後始末
空間に黒い点が現れたと思うと、それが二メートルほどの門になり開く。
「遅れまして申し訳御座いません、ご主人様。」
現れてから直ぐに謝ってくるがそんなに待っているわけではないので、
「それほど待ったわけではない、頭を上げよ。」
「お許しいただきありがとうございます。」
「先にあそこにいるもの達を治してやれ、これからのことはその後に決める。」
「かしこまりました。」
負傷しているもの達に近寄り治療魔法による回復を行う。腕が無くなっていても生えてくるんだな、こう傷口からうにょうにょと、気持ち悪いな。まあ人体実験ができて良かった、自分でやるのに抵抗があったんだよね。
「治療終わりました。息が有るものは五体満足になっています、先天的な病気も治しておきました。」
「そこまでサービスしなくても良いと思うがな。」
「最高位の治療魔法だと治ってしまいますので仕方がないかと思われます。」
「じゃあ仕方ないか。ベリアルお茶。」
「かしこまりました。」
無事になった者達に駆け寄っているのは家族だろう。死体が甦るとか変な噂が立つと厄介な事態になるしな、死んだ者達には悪いがそれで手を打って貰おう。
「お茶が入りました、ご主人様」
「ありがとうベリアル、そう言えばお前の方には何か来たのか?」
聞くと雑魚は来たらしいのだが手応えがありそうなのはいなかったそうだ。
「怪我を負ったもの達の治療をしていただき誠にありがとうございます。」
「「「ありがとうございます。」」」
今村人全員からお礼を言われている、最初に挨拶したのはここの村長だ。
「お礼ならばご主人様におっしゃってください。私はご命令に従っただけです。」
予想通りの返しやっとるよ。
「ルシフェル、礼は受けとるものだぞ。それに村長よ、ただで助けたとは言ってはおらんぞ。分かっておるのか?」
村長が少年と言っても良い私を見て唖然とするが、話は先に進める。
「今この村でいくら出せる?それを知ってから金額を決める。」
「今村はこんな状態なのですが・・・」
「片ずけが終わってからで結構ですよ、死者の弔いには時間がかかるでしょうから。」
「申し訳ありません。」
「いえいえ、お気になさらず。」
こちらが気にしていないと言うとゆっくりと死者達を弔い始めた。弔いと言っても穴を掘って埋めるだけなのだが。
「妾からも礼を言う、部下の命を救ってくれて感謝しておる。」
上から目線で話し掛けてくる少女がそう言うと頭を下げた。ふむ、この少女大物だな、身分が分からない人間に対して頭を下げることのできる人間は稀だろう。特に自分より年下の人間なら尚更だ。
「別に大したことをしたわけではありませんよ。後れ馳せながら自己紹介を致しましょうか、私はヴェイスと申します。今は都にある学院に向かっている途中です。貴女のお名前も伺ってよろしいでしょうか?」
私が仰仰しく礼をすると彼女もドレスの裾を摘まみ返事をする。
「妾はソミュア・レ・シェフィールド。隣国シェフィールドの王女じゃ。よろしくのヴェイス殿。」
これは驚いた、まさか隣国の人間とは。
「こちらもよろしくお願いします。こちらの執事がベリアル、メイドはルシフェル、こちらの仮面を着けたものは骨と言います。」
「そちらの鎧は違うのか?」
鎧はデュラハン・ロードの事だ。
「これから見ることは他言無用に出来ますか?」
私が真剣に聞くと彼女は頷く、だがそれでは弱い。
「貴女の護衛の方々は?」
そう聞くとビックリして頷いている。
「その言葉を信じるとしましょう。デュラハン・ロード、私に仕える気はあるか?」
『無論、我が全身全霊を持ってお守りいたしましょう。』
「よろしい、では一時送還した後に生け贄召喚でまた呼び出す。良いな?」
『かしこまりました。』
一旦送還した後盗賊の死体を集める。足りなかったら生きている盗賊も使うか。




