿屋が貴重なのだ。それに最悪の想像をしておけば少しでも良いと感じることができるだろう。・・・そう思いたい。

「最低なところだったら馬車で寝るか、その時は詰所に殴り込みに行くぞ。」

「承知しました。」

そうこう話している内に宿屋に到着する。

「着きました、ご主人様。」

「ご苦労様、べリアル。なかなか良い宿屋だな。」

「そうですか?小汚なくご主人様がお泊まりになるには不適切かと思われますが。」

ルシフェルが堂々と意見を言う、少しは周りの目を気にして欲しいが…というよりもヘルヴェイルと比べたら大概のものは不適切だろうよ。そもそも比べることが間違いだ。

「これは趣が有るというんだ、私はこのような落ち着いた雰囲気は好きだな。では入るとしようか。」

ドアを開け中にはいる。


チリンチリン

ドアに吊るしてあった鐘がなる、なるほどこれで来客が来たか分かるようにしているわけだ。

「失礼します、泊まりたいのですが部屋はありますか?」

奥からおばちゃんが出てくる。

「はいよ、良く来たね。えーと3人だね、一晩朝夕食付きで銀貨四枚だね。四人部屋だから少し高めになるのは勘弁しておくれ。」

一人銀貨一枚位か、相場が分からんから高いのか安いのかさっぱりだ。ポケットから銀貨を取る振りをしてアイテムボックスから金貨を取り出す。

「では、これでお願いします。」

「おや!金貨かい、お前さんどっかの貴族様かい?そうは見えないんだけどね。」

「これは親が餞別で持たせてくれたんですよ、他の銀貨なんかは入るときに使ってしまったので申し訳ないですが金貨でお願いします。」

「そうかい、良い親御さんだね。大事にするんだよ。この時間だから酒場になっているけど御飯はあるよ、着いといで。」

ふくよかで元気な人だなと思いつつ着いて行く。御飯は大変美味しく、酒場にいる者たちも絡むには絡むが優しい感じのする絡みだった。心根が分かったのかべリアルとルシフェルも何もしなかった。ちなみに宿の名前の由来は最初は小鹿の安らぎ亭にするつもりだったが既にあるので小鹿の永眠亭にしたそうだ。もう少し考えたらいいと思うのだが。


ーーーー翌朝ーーーー

ゴーン、ゴーン

朝を告げる鐘の音が響く、王都に限らず基本的に朝昼晩の三回鐘が鳴らされる。朝の鐘で城門が開き、晩の鐘が鳴った時点で城門は閉められる、特使や伝令以外は中に入ることはできない。

「おはようございます、御主人様。お疲れはとれましたか?」

「うん、名前でびっくりしたが良い宿だな。さて、朝御飯を食べに行くか。」

「「かしこまりました。」」

一階にある食堂に行くと何人かが食事を採っていた、シチューのいい臭いがここまで漂ってくる。ぐうーと腹の虫がなる。

「おや?下りてきたかい、坊っちゃん。空いてる席に座りな、持っていってやるからよ。」

厨房の奥にいた髭の親父が話しかけてくる。私と同じ年の息子がいたそうだが馬車に牽かれて死んでしまったらしい、その為私の事を息子のように思いたいと昨日の酒の席で言っていたのだ。悪い気はしないので構わないと伝えている。

「これだけいい臭いがしてますので自然に目が覚めてしまいましてね。」

「お、嬉しい事言ってくれるね。おまけだ、昼飯も作ってやるよ。すぐに出来るからな。」

昼食代が浮くのならそれに越したことは無い、素直に甘えるとしよう。食事はすぐに運ばれてきた、内容はビーフシチュー(大盛り)とパン(固め)だ。少し濃い目に作られたシチューはパンにつけると相性抜群でお代わりまでしてしまったほどだ。夢中で食事を終え宿から出る。

「では、行って来ます。」

「気をつけていくんだよ、裏路地なんかには行かないようにね。」

「ご忠告感謝します、でもそんなところには近寄りませんよ。では。」

そう言いながら外に出る、まあ絡まれた場合はその限りではないがね。歩きながらルシフェル、べリアルに指示を出す。

「べリアル、お前はこの街の商店で大きめの屋敷を探せ。比較的大きければ問題はない。金はこれから稼ぐから値段もな。」

「承知しました。」

ヘルヴェイルとの移動のために屋敷は必要だ、大きければ擬装の必要も減る。

「ルシフェル、お前は物価並びにこの街の見取り図を作製せよ、最悪の場合この街を戦場にする事も覚悟せねばならんからな。地下は後日調べるから不要だ。」

「承知しました、ご主人様はいかがなさるのですか?」

私の事を心配して聞いてくる。

「私は冒険者ギルドに向かう、こちらの平均的な強さも知りたいし、ギルドカードも作りたいからな。」

「「危険です、私が護衛を!!」」

二人が同じく声を上げる。

「護衛は鎧と骨がおる、心配はない。お前たちも気を付けるように、敵対するものがいた場合容赦なく殺せ、背後関係を洗ってから人目に付かないところでな。その暇が無いときは躊躇せずともよい。」

「「・・・かしこまりました、御身を大切になさいますよう。伏してお願いします。」」

「不満があるかもしれんが子供の方が油断を誘えるのでな。では行動に移れ。」

「「かしこまりました。」」

かくして三方向に別れるのだった。

冒険者ギルド:この世界における何でも屋、ランクは1から10まである、現在ランク10は一人だけ。国に対して独立しており戦争に参加する義務はない、ただし魔物の襲撃には参加しなければならない。

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